クマムラゴウスケさんのブログに書かれた『”バイブル”が生まれる前のハナシ』各記事にインデックスをつけてwikiにまとめています。

さて前回は、ソーシャル メディア マーケティングにおける 2 つの展開手法のうち、Buzz/Viral 型に関して、簡単に解説してみた。ただ実際、Buzz/Viral 型が、あれだけの分量で全て語れているとは、全く思っていないし、そもそも、ソーシャル メディア マーケティング施策において、“コレが王道だ” というような方法は、実は無かったりすると思っている (もちろん、失敗の王道はあったりするし、どちらかと言うと “バイブル” では、失敗する可能性を極力低減させるようなアドバイスを中心に解説しているという感じだったりする) 。

実際問題として、施策を展開する組織の文化や状態、製品やサービスの特性や顧客のターゲット、その他細かいトコロで、非常に面倒な微調整を行わなくてはならない。自身が身を置いている企業では、みなさんもご存じのとおりビジネスの幅が広いし、顧客も様々だったりする。もちろん “バイブル” では、ソレを可能な限りまとめているのだけれども、実際には、個々の部門に対して、“バイブル” をベースにした “ワークショップ” を社内で実施している。その “ワークショップ” では、より具体的な案件を想定して、その仮想案件のパフォーマンスを最大化させるためには、どうすればよいかというトコロを徹底的にディスカッションしている。ソコで個々の部門の扱う製品やサービス、そして顧客の状況をヒアリングしつつ、的確な方法論を導き出すための微調整を行っていたりするわけで。

そんなわけで、“バイブル” は、あくまでも参考としての位置づけになっているし、もちろん、ココに公開している “そのほんの一部” も、そういった解釈で読んでいただければ…、と思っているわけで。

さて、前置きがやたらと長くなってしまったのだけれども、今回は、前回の続きというコトで、Buzz/Viral 型に対する、もうひとつの手法、Advocacy 型に関して、少しご紹介してみようと思う。

これまで述べている通り、当たり前だけれども、中長期的な取り組みは、一朝一夕で効果が出るものではない、というコトを、まず前提において考える必要がある。特に今回解説する Advocacy 型は、短期的には自社の利益につながらなくても、顧客に奉仕し、良好な関係性を構築するコトで、その loyalty を高め、結果として中長期的に企業に対して利益をもたらしてくれる顧客を育成することが主目的となるわけで。

実際、Advocacy 型の展開手法の場合、良し悪しは別にして、結果そのものがゆっくりと時間をかけた中で見えてくるコトになる。そのため期間は数ヶ月間、ましてや数週間といった短いモノではなく、できる限り 1 年以上続けることを前提としたプランニングを行っていくコトが必要になってくる。また、そのために、中長期的な ROMI や KPI 等の設定を行い、ソレに対して、定期的に最適化を行うというプロセスやサイクルを、ある意味ルールとして実践していく必要があったりする。

さて、ココで前回のおさらい的なハナシになってくるのだけれども、Buzz/Viral 型と Advocacy 型では、口コミがなされるトピックそのものが違ってくる。Buzz/Viral 型によって口コミがなされるモノは、いわゆる “バズ コンテンツ” であるのに対し、この Advocacy 型で口コミがなされる内容は、どちらかと言うと、製品やサービスに関する直接的なレビューや推奨、そして評判といったモノになってくる。

これらの口コミ自体、“バズ コンテンツ” によるモノとは違い、短期的に爆発することは、よほどのモノでもない限り無いのだけれども、逆に顧客との中長期的な関係性を構築していく中で、ゆっくりと時間をかけて醸成されていく傾向にある。コレは、もちろん一朝一夕では逆転させることが難しいのだけれども、最終的に、時間をかけた結果、自社製品やサービスにおける競争優位性の重要な要素となってくるコトは間違いない。

とはいえ、やっぱり Advocacy 型は地味だったりする。そして、Buzz/Viral 型の瞬発力や華々しさは、どうしても、“爆発的に口コミが拡がって、その結果短期的に売り上げがどんどん上がって…” という一発逆転的な夢を企業の担当者に描かせてしまうくらい魅力的だ。

ただ、本質を考えると、今後企業に最も求められているのは、Advocacy 型ではないかとも思っている。製品やサービスにおける競争が激化していく中、その競争は、直接的なシェア争いだけではなく、Share Of Social Voice (SOSV) の世界にまで及び始めている。実際、近年では、世界の主な 20 のブランドをインターネット上で検索すると、その約 25% ほどは、ソーシャル メディアに残されている顧客個人個人の書き込みであるとも言われているわけで。

こういった状況下、たとえば競合他社が何らかの形で、顧客 (潜在顧客も含む) との関係性を深めていき、その結果、Advocacy 型の口コミをソーシャル メディア上にどんどん蓄積させてしまうと、そう簡単には覆すことができない状況、つまり中長期的に苦戦を強いられる状況を招きかねない。そして、この状況に気付き始めた企業は、すでに現れており、その数は、今後どんどん増えていくコトは、間違いないだろう。

こういった点を踏まえ、“バイブル” では、Advocacy 型の重要性と合わせて、もうひとつ、“絶えず競合との SOSV をチェックすること” という点を重要項目として解説している。

“Advocacy 型手法 ≒ リレーションシップ マーケティング” と考えられるコトが多いと思うが、Advocacy 型手法を取ったソーシャル メディア マーケティングでは、これまでのリレーションシップ マーケティングではなかなかとらえるコトができなかった SOSV というトコロまで踏み込んだ形でアプローチができる。ココまで含めて考えると、実際に施策を回していくのは非常に大変なコトになってくるとは思うのだけれども、中長期的な結果を考えると大きな武器になってくるコトは間違いないと思うわけで。コレは、今まさに、企業が腹をくくって踏み込んでいくところではないかと思う。

というわけで、ようやく 5 つの基本ステップにおける Planning の部分の “5W1H を考える” トコロの、“最初の W” の解説が終わりとなる (実際 “バイブル” では、もっとボリュームのある内容になっているのだけれども…) 。次回は、“2 番目の W” である “Where” について、あらためて深く掘り下げてみようかと…。

このページへのコメント

VprltN Great blog. Want more.

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Posted by tips about seo 2013年12月21日(土) 13:32:49 返信

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