【拡張文字編】カテゴリです。
アジアにおける拡張ラテン文字を取り上げます。
http://uyghuramerican.org/forum/showthread.php?t=1...
2008年7月に制定された中国のサラール語を表記するラテン文字。
現代中国の少数民族文字としては珍しく、拡張ラテン文字が多数存在している。
アルファベットはトルコ語/タタール語準拠 (C[ʤ], Q[q], X[x]) になっていて、使用されない字母は〈J, W〉である。
アジアにおける拡張ラテン文字を取り上げます。
1950〜60年代の中国の一部少数民族もチワン語のラテン文字と同じくIPAやキリル文字を組み込んだピンインベース(ウイグル語など)及びピンイン以前(チワン語など)に制定されたラテン文字表記法方案が作成された(字母の詳細は吉川弘文館刊『世界の文字の図典』やロシア語版ウィキペディア【Смешанный алфавит】の項で示されている)。
1980年代に入り中国の少数民族言語の文字活動が再開された頃、ウイグル語やカザフ語の正書法はアラビア文字に完全復帰し、チワン語も拡張文字を全廃して基本ラテン文字のみになるなど、ラテン文字表記による中国の少数民族言語は、21世紀に一部の言語が拡張ラテン文字を使用した正書法を取り入れるまで、全て26文字以内で表記するものだけになった。
1980年代に入り中国の少数民族言語の文字活動が再開された頃、ウイグル語やカザフ語の正書法はアラビア文字に完全復帰し、チワン語も拡張文字を全廃して基本ラテン文字のみになるなど、ラテン文字表記による中国の少数民族言語は、21世紀に一部の言語が拡張ラテン文字を使用した正書法を取り入れるまで、全て26文字以内で表記するものだけになった。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Alphabet_mixte
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%A1%D0%BC%D0%B5%D1...
旧ソ連の言語学者ゲオルギイ・ペトロヴィッチ・セルヂュチェンコ Georgij Petrovich Serdyuchenko (1904〜1965)が中国の少数民族言語表記のために作成した拡張ラテン文字。
ラテン文字にない字母をキリル文字やIPAから採用したり、ラテン文字と調和した声調文字を作成した。
後述のチワン・プイ語旧正書法の他に、彝語 Yi language 、ハニ語 Hani language の方言2種、ミャオ語の方言4種、ラフ語 Lahu language、リー語 Hlai language リス語 Lisu language 、ワ語 Va language 用の字母も含まれる。
ユニコードでは《ɕ》と《ʑ》の大文字とリス語用の《Z》を変化させた字母“Z WITH UPTURN”が採用されていない。
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%A1%D0%BC%D0%B5%D1...
旧ソ連の言語学者ゲオルギイ・ペトロヴィッチ・セルヂュチェンコ Georgij Petrovich Serdyuchenko (1904〜1965)が中国の少数民族言語表記のために作成した拡張ラテン文字。
ラテン文字にない字母をキリル文字やIPAから採用したり、ラテン文字と調和した声調文字を作成した。
後述のチワン・プイ語旧正書法の他に、彝語 Yi language 、ハニ語 Hani language の方言2種、ミャオ語の方言4種、ラフ語 Lahu language、リー語 Hlai language リス語 Lisu language 、ワ語 Va language 用の字母も含まれる。
ユニコードでは《ɕ》と《ʑ》の大文字とリス語用の《Z》を変化させた字母“Z WITH UPTURN”が採用されていない。
ピンイン制定前の1955年にラテン文字表記案が作成され、1957年に制定されたラテン文字は声調記号を文字式にしたり、IPAやキリル文字から字母を補充するなど優秀なアイデアとなっている。
たとえば、IPAのTURNED M[ɯ]をそのまま大きくした大文字を追加したり、第2声調はキリル文字《Г》のイタリック由来、第5声調の字母は創作となっている。
