舞台背景

ケルディオン大陸南西部、サラディーン地方(⇒詳細はこちら)にある都市国家「”知識の都”サンドリア」が舞台です。
このサンドリア市内の一角に位置する、堅牢な壁に囲まれた区画。
”知識の都”の異名を持つサンドリアでも堂々と構えるその場所こそ、サラディーン地方を代表する学び舎〈国立教育機関サラスヴァナム〉であり、PCたちはこの学び舎で「学生」として三年間を過ごします。

その評判は大陸各地(ときには海を越えて)から絶えず人が訪れるほど名高く、大陸に継承されるほぼすべての魔法はもちろんのこと、文学、史学、医学など様々な分野に渡って学問の研究と知識の継承が行われています。
カリキュラムは3年制であり、入学資格は交易共通語の読み書きができること程度しかありませんが、教育費用については後述する学級により異なります。

この学園の北には〈バベルの聖樹〉と呼ばれる青々とした巨大な大樹がそびえ立っており、その幹には”巫女”の座する宮殿や各種行政機関および〈守りの剣〉が位置しています。
また、大樹の足元には公立騎士団の常在する詰め所も存在しており、詰め所からは宮殿はもちろんのこと学園へのアクセスも容易なことから、サラスヴァナムは国内でも随一の安全性を誇っていることで知られています。

前回の舞台である、第3期【”開拓者たちの町”キエナ】から5年が経過したものとして扱います。

「特別講義」について

学園に在籍する生徒らは課外活動の一環として、学園関係者(講師・他の生徒など)をはじめとして、国内外の人物からのお願いや悩みをギルドに所属する冒険者のように「依頼」として解決することを認められています。
依頼は学園を仲介し、各寮からアクセス可能な中央広場に設置された掲示板を介して受けることができますが、当然ながらこうした依頼を生徒が受ける場合には、基本的に最低でも二つの条件を満たさなければなりません。
第一に「学園に務める教職員や、生徒会役員からの許可」
第二に「学校生活の中で、目立った問題が認められていない生徒であること」
この二つの条件を満たした上で尚且つ、生徒の能力が依頼に適正であると認められてはじめて依頼を受理することができますが、例外的に稀に持ち込まれる緊急性の高い依頼などは、これらの前提条件を短縮し事後報告で容認されるケースもあります。
受理された依頼の報酬は冒険者ギルド同様に金銭で支払われ、一部にはこうした依頼により支払われる報酬で学費を賄っている生徒も存在します。
また、依頼の成否によってその後の生徒の評価が変わってくることも、この特別講義の特徴のひとつです。当然、依頼の成功率が高い生徒は学園では成績優秀な人物として注目を浴びますし、学園の外でも優秀な人材として認知され、その後の将来を有利に運ぶことができる可能性は高くなります。
そのため、各学級に在籍する生徒の殆どは依頼を受理するための条件を満たすために、学園では極力問題を起こさないように務めています。
この特別講義は生徒にとって、自らを学園の外に向けて広報する”活躍の機会”のひとつなのです。

「冒険者ランク」の扱いについて 
学園に所属する生徒(PC)は冒険者ではないため、原則として「冒険者ランク」を獲得することはできません。
代わりに既定の名誉点を消費することで生徒自身の力量にあった組紐が渡され、この組紐が学園に所属するPC内での該当の「冒険者ランク」の役割を果たします。
そして、この組紐は実力の開示として教師陣も身に着けている場合があります。自らが教えを乞う教師の力量が知りたい場合には、その人が身に付けている組紐に注視してみてください。
また、学園の卒業後も、ケルディオン大陸において各色の組紐は卒業証書と共に提示することで冒険者ランクとしての効力を果たします。
それほどまでに、この学園の知名度は大陸でも随一なのです。
組紐の色評価の度合い
ランクなしに相当
ダガー級に相当
レイピア級に相当
ブロードソード級に相当
グレートソード級に相当
フランベルジュ級に相当
センチネル級に相当
ハイペリオン級に相当

国立教育機関サラスヴァナムを代表する4つの学級

サラスヴァナムには入学を希望する生徒の出身(身分)や能力に合わせて、それに対応した4つの学級と学級ごとに男女別の学生寮が存在します。
それぞれの学級で受けられる教育に大きな差異はありませんが、一般的には学級に所属する生徒たちの適正に合わせた基礎教育または高等教育が実施されています。
生徒への教育は単位制によって行われており、一般的に「必修科目を含む幾つかの単位を取得すること」で進級ないし卒業することが出来る仕組みとなっています。
教育費用は基本的に有償であり、選択した科目の数に応じて費用は変動します。
しかし、ときに学級の違いは生徒同士で力を誇示し合ったり自らが優位な立場であることを説き伏せようとするなど、対立的な行動に繋がることも少なくありません。ですがそうした競争意識も、より学術的な意欲を高めたり、己の力を研磨するための尊い意識であるとして、学園側はそれぞれの学級同士の対立関係を基本的に容認している立場にあります。
ここからは、サラスヴァナムに設置されている4つの学級について紹介します。

