ラテン文字などの拡張補助文字や人工文字、ユニコード絵文字など特殊文字に関するウィキです。

19世紀〜20世紀中期に英語の綴り字改革がよく行われていました。
これに追加された特殊拡張ラテン文字の存在する文字を紹介します。
19世紀のものの一部はGoogle ブック検索で確認できます。

ラテン文字系統

アルファベット26 - Alphabet 26

http://www.pbtweb.com/alpha26/index.html
  • 作成者: ブラッドベリー・トンプソン (作成年: 1950年)
大文字に統一した改造ラテン文字で、A, E, M, Nの4字は小文字を大文字化したものになっている。
小文字の代わりにスモールキャップを使用している。

イニシャル・ティーチング・アルファベット - i.t.a.

http://www.itafoundation.org/alphabet.htm
http://www.thesauruslex.com/typo/ita.htm
  • 作成者: ジェームス・ピットマン (発表年: 1961年)
1960年代に英語初等教育用に作成された改良ラテン文字で、小文字のみ。
英語の伝統的な正書法によるリガチャが多数作成されている。
基本的に1音1字だが、/k/音に対してcとkの2種類があるなど例外も。

トーアスクリプト - Torskript

http://www.spellingsociety.org/bulletins/b80/summe...
  • 作成者: ビクター・ペリー・ポールセン (発表年: 1963年)
英語改造文字で基本的に大文字・小文字の個別が存在している。
キリル文字やIPAから字母を借用し、又、ラテン文字の字形も変形している。
・ESHは大文字はシグマと同型だが、小文字はスモールキャピタルになっている。

リードスペル - Readspel

http://openfontlibrary.org/media/people/phthenry/r...
  • 作成者: ロナルド・キングズリー・リード
小文字のみ使用される英語改造文字。
英語を第二言語とする国々の初等教育用に作成された。
ラテン文字を変化させたものやそのリガチャから構成される。
フォントも作成されている。

SSA式音素字母 - Simpler Spelling Association phonemic alphabet

http://wat.midco.net/jvipond/miscellany/NuSpel.htm...
ラテン文字の小文字のみを使用。
頭文字は大文字の代わりにボールド体を使用したり先頭にアスタリスクを付加。
フランクリン文字に近い字形がある。二重母音にリガチャが多用される。

アゾリア文字 - AZOREAN PHONETIC ALPHABET

http://www.indochinegame.com/board_games/spelling....
英語の発音40種を表記するため、句読点類なども字母に転用したもの。
本来の子音字が子音と母音、両方の読み方が与えられている。

ヌスペル文字 - NUSPEL ALPHABET

http://www.nuspel.org/phonics-reading.html
英語用の人工文字。主にIPAから多数の字母を借用している。

ヌーアルフ文字 - NOOALF ALPHABET / 2NY4YQ

http://www.nooalf.com/ING%20PIKsRZ.html
ラテン文字の大文字を改造した人工文字。
英語の他にスペイン語も表記できる。

ジョリー文字 - Jolly Alphabet

http://www.spellingsociety.org/journals/j1/jolly.p...
  • 作成者: クリス・ジョリー
既存の英語アルファベットを加工した人工文字。
通常のラテン文字と違って、大文字と小文字が異なる字母が多い (例: Aの小文字が《æ》、eの大文字が《Ɇ》)。

フォニック文字 - FONIK ALPHABET

http://tedhuntington.com/fonik.htm
ラテン文字の大文字を改造した人工文字で、小文字は無い。
大文字の一部を変化させている。

NS8

http://www.spellingsociety.org/bulletins/b83/fall/...
本来フランス語用の人工文字として作成され、英語用にアレンジされた。
基本文字はクーリエ体で、ラテン字母の一部を減画したり、シェイヴィアン文字のような字母を追加して拡張文字を作成している。

アルファダズン文字 - Alphadozen

http://www.geocities.com/endipatterson/alphadozen.... (※HP閉鎖)
  • 作成者: アンドリュー・パターソン
2004年ごろ作成された英語用の人工文字。
二重母音字などが作成され、O字はセディラの向きで発音が変化する。
  • 数字はピットマン文字と同じく、10と11に相当する“2を逆にした数字”と“3を逆にした数字”が存在。
  • アンパサンド記号は通常の《&》と《Ɛ》に斜線を引いたものの2種で、後者は前者のをまとめる働きをしている。
  • “The”は《Ð/ð》のみで表記される。
  • アットマークは《@》とaの変形の2種。

フォノグラフィック文字・フォノ-1 - Phonographics: FONO.1

http://www.omniglot.com/writing/phonographics.php
  • 作成者: ヘロン・ストーン
フレイザー文字のように字母を逆にしたり、ラテン文字の一部を減画したりしてラテン文字を改造した英語用人工文字。
  • RとLは字幅を少し横長にして発音を区別する。

新アングロサクソン文字 - New AngloSaxon Spelling

http://wiki.frath.net/New_AngloSaxon_Spelling
英語の綴り字にほぼ近い由来の変形字母(チワン語第2声調記号《Ƨ ƨ》[z]や逆向きEZH《Ƹ ƹ》[ʒ]など)を採用している。
母音の異体字なども多く、大半はユニコードにあるものだが独自のリガチャがある。
NASS2
新アングロサクソン文字のダイアクリティカルマーク付き字母を、特殊ラテン文字で置き換えたもの。
ほとんどがユニコードに登録されている字母(《Ƣ ƣ》[ɔɪ], 《Ɯ ɯ》[aʊ]など)だが、特殊な創作字母や異体字もある。

