タグ検索で♀竜×♂人間125件見つかりました。

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開かれた扉

ロブ達と彼らの結婚式場の下見に出掛けた翌日の日曜日・・・ 俺は大学が休みだというのに朝早くから目を覚ますと、相変わらずベッドの隣で悠長に大鼾を掻いているプラムの姿を目にして何故か安堵の息を吐いていた。 初めてこの島に来てからまだそれ程日も経っていないというのに、昨日幸運にも2軒目にして良い式場を見つけたロブはもう次の土曜日にはジェーヌとの結婚の予定を固め、その影響で俺もまたプラムとの結婚を意識し始めている。 何もかもがほんの数ヶ月前まで暮らしていた人間社会とは違っている別世界だというのに、俺は今やこの半月…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b3%ab%a4%ab%a4%e... - 2020年10月23日更新

愛しのプラム

ピピピピッ・・・・ピピピピッ・・・カチッ・・・ 俺は朝の7時に鳴り始めた目覚まし時計を止めて微かに眠気の残る目を開けると、まだ隣でゴロゴロと惰眠を貪っている大きな布団の山を一瞥して小さな安堵の息を漏らしていた。 そして人間の俺にとっては広大と言っても良い3メートル四方もあるベッドから静かに降りると、そのままシャワーを浴びようと部屋に備え付けられた風呂場へと足を運ぶ。 ここはとある大学に通う学生達の為に用意された学生寮の一室。 だがこの大学が世界中に無数にある他の大学と違う点は、人間の為の大学ではないという…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b0%a6%a4%b7%a4%c... - 2015年06月16日更新

魔性の果実

「アディ・・・アディ・・・まだ寝てるのか?」 「ん・・・あ・・・うん・・・もう少し寝かせて・・・」 心地良い眠りの中に突如として無遠慮に響いてきたその父の声に、僕はガラガラに乾いた喉から辛うじてそんな返事を返していた。 「全く・・・他の友達はもう外で稽古を始めてるぞ。お前も出遅れるなよ」 そしてそう言い残した父が部屋を出て行くと、ほんの少しだけ体を起こして窓の外の景色に視線を移す。 「やっ!・・・やっ!・・・やぁっ!」 やがて視界を埋め尽くした緑の山と森に囲まれている長閑な田舎の風景の中に、必死で木剣を素…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%cb%e2%c0%ad%a4%c... - 2020年08月02日更新

天国への渇望

「ん・・・もう残り15分か・・・」 俺は終業まで残り僅かとなった時計を見上げると、思わず深い息を吐いていた。 「何だ?溜息なんか吐いて・・・お前、まだ正月ボケが治ってないんじゃないのか?」 その何処か嫌味ったらしい同僚の言葉にも、何だか今日は反論する気が失せてしまう。 「確かに・・・お盆やゴールデンウィークの大型連休に慣れちまって、6連休くらいじゃ物足りなかったのかもな」 「んなこと言ったって、つい先週も3連休があったばかりだろ。そろそろ決算だって近いんだし、気合い入れろよ」 だが珍しく俺に発破を掛けてく…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%d... - 2020年04月28日更新

天国に向かう者達

忙しかった夏が終わり、あっという間に過ぎ去った秋の暮れ・・・ 俺はまだ暖房をつけることが出来ない為に肌寒い社内の一室で、通勤用のコートを羽織りながら机に向かっていた。 「それにしてもここ最近、急激に気温が下がったな」 「全く、夏から急に冬になったような気分だよ。まあそれでも、外回りの仕事に比べたら恵まれてる方だけどな」 俺は隣にいた同僚とそんな会話を交わしながらこれからまた忙しくなるであろう年末に向けての仕事の下準備を終えると、もうすぐ定時の17時半を指そうとしている壁掛け時計を一瞥していた。 入社から半…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2017年01月03日更新

天国から続く階段

「よし、今日も無事終わったな。平日が少ないと仕事が終わるのか逆に不安になっちまうよ」 「そういや今週もまた3連休か。あと10日もしたら消費税も上がっちまうし、今週末の予定はもう決まってるのか?」 何時も業務が集中する金曜日にしては珍しく順調に仕事を終えた俺は、隣の席で同じく定時5分前の時計を悠然と見上げている同僚とそんな会話を交わしていた。 「いや・・・ここ最近は正直することがなくてさ。6月にボーナスも出たのに金を使う機会が無いから貯まる一方だ」 だが丁度俺がそう言った時、こちらに向けられていた彼の視線が…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%a... - 2019年12月06日更新

決意問われし時

「ふぅ・・・やっと帰って来れたわ。楽しかったわね、アレス」 「そうだな・・・でも流石に疲れたよ。2日間遊び通すっていうのも、割と体力を使うもんなんだな」 ほんの10時間程前・・・今日の朝にも目にしているはずの"L-0103"と書かれた部屋の扉を前にして、何だか遠い遠い夢の世界から帰って来たかのような錯覚に陥ってしまう。 この島に来て初めて迎えた週末は、俺が想像していたよりも遥かに刺激的で危険な誘惑に満ちた2日間だった。 朝早くから寮を抜け出して島のあちこちに点在する娯楽施設や食べ処を巡るというプラムのお勧…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b7%e8%b0%d5%cc%e... - 2016年03月30日更新

