クマムラゴウスケさんのブログに書かれた『”バイブル”が生まれる前のハナシ』各記事にインデックスをつけてwikiにまとめています。

ソーシャル メディア マーケティングの基本概念は、先日 smashmedia でも “群盲、象をなでる” かのようだと語られている通り、自身の立ち位置や目指す方向性、そして個々の考える理想形によって、大きく異なった形で形成されるのだけれども、企業として取り組んでいくにあたって、ひとりひとりのマーケターが “群盲” の状態で取り組んでいっては、もちろんハナシにならない。そのため、社内の共通言語として用いる概念を統一させ、ソレを普及させていくコトが重要だと考え、“バイブル” では、その基本概念を以下のように統一してみた。

1.“メディアの 3 類型” という概念のもと
  • 3rd. Party Media (他社メディア)
  • Owned Media (自社メディア)
  • Social Media (ソーシャル メディア)
という 3 つのメディアの相関性を考えた上で、ソーシャル メディアを包括した上で全体的なオンライン マーケティング施策を構築するコト
2.“ソーシャル メディア マーケティングに関するマーケティング概念の整理” を行って、既存顧客・見込み顧客・潜在顧客だけではなく、何らかの形で自社に関わりを持つヒト全てに対する活動を前提にし、中長期的な関係性を構築していくコト
3.“ソーシャル メディア マーケティング (手法) をポジショニングする” という概念のもと、
  • 瞬間的な話題化 vs. 中長期的な関係性
  • 興味・関心のつながり vs. 人と人のつながり
という二軸でバズ/バイラル マーケティングや、ブログ、Twitter によるコミュニケーションなど、ソーシャル メディア マーケティングにおいて用いられる手法を一通りポジショニングするコト
そして、もうひとつ何よりも重要な概念を設定しているのだけれども、今回は、これについてちょっと触れてみようと思うわけで。

そもそも冷静に考えてみると、“ソーシャル メディア マーケティング” というのは、ある意味 ソーシャル メディアの原則と相反した状態の上に成り立っているようなモノであるともいえる。すでに、過去のエントリーでも触れているとおり、ソーシャル メディアは現実社会に近いモノであり、ソレをコントロールしていくコトは、実際には不可能だと言ってもよい。ところが一方で “マーケティング” とは、一定期間に一定のゴールを達成させるために、何らかの形でアウトプットやプロセスをコントロールする活動だともいえるし、そもそもが利害にまみれた活動だったりする。

“ソーシャル メディア” という言葉を “口コミ” に置き換えると、よりイメージしやすいと思うのだけれども、本来の口コミとは、利害関係の伴わない自然発生的なモノであるのに対し、“口コミ マーケティング” 、つまり “マーケティング” という言葉が付くと全く別物となってしまう。実際のところ、口コミマーケティングとは、利害関係、とくに “(企業にとって) 利” の部分を求めるために、“意図的に口コミを発生させる (and/or 広める) 活動” とも言えるかもしれない。

口コミをはじめとした、ソーシャル メディア上における人々の行動は、コントロールするコト自体不可能であるし、そもそも、その行動自体、ソーシャル メディア上における人々が、あくまでも自発的に行うもので、誰からも強制されるものではない。ただ、現実問題、ソーシャル メディア マーケティングを実践するにあたって、そのビジネス施策そのものを 100% 消費者の行動のみにゆだねるような、ある意味ギャンブルをさせてくれるような企業は、ほとんど存在しない。そもそも、ソーシャル メディア上で、消費者が、自分たちの “利” につながるような行動を自発的に起こすまで待たなくてはならないようでは、ビジネスとして成立しない。

そういった中で 4 番目の概念なのだけれども、ソレは

ソーシャル メディアとソーシャル メディア マーケティングは相反するモノであり、ソーシャル メディア マーケティングは、利害関係の無い場所に利害関係を持ち込むコトである” というモノ。

そのために、もちろん “B” ではなく “C” の目線で、消費者と同じ位置に立ち、誠実に行動しなくてはならないというコトを、 “バイブル” では強調している (コレについては、今後別のエントリーでご紹介する予定) し、まず自分たちが積極的に “ひとりのユーザーとして” ソーシャル メディアの世界にしっかりと入り込むコトが非常に重要であるという点を強く訴えている。

おそらく、コレは私と同様、つまり “企業側のマーケティング担当者としてソーシャル メディア マーケティングを推進していく立場” にある方なら、非常によく理解していただけると思うのだけれども、実際のトコロ、社内でソーシャル メディアを “知っている” と答えるヒトは数多くいると思うが、“やっている” と答えるヒトは、実に少ないと感じているはずだ。そして、コレも理解していただけると思うのだけれども、 “知っている” と “やっている” の間には、ものすごく深いキャズムが存在していたりする。

ところが、非常に悲しいコトに、“知っているけれどもやっていない” というヒトによって、ソーシャル メディア マーケティング施策がドライブされてしまうコトが多い。その結果、往々にして見当違いなアプローチになってしまい、最終的には失敗に終わってしまうケースが後を絶たないわけで…。

実際、企業のソーシャル メディア マーケティング施策が成功するか否かは、その企業における個々のマーケターの “実体験に基づくソーシャル メディア習熟度” によって、かなり決まってくるのではないかと思っているし、コレは現在の自身が最も強く意識している課題であったりもするわけで…。

というわけで、ココまでが “バイブル” の第 1 章に相当する部分だったりする。第 2 章では、“ソーシャル メディア マーケティング活動の戦略的ステップ” というテーマで、企業がソーシャル メディア マーケティング活動を実施していくにあたって、どのようなステップで、どう進めていけばよいのかを、細かく解説していくコトになる。

こちらについては、次回以降、要所要所をピックアップしながら、差障りの無い範囲で、ちょっとだけご紹介していこうと思っているので、今回は、このへんで…。

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