フォニックスプラス - Phonics plus

http://www.phon.ucl.ac.uk/home/wells/blog0806a.htm (2008/6/13の日記参照)
  • 作成者: クリス・ジョリー
ジョリー氏の提案した英語教育方法“ジョリー・フォニックス”を改良したもので、11個の新字母を追加したもの。
字形は i.t.a.の影響を受けている。
《a》と《ɑ》、《y》[j]と“SCRIPT Y”(EYEの[aɪ]音)を別字母として分割し、《є[iː], ɵ[oʊ], ɤ[ʊ], ɷ[uː], ɦ(tとの連字で[θ]を表す)》などが追加。
  • “左右逆のZ”が[z]音の〈S〉を表す字母として取り入れられている。

OR-E - Orthographically Reformed Engish

http://www.or-e.org/
ほとんどがIPAの字母を採用した改良英語綴り字。小文字のみ。
IPAの他に《ñ》[nj]も採用されている。
IPAとは異なり《ʊ》がワ行[w]とウー[uː]の音を示したり、IPAと発音が異なる字母もある。

ブリティック - bRitic

http://www.voting.ukscientists.com/spel.html
http://www.spellingsociety.org/journals/j5/westafr...
英語のアルファベットにスモールキャピタル4字 (《ᴀ》[æ, a (二重母音のみ)],《ɴ》[ŋ],《ʀ》[r / ɹ],《ʏ》[j]) を加えたもの。
追加されたスモールキャピタルは大文字に代替可能であり、その場合は《w》は大文字に変わる (《w》はウー[uː]音を兼ねているため)。
  • アポストロフィ《'》は[ə]音を含有した母音字になっている。
  • ハイフン《-》は長音記号となっている。
  • 《f》が[f]と[θ](“Think”のス音),《v》が[v]と[ð](“This”のズ音)の両方の音を表す多音字となっているため、改良案として大文字あるいはスモールキャピタルの《F》を[θ]、《V》を[ð]を表す修正案や《x》を[θ, ð]の多音字とする修正案がある。

ヴィラル文字 - VIRAL / Vipond’s Regularized Alphabet

http://wat.midco.net/jvipond/miscellany/alfabet.ht...
  • 作成者: ジェームズ・H・ヴァイポンド
英語で廃字になった字母(《Ð ð》や《Þ þ》[θ]など)やIPAの字母(《Ʊ ʊ》や《Ŋ ŋ》など)の他、ユニコードに登録されている《Ȣ ȣ》[aʊ]が追加されている改良英語アルファベット。
  • 長音・二重母音表記用に《Ɛ ɛ》[iː]や《Ѥ ѥ》[aɪ], UE《ᵫ》[juː]などがあるが、後者はユニコードに大文字が登録されていないため、アキュート付きU《Ú ú》で代用されるなど、アキュート付き字母に置き換えられる場合がある。

新ピットマン教育用字母 - (New) Pitman Teaching Alphabet

http://www.newenglishalphabets.com/pitman_teaching...
i.t.a.を一部改造して修正を施した初等教育用字母。
i.t.a.ではリガチャとして表されていた字母が連字に変更されたり、独特の改造ラテン字母に変更されるなど、i.t.a.との共通字母がほとんど無くなっている。
例えば、オウ[oʊ]音を示す字母が算用数字のゼロ《0》に似た字母になっていたり、《ð》の字母がIPAと異なり[θ]音になっている。

スー・ロイド式フォニックス - Sue Lloyd’s Phonics

http://www.spellingsociety.org/journals/j28/jollyp...
英語初等学習用のために異体字を独立した字母として加えたもので、フォニックスの提案のひとつ。
《a》と《ɑ》,《e》と《є》の区別や、《s》と《y》の筆記体を直立体にしたものが特徴。

アマンダ・モランテ文字 - Amanda Morante’s Alphabet

http://www.amandamorante.com/index.php?showimage=1...
  • 作成者: アマンダ・モランテ (発表年: 2007年)
文字改革ではなく、タイポグラフィとして発表された英語の発音表記用文字。小文字のみ。
字母を変形したり、マクロンや横線(《ħ》と《ŧ》)を付加している。

フォンドット文字 - Phondot

http://www.phondot.com/
  • 作成者: ロバート・ボーデン (発表年: 2003年)
英語教育用に考案された人工文字。
英語アルファベット小文字の上下左右に点を付加或いは融合させて、発音を区別することが最大の特徴である。
例えば《a, e, o》の上部に点が融合されると、それぞれ[eɪ, iː, oʊ]音となる。
  • 無音になる箇所は取り消しの横線が加わる(《ɨ》など)。
  • [ə]音などの曖昧母音はステンシルのような白抜き横線が加わった字母となる (シュワー SCHWA と総称される)。

ハイマイト文字 - Hymite Alphabet

http://indig0.bravehost.com/ycursive.html
英語の文字に一部改良を加えた文字。
基本字形は大文字で、追加文字はダイアクリティカルマーク付きは小文字、拡張文字は大文字か小文字のいずれかになる。
記号《†》と《∞》がラテン文字に加わっている。

シェイヴィアン系

  • シェイヴィアン系文字?】へ。

参考HP

Wiki内検索

メニューバーA

記号説明

  • [ ]…IPA発音表記及びフリガナ/意味
  • 【 】…特殊文字見出し
  • 《 》…特殊文字
  • 〈 〉…連字
  • 『 』…作品名
  • 〓…ユニコード未登録の字母
  • †…廃字, 携帯電話絵文字の代替テキスト
    • ‡…特殊な字母, 代用表記, 異体字


【略称】
  • IPA…国際音声記号
  • キルシェン…キルシェンバウム音声記号
  • i.t.a.…イニシャル・ティーチング・アルファベット
  • 大…大文字/小…小文字
  • 半…半角形/全…全角形

管理人/副管理人のみ編集できます