世界観

ケルディオン大陸の南西に位置する地方です。
気候は大陸性と海洋性の二つに区分され、全体的に一年を通してほとんど常に暖かな気候に恵まれていますが、内陸部になるほど典型的な大陸性の砂漠気候で夏と冬の差が大きく出るため、北部と南西部では違いがみられます。
日照量や降水量は共に豊富で、特に夏季の平均気温が高いため、冬の気温が低い北部では四季の変化が明瞭です。傾向としては北部や東部は温かく湿潤で、南部になるほどより暑く乾燥しています。
こうした特徴から、北部や東部においては農耕や酪農が盛んですが、南部においては鉱業やそのほか羊や肉牛といった家畜の放牧が主な産業となっています。

サラディーン地方にはかつてケルディオン大陸でも栄華を極めた大国―――エンデリア帝国が魔法文明時代に存在していました。しかし数千年にわたる発展と繁栄の末、当時帝国を治めていた魔法王が神に成るための儀式に挑み失敗。それにより帝国が治めていた都市も巻き込まれるように次々と崩壊をむかえたことで、最早その面影は時おり出土する遺物などからしか見て取ることはできません。
しかしながらそれらの遺物は歴史的にみても貴重な資料であることから高値で取引されるケースが多く、決して危険の少なくない土地でありながらこの土地へ訪れるものは後を絶ちません。ある者は一獲千金を夢見る冒険者として、ある者は旧き時代の神秘を解明するべく探求心を胸に秘め、ある者は生きるために傭兵となり、今日も様々な志を抱いた者たちがこの地へと足を踏み入れ、その行方は砂塵と共に途絶えています。

地方の中部には、長命種のメリアが樹化した結果生じた大樹を中心に繁栄した『”知識集う国”サンドリア』が存在し、その名が示す通り、ケルディオン大陸の中でも最高峰の学び舎を誇ります。
この学び舎は魔術だけではなくあらゆる分野の研鑽や研究を行っている総合学術機関として知られており、知識と技術の拠点として才ある人物たちが大陸全土から集まっています。

サラディーン地方のスポット

【ウバラ山脈】 
 サンドリアの北東に広がる広大な山脈地帯です。
 高地のほとんどは純度の高い氷で覆われており、太陽などの光に照らされると青く光り輝くことから、「青蓮山脈」とも呼ばれています。
 あまりに寒冷なことからこの環境に適応できた一部の生物しか生息できず、人族や蛮族などの住民はほとんどいません。
 しかし、不思議なことにこれらの山々では神紀文明時代の遺物が度々発見されており、年に数度サンドリアから派遣された調査団による調査が行われています。

【暗黒の森】 
 サンドリアの北東に広がる広大な森です。
 さまざまな幻獣や蛮族が暮らしているほか、人族社会に馴染めなかった一部の者たちが隠棲するようにこの森で暮らしていることもあり、極めて危険な場所です。
 しかしこの森には良質の樹木が多く、現在はサンドリアへのさらなる材木供給を目的としたプロジェクトが進められていますが、この森で伐採を行おうとするものたちは稀なほか、未だ全容がはっきりしていないところも多く、計画は難航しています。

【木漏れ日の森】 
 地方中央部に広がる、比較的安全なことで知られる豊かな森です。外縁などの浅い部分では町や村々から訪れた者が薪や木の実を採りに入ることもあります。
 奥に進むほどマナが濃く、妖精や知的な生物の姿を見ることができ、それらの生物に因んでいると思しき伝承も数多く吟遊詩人によって歌われていますが、そのお話が真実に基づくものであるのかはわかっていないものが殆どです。

