クマムラゴウスケさんのブログに書かれた『”バイブル”が生まれる前のハナシ』各記事にインデックスをつけてwikiにまとめています。

さて、前回に引き続き “Budgeting” についてのハナシ。

どんなソーシャル メディア マーケティング施策を展開していく場合においても、少なくとも最低限の “人的コスト” と “ソーシャル メディア リサーチ/モニタリング コスト” は、必ず発生するモノであり、きちんとしたソーシャル メディア マーケティングを展開していこうと思ったら、どうしても、それ相応のコストが発生するという認識を、まずはしっかりと持つべきだ、というハナシが前回の内容だった。

今回は、そういった概念的なハナシに続くカタチで、実際に展開させる施策によって、どのような “Budgeting” が考えられるのかという点について、少し深く掘り下げてみようと思う。

さて、“Budgeting” を考えるにあたっては、これまでの Buzz/Viral 型と Advocacy 型という 2 類型ではなく、もう少し細かく分けて考えていく必要がある。具体的には、以下のようになってくる。

  1. 自分たちがソーシャル メディアに出向いていくコミュニケーション
  2. Owned Social Media を活用するコミュニケーション
  3. ソーシャル メディアの純広・タイアップ枠を購入するコミュニケーション
  4. C2C コミュニケーション (リサーチ)

つまり、ソーシャル メディアを自分たちで用意するか、あるいはすでに出来上がっているソーシャル メディアの世界でコミュニケーションを展開するかという点がポイントになってくる。

以下、それぞれに対する “Budgeting” の考え方を少し解説してみよう。

1.自分たちがソーシャル メディアに出向いていくコミュニケーション
おそらく、ソーシャル メディア マーケティングにおいて、もっとも基本的なコミュニケーション活動になってくる。
ここでは、どのコミュニケーションにおいても必ず発生する人的コスト、そして現状把握や分析のためのソーシャル メディア リサーチ/モニタリング コストのほかに、企画・開発・運用に携わってくるエージェンシー コストが発生してくると考えられる。
このコミュニケーションの場合、自分たちが相手側 (つまり顧客側) に出向き、相手側の領域でコミュニケーションを取ることが基本となるので、まず控えめな活動から開始することがポイントになってくる。このため、ある程度の期間を考慮しなくてはならないのだけれども、そのために確実にエージェンシー コストが問われてくるコトになるので、展開内容、そして期間を鑑みつつ、この部分への “Budgeting” をしっかりと確保しておく必要がある。
2.Owned Social Media を活用するコミュニケーション
自分たちでブログや Twitter アカウント等を開設するカタチ、つまり “Owned Social Media” を介するカタチで、顧客や潜在顧客とのコミュニケーションを取る活動になってくる。
この場合、Owned Media 内での活動となるため、上記の、“自分たちがソーシャル メディアに出向いていくコミュニケーション” と比して、やや直接的なメッセージ発信やコミュニケーションを取ることが可能になってくる。
ここでは、人的コスト、そして現状把握や分析のためのソーシャル メディア リサーチ/モニタリング コスト、さらに企画・開発・運用に携わってくるエージェンシー コストの他に、Owned Social Media の利用料または運用費が考えられてくる。
この Owned Social Media の利用料や運用費は、インフラに対するイニシャル コスト、およびランニング コストになってくる。コレも、もちろんエージェンシー コストと同様、展開する内容や期間に応じて変動してくるため、合わせて過不足なく確保しておく必要がある。
3.ソーシャル メディアの純広・タイアップ枠を購入するコミュニケーション
コレは、比較的短期間で話題を向上させる Buzz/Viral 型の施策が該当してくる。
以前解説したように、いわゆる口コミで拡がるポテンシャルを持った Buzz-Ability (話題性)、Talk-Ability (人に話したくなる要素) の強いコンテンツを企画・制作し、それをソーシャル メディア上で発火させるためのコミュニケーション活動になってくる。
ココで発生するコストは人的コストとソーシャル メディア リサーチ/モニタリング コストのほかに、Buzz コンテンツの企画制作費及びソーシャル メディア の Tie-Up コスト (ソーシャル メディアにおけるタイアップや純広費) などが考えられてくる。
コレも、以前解説したように、基本的に Buzz-Ability (話題性)、Talk-Ability (人に話したくなる要素) の強いコンテンツを作るためには、それ相応のコストを負担するコトが不可欠な状況になってくるため、企画製作費等にもしっかりと予算を確保しておく必要がある。
4.C2C コミュニケーション (リサーチ)
コレは、C2C コミュニケーションにおける Organic WOM の動き、そしてレビューや推奨などをリサーチしつつ、ソコから得られたインサイトを、商品開発・技術改良、あるいはマーケティングプロセスの改善などにフィードバックする活動となる。つまり、どちらかというとコミュニケーションというよりは、リサーチ活動になってくる。
ココで発生するコストは、どのコミュニケーションにおいても必ず発生する人的コスト、そして現状把握や分析のためのソーシャル メディア リサーチ/モニタリング コストになってくる。
コレは、自分たちがソーシャル メディア上で積極的なコミュニケーション活動を伴うカタチにはならないが、非常に重要なモノであるし、上記の全てのコミュニケーション活動の土台となると言ってもよい。実際に、ソーシャル メディア マーケティング施策を開始する際には、まず少なくとも、このケースを進めていくにあたって、しっかりと予算を確保できるかを十分確認し、関係各所のコンセンサスが取れるコトを前提にしておく方がよいだろう。
以上が、“Budgeting” という点でソーシャル メディア マーケティング施策を考えた場合における、そのコミュニケーション方法と、発生してくるコストなのだけれども、これらを簡単にまとめると、以下のようになる。
コストの種別1.2.3.4.
人的コスト$$$$
ソーシャル メディア リサーチ/モニタリング コスト$$$$
エージェンシー コスト$$$-
Owned Media 利用/運用コスト-$--
コンテンツ企画制作費 and/or タイアップ コスト--$-

