▲700年6月における勢力図
ラケイトの戦いで勝者となったにも関わらず、国力の差からその後のシャリアル国侵攻に出遅れ、ロードレア、ロー・レアルス、ベルザフィリスに比べて多くの領地を得ることができなかったフェルスデッド国。
しかも、シャリアル国が消滅したことにより、ロー・レアルス国国境部隊との、偶発的、または挑発的な軍事衝突が増え始める。
これに対してフェルスデッド国の国境部隊が挑発に乗って出陣、両国はトラスの地で激突する。
本国から本格的な衝突を避ける様に厳命されていたゼノスは、この報告を聞くと、自ら軍勢を率いて土地勘のあるユスティアと共に国境部隊を回収するために出陣する。
一方で、防衛側のフェルスデッド国には選択の余地はなく、ベルザウス自らがエルドス、グフスを引き連れて迎撃に向かった。
かつてルーザロゥの戦いで共に籠城したグフス、ニールス、ユスティアが、今度は敵味方に別れて対峙することとなる。
ゼノスが到着した時、手柄を焦った国境部隊は、すでに戦端を開いていた。
そこへ「今はまだフェルスデッド国と事を構える時ではない、撤退せよ」というゼノスからの使者が到着するが、ゼノスが手柄を1人で総取りするための言葉ではないかと思いこみ、これを黙殺する。
ベルザウスは、狭い街道を利用してロー・レアルス国軍を迎え撃ち、エルドス、グフスを、既に閉鎖されていた旧街道に伏せさせておいた。
ロー・レアルス国軍を懐深く誘い込んだところで時間差をつけて二人の伏兵部隊を投入し、ロー・レアルス国軍の前線部隊はかろうじて脱出に成功したニールスを除いて壊滅した。
しかし、この時挟撃されたゼノスは、兵を鼓舞すると自ら最前線に躍り出て、無双の働きを見せて包囲網を突破していく。
その突撃を目の当たりにしたベルザウスは、「あの男を網に掛けるは容易だが、その網を喰いちぎって脱出する猛獣だ」と称した。
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