【ユンディール砂漠】 
 地方南西部に広がる広大な砂漠です。ユンディール砂漠は移動手段として馬よりも、一般的にはラクダや砂上船(魔船艇の一種)が好まれて利用されます。
 この砂漠はかつて魔法文明時代にサラディーン地方一帯を統治していた帝国の崩壊から生まれたとされ、それを証明するように、砂の中には未だ古代魔法文明様式の遺跡や遺物がしばしば発見されています。
 同時に、魔動機文明時代に周辺諸国がこの砂漠を調査しようとした痕跡も根強く残っており、砂漠では時折、主を失った魔動機が訪れた者を侵入者と見做して攻撃するケースも発生しています。
 砂漠の各地では古代文明の末裔だと自称する精強な砂漠の民が暮らしており、砂漠に眠る謎を暴こうとする開拓者に対して好意的な態度を示す者から、帝国の遺産を守るべく敵意を抱く者まで様々であり、複数の派閥に分かれたそれぞれが独自の信念と行動規範に基づき暮らしています。
 そのため、砂漠の民が異なる派閥間を行き来する場合には争いが勃発することもあり、また他にも、アンドロスコーピオンやバジリスクなどの強大な蛮族など様々な脅威が存在していることもあってか、生物が生存し繁栄していくには非常に過酷な環境となっています。

【嘆きの峡谷】 
 キエナの北西に位置する峡谷です。
 いたるところに大小さまざまな窪みがあり、岩々の間に強い風が吹くたび、まるで笛を吹くような不気味な音がすることからその名前が付けられました。
 マナタイトの鉱石をはじめとしたさまざまな鉱物資源の宝庫として知られていますが、窪みのなかを住処とする、蛮族や略奪を生業とする砂漠の民により、サラディーン地方においても危険な土地のひとつとして数えられています。

【ナディアの残骸】 
 地方の南西部に位置する、かつて栄華を極めた大国の首都が存在していたと思しき場所に広がる大穴です。
 最深部は暗闇に包まれており降下するには何らかの手段を企てなければなりませんが、大穴のなかに乱雑に混在する遺跡からは度々、魔法文明時代を由来とする未知の遺物や『遺失魔法』などが見つかることも多く、危険を承知で探索するものはキエナの町の発展も相まって、後を絶ちません。
 〈大破局〉の際にはこの大穴から多数の魔神が出現し、多くの人族領域を危機に追いやった(または、壊滅させた)ことでも知られ、噂では最深部には巨大な奈落の魔域が存在するとも、禁忌を冒した魔法王が神々により封じられているのだとも言われていますが、真相は定かではありません。
 周辺では現在も新たな遺跡が発見されることも珍しくないほか、また、二度と〈大破局〉のような悲劇を起こさぬようにかつての原因の究明を求める声のもと、度々大規模な探索が行われていますが、最深部に到達した者は未だ誰一人としていません。

【巨大樹の森】 
 地方の南東部に位置する、その名の通り高さ80m以上もの木々が生い茂る深緑の森です。
 木の実や山菜など自然の食料が豊富なことで知られますが、同時にそれを求めてやって来た猛獣たちによる独自の生物群集が築かれています。
 エルフやメリアなどの人族も生息しており、時おり巨木の上に築かれた彼らの集落が点在している様子を見ることができます。

【オルトーザ】 
 地方北西部に位置する、サンドリア第二の都市です。
港を通じた貿易や漁業が盛んなことで知られており、交易都市として賑わっています。
 魔法文明時代から幾度も災害や戦火に見舞われ放棄と再興を続けて来ており、そのため都市では歴史ある魔法文明時代の様式が目立つ建造物をみることができます。
地方一の港湾ギルドを有しており、他国から来訪した外洋船などの大型帆船が停泊することも少なくありません。

