天秤の島

“陽月の間に誇る桜”エリアス・シェーレンベルクは自殺を図った
父・フェルナンドのある言葉に失望して、その果てに辿り着いた事実に絶望して

「全ての穢れに呪いあれ」　彼の日記には最後にそう書き殴られていた

彼の死後、デウスデアは“散桜病（さんおうびょう）”という病とも呪いとも取れる症状が発生・流行。同時期にシェーレンベルグ邸を中心に魔域と思しき黒い桜の木が現れた
それらの解決のために名家も冒険者も動き出す

妨害する擯斥派、暗部に蠢く奈落騎士

物語の鍵を握るのは　“慈愛”の神罰
最初に辿り着くのはどの勢力か――

エリアスの死後、穢れを有する人達にのみ発症し始めた病気とも呪いとも呼べる症状
体に桜の枝とも皹とも思える模様があらわれ、やがて蕾の模様、最後その蕾が開花に至ると末端から灰のように身体が崩壊するという、人としての形で死に至ることのない症状でもある
これは穢れの度合いによって進行の早さが違うのではと患者のカルテから読み取れる

「特殊能力を無効化する」力を持つとされる神罰
しかし、現在その適合者が誰かは判明しておらず、いずれの勢力にも探されている

父・フェルナンドのある言葉に失望し、辿り着いた事実に絶望して地下牢の中で刃を突き立てた形で自死を迎えた。享年18歳
死後、その魂は発生した“奈落の核”を揺り籠にして眠りについている

“散桜病”について解決を図るべく会議・行動をしている
特に玄陣営の半数近くは“散桜病”の影響を受け戦力が瓦解しており、早急な解決を目指そうとしているが、随所で妨害を図られている様子

“散桜病”を「神による祝福の浄化」と認識しており、これらについて解決に動こうとする人達の妨害に動いている
筆頭であるエウラリアは定期的に“奈落の核”で眠るエリアスの下に通っており、間接的に愛着行為を行っているようだ

“慈愛の神罰”について情報を握る勢力であるものの、その適合者が誰なのかは知らない
デウスデア側は接触を図ろうと試みるも、現在とっかかりが無く絶賛調査中
美徳側も“散桜病”のことを気にかけているようだが、彼等の当面の対象は大罪にあるので介入する気はない様子

“奈落の核”の中で眠るエリアスの魂や“散桜病”そのものに興味を持ちつつも、奈落騎士が狙う肉体は軒並み蛮族であるため、散桜病が全国に範囲が広がるのを危惧している
そのためエリアスの魂を完全に懐柔するか消滅させるかを考えあぐねている