緋衣の学級〈スカーレットセージ〉 
 烈火を思わせる激しく燃える炎や剣、赤い草花をシンボルとして掲げる学級です。
 学園の中でも取り立てて家柄などが有名ではなく普遍的な身分の生徒が多く在籍する学級であり、学園生たちの間では「緋衣」と呼ばれていますが、時おりブルーローズなど一部の学級の生徒からは”平民には映えある美しい花よりも道の草がお似合いだ”という、蔑称に近い意味合いを込めて「緋衣草」と揶揄されています。
 スカーレットセージはサンドリアにおいて基本的な思想体系である智慧を伸ばすことを重視した教育よりも、実戦的な力に重きを置いた教育が施されており、戦闘訓練の一環として魔物の実戦形式での討伐を行ったり、奉仕活動として国内の治安維持に務める講義があることが最たる例として挙げられます。
 そうした教育方針が齎した影響かスカーレットセージ生らは勇敢さや大胆さを重視しており、確固たる信念で問題に取り組む精神力を有していたり兵士や冒険者に匹敵するほどの力強さを併せ持っている傾向にあります。
 そのため、スカーレットセージでは名誉階級である「騎士」の身分を戴くために鍛錬に励む生徒も多く、実際に幾人もの優秀な生徒らが実力ある人物として輩出されています。なかには更なる国家の発展や土地の防衛を目的として、国から領地を貸与され領主に成り上がった者も存在します(そうした栄誉を賜ることもまた、彼らの指標でもあるのです)。
 そうした部分もあってか学園内でも彼らの多くは清く正しくあることを目標とし、学園内の問題を取り締まるために風紀の維持や奉仕活動に奔走している姿を見かけることがあるでしょう。
 スカーレットセージを卒業した生徒は、前述した通り基本的に騎士や衛兵など、有事の際に力を発揮する職業に就くものが多い傾向にあります。

青薔薇の学級〈ブルーローズ〉 
 その名にちなみ青い薔薇や、他にも知恵の象徴である水や魔導杖などをシンボルとして掲げる学級です。
 学園生たちの間では「青薔薇」と呼ばれており、学園の中でも貴族や豪商の子など家柄や身分、地位の高い者が多く在籍している学級です。
 この学級では他の学級よりも知識の研磨や未知の探求を重視しており、高い学習意欲と競争心を持った生徒が多くいます(そうした傾向からか、サラスヴァナムの成績上位者にはブルーローズの生徒が大半を占めています)。
 その意識は自らの目的のためであれば互いを利用することすらも厭わないほどですが、利益や損得を追及した確固たる理念を持っている彼らには自立している人物が多く、その場だけの感情論で動くことは稀であり、基本的には個人主義的であったり私的自己意識の高い生徒が目立ちます。
 しかしながら在籍する生徒の殆どは家督を継ぐものが殆どであるため、ブルーローズの生徒らは卒業後を見越した将来の人生設計に抜け目がなく、横の繋がりについては他の学級よりも強く重きを置いています。
 そのため、自らにとって利のある相手であればそうした相手を無下にするようなことはしませんし、礼節をわきまえている生徒も多く、必ずしも傲岸不遜な人物ばかりが在籍しているわけでないのも特徴のひとつです(彼らにとって人脈は今後の人生を豊かなものにするための力であるため、必要以上の対立を生んだり悪評を得たいわけではないのです)。
 ブルーローズを卒業した生徒は、基本的には家督を継ぎ貴族や商人の道を歩むものから、学者や魔法使いなどの知識職に就くものが多い傾向にあります。

黄金花の学級〈マリーゴールド〉 
 黄金の小花や筆、聖典や槌などをシンボルとして掲げる学級です。
 学園の中でも聖職者を目指す信徒であったり、そのほか職人や芸術家志望の生徒が多く在籍しており、学園生たちの間では「黄金花」の名で親しまれています。
 マリーゴールド生は慈愛精神を尊ぶ生徒から己の道を勤勉に追及する生徒まで多様な人物が在籍していますが、多くの宗教的な考えや職人特有のこだわった気質を有する生徒と触れ合うためか、基本的に他者に寛容・公平な態度を示す多元主義的な考えを持ち合わせており、どの学級とも率先して対立し合うことなく、良好な関係を築いていることで知られています(そのせいか、時おり別の学級に在籍する生徒同士のトラブルにマリーゴールド生が中立的立場として介入させられるケースも珍しくありません)。
 一方で、職人気質な人物やロマンチストも多く、”変わり者”扱いされる生徒が多いことも特徴です。
 そんなマリーゴールドを卒業した生徒は、自らの希望通り聖職に就くものや、職人や芸術家として名を馳せる人物まで様々です。
 また、在籍時代に得た人脈や培った考え方を活かして官僚などの立場に就いているものが多い傾向にあるのも、マリーゴールド生の特徴のひとつといえるでしょう。

