【拡張ギリシャ文字辞典】カテゴリです。
ここではゴート文字を取り上げます。
(※SMP領域の GOTHIC ブロックに対応したユニコードフォントが必要です)
概要
近年の書体
ゴート・アルファベット - Gothic Letters
AHSA - アハサ【𐌰】
【解説】
ギリシャ文字《Α》をルーン文字風に変化したような字形。
BAIRKAN - ベルカン【𐌱】
GIBA - ギバ【𐌲】
【解説】
現代ギリシャ語同様、GIBA或いはKUSMAの前で、ング[ŋ]音に変化する。
DAGS - ダグス【𐌳】
AIHVUS - エイフゥース【𐌴】
QAIRTHRA - クェルスラ【𐌵】
【解説】
ラテン文字《U》に似た字母。
おそらくラテン語の連字〈QU〉からの発想と思われる。
また、ルーン文字URUZ UR U《ᚢ》を逆さにした説があり、
IUJA - イウジャ【𐌶】
HAGL - ハグル【𐌷】
【解説】
ラテン小文字《h》に似た字母。字形はキリル文字《Һ》を伸ばしたような字形。
THIUTH - シウス【𐌸】
【解説】
ギリシャ文字《Φ》由来説と、ルーン文字THURISAZ THURS THORN《ᚦ》由来説があり、発音はルーン文字のものと同じ。
EIS - イース【𐌹】
【解説】
主に短音のイを示す字母。EIS WITH DIALYTIKA - ディアリティカ付きイース【𐌹̈】
【解説】
ダイアクリティカルマーク付き字母(ギリシャ文字《Ϊ》由来)はユニコード未登録で、ダイエレシス(合成可能)との合成で表現するが、フォントによっては対応していないものが多い。
用法はフランス語《Ï》と同じく、分音を表す。
KUSMA - クースマ【𐌺】
LAGUS - ラグース【𐌻】
MANNA - マンナ【𐌼】
NAUTHS - ナウシズ【𐌽】
JER - イェール【𐌾】
【解説】
見た目はラテン文字《G》に似た字母だが、発音の直接の由来はルーン文字《ᛃ》と折衷になっている。
URUS - ウールース【𐌿】
【解説】
ルーン文字URUZ UR U《ᚢ》がルーツの字母。
PAIRTHRA - ペルスラ【𐍀】
GOTHIC LETTER NINETY - ゴート文字90【𐍁】
【解説】
数字のみに使用される字母。
RAIDA - レダー【𐍂】
SAUIL - ソイル【𐍃】
【異体字】
東ゴート書体では唯一標準字形と異なり、ギリシャ文字《Σ》に近い《Ɛ》に似た字母となっている。
TEIWS - ティーウス【𐍄】
WINJA - ウィーニャ【𐍅】
【解説】
半母音字母だが、ギリシャ語借用語の場合、ユ[y]音になる。
ラテン文字翻字では、発音が区別されない。
FAIHU - フェフー【𐍆】
【解説】
ラテン文字《F》が由来だが、見た目はルーン文字の《ᚠ》の要素も含まれる。
IGGWS - イングス【𐍇】
HWAIR - ホウェル【𐍈】
【解説】
ギリシャ文字《Θ》由来の字母だが、発音は大幅に異なる。
ラテン文字翻字では、この字母のための特殊文字HWAIR《Ƕ ƕ》が作られているが、この字母の代替表記に〈HV〉或いは〈HW〉が見られる。
OTHAL - オーサル【𐍉】
【解説】
ルーン文字OTHALAN ETHEL O《ᛟ》由来の字母だが、ギリシャ文字《Ω》の変形説もある。
GOTHIC LETTER NINE HUNDRED - ゴート文字900【𐌺】
【解説】
数字のみに使用される字母。
連字
AI【𐌰𐌹】
AU【𐌰𐌿】
GG【𐌲𐌲】
GGW【𐌲𐌲𐍅】
GK【𐌲𐌺】
EI【𐌴𐌹】
IU【𐌹𐌿】
ここではゴート文字を取り上げます。