【”開拓者たちの町”キエナ】 
 地方南西部のユンディール砂漠に佇むキエナ。かつては開拓村のひとつとして始まりましたが、現在ではもはや町と呼ぶにふさわしい規模にまで成長しています。
魔動機文明時代に築かれた町を基礎としており、当時のキエナはサンドリアから派遣されてきた学者たちによって、広大な砂漠を調査するために重要な探索拠点としての役割を担っていました。
 しかしながら〈大破局〉の際、砂漠から突如として多くの蛮族と魔神が現れ、キエナを含め多くの地域がその軍勢に圧倒され、魔動機文明の崩壊とともにこの町も放棄され、その高度な技術は砂漠の中に失われてしまいました。それから数百年の時を経て、〈大破局〉の原因究明のために再び奪還されたのが、現在のキエナです。
 住民のほとんどがサンドリアや他国から派遣されてきた学者などの調査団、新たな事業を開こうとする商人、未知の領域へ一獲千金を求めてやってきた冒険者や放浪者などで構成されており、町内には冒険者ギルドなども複数存在します。
 レンガの外壁に囲まれたこの要塞都市は複雑に入り組んでおり、その地形のためか犯罪の温床ともなっています。いくつかの盗賊ギルドや犯罪組織が建物を占拠し、不法行為に手を染めていることも少なくありません。
 近年では、周辺で良質な魔晶石やマナタイト鉱石が採掘できることが判明し、出稼ぎにやって来た鉱夫や、鉱石を取り扱う鍛冶師なども集まってきています。
一方で、住民が増加傾向を示す中、蛮族などの脅威や水源の不足といった課題も依然として根深く残っています。そのため町の警備や蛮族退治など、治安の維持や状況の改善はサンドリアから派遣された兵士や、傭兵や冒険者などの存在が携わっており、キエナはその現状に頼る形となっています。

【”知識の都”サンドリア】 
 サラディーン地方の中央部に聳え立つ大樹”バベルの聖樹”を中心に築かれた都市国家で、「智慧」を崇める思想体系をもちます。
代々、自然と共鳴し心を通わせる特別な長命種のメリアに「巫女」の名号が授けられ、国家元首として君臨していますが、実権はサンドリアを運営する元老院が握っており、共和政の原則を築いています。
 その起源は古く、サラディーン地方一帯がエンデリア帝国の支配下にあった時代にまで遡り、帝国の滅亡と共に現れた魔神たちの脅威に抗うべく独立した国家として成立したといわれています。
 住民はエルフやメリア、セリアンスロープが多くを占め、”賢神”キルヒアへの信仰が最も盛んです。しかし、前述したサンドリア特有の思想体系から、住民の多くは知識好奇心旺盛で、多様性を認めようとする気風があります。
 そのため、街のあちこちに様々な神の神殿が建てられるなど文化や宗教観の差異に寛容なほか、物事を見極め真理へ至ろうとする探求心、未知を恐れず追及しようとする勇敢な精神性など、「智慧」を大切にする人物であれば、ナイトメアのほか、名誉人族として国家より認められている蛮族など、異種族に対する忌避感や偏見もあまり大きくはありません。
 首都は木材と石材を用いた建築が殆どで、曲線的な屋根が飾る芸術的な建造物が多くみられます。特に他国からも注目を浴びているのが、堅牢な壁に守られるように設置された巨大な図書館と、地方一の学術機関として名高い学び舎の存在です。
 サンドリアが知識と学習の中心地としてみなされているのにはそれらの存在が一役買っており、その知識は魔術のみならず、難解な武芸であったり歴史的な記録も蓄積されています。
 学び舎におけるカリキュラムは3年制で、大陸全土(果てには海を越えた訪問者ですら)から才ある学生や講師を受け入れています。また、元老院の指示のもと、しばしば研修生と称した学者や学生を他国へと派遣し、知識の発展に努めるべく、研究や教材のための資料を集めています。

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地方一覧 キャンペーン一覧

第0期【追憶の跡地 オクスシルダ】

第1期【水の都 ハーヴェス王国】

第2期【”戦乱の地”ランドール地方 ハルシカ商協国】

第3期【”開拓者たちの町”キエナ】

第4期【”学問の殿堂”国立教育機関サラスヴァナム】

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