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詐欺師の精神

反社会性人格障害

病名の通り、犯罪者に多いとされるのがこの人格です。

 人格障害の定義の中に「社会が悩む」というフレーズがありますが、まさにこの人格がそれです。
 この人格の特徴は、良心の呵責を感じることなく、冷静に凶悪犯罪を行えることです。
 一方、人の心理をよんで操作するのがうまく、魅力的さえあります。
 この人格者は犯罪的な行動を繰り返すものの、良心に乏しいのでほとんど罪悪感を感じることはありません。
 不安やうつ気分におそわれることもありません。

 こういうことだから人を愛する能力を欠いていたり、人の気持ちが分かる優しさが足りません。
 しかし、人の顔色をうかがいながら、戦略を立て、うそをついたり、だましたりする能力は抜群です。
 つまり、人を操作する能力はあります。そのため、表面的には魅力的に見えたりします。

 それでは症例を見てみることにしましょう。
(症例)主訴 特になし
22歳、男性
父親がアルコール依存症であり、たびたび言い争ったり激しいケンカを繰り返してきた。 小さな頃より、すぐにかんしゃくを起こしたり、幼い兄弟に暴力を振るうことが多かった。 保育園時代も乱暴な行動が問題となり、周囲に迷惑をかけていた。 小学校にはいると、行動に落ち着きがなく万引き、窃盗などで児童相談所の世話になることもあった。 中学にはいるとさらにエスカレートしていき、恐喝、万引き、窃盗を繰り返していた。 一見するとやさしそうに見えるが、目つきが鋭く用心深いような態度をとる。 その後、一年か二年おきに補導や逮捕され少年院にはいるようになる。 以上のようなのが反社会性人格障害の典型例です。

反社会性人格障害はサイコパスであるという考えがあります。

 サイコパスとは、犯罪を繰り返す人、快楽犯罪者などの意味で使われることが多いのですが、
 考え方は反社会性人格障害と同じです。
 サイコパスのコミュニケーションの取り方は、なんとなく奇妙で、「ずれている」感じがします。
 しょっちゅう話題を変えたり、おかしな脇道へのそれ方をしたり、いきなり関連のない語句や文章を口にしたりします。
 言葉遣いの他にも、表情のわざとらしさや笑っていても「目が笑っていない」感じがしたり、
 落ち着きがなく暖かみがない雰囲気、なんとなく奇妙でずれた行動などが印象的です。

反社会性人格障害の診断基準をあげておきます。

  以下の8つのうち3つ以上あてはまり、18歳以上であり、行為障害が15歳以前に見られれば、反社会性人格障害が疑われます。

  1.法を守ると言うことができない。逮捕の原因となるような行動を繰り返す。
  2.人をだます傾向がある。自分の利益や快楽のために嘘を使うことが多いです。
  3.行動に衝動性が強く、自分の将来の計画が立てられない。
  4.怒りっぽく、攻撃性である。
  5.向こう見ずで、自分や他人の安全を考えない。
  6.一貫して無責任である。仕事を続けられなかったり、借金を返済しなかったりします。
  7.良心の呵責を感じない。人を傷つけても、いじめても、ものを盗んでも反省しません。そのため、繰り返します。



自己愛性人格障害

英語ではNarcissistic Personality Disorderです。つまりナルシストのことです。

 その原因は母親の過保護と父親の不在です。
 そのおかげでいつも自分は特別なものだと感じています。
 そのため、誰かに自分のことを非難されるのをとても耐えることができません。
 自分は特別な人間だと感じ、様々な対人関係の障害がでてくるのが特徴です。
 まわりの人間は自分を敬うのが当然と感じ、他人への思いやりに欠けます。
 究極の自己中心的な人間、裸の王様がこの自己愛性人格障害です。
 この自己愛性人格障害には、大きく二つのタイプが存在すると言われています。
 

ひとつは無自覚タイプです。

 これは日本に多いタイプで、まさに自己中心の塊です。
 多くは、母親の過保護によって生じます。愛情を注がれ過ぎたために起きます。
 「特別な子供」扱いすることで、「私は特別な人間なんだ」と思い込んでるのです。
 厚顔無恥、誇大、顕示欲の強さなどがこのタイプの特徴です。

もう一つはこれと全く逆で、過剰警戒タイプです。

 小さな頃から親の愛情を受けなかったため、褒められずに育ったために、
 「自分は本当はもっとすごいんだ」と空想して、傷付いた自尊心を取り戻そうとするタイプです。
 傷付きやすさや、過敏性が強く密かな自己愛を持っているのが特徴です。
 このタイプはアメリカで多いとされています。
 共通しているのは「自分は特別だ」と思っていることです。
 また、「独特で」「完璧な」「才能がある」と自分を表現し、「普通の人には理解できない」と感じているようです。

