クマムラゴウスケさんのブログに書かれた『”バイブル”が生まれる前のハナシ』各記事にインデックスをつけてwikiにまとめています。

さてさて…、長く続いた “5W1H” のハナシも、昨日のエントリーで、ようやく終わりということで。今数えてみたら、9 日間 (!) も、この “5W1H” の話題ばっかり語っていているコトに気付いたのだけれども、少しはお役に立てただろうか…。

今回からは、Planning 編の最終段階である、“基本戦略の策定” なのだけれども、実は、この “基本戦略の策定” にあたって必要な情報であったりポイントは、すでに “5W1H” を明確化する段階で、ほぼほぼ出尽くしていると考えても良かったりする。言い換えれば、ココで基本戦略をしっかりと策定していくために、あらかじめ “5W1H” を明確化する、という作業を踏まえる形で、必要な情報やポイントをしっかりと整理した形で出しちゃう、というコトだ。

つまり、ココでは、どちらかと言うと、これまで散々考えて明確化した “5W1H” を巧く組み合わせて、一つの戦略という形に落とし込んでいくという流れになってくると思う。

で、その際に用いているのが、たびたび、ココでもご紹介している “グランズウェル” にて提唱されている “POST プロセス” である。

グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 (Harvard Business School Press)
この本は、何度も読み返していたりするのだけれども、実際、ココで提唱されている “POST プロセス” は、実によくできている。この “POST プロセス” を丁寧に進めていくコトで、ソーシャル メディア マーケティングにおける、4 つの基本戦略としての軸を確実に、しかも適切な順番で組み立てていくコトができるのだ。

・・・と、コレだけではあまりにもあっさりしすぎてしまっているので、ココから先は “バイブル” に載っている内容や、“載っていないけれども、実は、自分は、こう思っている” というような内容など、多少脱線した形で (いや、今までも、かなり脱線気味ではあったのだけれども…) 、色々とハナシを展開してみようと思っている (実際、載っていない内容の方が、多くなってくると思う) 。

さて、この “POST プロセス” なのだけれども、改めて書くと、この 4 つとなる。
  1. P: People (人間)
ターゲットとなる顧客の使用するテクノロジーを知る
  1. O: Objective (目的)
ゴール設定
  1. S: Strategy (戦略)
実際の戦略立案、そして社内調整等も含まれる
  1. T: Technology(テクノロジー)
上記を定義した後に使用する技術、プラットフォームを考える

こうやって見ていくと、“P” の部分は、まさに “5W1H” の “Who” の部分そのものになってくる。つまり、自社のサービス、商品の顧客がどのようなテクノロジーを使う傾向にあるのかを調べつつ、顧客が参加する可能性のある活動を可能な限り正確に推測していくというコト、となってくる。そして、“バイブル” では、ソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィールが重要であると前置いた上で、実際にソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィールを使うコトができない状況下において、どうすれば、この “P” を明確化できるかを説明している。

ちなみに、改めて出すけれども、コレがソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィールである。

※ 以下は “グランズウェル” p58 を元に作成している
創造者・ブログを公開
・自作の動画を投稿 など
批評者・商品をレビュー
・他者のブログへのコメント など
収集者・コンテンツ/写真/動画等に対するタグ付け
・Web サイトで行われている “投票” 活動への参加 など
加入者・SNS でのプロフィールの更新/他者との関係性構築 など
観察者・他者のブログおよびフォーラム等の記事の閲覧 など
不参加者・上記のいずれにも該当しない

“グランズウェル” のオフィシャルなサイトでは、このソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィールを簡単に調べるコトが可能だ。しかも、簡単に自分のブログに貼りつけられるよう、コードまで提供されている (貼り付けようと思ったのだけれども、自分のブログのコンテンツ エリアの width より大きかったので、いたしかたなくキャプチャ…) 。


こうやって見ると、日本では、いわゆる Creators (つまり創造者) がかなり多い結果になっているのだけれども、実は、果たして、コレが本当に、日本のソーシャル メディア カルチャーの実情を反映しているかというと、意外とそうでもないのでは…、とも思っている。

おそらくは、どちらかと言うと “批評者” として区分されるであろう顧客が、かなり “創造者” としてカウントされてしまっている結果なのではないかとも思うわけで…。いや、ソレもあんまり正しくはなく、むしろ、日本の場合、“創造者” と “批評者” の中間に位置する顧客の割合が高いのではないかとも思っているし、ひょっとしたら “収集者” も含め、実際のトコロ、かなり入り混じった状況になっているのではないかとも思う。

ソレは、日本のブログにおいて、そのブログが一次情報として成立するモノが、実は意外と多くなく、その代わり、完全な二次情報とはいえないものの、非常にクオリティが高く、(その情報のピックアップのセンスや、付加価値および独自性を伴うコメントなどに見られる編集力で) 一次情報にも匹敵するくらいの二次情報を提供しているブログが多いという背景によるモノだと考えている。

そう考えると、ソーシャル・テクノグラフィックス・プロフィールのように、6 つに細分化していくよりは、
  1. “創造者” and/or “批評者” and/or “収集者”
  2. “加入者”
  3. “観察者”
  4. “不参加者”

の 4 つくらいの分け方で十分使えるのではないかとも思っている。

そして、この 4 つで分けていくと、それぞれ
  1. ブログを核に据え、Twitter, Tumblr, ソーシャル ブックマーク等を絡めた複合的なアプローチ
  2. SNS で中長期的な関係性構築をベースにしたアプローチ
  3. 1. と似たようなアプローチになってくるが、二次伝播、三次伝播を狙うよりは、むしろターゲットに的確に伝達させるためのアプローチが中心
  4. そもそも、ソーシャル メディア マーケティングは使わない方が良い

という形になってくるのではないかと考えられる。

もちろん、ターゲットとなる顧客全てが、どこか一つの属性に固まっているというコトはほとんどの場合無く、実際のトコロ、少なくとも上記の 1 から 3 までのアプローチは常に考慮するコトになってくるのだけれども、どの割合が大きくなっているかで、例えば、コンテンツのラインアップや内容であったり、あるいはコミュニケーションを展開させるプラットフォームの優先順位であったりといったコトを、ある程度見極めるコトができるはずだ。

このあたりは、“5W1H” の “Who” の部分だけではなく “Where” の部分まで含めて検証していくことで、自然と基本戦略につながっていくと思う。

そういうわけで、一応今回は “基本戦略の策定” というコトで、“POST プロセス” の “P” についてを (かなーり “バイブル” 本編に含まれていないコトも交えながら) 語ってみた。

次回は “POST プロセス” を考えた場合、その “O” つまりマーケティング施策全体の Objective を考えたときに、どのようにソーシャル メディア マーケティングのプランを策定していけばよいのかについて、掘り下げてみようと思う。

気付けば、もう 25 回。なんとか今年中には、うまくまとめたいと思っている今日この頃。さっそく 3 連休で、どんなネタを書いていこうか悩み中でもあったりするわけで。

というわけで、これからさらに奥深くなっていく Planning 編、ぜひお付き合いください。

このページへのコメント

LYuszh Great post.Really looking forward to read more. Awesome.

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Posted by check this out 2013年12月20日(金) 16:53:19 返信

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