ラテン文字などの拡張補助文字や人工文字、ユニコード絵文字など特殊文字に関するウィキです。

拡張アラビア文字辞典】カテゴリです。
ター系の派生字を使用する言語をまとめます。
拡張アラビア【BEH】 | 拡張アラビア【JEEM】

※上部に2種類の点が付いている場合、日本語表記では〈(上部)と(下部)〉、英語表記では〈(BELOW) AND (ABOVE)〉(一部例外有り)になっております。

基本字母

TEH - ター【ﺕ ﺖ ﺘ ﺗ】

基本発音トゥ[t]
数価400
属性太陽文字
ユニコードU+062A
数値参照ت
表示形(独立形)U+FE95
数値参照(独立形)ﺕ
表示形(語頭形)U+FE97
数値参照(語頭形)ﺗ
表示形(語中形)U+FB98
数値参照(語中形)ﺘ
表示形(語尾形)U+FE96
数値参照(語尾形)ﺖ
【発音が異なる言語】
・中国(小児経)[tʰ]、ベラルーシ[tʲ]
【解説】
アラビア文字第3字母。
当初はバーやサーと同じ字形(点無しのバー《ٮ》)だったが、これらの字母との識別のため、7世紀後半から上に2点ヌクタ《¨》が付加された。
変種としてター・マルブータ《ﺓ》(→拡張アラビア【HEH】)がある。
なお、中国語小児経ではピンインのT同様、有気音トゥ[tʰ]を表す。

THEH - サー【ﺙ ﺚ ﺜ ﺛ】

基本発音ス[θ]
数価500
属性太陽文字
ユニコードU+062B
数値参照ث
表示形(独立形)U+FE99
数値参照(独立形)ﺙ
表示形(語頭形)U+FE9B
数値参照(語頭形)ﺛ
表示形(語中形)U+FB9C
数値参照(語中形)ﺜ
表示形(語尾形)U+FE9A
数値参照(語尾形)ﺚ
【発音が異なる言語】
・ウルドゥー他インド系[s]、オスマン・トルコ他チュルク系[s]、カバルダ[ts]、中国(小児経)[ʨʰ, ɕ]、ハウサ[ʧ]、ベラルーシ[ɕ]、ペルシア他イラン系[s]、モサラベ/モリスコ[t]
【未使用言語】
・ウイグル、カザフ、キルギス、クルド、ボスニア
【解説】
アラビア文字第4字母。
当初はバーやターと同じ字形(点無しのバー《ٮ》)だったが、これらの字母との識別のため、7世紀後半から上に上1点下2点ヌクタ《∵》が付加された。
おそらく追加された上部のヌクタは、発音の摩擦音化を示している。
大多数を占めるTH[θ]音を持たない言語では[s]音に置き換えられ、アラビア借用語にのみ使用される。
中国語小児経ではピンインのX[シ ɕ]およびQ[チ ʨʰ]に対応。ベラルーシ語は現在のキリル文字正書法の〈СЬ〉に対応。
カバルダ語(1923年までの旧正書法)ではツ[ts]音、ハウサ語ではチ[ʧ]音を示す。
【備考】
・ジャウィ文字の上3点付きヌーン[ɲ]《ڽ》は別字(この字母の語頭・語中形はPEH《ﭘ》と同型)。

拡張字母

TTEH - テー【ﭦ ﭧ ﭩ ﭨ】

ユニコードU+0679
数値参照ٹ
表示形(独立形)U+FB66
数値参照(独立形)ﭦ
表示形(語頭形)U+FB68
数値参照(語頭形)ﭨ
表示形(語中形)U+FB69
数値参照(語中形)ﭩ
表示形(語尾形)U+FB67
数値参照(語尾形)ﭧ
【使用言語・文字】
・ウルドゥー[ʈ]、ガウリー[ʈ]、カシミール[ʈ]、サラーエキー[ʈ]、シーナー[ʈ]、パトワーリー[ʈ]、バルティ[ʈ]、バローチー[ʈ]、パンジャブ[ʈ]、ブラーフイー[ʈ]、ブルシャスキー[ʈ]
【解説】
ウルドゥー語の拡張アラビア文字で、ヒンディーのター HINDI TEH という異称がある。
かつては点無しTEHの上に上4点のヌクタ記号が使用されていたが、18世紀後半にそり舌音を示す上付きの(強勢子音の)TAH小文字 SMALL HIGH TAH《ﻁ》に置き換えたもの。
【異体字】
・旧字体はTAH小文字の代わりに四つの点《ﭢ》。
【備考】
・サラーエキー語 Saraiki Language では RNOON《ﮠ》と語頭形・語中形が同型。