天国に生くる伝説

「やったぁ!」 今週最後の昼食を終えてようやく一息付いた頃・・・ 俺は食堂の隅の方で携帯を弄っていた後輩が突然そんな喝采の声を上げながら飛び上がった瞬間を目撃していた。 そして一瞬の間を置いてハッと我に返った彼が、自身に向けられていた無数の好奇な視線の中から逸早く俺を見つけ出してこちらに駆け寄ってくる。 「先輩!先輩!」 「ど、どうしたんだお前・・・ここ最近、昼間はずっと携帯弄くってるみたいけど・・・」 「そんなことより!今日!行きましょう!あの店に!」 座っていた席からここまで大した距離を走ってきたわけ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2017年11月30日更新

天国に息衝く母達

「ふぅ・・・今日は定時に上がれそうだな・・・」 「ああ、俺も何とか目途が付きそうだよ。週末くらいは早く帰りたいしな」 「まあ今年も新入社員は入らなかったから、新人の面倒を見るのに手間が割かれてないだけまだマシな方だよ」 俺はそう言ってもう定時5分前となった社内の時計に目をやると、ようやく一段落した今日の業務を見直していた。 「そういやあいつ、今年も後輩が出来なかったってぼやいてたなぁ」 「そう言ってられるのも今の内だろ。いざ新人が入ったら、自分の仕事なんかまるで手に付かなくなっちまうからな」 そして同僚と…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2018年08月08日更新

天国の花々

「よし・・・今月はこれで終わり・・・と・・・」 「もうすっかり慣れちまったけど、やっぱり月末ってのは何かと忙しいもんだな」 「まあ俺達なんかよりも、本当は経理や人事の方がよっぽど多忙なんだろうけどさ」 同僚とそんな会話をしながら、俺は何とか定時前に仕事を終わらせることが出来てホッと一息ついていた。 「そういやお前、明日は有給を取ってるんだっけ?」 「ああ・・・何でも人事部の方で有給取得を推進する動きがあるらしくてな。月初から休むのは何か気が引けるけど」 「今話題の働き方改革とかって奴か・・・まあこの業種で…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2017年10月08日更新

愛竜の住まう天国

ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・ 「んっ・・・うぅ・・・」 心地良いまどろみの中に突如として聞こえて来た、耳障りな目覚まし時計の電子音。 だが思わず反射的に音のする方へ手を伸ばした俺は、もうそこにあるのが当たり前だと思っていた温もりを感じなかったことに気付いてハッと目を覚ましていた。 「プラム・・・?」 そして相変わらずけたたましく鳴り響く目覚ましを止めると、広いベッドの上で迎えた寂しい朝の目覚めにゆっくりと背筋を伸ばす。 今の時間は・・・まだ7時半か・・・ そう言えば昨夜は、プラムが最後の研修だと言っ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b0%a6%ce%b5%a4%c... - 2018年01月25日更新

天国に恋焦がれて

11月・・・一雨降る毎に風が冷たくなり本格的な冬の気配が近付いてくるこの時期は、何かと忙しい年末に向けた準備期間ということもあって心の落ち着かない日々が続くものだ。 かく言う俺も入社から半年が経過した職場ではいよいよ本格的な業務へ参加する機会が増えてきて、ここ最近は先輩社員の指導にメモを取りながら1日中PCと向き合う日々が続いていた。 「よし・・・今日はこのくらいにしておこう。俺は来週の会議の資料を作るから、お前達はもう上がっていいぞ」 やがてそんな先輩の声が聞こえてくると、長らく続いていた緊張の糸が解け…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2016年01月09日更新

恐妻家

「キャウッ、キャウキャウ・・・」 「キュウ・・・キュッキュキュウ・・・」 外に逃げ出せないように地面を深くくりぬいた穴の中で、子供達が甲高い声を上げながら跳ね回っていた。 その元気な幼子達の様子を眺めながら、深い溜息をつく。 「ふう・・・全く、なぜワシがこやつらの面倒を見ていなければならんのだ・・・?」 本来子供達の面倒を見るのは妻の役目のはずなのだが、当の妻はワシに一言言い残すと今日も上機嫌で洞窟を出ていった。 「獲物を獲ってくるから、その間子供達をお願いね」 ・・・それはワシの役目だというのに。 確か…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%b6%b2%ba%ca%b2%c... - 2008年08月12日更新