(※SMP領域の GOTHIC ブロックに対応したユニコードフォントが必要です)
概要 
ゴート文字はギリシャ文字をベースに、ルーン文字やラテン文字で字母を補ったり置き換えたりしている。
元来、標準書体と東ゴート体の2種が大別されていた。
元来、標準書体と東ゴート体の2種が大別されていた。
近年の書体
R・プフェッファー Robert Pfeffer 博士によるゴート文字書体は、本来区別されなかった大文字・小文字を別に設定したり、『指輪物語』風の書体を生み出している。
Quiviraフォントでは、ラテン文字タイムズ書体風になっている。
ゴート・アルファベット - Gothic Letters
大文字のみが存在。ラテン翻字も併記。
AHSA - アハサ【𐌰】
| ユニコード | U+10330 |
| 文字参照 | 𐌰 |
| 源流ギリシャ文字 | Α |
| 発音 | ア(ー)[a(ː)] |
| 数価 | 1 |
| ラテン翻字 | A a |
ギリシャ文字《Α》をルーン文字風に変化したような字形。
BAIRKAN - ベルカン【𐌱】
| ユニコード | U+10331 |
| 文字参照 | 𐌱 |
| 源流ギリシャ文字 | Β |
| 発音 | ブ[b~β] |
| 数価 | 2 |
| ラテン翻字 | B b |
GIBA - ギバ【𐌲】
| ユニコード | U+10332 |
| 文字参照 | 𐌲 |
| 源流ギリシャ文字 | Γ |
| 発音 | グ[ɡ~ɣ], ング[ŋ] |
| 数価 | 3 |
| ラテン翻字 | G g |
現代ギリシャ語同様、GIBA或いはKUSMAの前で、ング[ŋ]音に変化する。
DAGS - ダグス【𐌳】
| ユニコード | U+10333 |
| 文字参照 | 𐌳 |
| 源流ギリシャ文字 | Δ |
| 発音 | ド~ズ[d~ð] |
| 数価 | 4 |
| ラテン翻字 | D d |
AIHVUS - エイフゥース【𐌴】
| ユニコード | U+10334 |
| 文字参照 | 𐌴 |
| 源流ギリシャ文字 | Ε |
| 発音 | エー[eː] |
| 数価 | 5 |
| ラテン翻字 | E e |
QAIRTHRA - クェルスラ【𐌵】
| ユニコード | U+10335 |
| 文字参照 | 𐌵 |
| 源流ラテン文字 | U |
| 発音 | ク[kʷ] |
| 数価 | 6 |
| ラテン翻字 | Q q |
ラテン文字《U》に似た字母。
おそらくラテン語の連字〈QU〉からの発想と思われる。
また、ルーン文字URUZ UR U《ᚢ》を逆さにした説があり、
IUJA - イウジャ【𐌶】
| ユニコード | U+10336 |
| 文字参照 | 𐌶 |
| 源流ギリシャ文字 | Ζ |
| 発音 | ズ[z] |
| 数価 | 7 |
| ラテン翻字 | Z z |
HAGL - ハグル【𐌷】
| ユニコード | U+10337 |
| 文字参照 | 𐌷 |
| 源流ギリシャ文字 | Η |
| 発音 | フ[h] |
| 数価 | 8 |
| ラテン翻字 | H h |
ラテン小文字《h》に似た字母。字形はキリル文字《Һ》を伸ばしたような字形。
THIUTH - シウス【𐌸】
| ユニコード | U+10338 |
| 文字参照 | 𐌸 |
| 源流ギリシャ文字 | Φ |
| 源流ルーン文字 | ᚦ |
| 発音 | ス[θ] |
| 数価 | 9 |
| ラテン翻字 | Þ þ |
ギリシャ文字《Φ》由来説と、ルーン文字THURISAZ THURS THORN《ᚦ》由来説があり、発音はルーン文字のものと同じ。