TTEHEH - テーヘー【ﭞ ﭟ ﭡ ﭠ】

ユニコードU+067A
数値参照ٺ
表示形(独立形)U+FB5E
数値参照(独立形)ﭞ
表示形(語頭形)U+FB60
数値参照(語頭形)ﭠ
表示形(語中形)U+FB61
数値参照(語中形)ﭡ
表示形(語尾形)U+FB5F
数値参照(語尾形)ﭟ
【使用言語・文字】
・シンディー[ʈʰ]、ザルマ[ɲ]、ソンガイ[ɲ]、パルカリ[ʈʰ]、プラール[c]、フルフルデ[mb]
【解説】
入破音の縦並び上2点ヌクタ《:》を無声有気音用に転用したシンディー語用に作成された拡張文字。
ソンガイ語 Songhai Language ではフランス語GN音、フルフルデ語 Fulfulde Language では二重子音MB音、と鼻音表記に使われている・

TEH WITH RING - リング付きター【ټ】

ユニコードU+067C
数値参照ټ
【使用言語・文字】
・オルムーリー[ʈ]、コンカニ[ʈ]、パシュトー[ʈ]
【解説】
パシュトー語用に作成された拡張文字。
ターの下部に、そり舌音を示す小さな円《○》を付加したもの。

TEH WITH THREE DOTS ABOVE DOWNWARDS - 下向き3点付きター【ٽ】

ユニコードU+067D
数値参照ٽ
【使用言語・文字】
・ウォロフ[ʧ]、カヌリ[ʧ]、シンディー[ʈ]、ソニンケ[ʧ]、ソンガイ[ʧ]、タマシェク[ʧ]、ハウサ[ʧ]、パルカリ[ʈ]、プラール[ʧ]、マンディンカ[ʧ]
【解説】
シンディー語用に作成された拡張文字。
点無しTEHに、そり舌音を意味する上2点下1点のヌクタ《∵》を付加したもの。
アフリカ諸言語では英語CH音を表す同型の字母が採用されている。

TEHEH - テーヘー【ﭢ ﭣ ﭥ ﭤ】

ユニコードU+067F
数値参照ٿ
表示形(独立形)U+FB62
数値参照(独立形)ﭢ
表示形(語頭形)U+FB64
数値参照(語頭形)ﭤ
表示形(語中形)U+FB65
数値参照(語中形)ﭥ
表示形(語尾形)U+FB63
数値参照(語尾形)ﭣ
【使用言語・文字】
・†ウルドゥー[ʈ]、シンディー[tʰ]、中国(小児経)[ʨʰ]、パルカリ[tʰ]
【備考】
かつてウルドゥー語でそり舌音用の字母として用いられていて、点無しTEHの上の4点ヌクタ《::》はそり舌音を意味していた。
シンディー語では現在も使用され、その4点ヌクタは有気音を意味している。
中国の小児経ではピンインのQと同じ発音である。
【備考】
・ウルドゥー語《ﭦ》の旧字体。

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記号説明

  • [ ]…IPA発音表記及びフリガナ/意味
  • 【 】…特殊文字見出し
  • 《 》…特殊文字
  • 〈 〉…連字
  • 『 』…作品名
  • 〓…ユニコード未登録の字母
  • †…廃字, 携帯電話絵文字の代替テキスト
    • ‡…特殊な字母, 代用表記, 異体字


【略称】
  • IPA…国際音声記号
  • キルシェン…キルシェンバウム音声記号
  • i.t.a.…イニシャル・ティーチング・アルファベット
  • 大…大文字/小…小文字
  • 半…半角形/全…全角形

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