しかし、1986年にチワン語の正書法が、他のラテン文字を使用する中国の各民族で圧倒的多数となった声調記号も含めてラテン文字26文字で済ます複雑な方式に変更され、これらの特殊文字は全て廃字になってしまった。
中国の紙幣である人民幣には旧正書法で表記されていたこともあった。
ユニコードでは声調記号《З》と《Ч》がキリル文字カテゴリのものと共用のため、ラテン拡張-Bは含まれていてもキリル文字が含まれていないユニコードフォントの場合、対処が難しい。
たとえば、IPAのTURNED M[ɯ]をそのまま大きくした大文字を追加したり、第2声調はキリル文字《Г》のイタリック由来、第5声調の字母は創作となっている。
しかし、1986年にチワン語の正書法が、他のラテン文字を使用する中国の各民族で圧倒的多数となった声調記号も含めてラテン文字26文字で済ます複雑な方式に変更され、これらの特殊文字は全て廃字になってしまった。
中国の紙幣である人民幣には旧正書法で表記されていたこともあった。
ユニコードでは声調記号《З》と《Ч》がキリル文字カテゴリのものと共用のため、ラテン拡張-Bは含まれていてもキリル文字が含まれていないユニコードフォントの場合、対処が難しい。
- ENG?【Ŋ ŋ】(現在の正書法では〈NG〉。本来の大文字は、小文字のIPA字母を大文字サイズにしたもの)
- B WITH TOPBAR【Ƃ ƃ】(現在の正書法では〈MB〉)
- TONE SIX【Ƅ ƅ】(現在の正書法では〈H〉)
- D WITH TOPBAR【Ƌ ƌ】(現在の正書法では〈ND〉)
- SCHWA?【Ə ə】(現在の正書法では〈AE〉)
- TURNED M?【Ɯ ɯ】(現在の正書法では〈W〉)
- O WITH MIDDLE TILDE / BARRED O?【Ɵ ɵ】(現在の正書法では〈OE〉)
- TONE TWO【Ƨ ƨ】(現在の正書法では〈Z〉)
- TONE FIVE【Ƽ ƽ】(現在の正書法では〈Q〉)
- CYRILLIC ZE【З з】(現在の正書法では〈J〉)
- REVERSED OPEN E【Ɜ ɜ】(チワン語トーン3用に大文字が追加提案されたことがあり、英語IPAの大文字としてUCSの登録申請が通過され、ユニコード7.0に大文字が採用された)
- CYRILLIC CHE【Ч ч】(現在の正書法では〈X〉)
1956年に作成され、1957年に草案が発表されたプイ語のラテン文字表記。
同じタイ諸語のチワン語旧ラテン文字と共通な字母が多いが、声調記号は字形が微妙に異なるものがあり、チワン語のものでも代用されることがある。
1985年にラテン文字26文字のみの正書法が正式文字となった。
同じタイ諸語のチワン語旧ラテン文字と共通な字母が多いが、声調記号は字形が微妙に異なるものがあり、チワン語のものでも代用されることがある。
1985年にラテン文字26文字のみの正書法が正式文字となった。
- ENG【Ŋ ŋ】(現在の正書法では〈NG〉)
- B WITH TOPBAR【Ƃ ƃ】(現在の正書法では〈MB〉)
- D WITH TOPBAR【Ƌ ƌ】(現在の正書法では〈ND〉。『世界の文字の図典』の文字一覧には抜けているが、『中国少数民族文字』の151ページの一覧に含まれている)
- SCHWA【Ə ə】(現在の正書法では〈A〉)
- TURNED M【Ɯ ɯ】(現在の正書法では〈E〉)
- O WITH MIDDLE TILDE / BARRED O【Ɵ ɵ】(現在の正書法では〈O〉)
- CYRILLIC GHE【Г г】(現在の正書法では〈Z〉。チワン語の《Ƨ》が代替字形)
- CYRILLIC ZE【З з】(現在の正書法では〈C〉)
- REVERSED OPEN E【ɜ】
- CYRILLIC CHE【Ч ч】(現在の正書法では〈X〉)
- CYRILLIC HARD SIGN【Ъ ъ】(現在の正書法では〈H〉。チワン語の《Ƅ》が代替字形。SOFT SIGN《Ь》でも表記されることがある)
- CYRILLIC GHE WITH MIDDLE HOOK【Ҕ ҕ】(現在の正書法では〈S〉。チワン語の《Ƽ》が代替字形)
1960年代にウイグル語とカザフ語では、それまで使用していたアラビア文字からピンインをベースにラテン文字正書法に変更された。
連字はピンインにもある〈NG〉のみで、他はダイアクリティカルマーク付き字母とかつてソビエト連邦で使用されていた汎チュルク文字の拡張文字から採用している (但し、1930年代の旧ソ連におけるウイグル・カザフ両言語の汎チュルク・ラテン文字表記と一部異なる)。
