クマムラゴウスケさんのブログに書かれた『”バイブル”が生まれる前のハナシ』各記事にインデックスをつけてwikiにまとめています。

さて、前回のエントリーまでで、“5W1H” のうち、4 つの W まで語ってみたのだけれども、今日は 5 つめの W ではなく、H について。つまり、“How” について語ってみようかと。

実は、コレには大きな理由があって、今回語る “How” は、 前回の “What” と非常に密接に絡んでくるモノだからなわけで。つまり、“何” を “どのように” 伝えるかというコトで、前回のエントリーとセットで考えていただければと思っている。

で、その “How” なのだけれども、まず Buzz/Viral 型、そして Advocacy 型のいずれにおいても共通する前提がある。ソレは、ソーシャル メディア マーケティングは、純然たる広告とは異なる、というコト。

広告は、広告枠を購入するということで、自社の都合で、自社の好きなコトを、(枠さえあれば) 好きな場所で、(よほど問題のあるモノでなければ) 好きな表現で、(コストが負担できるのなら、枠を購入した分) 好きなだけ発信することができるモノとなる。一方、ソーシャル メディア マーケティングの場合、まさに “ソーシャル” と呼ばれるように、実社会における人間関係の構築と似ている。

とくにソーシャル メディア マーケティングの場合、我々が通常の会話で相手の興味、関心やリズム、あるいは空気に合わせていくように、基本的には “聞き上手” であるコトが要求される。つまり、コレは、自社の都合や論理、解釈に基づく、単なる商品やキャンペーン情報の発信、自慢、過度な主張などを避けるというコトを意味する。もちろん、単なる商品やキャンペーン情報の発信などで、場が思いっきり盛り上がるのであれば、その限りでは無いのだけれども、往々にして、そうはいかないわけで…。少なくとも、会話は “話す” だけではなく “聞く” というコトを伴わないと成立しないし、ソーシャル メディア マーケティングでは、この点が最も重要視されるという意識を持つ必要がある。

さて、それでは、Buzz/Viral 型、そして Advocacy 型、それぞれの “How” を深く掘り下げてみよう。

まず、Buzz/Viral 型なのだけれども、コレは、短期間で話題化を行うというコトが目的となる。そのために、まず第一に Buzz-Ability (話題性) や Talk-Ability (人に話したくなる要素) のあるコンテンツを企画・制作していく必要があるというコトを、以前のエントリー (第 17 回) で記した。そして、第二に、そのコンテンツを、いかにして拡げるかという、伝播経路の設計を考えていくコトが重要になってくる。この 2 つのどちらかが欠けていても、Buzz/Viral 型のアプローチは成功しないし、どちらかに偏っていても成功しない。これら両者は、必ずバランスよく実施されなければならないというコトになる。

そして、少なくとも自身が見る限り、失敗と見られるケースの多くは、コンテンツそのものの力が欠けていたりするコトが大半だと思う。コレは、前回のエントリーにも触れたとおり、マーケターとしての立場だけで考えてしまうと、自身が何らかの形で関わった製品やサービスに対する愛着や熱意が、そのままコンテンツそのものの力に反映されるという錯覚を持ってしまうコトにあるかもしれない。そのため、独りよがりにならず、客観的かつ冷静に Buzz-Ability や Talk-Ability の有無及びパワーを検証していく体制を作った方が良いと思っている。

続いて、Advocacy 型なのだけれども、前回ちょっとだけ触れた “誰が言うか” つまり、コミュニケーションの主体者を誰にするか、という部分を、少し掘り下げてみようと思う。

実際、まず考えられるのは、“個人” or “複数人” という点である。つまり、チームやグループとしてコミュニケーションを行うのか、あるいは中のヒト単体で行うのかというコトになる。

もちろん、それぞれにメリットとデメリットがあるのだけれども、ソレは、以下のようになってくるのではないかと思われる。

個人の場合

メリットデメリット
|+個人の顔やキャラクターを出しやすいため、親密なコミュニケーションを展開しやすい
  1. インフルエンサーを社内に置くコトができるため効率的である|
  2. コミュニケーションそのものや、コミュニケーションによって生まれた顧客との関係性が個人にひもづくため、その個人が不在になったとき (異動・退職等) のリスクが大きい
  3. 個人の影響力が企業の影響力を凌駕してしまった場合、企業が、その個人を巧くマネジメントできないと、根本が破たんする|

複数人の場合
メリットデメリット
|
1.属人性に依存しないため、客観的に情報を発信しやすくなる
2.異動・退職等の影響が少ない|
1.属人性がなくなる分、顧客との親密なコミュニケーションが形成しづらい状況を生みやすい
2.複数人間における情報共有やリテラシー、モチベーションの共有が常に要求される
|

もちろん、施策や組織の事情等を熟慮した上で、コミュニケーションの主体者を適切に決めていく必要があるが、こうやって、それぞれのメリット、デメリットを考えていくと、やはり中長期的な展開を考えていくのであれば、いずれにせよ上層部のコミットを得たり、適切な組織を組んでいくコトが、どうしても必要になってくる。そして、何よりも、“後先のプランが無いまま様子を見る” コトは、可能な限り避けたいトコロである。

そういうわけで、今回は “What” の流れを受け、“How” について少し語ってみた。次回は、ようやく 5W1H の最後の部分、“Why” である。

この “Why” は、“なぜ自分たちがソーシャル メディア マーケティングに参加するのか” ではなく、“なぜ顧客がソーシャル メディアの世界に参加するのか” を考えるモノだったりする。言い換えれば “なぜ顧客は、自分たちと対話したいと思っているのか” を一歩踏み込んで考えるステップになる。

こちらについては、次回、詳しく解説するというコトで、今回は、この辺で…。

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