この二つのタイプをまとめますと以下のようになります。

無自覚タイプ
 ・他人の反応に無頓着
 ・傲慢で攻撃的
 ・自己陶酔の塊
 ・注目の的であろうとする
 ・他人に傷つけられる感情を受け付けない

過剰警戒タイプ
 ・他人の反応にひどく敏感
 ・押さえ気味、恥ずかしがり屋、目立つのを避ける
 ・注目の的になることを避ける
 ・他人の話に軽蔑や批判の証拠を探る
 ・簡単に傷つけられやすい

 では、実際の症例をみてみることにしてみましょう。
(症例) 25歳の男性。一人っ子である。
両親が高齢のときにできた子なので、幼い頃から特にかわいがられて育ち、特に不自由することなかった。 一流大学を卒業し、会社に就職するも対人関係がうまくいかなくなってきた。 「自分にはすごい能力がある」と信じまわりにそれを強要したりしたために、さらにまわりから疎まれる存在となっ ていった。 今の会社に評価されていないのは、自分のせいでなく、自分の能力があまりにも優れているためにまわりの人間には わからないと思い込んでいる。

 もう少し具体的に症状をみていきましょう。
  1.あからさまな傲慢さ
    尊大で横柄な、また大げさで相手に軽蔑的な態度をとります。
    社会生活での慣習や規則をバカにし、自分には愚かで的はずれな規則だとあざ笑います。
    自分の高潔さを他人が見のがすことには怒り出しますが、他人のそういうことに対しては全くの無関心です。
  2.対人関係での搾取
    当然の権利だと考えています。常に相手に対して自分を特別扱いするよう求めます。
    はずかしげもなく、自分が目立つためや願いを叶えるために他人を利用するのは当然のことと考えています。
  3.誇大性
    えっ?と思うようなの空想をしたり、成功や美、愛に関する未熟で自己満足的な想像に浸りがちです。
    客観的事実はどうでもよく、事実を勝手に曲げ、自分に対する錯覚を必要とあらばうそをつくこともかまわない。
  4.自己像の賞賛
    自分は価値があり、特別で(ユニークでなくても)大いなる称賛を受けるに値する人間だと信じていて、誇大的で自信に満ちた行動をとります。しかし、それに見合うような成果を収めることは少ないです。
    他人にはわがままで、軽率で、おおちゃくな人間だとみられているにもかかわらず、自分の価値を信じています。
  5.他人へのわざとらしさ
    過去の対人関係はいいように記憶が変えられています。
    受け入れることができない過去の出来事や苦しみは簡単に作り直されます。
  6.合理化のメカニズム
    自己中心的で周囲に対して思いやりに欠けた行動を正当化するために、
    もっともらしい理由を付けようとする。それらは欺瞞的で浅はかなものです。
  7.偽り
    みえみえのうそをつきます。失敗をしてもすぐに埋め合わされ、プライドはすぐに復活します。
  8.無頓着
    いっけん冷徹で無感動な自分を演じます。逆に、軽快で楽天的であるが、自己愛的な自信が揺さぶられるといかりや恥の感情や空虚感が表に出てきます。
 
 まとめますと、自己愛性人格障害は対人関係での誇大(誇張)した自分が表に出てくることが主な症状です。
 しかし、一方では羞恥心が非常に強く傷付きやすい一面を持っていたり、劣等感や怒りに満ちた一面も持っています。
 これらが対人関係をうまくさせないことの原因となっています。

 以下に診断基準をあげておきます。

以下のうち5つ以上あてはまると、自己愛性人格障害が疑われます。

  1.自分は特別重要な人間だと思っている。
  2.限りない成功、権力、才能、美しさにとらわれていて何でもできる気になっている。
  3.自分が特別であり、独特であり、一部の地位の高い人たちにしか理解されないものだと信じている。
  4.過剰な賞賛を要求する。
  5.特権意識を持っている。自分は当然優遇されるものだと信じている。
  6.自分の目的を達成するために相手を不当に利用する。
  7.他人の気持ちや欲求を理解しようとせず、気づこうともしない。
  8.他人に嫉妬をする。逆に他人が自分をねたんでいると思い込んでいる。
  9.尊大で傲慢な態度、行動をとる。

2007年05月06日(日) 01:13:54 Modified by hanamaru0002




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