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基本ラテン文字J j】を取り上げます。
文字名称ジェイ, ジェー / JAY
大文字(半)J、(全)J
小文字(半)j、(全)j
ラテン語名-
IPANo.153 有声硬口蓋接近音
NATO式呼称ジュリエット / JULIETT
異称(IPA名)ヨッド, (IPA名)ヨット, (スコットランド名)ジャイ / YOD, JOD, JY
セム系文字原義-
源流フェニキア文字-
源流ギリシャ文字イオタ / IOTA《Ι ι》
源流古イタリア文字イー / I《𐌉》
ユニコード(半角)(大)U+004A、(小)U+006A
ユニコード(全角)(大)U+FF2A、(小)U+FF4A
文字参照(半角)(大)J、(小)j
文字参照(全角)(大)J、(小)j
画数(大)〈セリフ無〉1画;〈セリフ有〉2画、(小)2画
仮名転写(半母音の)イ[j]、イ/ユ[ɢ]、ヂ/ジ[ʤ / ʥ]、ジュ[ʒ]、フ[x]、チ/(ピンイン翻字で)ジ[ʨ]、硬口蓋化[ʲ]
ローマ数字数価1 (小文字の末尾のみ使用)
モールス信号・---[トンツーツーツー]
点字DOTS-245《⠚》(U+281A)
スモールキャップᴊ (U+1D0A)
上付き文字ᴶ (U+1D36)、ʲ (U+02B2)
下付き文字ⱼ (U+2C7C)
イタリックJ j 《𝐽 𝑗》(U+1D43D , U+1D457)
ドイツ文字ヨット / JOT, JOTT《𝔍 𝔧》(U+1D50D , U+1D527)
フレイザーヂャ / JA《ꓙ》(U+A4D9)
異体字DOTLESS J《ȷ》(U+0237)

解説

英語ラテン文字第10字母。キリル文字ではセルビア語がラテン文字から借用した。
ラテン文字《I》から分化した字母イ・ロンガ I LONGA (「長いI」の意味で、イタリア語の字母名イルンゴ I LUNGO に名称の名残が残っている)が変化した字母で、中世では語頭あるいは語末に使用されていた。17世紀から半母音及び子音専用になった。
ラテン文字による順番を数えるときは、この字母がカウントされないことがある(次の字母《K》が10番目で、最終字母《Z》が25番目となる)。

発音

発音はヤ行(ラテン語本来の発音は[j]だが、一部の言語では[ʝ])がラテン語の基本で、IPAもこの発音を示している。
英語を除くゲルマン諸語、ウラル諸語、スラブ諸語およびバルト諸語、エスペラント語の各正書法も本来の発音に忠実である。
オランダ語やインドネシア語旧正書法などでは、これを使った連字で破擦音や硬口蓋音などへの変化を示す。
英語やロマンス諸語では発音の変化があり、英語ではヂ[ʤ]音、フランス語やポルトガル語などではジュ[ʒ]音、スペイン語ではフ[x]音になっている。
ヨーロッパ以外の正書法ではフランス語のジュ[ʒ]音を採用しているチュルク諸語、英語のヂ[ʤ]或いはその類似音[ʥ]を採用しているマレー諸語や日本語ローマ字、無声化したチ[ʧ]音を示すトリンギット語、無声有気音のチ[ʨ]音を示す中国語ピンインの系統に分かれている。
インド系翻字やハングル翻字では英語のヂ[ʤ]或いはその類似音[ʥ]をとっている (ハングルの《ㅈ》の翻字では語頭では[ʧ]になるものが多いが、マッキューン-ライシャワー式では連字〈CH〉に置き換えられている)。

字形

ドイツ文字では、フォントによっては大文字が《I》と同型のものがある。
筆記体
筆記体形状は閉じた形状(アメリカ式)、上部がフックになっているもの(チェコ式)などがある。
ダイアクリティカルマークを付加する場合
小文字の上にダイアクリティカルマークを付加する場合は、《I》同様、ティットル TITTLE という小文字の上点を取り外したドットなしJ《ȷ》に付加する。

点字

DOTS-245《⠚》が基本字形。
ラテン翻字では、キリル文字の場合、《Ј》に対応するクロアチア語《J》の点字に当てはめているが、ロシア語・ブルガリア語では同じ発音のフランス語《J》に対応する《Ж》に当てている。
中国式では、ピンイン以前のウェード式《J》、すなわちこの点字形を《R》に当てはめている。
ピンインの《J》は《G》の点字DOTS-1245《⠛》と共用になっている。

派生文字

  • ギリシャ文字では、Jを借用したYOT《ϳ》があり、19世紀のアルバニア語などで使用されていたが、ユニコードでは大文字が登録されていない。
  • キリル文字ではリュビデッド・ガイがセルビア語で借用した字母JE《Ј ј》があり、他にもマケドニア語やアルタイ語で使用されている。旧ユーゴ諸国では半母音、アルタイ語では英語のJ[ʤ]音になっている。
  • チェロキー文字では字形のみを借用したGU《Ꭻ》がある。

特殊用法

声調

チワン語では第5声調として用いられる。

スモールキャピタル

  • スモールキャピタル【J】?を参照。

フレイザー文字

英語J音と同じ[ʤ]音を示す。単独では[ʤa]という音節を示す。

備考

  • IPAの字母名“ヨッド YOD”は、字母の発音の由来となったドイツ語の字母名に由来。
  • 会社名や商品名、筆名・芸名などの名付け判断では、ブロック体におけるセリフの画数を含まず、セリフ抜きの1画として扱われている。
  • クロスドテール付きJ《ʝ》がIPAに追加されるまでは、有声硬口蓋接近音と有声硬口蓋摩擦音の両方を表記していた。

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記号説明

  • [ ]…IPA発音表記及びフリガナ/意味
  • 【 】…特殊文字見出し
  • 《 》…特殊文字
  • 〈 〉…連字
  • 『 』…作品名
  • 〓…ユニコード未登録の字母
  • †…廃字, 携帯電話絵文字の代替テキスト
    • ‡…特殊な字母, 代用表記, 異体字


【略称】
  • IPA…国際音声記号
  • キルシェン…キルシェンバウム音声記号
  • i.t.a.…イニシャル・ティーチング・アルファベット
  • 大…大文字/小…小文字
  • 半…半角形/全…全角形

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