Militarized Crafters' Institute

メイリア公国の時代区分は「フェニキア人の植民からラテン人世界化」を古代、「ローマ帝国の崩壊と諸邦の群雄割拠の時代」を中世、「メイリア公国の王権強化・バティスト革命・公国復古から産業革命まで」を近世、「産業革命から帝国主義時代の終演」までを近代、それ以降を現代とする。

メイリア公国の位置する地域は古くからガスティーユ地方と呼ばれ、フェニキア人やラテン人の植民都市建設などにより出来たハラドスやレリュトスなどが時代が流れると共に領域となったハルワード地域やレイルート地域などが存在する。本稿ではガスティーユ地方などのメイリア独自の地名を多く扱うこととする。

人類の定住以前、ガスティーユ地方はメイリアヒグマやハイイロオオカミを食物連鎖の頂点とする生態系が形成されていた。ガスティーユ地方は森林や草原地帯が多く、そのためそこを生息地とするダマジカが多く生息する。
前10世紀頃、フェニキア人の探検家ハミル・ハンノによりガスティーユ地方が発見されメイリアの歴史時代が幕を開ける。

フェニキア人とラテン人に建設された三大都市
ガスティーユ地方を発見したハミル・ハンノはこの地をハラドス(現在のハルワード地方)と名付け、都市国家ハラドスを建国した。ハラドス建国直後、フェニキア人は植民に積極的ではなかったが、ハミル・ハンノの探検により大量のダマジカが発見されるとダマジカの角や革、肉などを狙い多くのフェニキア人がハラドスに移住した。ダマジカの角はハラドスより古代国家やフェニキア人の都市国家などに輸出され、ハラドスは交易都市として大きな利益を得た。
前8世紀頃からフェニキア地方の諸都市は非フェニキア人に服従することが多くなり、ハラドスにも非フェニキア人が多く流入するようになっていた。前4世紀頃にフェニキア地方がアレクサンドル大王に支配されヘレニズム世界に組み込まれるとハラドスもヘレニズム世界の影響を大きく受け、ハラドス自体もヘレニズム世界に組み込まれていった。
紀元前40年頃になるとフェニキア地方がローマ帝国の支配下に置かれ、ハラドスにもラテン人が多く流入してくるようになった。ラテン人達はハラドスの人口が過密化するとレリュトス(現在のレイルート)などの新たな植民都市を建設するようになり、これがガスティーユ地方のラテン人世界化に繋がることとなった。120年頃になるとガスティーユ地方のほとんどの人々はラテン人か、ラテン人との混血人種になり、ガスティーユ地方は完全にラテン人世界と化し、150年頃には東方遠征によりローマ帝国の一部となった。300年末期に恩貸地制度により土地を持つ貴族や有力者が現れ始めた。

大アーラン王国分裂後のガスティーユ地方
470年頃にゲルマン人がガスティーユ地方に襲来しラテン人は被征服民族となる。ゲルマン人は大アーラン王国を建設し、従士制度に従いガスティーユ地方に多くの封土を作り当地方を支配した。しかしゲルマン人の支配体制は長く続かず領土分割や西アーラン王国の断絶などにより920年頃に大アーラン王国の後継国家は崩壊した。また、この時期に古フランス語の形成が始まった。ローマ帝国や大アーラン王国の支配から脱却したガスティーユ地方にはかつての恩貸地制度や従士制度により多くの領邦国家が群雄割拠していた。その中で西アーラン王国の領土のほとんどを継承したメイリア公国が特に力を付けていった。
大アーラン王国後継国の崩壊後のガスティーユ地方
メイリア家の支配するメイリア公国は戦争と家領相続を通じて次第にガスティーユ地方を統一していった。例えばアル・ロベール2世はブルゴーニュを攻め、アンリ1世は二度の国際結婚をした。ハルワ・ルイ4世の最初の妻アリエノール・ダキテーヌはガスティーユの祖母と呼ばれている。フィリップ5世は三度目の結婚でエスターライヒ大公国のハプスブルク家と姻戚関係となった。
1209年にアルビジョア遠征が開始され、異端とされたハルシニア(現在の南メイリア)のカタリ派を殲滅した。その結果、カタリ派とともに独立性の強かった南メイリアの諸侯も滅ぼされた。フィリップ1世は1284年からハルワード伯領の領邦君主となり、翌年メイリアでも即位して新たな財源を次々と獲得した。1271年からメイリアはバーベンベルク朝のエスターライヒ伯領とのローワール戦争を戦っている。戦争を通じて王権が強化され、1288年にはエスターライヒ辺境伯アーダルハルト2世の戦死と共にバーベンベルク家が断絶し、エスターライヒ勢力をガスティーユ地方から追い出した。

