これまで、2 回のエントリーで、ソーシャル メディア マーケティングにおける “Measurement” の本質について色々と解説してきた。一応、いったん整理するということで、長々と語ってきた内容を思いっきりざっくりとまとめて、あらためて並べると、
「費用対効果 (ROAC)」と「投資対効果 (ROMI)」は違う
ソーシャル メディア マーケティング施策の効果測定は “ROMI” で考える
そのため、独自で指標を作り、関係者間で徹底的に共有する
というコトになる。そして、さらに、
中長期的な検証による指標化を、しっかりとプランニングしておく
中長期的に展開していく中で、その指標の精度を向上させるコトを考える
という点が大事だというコトを語ってきた。
また、とくに中長期的な検証による指標化というコトで、その具体的なやり方として、 KCI (Key Communication Indicator) と KPI (Key Performance Inditator) を連動させる評価指標作りというモノについても合わせて語っている。
ただ一方で、このやり方だと、おそらく最初の半年ないし 1 年間は、指標を作っていくだけで精いっぱいになってくるであろう。コレが、ある意味、この方法のネガティヴな側面でもあったりする。正直、こういった指標が確立するまでの約半年から 1 年の間、言うならば不完全な指標をベースにしつつ施策を運営してくコトが許される余裕を持つ企業は、そうそう多くはないかもしれない。
というわけで、今回は “Measurement” のパートの最後として、一貫した効果測定ができるようになるまでに考えておくべき暫定的な効果測定方法をメインに語ってみようと思う。
さて、その暫定的な効果測定方法なのだけれども、実際のトコロ、コレ自体は、それほど大したモノでもなかったりする。いきなり一言で説明するとすれば “ソーシャル メディア マーケティング施策の効果を「Net Promote Score:広告金額換算値」という指標をもって測定する” というやり方だ。
実は、コレはすでに (とくに U.S. では) 一部の企業のソーシャル メディア マーケティング施策の効果測定方法として使用され始めているのだけれども、要は、オンライン広告 による 1 回あたりの Impression 単価を 1 として考え、それぞれユーザーのアクションを、その体験価値の大きさや、他者への WOM に対する影響度等によって重みづけを変えつつ、さらに金額換算した上で評価するという手法になってくる。実際に表にまとめると、以下のようになってくる。
もちろん、コレはほんの一例であり、仮に実際に、コレを適用するのであれば、自分たちで独自に、Weighting の部分のスコアを考えなくてはならない。当然、自分たちが扱う製品やサービスに応じてであったり、あるいは対象となるターゲットによっても、この数値は変化してくるだろう。
実際、こういったカタチで、ソーシャル メディア上に現れる顧客の声を、(かなり大雑把ではあるものの) 数値化して考える、というコトは、非常に意味があると思っている。少なくとも、広告による 1 impression と、ブログにおける 1 ポストは、Engagement という点で考えた場合、その意味付けが違ってくるであろうし、ましてや自分で手間をかけて、(関連する) ビデオを制作して公開するとなると、もっと違ってくるはずだ。少なくとも、ソーシャル メディア マーケティングを考えていくにおいて、こういった Engagament 的な観点で見た意味付けの違いというモノを、何らかのカタチで数値化し、可視化できるような状況を作るというだけでも、非常に大きいと思う。
とはいえ、もちろん、コレはいわゆる通常の広告というフィールドではなく、あくまでもソーシャル メディア上で得られている結果であるため、純粋に広告換算値というカタチでは、なかなか出しにくいところもあるのは否めない。実際には、“もし、この結果を通常の広告で実現するためには、実際に、どの程度のコストが発生するのか” という視点から、妥当性のある金額 (つまり、上記の表で “x” となっている部分) を設定する必要がある点だけは、別途しっかりと押さえておかなくてはならないだろうし、別途広告や宣伝を担当する部門と、事前にしっかりと調整を行った上で、数値を考えていくという流れになっていくはずだ。
さて、一応、今回紹介したソーシャル メディア マーケティング施策の効果を “Net Promote Score:広告金額換算値” という指標をもって測定するやり方は、中長期的に最適な指標を確立していく全段階におけるモノとして考えた方が良いとは思うが、たとえば Buzz/Viral 型で展開させる場合、暫定的なモノとしてではなく、その施策の、いわゆるオフィシャルな効果測定指標としても十分に使えるとは思う。とくに何らかのムービーをコンテンツとして活用するといったケースが絡む場合、なかなか使えると思っている。このあたりは、自分たちが実際に進めていく施策の中身や手法をしっかりと考えつつ、適宜使っていくコトをお勧めする。
