概要

クルス山地の戦いとは、蜉蝣時代におけるロードレア遠征のさなか、アルファ708年4月から8月にかけて、ベルザフィリス国軍とロードレア国軍の間に起きた戦いである。

戦闘に至るまでの背景


▲708年3月における勢力図

ロッド国を併合したベルザフィリス国軍は、先発隊とロッド国制圧部隊が合流し、本格的にロードレア遠征に取り掛かると、要所であるフェルス城クルス山地へそれぞれ軍勢を派遣して、国境に集結したロードレア国軍の主力部隊と激突することとなる。
同じころ、ロー・レアルス国軍も東からロードレア国を攻めていたため、ロードレア国と戦いながら、先にどちらの国が首都を落とすのかをロー・レアルス国と争う「次を見据えて」の戦いもはじまっていた。
なお、ロードレア国の首都は、レイディック時代にルバーク城に変更されていたが、ミリフォンは国主になるまえからロードレア城で政務を行っていたため、特に遷都を宣言したわけではないが、この頃はロードレア城が首都と認識されていた。

戦闘経緯



まるで城壁のような堅固な岩壁と、見渡しのいい山頂、そして連絡のとりやすい地下坑道が網の目の様に繋がり「要塞よりも要塞である」といわれるほど自然の要害であったクルス山地
ここに立て籠もったロードレア国軍は、4月に最初の戦火を交えると、その後数度にわたってベルザフィリス国軍の攻撃を撃退する。
一見すると互角の戦いであったが、ロードレア国軍は、西部戦線におけるすべての守備力をこの要害に集結させ、フェルス城の指揮をとっていたファルザスすらこの地に集結させていた為、ここを突破されれば、首都まで一気に侵略されるという覚悟の決戦であった。
その様な防衛戦ということから、兵の士気は衰える事なく、レニィラによる内応工作も鉄の団結力ですべて跳ね返す。

ベルザフィリス国軍は、狭い山道を探して、ディグドギザイアがそれぞれ率いる別動隊を送りこみ、様々な方向からの同時攻撃を試みるが、数年前から密かに要塞化されていたクルス山地は、各地に迎撃の罠が設置され、隠密行動をとった攻撃部隊は撃退されていく。
力攻めが難しいと判断したベルザフィリス国軍は、山ごと焼き払うべく火攻めの準備にかかるが、これも隠し坑道を使って麓に伏兵として隠れていた部隊の攻撃を受けて失敗する。

しかし、鉄壁の守りを誇ったロードレア国軍も、戦いが長期化したことにより綻びがうまれはじめる。
敵軍が大きく迂回して補給路を断つ可能性をファルザス指摘され、その警戒にまわっていたファリアだったが、さすがに考えすぎという思いと、ここまで生死を共にしながら、自分だけ決戦から外されたという感情から、それまで張りつめていた緊張の糸が切れて哨戒を疎かにしてしまう。
その結果、長時間をかけて山道を大きく回り込んだギザイア指揮する別動隊を発見できず、後方の街道を遮断されてしまう。
クルス山地の防御力そのものは変わることはなかったが、完全包囲されたことにより、本国から食料、武器の補給が断たれることとなる。
これが決定的なターニングポイントとなり、ロードレア国軍の士気は徐々に低下し、いくつかの要所を奪われ、徐々に追い詰められていく。

そして、8月22日から24日にかけて行われた総攻撃によって、クルス山地は陥落。
ファルザスレイアスグロライドは戦死、ファリアファクトはかろうじて戦場から脱出に成功する。

戦いの結末

ロードレア遠征における西部戦線はこの戦いをもってひとまずの決着がつき、これ以後は一方的なベルザフィリス国軍による進軍が続くこととなる。
その一方で、ロー・レアルス国軍は、この後東部戦線における最大の決戦となるギルラ高地の戦いを迎えることとなる。


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