EIS - イース【𐌹】
| ユニコード | U+10339 |
| 文字参照 | 𐌹 |
| 源流ギリシャ文字 | Ι |
| 発音 | イ[i] |
| 数価 | 10 |
| ラテン翻字 | I i |
主に短音のイを示す字母。
EIS WITH DIALYTIKA - ディアリティカ付きイース【𐌹̈】
| ユニコード | <U+10339,U+0308> |
| 文字参照 | 𐌹̈ |
| 発音 | -イ[-i] |
| ラテン翻字 | Ï ï |
ダイアクリティカルマーク付き字母(ギリシャ文字《Ϊ》由来)はユニコード未登録で、ダイエレシス(合成可能)との合成で表現するが、フォントによっては対応していないものが多い。
用法はフランス語《Ï》と同じく、分音を表す。
KUSMA - クースマ【𐌺】
| ユニコード | U+1033A |
| 文字参照 | 𐌺 |
| 源流ギリシャ文字 | Κ |
| 発音 | ク[k] |
| 数価 | 20 |
| ラテン翻字 | K k |
LAGUS - ラグース【𐌻】
| ユニコード | U+1033B |
| 文字参照 | 𐌻 |
| 源流ギリシャ文字 | Λ |
| 発音 | る[l] |
| 数価 | 30 |
| ラテン翻字 | L l |
MANNA - マンナ【𐌼】
| ユニコード | U+1033C |
| 文字参照 | 𐌼 |
| 源流ギリシャ文字 | Μ |
| 発音 | ム[m] |
| 数価 | 40 |
| ラテン翻字 | M m |
NAUTHS - ナウシズ【𐌽】
| ユニコード | U+1033D |
| 文字参照 | 𐌽 |
| 源流ギリシャ文字 | Ν |
| 発音 | ン/ヌ[n] |
| 数価 | 50 |
| ラテン翻字 | N n |
JER - イェール【𐌾】
| ユニコード | U+1033E |
| 文字参照 | 𐌾 |
| 源流ルーン文字 | ᛃ |
| 源流ラテン文字 | G |
| 発音 | イ[j] |
| 数価 | 60 |
| ラテン翻字 | J j |
見た目はラテン文字《G》に似た字母だが、発音の直接の由来はルーン文字《ᛃ》と折衷になっている。
URUS - ウールース【𐌿】
| ユニコード | U+1033F |
| 文字参照 | 𐌿 |
| 源流ルーン文字 | ᚢ |
| 発音 | ウー[uː] |
| 数価 | 70 |
| ラテン翻字 | U u |
ルーン文字URUZ UR U《ᚢ》がルーツの字母。
PAIRTHRA - ペルスラ【𐍀】
| ユニコード | U+10340 |
| 文字参照 | 𐍀 |
| 源流ギリシャ文字 | Π |
| 発音 | プ[p] |
| 数価 | 80 |
| ラテン翻字 | P p |
GOTHIC LETTER NINETY - ゴート文字90【𐍁】
| ユニコード | U+10341 |
| 文字参照 | 𐍁 |
| 源流ギリシャ文字 | Ϙ |
| 発音 | 無し |
| 数価 | 90 |
| ラテン翻字 | 90 |
数字のみに使用される字母。
RAIDA - レダー【𐍂】
| ユニコード | U+10342 |
| 文字参照 | 𐍂 |
| 源流ラテン文字 | R |
| 発音 | ル[r] |
| 数価 | 100 |
| ラテン翻字 | R r |
SAUIL - ソイル【𐍃】
| ユニコード | U+10343 |
| 文字参照 | 𐍃 |
| 源流ラテン文字 | S |
| 発音 | ス[s] |
| 数価 | 200 |
| ラテン翻字 | S s |