そういうわけで、今回は “Measurement” のステップのまとめとして、ソーシャル メディア マーケティング施策の効果を “Net Promote Score:広告金額換算値” という指標をもって測定するやり方について解説してみた。次回は、いよいよ、ソーシャル メディア マーケティングにおける 5 つの基本ステップの最後に位置付けられている、“Optimization” を解説しようと思っている。実際、ソーシャル メディア マーケティングに限らず、多くのオンライン マーケティング施策において、この “Optimization” という考え方は非常に重要なのだけれども、たとえば “Planning” や “Budgeting” あるいは今回解説している “Measurement” において、密な設計が立てられていないがゆえに、一番しわ寄せが生じる部分でもあったりする。そんな現状を踏まえた上で、“Optimization” の重要性と、正しい “Optimization” の仕方について語っていこうと思う。
「費用対効果 (ROAC)」と「投資対効果 (ROMI)」は違う
ソーシャル メディア マーケティング施策の効果測定は “ROMI” で考える
そのため、独自で指標を作り、関係者間で徹底的に共有する
というコトになる。そして、さらに、
中長期的な検証による指標化を、しっかりとプランニングしておく
中長期的に展開していく中で、その指標の精度を向上させるコトを考える
という点が大事だというコトを語ってきた。
また、とくに中長期的な検証による指標化というコトで、その具体的なやり方として、 KCI (Key Communication Indicator) と KPI (Key Performance Inditator) を連動させる評価指標作りというモノについても合わせて語っている。
ただ一方で、このやり方だと、おそらく最初の半年ないし 1 年間は、指標を作っていくだけで精いっぱいになってくるであろう。コレが、ある意味、この方法のネガティヴな側面でもあったりする。正直、こういった指標が確立するまでの約半年から 1 年の間、言うならば不完全な指標をベースにしつつ施策を運営してくコトが許される余裕を持つ企業は、そうそう多くはないかもしれない。
というわけで、今回は “Measurement” のパートの最後として、一貫した効果測定ができるようになるまでに考えておくべき暫定的な効果測定方法をメインに語ってみようと思う。
さて、その暫定的な効果測定方法なのだけれども、実際のトコロ、コレ自体は、それほど大したモノでもなかったりする。いきなり一言で説明するとすれば “ソーシャル メディア マーケティング施策の効果を「Net Promote Score:広告金額換算値」という指標をもって測定する” というやり方だ。
実は、コレはすでに (とくに U.S. では) 一部の企業のソーシャル メディア マーケティング施策の効果測定方法として使用され始めているのだけれども、要は、オンライン広告 による 1 回あたりの Impression 単価を 1 として考え、それぞれユーザーのアクションを、その体験価値の大きさや、他者への WOM に対する影響度等によって重みづけを変えつつ、さらに金額換算した上で評価するという手法になってくる。実際に表にまとめると、以下のようになってくる。
Behavior | Action | Detail | Weighting |
Exposure | Impression | - | 1x |
Visit | Click Through | - | 4x |
Post | Blog | Information | 20x |
Positive Review | 30x | ||
Negative Review | -30x | ||
Positive Recommend | 50x | ||
Negative Recommend | -50x | ||
Tumblr | Information | 10x | |
via: Link | 10x | ||
Positive Review | 15x | ||
Negative Review | -15x | ||
Positive Recommend | 25x | ||
Negative Recommend | -25x | ||
Information | 10x | ||