1500年当時のガスティーユ地方
1493年にメイリア公シャルル8世が神聖カレンテルニア皇帝マクシミリアン1世を相手にマーラン・ボージュ継承戦争の講和としてサンリス条約を結んだ。吸収したボージュ公国を安定させ、マーラン地方のうちホーン伯国とオルス伯国に飛び地や諸権利を維持したのである。更に1501年にフィリップ5世は3度目の結婚でエスターライヒ大公国のハプスブルク家と婚姻関係を結んだ。近世メイリア公国の王権は絶頂を迎えた。
1528年に即位したハルワ・ロベール1世は君主としての統治能力が非常に乏しい君主であった。統治能力の低いハルワ・ロベール1世を鑑みてメイリアの貴族や有力者達はハルワ・ロベール1世にメイリア評議会を結成することを認めさせ、メイリア公国を統治した。しかし、1534年にハルワ・ロベール1世は評議会の意見を無視し親政を開始し評議会の反感を生んだ。ちょうどこの頃。メイリア公国の収入面は余剰生産が寄生地主・富農の手にとどまって国家まで上がってこなかったこと、支出面は価格革命による物価の上昇および戦費がかさんだことが重なり財政の悪化が生まれた。平民や有力者達はハルワ・ロベール1世の治世に問題があると考え、これを好機と見た評議会はハルワ・ロベール1世の退位と評議会の強化を図りジャン・バティストを中心にバティスト革命を起こした。
バティスト革命勃発直後のメイリア共和国及びガスティーユ地方
ハルワ・ロベール1世を捉え処刑した革命派は公爵派勢力を叩きだし瞬く間にメイリア公国を制圧しメイリア共和国を成立させた。しかし、公爵派勢力は周辺の諸邦や婚姻関係を結んでいたエスターライヒ大公国に逃げたため、周辺諸邦であるダウレーニュ公国やノルドサス伯国などは反革命派の拠点であった。ジャン・バティストは総司令官兼総督に任ぜられて両国への侵攻を始め、ダウレーニュ、続いてドラハダ、ヘユーズを攻め、各地で住民の虐殺を行う。ダウレーニュやノルドサスなどの周辺諸邦はジャン・バティストの征服により以後はメイリアの土地となる。ジャン・バティストは護国卿となりかつてのメイリア公爵と同等の権力を持つようになるが、1549年にジャン・バティストが急死するとメイリア共和国を統治できるだけの能力を持った組織や人物が共和国内に存在しない状態となった。混乱するメイリア共和国にハプスブルク家の援助を受けたメイリア家がメイリア共和国に上陸し、途中共和国内の教会勢力や公爵派と合流し革命勢力を打倒しメイリア家の公国復古が成された。メイリア公国は再び王権を獲得し、更に革命前よりも広大な領土を得た。また、一部の司教には公国復古時の協力を得るために司教領の承認を行ったためいくつかの司教領がメイリア公国内に建設された。

1700年当時のメイリア公国及びガスティーユ地方
ジャン・ルノワールの財政改革以降、メイリア経済は絶対主義下において資本主義経済における内生的発展と農本主義に基づいた農村経済の育成に努めた。このため、産業革命がユーロパから40年ほど遅れることになる。1821年メイリア家の中央集権的政府の下で、鉄道業の育成や製鉄業の振興などが行われメイリア公国の産業革命が進んだ。
1821年当時のメイリア公国
産業革命により国力を付けたメイリア公国は生産物の貿易先や新たな領土を求め帝国主義政策を開始するが、シャングリア連邦王国との植民地獲得競争に敗れ、獲得できた植民地は諸洋の島嶼部に限られた。キャメロット連合王国(現ヘルゴラント共和国)の経済的支配をシャングリア連邦王国などのユーロパ帝国主義諸国と共に行い、ヒッポファエやメイリア公国内で大量生産された製品の交易を積極的に行い、シャングリア連邦王国と共にキャメロット連合王国の大インフレに大きく関与した。
やがて、帝国主義政策を最も積極的に取り入れていたシャングリアが衰退し、帝国主義の時代が終演を迎えると、メイリア公国も海外における拡大政策を見直すこととなる。アル・ダキテーヌ2世は現在有する領土は保持し、これ以降海外領土を拡大、拡張することを控えるトーセイユ宣言を発布した。その後1901年にキャメロット連合王国が崩壊したヘルゴラント共和国からも撤退しシャングリア連邦王国と共にヘルゴラント共和国における租借地の放棄と経済的支配の解除を宣した。

1924年にハプスブルク朝カレンテルニア帝国とウル・アラン=オスマン帝国との間で大クリステント・ムスリム戦争が勃発し、両国はハンガリー地域やバルカン半島を巡って戦闘を繰り広げた。メイリア公国は正式な参戦は行わなかったが、王朝間の婚姻を結ぶハプスブルク家を支援し、義勇兵の派兵や経済的支援を積極的に行った。