1983年にウイグル語、1984年にカザフ語の正書法はそれぞれアラビア文字に復帰し、拡張ラテン文字は廃字となった。
2000年代にウイグル語ではインターネットの通信用ラテン文字表記が作成され、連字を大幅に採用し、母音表記にはダイアクリティカルマーク付き字母を使用している。
2006年、ユニコード5.0の拡張ラテン-Cにウイグル語旧正書法用のディセンダー記号付きラテン文字が採用され、この字母が含まれているユニコードフォントがあれば表示可能になった。
連字はピンインにもある〈NG〉のみで、他はダイアクリティカルマーク付き字母とかつてソビエト連邦で使用されていた汎チュルク文字の拡張文字から採用している (但し、1930年代の旧ソ連におけるウイグル・カザフ両言語の汎チュルク・ラテン文字表記と一部異なる)。
1983年にウイグル語、1984年にカザフ語の正書法はそれぞれアラビア文字に復帰し、拡張ラテン文字は廃字となった。
2000年代にウイグル語ではインターネットの通信用ラテン文字表記が作成され、連字を大幅に採用し、母音表記にはダイアクリティカルマーク付き字母を使用している。
2006年、ユニコード5.0の拡張ラテン-Cにウイグル語旧正書法用のディセンダー記号付きラテン文字が採用され、この字母が含まれているユニコードフォントがあれば表示可能になった。
- E WITH ACUTE【É é】(ネット用ウイグル語ラテン表記のみ。ウイグル語旧正書法では〈E〉)
- E WITH CIRCUMFLEX【Ê ê】(カザフ語のみで、〈E〉は[ɯ]音)
- O WITH DIAERESIS【Ö ö】(ネット用ウイグル語ラテン表記のみ)
- U WITH DIAERESIS【Ü ü】(ネット用ウイグル語ラテン表記も共通)
- SCHWA【Ə ə】(ネット用ウイグル語ラテン表記では〈E〉)
- O WITH MIDDLE TILDE / BARRED O【Ɵ ɵ】(ネット用ウイグル語ラテン表記では〈Ö ö〉)
- OI【Ƣ ƣ】(ネット用ウイグル語ラテン表記では〈GH〉。別名の“GHA”はウイグル語のこの字母名から)
- H WITH DESCENDER【Ⱨ ⱨ】(ネット用ウイグル語ラテン表記では〈H〉)
- K WITH DESCENDER【Ⱪ ⱪ】(ネット用ウイグル語ラテン表記では〈Q〉)
- Z WITH DESCENDER【Ⱬ ⱬ】(ウイグル語のみ。ネット用ウイグル語ラテン表記では〈J〉)
http://uyghuramerican.org/forum/showthread.php?t=1...
2008年7月に制定された中国のサラール語を表記するラテン文字。
現代中国の少数民族文字としては珍しく、拡張ラテン文字が多数存在している。
アルファベットはトルコ語/タタール語準拠 (C[ʤ], Q[q], X[x]) になっていて、使用されない字母は〈J, W〉である。
- C WITH CEDILLA【Ç ç】[ʧ]
- N WITH TILDE【Ñ ñ】[ŋ]
- O WITH DIAERESIS【Ö ö】[ø]
- U WITH DIAERESIS【Ü ü】[y]
- G WITH BREVE【Ğ ğ】[ɣ]
- DOTLESS I【I ı】[ɯ]
- I WITH DOT ABOVE【İ i】[i]
- S WITH CEDILLA【Ş ş】[ʃ]
2007年に草案が発表されたとき、以下の3字が正書法に追加予定だった。
- G WITH CIRCUMFLEX【Ĝ ĝ】
- G WITH CEDILLA【Ģ ģ】
- H WITH STROKE【Ħ ħ】
Multilingualism in China: The Politics of Writing Reforms for Minority Languages, 1949-2002 (Walter de Gruyter, 2003)
- 著: ヂョウ・ミンラン Minglang Zhou
- 【Multilingualism in China: The Politics of Writing Reforms for Minority ... - Minglang Zhou - Google ブックス】
- http://books.google.co.jp/books?id=joE5ZASNCGYC&hl...
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