ReTweet | 10x | ||
Positive Review | 15x | ||
Negative Review | -15x | ||
Positive Recommend | 25x | ||
Negative Recommend | -25x | ||
Review | Positive Comment | - | 10x |
Negative Comment | - | -10x | |
Video | View Video | - | 5x |
Rate Video | - | 10x | |
Share Video | - | 30x | |
Embed Video | - | 50x | |
Create Video | - | 100x | |
Blog Parts | Same as Video | - | 50% of Video |
もちろん、コレはほんの一例であり、仮に実際に、コレを適用するのであれば、自分たちで独自に、Weighting の部分のスコアを考えなくてはならない。当然、自分たちが扱う製品やサービスに応じてであったり、あるいは対象となるターゲットによっても、この数値は変化してくるだろう。
実際、こういったカタチで、ソーシャル メディア上に現れる顧客の声を、(かなり大雑把ではあるものの) 数値化して考える、というコトは、非常に意味があると思っている。少なくとも、広告による 1 impression と、ブログにおける 1 ポストは、Engagement という点で考えた場合、その意味付けが違ってくるであろうし、ましてや自分で手間をかけて、(関連する) ビデオを制作して公開するとなると、もっと違ってくるはずだ。少なくとも、ソーシャル メディア マーケティングを考えていくにおいて、こういった Engagament 的な観点で見た意味付けの違いというモノを、何らかのカタチで数値化し、可視化できるような状況を作るというだけでも、非常に大きいと思う。
とはいえ、もちろん、コレはいわゆる通常の広告というフィールドではなく、あくまでもソーシャル メディア上で得られている結果であるため、純粋に広告換算値というカタチでは、なかなか出しにくいところもあるのは否めない。実際には、“もし、この結果を通常の広告で実現するためには、実際に、どの程度のコストが発生するのか” という視点から、妥当性のある金額 (つまり、上記の表で “x” となっている部分) を設定する必要がある点だけは、別途しっかりと押さえておかなくてはならないだろうし、別途広告や宣伝を担当する部門と、事前にしっかりと調整を行った上で、数値を考えていくという流れになっていくはずだ。
さて、一応、今回紹介したソーシャル メディア マーケティング施策の効果を “Net Promote Score:広告金額換算値” という指標をもって測定するやり方は、中長期的に最適な指標を確立していく全段階におけるモノとして考えた方が良いとは思うが、たとえば Buzz/Viral 型で展開させる場合、暫定的なモノとしてではなく、その施策の、いわゆるオフィシャルな効果測定指標としても十分に使えるとは思う。とくに何らかのムービーをコンテンツとして活用するといったケースが絡む場合、なかなか使えると思っている。このあたりは、自分たちが実際に進めていく施策の中身や手法をしっかりと考えつつ、適宜使っていくコトをお勧めする。
そういうわけで、今回は “Measurement” のステップのまとめとして、ソーシャル メディア マーケティング施策の効果を “Net Promote Score:広告金額換算値” という指標をもって測定するやり方について解説してみた。次回は、いよいよ、ソーシャル メディア マーケティングにおける 5 つの基本ステップの最後に位置付けられている、“Optimization” を解説しようと思っている。実際、ソーシャル メディア マーケティングに限らず、多くのオンライン マーケティング施策において、この “Optimization” という考え方は非常に重要なのだけれども、たとえば “Planning” や “Budgeting” あるいは今回解説している “Measurement” において、密な設計が立てられていないがゆえに、一番しわ寄せが生じる部分でもあったりする。そんな現状を踏まえた上で、“Optimization” の重要性と、正しい “Optimization” の仕方について語っていこうと思う。
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t9nzda I really liked your article.Much thanks again. Want more.