こうやって見てみると、それぞれの手法で、どのようなコストが発生してくるかが、何となくイメージできると思う。もちろん、コレだけで全てが賄えない可能性もあるのだけれども、少なくとも最初に施策を考えていくにあたって、少なくとも、これだけのコスト意識は持っておいた方が進めやすい。

“Buegeting” を語っていく中で、最後にまとめるとすれば、どんな施策を走らせるにしても、少なからず (最低でも自分自身に対して発生する) 人的コストは決して避けられないであろうし、ソーシャル メディア マーケティングの本質を考えた上で、絶対にソーシャル メディア リサーチ/モニタリング コストは切り離せない (もちろん切り離した状態で走らせるコトもできるが、少なくとも成功する可能性はきわめて低い) という点をしっかりと押さえておく、というコトになってくる。

“バイブル” では、こういったコストに関する解説を非常に密に行っており、少なくとも “ソーシャル メディア マーケティングは、コストをかけなくてもできる” という、ある意味都市伝説に近いようなイメージを、まず払拭するトコロから始まっている。

その最たる理由は、“おカネが無いから、とりあえずソーシャル メディア マーケティングでもやるか” という発想は決してしないように認識を改めるというトコロにある。

とくに “Budgeting” という部分になってくると、もちろんおカネが絡むだけあって、非常にシビアになってくるし、必然的に多くのステークホルダーが関わってくるようになる。ソーシャル メディア マーケティングを取り巻く環境は日々変化し続けているので、このステップで必要以上の時間をかけないように、こういった考え方を、事前にしっかりと組織の中に浸透させていく必要があるのだ。

ということで、今回は “Budgeting” に関してなのだけれども、次回は、その次のステップである “Deployment” について深く解説していこうと思う。ココから本格的にソーシャル メディア マーケティング施策を携えて、ソーシャル メディアという広い海に漕ぎ出すコトとなる。

このページへのコメント

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Posted by watch for this 2013年12月20日(金) 12:48:43 返信

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