フット・イン・ザ・ドア・テクニック
OKしやすいことからはじめて、そのOKしてもらった内容をどんどん大きくしていきながらクロージングする方法である。
街頭でアンケートを頼まれ、気軽に引き受けて答えると、その後に商品を売りつけられて断るに断れなくなったことがある。またよくあるのが「お試し」。「どうぞ、ちょっと試しに着てみてください」と言われて試着すると、あの手この手のほめ言葉でいろいろと買わされてしまうことがある。
アメリカの心理学者スティンプソンたちが行った実験で、女子大生たちに環境に関するアンケートを実施し、それに回答した者に、さらに難題を要請するというものがある。
最初の依頼、「環境問題に関する10の質問に答えてください。」
第2の依頼、最初の依頼にOKしてくれた女子大生を対象に、「環境浄化に協力をして下さい。指定の場所(大学から数マイルはなれている)に、苗木を植えてもらたいのですが、お願い出来ますか?」
いきなり、2番目の依頼をすると半数以上の人が拒否をしたにも関わらず、このステップを踏むと、承諾率は80%に近いところまで跳ね上がった。
このテクニックは、通販広告(ダイレクトレスポンス広告)で良く利用されている。サンプル無料提供、モニター募集、などである
気軽に試乗してください。よろしかったら一度試着しませんか、というセールストークもこの原理を利用している。
1番目の依頼と2番目の依頼のバランスがポイントである。この2つの間にあまり大きな開きがあってはいけない。
例えば、300円貸してくれないかといってOKした相手に、すまない!急用を思い出した900円必要なんだけど・・・というのは効果があるが、ここで100万円という要請をしても逆効果である。
社会心理学では、このように最初の承諾が人間の心を拘束してしまうことをコミットメントと呼ぶ。そしてこの心理を応用した説得の方法を「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」と言う。
これはセールスマンが、片足を入れてドアが閉まらないようにしてしまえば、もう売ったも同然だというところから来ている。
2007年05月05日(土) 22:23:45 Modified by hanamaru0002