招かれざる災禍

数人の人間達と1匹の青い雌竜がその場を後にしてから数時間後・・・ 深い夜の闇に沈む洞窟をある1つの影が訪れていた。 最早確信と言っても差し支えのない暗い悲劇の予感に、洞窟の中へと踏み入れられる彼の足取りはまるで深い泥濘の最中を引き摺るかのように重々しい。 だがいよいよ濃い血の匂いが充満する住み処の最奥へと辿り着くと、彼は真っ暗な闇の中で広場の中央に倒れ伏した己の母親を即座に見つけ出していた。 背後から容赦無く首を噛み砕かれて息絶えた、大きな大きな母竜の無残な姿。 やがて既に冷たくなったその骸に頬を寄せると…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%be%b7%a4%ab%a4%e... - 2010年12月23日更新

天国を目指す同志

世間で多くの物事が新たなサイクルに切り替わる4月・・・ 俺も社会人としての1年目を終えると同時に、新たに2人の新入社員がこの会社へと入社してきた。 これまでにも学生生活で後輩と呼べる存在が出来たことは幾度かあるのだが、職場というある意味で特殊な環境において後輩の存在は何処か特別なものに感じられるものだ。 そして当然と言うべきか、入社2年目の俺と同期の同僚はそんな新入社員達の指導役に抜擢されたのだった。 もちろんIT企業という職場の特性上彼らへの業務指導については経験の長い社員が担当するらしいから、俺達の役…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%f... - 2016年05月17日更新

ある火竜の買い物

ガッ・・・ガッ・・・ しんと静まり返った作業場に、金鎚を振り下ろす甲高い音が幾度と無く響き渡っていく。 鋭く叩き付けられる鉄塊の下にあるのは、型に沿って細長く延べられつつある金の欠片だ。 大学を出るなり宝飾技師としての修行に入ってから早4年・・・ 俺は無数にある職業の中で、何故こんな地味な仕事を選んでしまったのかを今もなお自問自答し続けていた。 職に貴賎は無いという言葉があるが、貴賎は無くとも人によって得手不得手というものは絶対的に存在するものだ。 確かに長時間に亘る集中力に類稀なる手先の器用さと芸術的な…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%a4%a2%a4%eb%b2%d... - 2015年01月17日更新

北を守る者

木々の合間を縫うように走る、紫色の影。 その影に追い立てられて、ジュウは行けども行けども終わりの見えない森の中を、必至の形相で逃げていた。 普段決して足を踏み入れてはならないとされている、村の北に広がる森。 村に住む若き薬師、ジュウは、ふと珍しい薬草を見つけて安易な気持ちでそこに入ってしまい、不用心な事に迷い込んでしまったのだ。 胸に深々と切り付けられた爪痕からは、とめどなく血が流れだしていた。 痛みと恐怖をこらえながらジュウは、おそらく奴は遊んでいる、と思った。 ただ仕留めるならば、遭遇時の一撃で十分…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%cb%cc%a4%f2%bc%e... - 2018年04月30日更新

鍛えるは鋼の爪

ドガッ! 「う・・・ぐ・・・はあっ・・・」 まるで雷が落ちたかのような、生まれて初めて感じる凄まじい衝撃。 琥珀色の鱗を纏った巨大なドラゴンが勢い良く振り回した屈強な尻尾に撥ね飛ばされて、僕は岩壁に強か打ち付けた背中の痛みに息を詰まらせていた。 幾度と無くドラゴンの背に振り下ろしたはずの自慢の剣は余りに硬い竜鱗にほんの小さな傷さえ付けられず、反対にその刀身には今にも砕け散ってしまうのではないかと思える程の無数の亀裂が刻み込まれている。 そして体を起こす気力がついに尽きてしまうと、獲物を仕留めたドラゴンが静…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c3%c3%a4%a8%a4%e... - 2011年03月29日更新

桃色の毒花

何処までも何処までも永遠に続くかに思える、僅かな弧を描く水平線。 私は静かな水面を湛えた大洋を進む大きな船の舳先に立ったまま、到着までまだ優に10日は掛かるであろう遠い異国の地へと思いを馳せていた。 だが晴れ渡った空を見上げていた私の耳に、不意に随分慌てていると見える荒々しい足音が届いてくる。 「ああ、クローナ殿!ここにいらっしゃったのですか?随分探したのですよ」 「どうかしたの?」 やがて私の前に姿を見せた2人の男達が、そんな私の質問に焦燥を募らせた声を上げていた。 「船員の1人が、急に意識を失ってバッ…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%ed%bf%a7%a4%c... - 2013年06月03日更新

天国の祭事

「ふぅ〜・・・終わった終わった・・・」 「ようやくゴールデンウィークに突入だな。お前、週明けも休みを取ってるのか?」 「はは、まさか。今年は新入社員の入社も無かったし、俺だって流石に9連休なんて贅沢をしてる暇は無いよ」 先々月から始まったプレミアムフライデーとかいう奇妙な制度のお陰か珍しく16時過ぎに仕事を終えると、俺はそう言いながら椅子の背凭れに背を預けるように大きく背伸びしていた。 「あ、お疲れ様です先輩。先輩達も、もう上がりですか?」 「ああ・・・何だか、お前らも1年で随分逞しくなったよな」 「今年…

https://seesaawiki.jp/w/moedra/d/%c5%b7%b9%f1%a4%c... - 2017年06月07日更新

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