白百合の学級〈ダイヤモンドリリー〉 
 ダイヤモンドリリーは学級の名が示す通り、白百合の花をシンボルに掲げており、その他にも自由を象徴する風や白鳥、煌々と輝く宝石を象徴とする学級です。
 この学級の大きな特色として、生まれや志望動機をさほど重要視していないことが挙げられます。
 その様子は在籍生徒たちの入学の経緯にも表れており、この学級の生徒らは通常の試験だけでなく「身元が不明」「学費を直ぐに支払うことが出来ない」「世間からの風当たりの強い生まれである」「決まった目的はないが、学びの機会を得たい」などさまざまな経緯で入学した生徒が在籍しています。そのため、蛮族やナイトメアなどの生徒もこの学級では珍しくありません。
 ダイヤモンドリリーにはそうした経緯から”複雑な事情”を持った生徒や、共通した身分や進路がなく多様な考えを持った生徒が在籍しやすい環境にあり、ある種の混沌さや統一性のなさを特徴としています。そうした背景から学級全体を通して明確な指針や方針は設けられておらず、自由な気風が何よりも重要視されています。
 この学級が設置された切っ掛けは〈大破局〉以降、学園内での生徒の身分や立場を重視し在籍する学級が決められる”古くからの伝統”を疑問視する声が出始めたことに起因します。
 伝統的な要素を含む他の三つの学級では生徒の身分や立場を重視視するあまり、その生徒が有している適した「才能」を開花させることができない問題や、一部は自らの生まれや身分が不透明であるために学園での学びの機会すら得られない場合が顕著にありました。
 そのためこうした問題を解決しより多くの才能ある者を学園生として受け入れるために、ダイヤモンドリリーは開かれることとなりました。
 しかしながら当然、学園内ではこうした方針を基に設立されたダイヤモンドリリーに異を唱える者たちも少なくなく、一部ではこの学級に対する風当たりは強いものとなっています。
 それでもこのダイヤモンドリリーが学級として成り立っているのは、その自由な雰囲気と、生まれなどに関係なく誰もが学びの機会を得られるという特別性によるものです。
 そうした路線のためかダイヤモンドリリーを卒業した生徒の進路も多岐にわたり、指標となり得るものは存在しません。学んだことを活かした職に就く者もいれば、さらなる知識を求めて放浪の旅に出たり、冒険者ギルドからスカウトされるものまで様々です。
 卒業した学級に左右されず、個々の生徒が自らの適正に合わせて道を選択することができるのもまた、この自由なる学級の特徴のひとつといえるでしょう。

PCたちの立場

PCたちは〈国立教育機関サラスヴァナム〉に存在する学級のひとつ、〈白百合の学級〉ダイヤモンドリリーに〈生徒〉として三年間、在籍することになります。
〈白百合の学級〉に所属するPCには、学級に対応した寮が完備されているため、男女別に寮部屋が設けられます。
この寮部屋は複数人が共同で使用しても、個人で使用していただいても構いませんし、自宅から通学していたりなどの理由で部屋を利用していないなどの設定を付けることも自由です。
また、今回のレギュレーションでは、食費・宿泊費等の費用は発生しません。

〈白百合の学級〉の生徒について 
前述した特徴から〈白百合の学級〉は様々な事情を抱えた生徒を受け入れやすい体制であり、実際に複雑な事情を抱えた人物らが多く在籍しています(無論、そうした事情に関係なく、ただ何となく在籍している生徒もいるでしょうが)。
生徒たちには在籍中、自らが学園関係者であることを示す生徒手帳が配布され、これにより学園内に存在する様々な施設の無償利用や身分の保証が補助されています。
ただしこうした破格な条件下での入学であるためか、〈白百合の学級〉の生徒は如何なる事情があれど、三年で卒業・修了することを義務付けられています。

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世界観

地方一覧 キャンペーン一覧

第0期【追憶の跡地 オクスシルダ】

第1期【水の都 ハーヴェス王国】

第2期【”戦乱の地”ランドール地方 ハルシカ商協国】

第3期【”開拓者たちの町”キエナ】

第4期【”学問の殿堂”国立教育機関サラスヴァナム】

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