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基本ラテン文字Y y】を取り上げます。
文字名称ワイ / WYE, WY
大文字(半)Y、(全)Y
小文字(半)y、(全)y
ラテン語名ユー / Y
IPANo.309 円唇前舌狭母音/第9基本母音
NATO式呼称ヤンキー / YANKEE
セム系文字原義鉤, 釣り針, 棍棒
源流フェニキア文字ワウ, ヴァウ / WAW, VAV, WAU, VAU《𐤅》
源流ギリシャ文字ユプシロン / UPSILON《Υ υ》
源流古イタリア文字ウー / U《𐌖》
ユニコード(半角)(大)U+0059、(小)U+0079
ユニコード(全角)(大)U+FF39、(小)U+FF59
文字参照(半角)(大)Y、(小)y
画数(大)3画あるいは2画、(小)2画
仮名転写(フィンランド語の)ユ/ユィ/イュ[y]、(半母音の)イ[j]、(ドイツ語の)ユ[ʏ]、(母音の)イ[i / ɪ]、(英語の)アイ[aɪ]、(中南米スペイン語の)ジュ[ʒ]、(ポーランド語の)ウィ[ɨ]、(トルクメン語の)ウ[ɯ]、(彝語の)ジ[ʑ]、(彝語の)ズー[zˌ]、(硬口蓋化)ィ[ʲ]
ローマ数字数価(中世ヨーロッパ)150
モールス信号-・--[ツートンツーツー]
点字DOTS-13456《⠽》(U+283D)
スモールキャップʏ (U+028F)
母音調和前舌母音グループ(フィンランド)
上付き文字ʸ (U+02B8)
下付き文字ユニコード未登録
イタリックY y 《𝑌 𝑦》(U+1D44C , U+1D466)
ドイツ文字ユプシロン / YPSILON《𝔜 𝔶》(U+1D51C , U+1D536)
フレイザーヤ / YA《ꓬ》(U+A4EC)
異体字CYRILLIC U《У》(U+0423)

解説

英語ラテン文字第25字母(ラテン語ラテン文字第22字母)。
ラテン語ではギリシャ借用語表記のために、ギリシャ文字《Υ》から借用した。同系統のキリル文字ウー《У у》とは小文字が同型である。源流のギリシャ文字ユプシロン大文字は現代ギリシャ語では基本的に《Y》と同型であるが、日本語フォントなどでは両方がフックになっている字形が主流である。

名称

ギリシャ文字からの借用のため、最後から2番目となっていて、ギリシャ文字由来のため、ドイツ語などではギリシャ文字とほぼ同じ字母名だったり、フランス語では“ギリシャ語のI”を意味するイグレック I GREC という呼び方をしている。ちなみに英語の名称のワイは、オランダ語のエイ IJ に由来する。

発音

基本発音は古典ギリシャ語《Υ》と同じ[y]音で、IPAやフィンランド語がこれに忠実である。
フィンランド語の母音調和では《ä》や《ö》同様、前舌母音グループに属する。
英語のアイ[aɪ]、チェコ語のイ[i]、ポーランド語のウィ[ɨ]、トルクメン語やタイ文字翻字のウ[ɯ]、のように、半母音の他に母音としても使用される場合がある。かなり珍しい母音発音ではモンゴル語の1930年代のヤナリフ表記ではオ[o]音(現在のキリル文字正書法《У》に該当)を示す。
チャモロ語ではヂ[ʤ]音、中南米のスペイン語やポルトニョール語ではジュ[ʒ]音、彝語ラテン文字転写ではジ[ʑ]音―中国語ピンインのsiの後のi音[z̩]に似ている―を表す。
珍しい発音はア・ルーマニア語のグ[ɣ]音がある。
ハンガリー語での扱い
ハンガリー語では、単独では正式なアルファベット表に含まれず、〈Gy, Ly, Ny, Ty〉という《Y》を含む連字が1字扱いとしてアルファベット表に含まれる。

字形

サンセリフ書体によっては、セリフ書体の小文字のカーブ部分が、カーブしない斜め形状に変化している。
筆記体
筆記体大文字は小文字《y》を大文字化したものが多い。例外中の例外はウルグアイ式で、基線にぴったり合うように筆記体《Q》の下部に似たループが付いている。

点字

DOTS-13456《⠽》が基本字形。
ラテン翻字では、ブルガリア語キリル文字では《Й》に対応する。
古典ギリシャ語点字では、字形が同じルーツの《Υ》に対応するが、現代ギリシャ語点字では筆記体小文字が《y》と同一である《Ψ》が対応する。
中国式では、Yの英語呼称の“ワイ”との語呂合わせで、ピンイン綴りの〈WAI / -UAI〉を示す。
他に中国式では、ピンイン《Y》を含む字母が多数存在する。

派生文字

  • モンゴル語など多数の非スラブ系諸語に見られる拡張キリル文字では《У》の派生字としてラテン大文字《Y》を借用したSTRAIGHT U《Ү ү》がある。
  • チェロキー文字ではラテン小文字《y》の字形のみ借用したGI《Ꭹ》と派生字MU《Ꮍ》がある。
  • ポラード文字では、ラテン大文字《Y》から字形のみ借用した字母H[ʔ]が使われる。
  • フォックス=ホチャック文字で使用されるラテン小文字《y》の筆記体を大幅に改造した字母は、[j]音を表す。

特殊用法

スモールキャピタル

  • スモールキャピタル【Y】?を参照。

フレイザー文字

英語Yの音を示す[j]音を示す。単独では[ja]という音節を示し、語末では音節副音[i̯]を示す。
子音字の後では二重母音[ai̯]となる。

ノシロ語

原則的にラテン大文字のみを使用する人工言語ノシロ語では大小別があり、小文字《y》は拗音つまり硬口蓋化を示す。

備考

  • 大文字の画数は資料によっては、2画と3画に分かれることがある。
  • 旧ソ連の汎チュルク文字では、大文字がキリル文字ウー《У》になっている言語がある。

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記号説明

  • [ ]…IPA発音表記及びフリガナ/意味
  • 【 】…特殊文字見出し
  • 《 》…特殊文字
  • 〈 〉…連字
  • 『 』…作品名
  • 〓…ユニコード未登録の字母
  • †…廃字, 携帯電話絵文字の代替テキスト
    • ‡…特殊な字母, 代用表記, 異体字


【略称】
  • IPA…国際音声記号
  • キルシェン…キルシェンバウム音声記号
  • i.t.a.…イニシャル・ティーチング・アルファベット
  • 大…大文字/小…小文字
  • 半…半角形/全…全角形

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