ロシアの宇宙主義者たちノート
ロシアの精神的伝統のもう一つの重要な特徴は、排外主義的、さらには民族主義的傾向。それが根ざしているのは:
==>世界史におけるロシアの特別な役割は、神の絶対的で正統な真理の体現・保存・擁護・実践
ロシアへのキリスト教の広まりは9世紀以降:
一方、キリスト教の教義をめぐる議論、特に三位一体とイコン崇敬についての論争は、それまで決着を見ていた:
公会議/宗教会議(世界史の窓)
中世西洋では:
ロシアの精神的伝統のもう一つの重要な特徴は、排外主義的、さらには民族主義的傾向。それが根ざしているのは:
- 「白頭巾の伝説
ローマ教皇がキリスト教を歪め始めたとき、復活と正教の輝かしい象徴である白頭巾がローマからコンスタンティノープルに移され、ビザンツ帝国のギリシャ人もキリスト教を腐敗させ始め、白い頭巾はロシアに引き継がれた。 - 修道士フィロフェイによるモスクワ第三のローマ
第一のローマは異端の故に崩壊した。第二のローマはトルコ人の犠牲となって陥落した。 しかし第三のローマは太陽のように、全世界を照して今出現した。第一のローマと第二のローマ とは崩壊したが、第三のローマは歴史の終末まで継続するであろう。それは最後のローマである。モスクワには継承者はない」
==>世界史におけるロシアの特別な役割は、神の絶対的で正統な真理の体現・保存・擁護・実践
ロシアへのキリスト教の広まりは9世紀以降:
9世紀から10世紀にかけて、ビザンツ帝国の弱体化、バルカン半島やロシアなどスラヴ人の居住する地域での諸民族の国家の台頭とともに、東方正教会は、スラヴ系署員族の国家宗教ないし姻族宗教として「土着化」の歴史を歩んでいくことになる。
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キエフ・ルーシがキリスト教を国教としたのは、988年、キエフ・ルーシのヴラジーミル大公(ヴラジーミル1世、在位980-1015年)が、キリスト教の洗礼をウケ、ビザンツ帝国皇帝パシレイオス2世の妹アンナを妻にしたことにいおるとされている。その後、11世紀前半にはスラヴ語典礼が導入され、11世紀中頃には、キエフ洞窟修道院が創建されている。
[ 上野俊彦 (上智大学): "ロシアの宗教・社会・文化(1) 正教世界とロシア" (2018 ヨーロッパの宗教と社会)
一方、キリスト教の教義をめぐる議論、特に三位一体とイコン崇敬についての論争は、それまで決着を見ていた:
325 | ニケーア公会議 | イエスの神性を認めるアタナシウス派を正統、アリウス派を異端とした |
381 | コンスタンチノープル会議 | 三位一体説を正統教義として確立 |
431 | エフェソ会議 | ネストリウス派を異端とした |
451 | カルケドン会議 | 単性説を異端とした |
553 | コンスタンチノープル会議 | 単性説と両性説の調停に失敗 |
680 | コンスタンチノープル会議 | 単性説を異端とすることを確認 |
787 | ニケーア公会議 | 聖像禁止令を否定。イコン崇敬を認めた |
中世西洋では:
- スコラ哲学
- 理性(アクィナス)と想像力(ダンテ)の知的訓練の場
- キリスト教徒としての生活を送る実践ガイド
- 地域社会全体の霊的生活 ... 木の板にカラーで描かれたイコン
- フョードロフと(ソロィヨフ以外の)宗教的宇宙主義者
- カトリックは自由のない統一
- プロテスタントは統一のない自由
- 正教は「ソボルノスト」すなわち、自由と統一の統合、全体性、共同性、精神的合意
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