東ゴート書体では唯一標準字形と異なり、ギリシャ文字《Σ》に近い《Ɛ》に似た字母となっている。
TEIWS - ティーウス【𐍄】
| ユニコード | U+10344 |
| 文字参照 | 𐍄 |
| 源流ギリシャ文字 | Τ |
| 発音 | トゥ[t] |
| 数価 | 300 |
| ラテン翻字 | T t |
WINJA - ウィーニャ【𐍅】
| ユニコード | U+10345 |
| 文字参照 | 𐍅 |
| 源流ギリシャ文字 | Υ |
| 発音 | ウ[w], ウ[u], ユ[y] |
| 数価 | 400 |
| ラテン翻字 | W w |
半母音字母だが、ギリシャ語借用語の場合、ユ[y]音になる。
ラテン文字翻字では、発音が区別されない。
FAIHU - フェフー【𐍆】
| ユニコード | U+10346 |
| 文字参照 | 𐍆 |
| 源流ラテン文字 | F |
| 源流ルーン文字 | ᚠ |
| 発音 | フ[f] |
| 数価 | 500 |
| ラテン翻字 | F f |
ラテン文字《F》が由来だが、見た目はルーン文字の《ᚠ》の要素も含まれる。
IGGWS - イングス【𐍇】
| ユニコード | U+10347 |
| 文字参照 | 𐍇 |
| 源流ギリシャ文字 | Χ |
| 発音 | フ[χ] |
| 数価 | 600 |
| ラテン翻字 | X x |
HWAIR - ホウェル【𐍈】
| ユニコード | U+10348 |
| 文字参照 | 𐍈 |
| 源流ギリシャ文字 | Θ |
| 発音 | ホヮ[ʍ] |
| 数価 | 700 |
| ラテン翻字 | Ƕ ƕ |
ギリシャ文字《Θ》由来の字母だが、発音は大幅に異なる。
ラテン文字翻字では、この字母のための特殊文字HWAIR《Ƕ ƕ》が作られているが、この字母の代替表記に〈HV〉或いは〈HW〉が見られる。
OTHAL - オーサル【𐍉】
| ユニコード | U+10349 |
| 文字参照 | 𐌹 |
| 源流ルーン文字 | ᛟ |
| 発音 | オー[oɔ] |
| 数価 | 800 |
| ラテン翻字 | O o |
ルーン文字OTHALAN ETHEL O《ᛟ》由来の字母だが、ギリシャ文字《Ω》の変形説もある。
GOTHIC LETTER NINE HUNDRED - ゴート文字900【𐌺】
| ユニコード | U+1034A |
| 文字参照 | 𐌺 |
| 源流ギリシャ文字 | Ϡ |
| 発音 | 無し |
| 数価 | 900 |
| ラテン翻字 | 900 |
数字のみに使用される字母。
連字
『言語学大辞典(1)』(三省堂)に見られるラテン文字翻字では、アキュートの有無及び位置で発音が異なる。
ゴート文字には連字の発音区別方式が存在しない。
ゴート文字には連字の発音区別方式が存在しない。
AI【𐌰𐌹】
| 発音 | エ(ー)[ɛ(ː)], エ[e] |
| ラテン翻字 | AI Ai ai[ɛ], ÁI Ái ái[ɛː], AÍ Aí aí[e] |
AU【𐌰𐌿】
| 発音 | オ[o], オ(ー)[ɔ(ː)] |
| ラテン翻字 | AU Au au[o], ÁU Áu áu[ɔː], AÚ Aú aú[ɔ] |
GG【𐌲𐌲】
| 発音 | ング[ŋɡ] |
GGW【𐌲𐌲𐍅】
| 発音 | ングヮ[ŋɡʷ] |
GK【𐌲𐌺】
| 発音 | ンク[ŋk] |
EI【𐌴𐌹】
| 発音 | イー[iː] |
IU【𐌹𐌿】
| 発音 | イウ[iu̯] |
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