【拡張アラビア文字辞典】カテゴリです。
ター系の派生字を使用する言語をまとめます。
・拡張アラビア【BEH】 | 拡張アラビア【JEEM】
※上部に2種類の点が付いている場合、日本語表記では〈(上部)と(下部)〉、英語表記では〈(BELOW) AND (ABOVE)〉(一部例外有り)になっております。
【発音が異なる言語】
・中国(小児経)[tʰ]、ベラルーシ[tʲ]
【解説】
アラビア文字第3字母。
当初はバーやサーと同じ字形(点無しのバー《ٮ》)だったが、これらの字母との識別のため、7世紀後半から上に2点ヌクタ《¨》が付加された。
変種としてター・マルブータ《ﺓ》(→拡張アラビア【HEH】)がある。
なお、中国語小児経ではピンインのT同様、有気音トゥ[tʰ]を表す。
【発音が異なる言語】
・ウルドゥー他インド系[s]、オスマン・トルコ他チュルク系[s]、カバルダ[ts]、中国(小児経)[ʨʰ, ɕ]、ハウサ[ʧ]、ベラルーシ[ɕ]、ペルシア他イラン系[s]、モサラベ/モリスコ[t]
【未使用言語】
・ウイグル、カザフ、キルギス、クルド、ボスニア
【解説】
アラビア文字第4字母。
当初はバーやターと同じ字形(点無しのバー《ٮ》)だったが、これらの字母との識別のため、7世紀後半から上に上1点下2点ヌクタ《∵》が付加された。
おそらく追加された上部のヌクタは、発音の摩擦音化を示している。
大多数を占めるTH[θ]音を持たない言語では[s]音に置き換えられ、アラビア借用語にのみ使用される。
中国語小児経ではピンインのX[シ ɕ]およびQ[チ ʨʰ]に対応。ベラルーシ語は現在のキリル文字正書法の〈СЬ〉に対応。
カバルダ語(1923年までの旧正書法)ではツ[ts]音、ハウサ語ではチ[ʧ]音を示す。
【備考】
・ジャウィ文字の上3点付きヌーン[ɲ]《ڽ》は別字(この字母の語頭・語中形はPEH《ﭘ》と同型)。
【使用言語・文字】
・ウルドゥー[ʈ]、ガウリー[ʈ]、カシミール[ʈ]、サラーエキー[ʈ]、シーナー[ʈ]、パトワーリー[ʈ]、バルティ[ʈ]、バローチー[ʈ]、パンジャブ[ʈ]、ブラーフイー[ʈ]、ブルシャスキー[ʈ]
【解説】
ウルドゥー語の拡張アラビア文字で、ヒンディーのター HINDI TEH という異称がある。
かつては点無しTEHの上に上4点のヌクタ記号が使用されていたが、18世紀後半にそり舌音を示す上付きの(強勢子音の)TAH小文字 SMALL HIGH TAH《ﻁ》に置き換えたもの。
【異体字】
・旧字体はTAH小文字の代わりに四つの点《ﭢ》。
【備考】
・サラーエキー語 Saraiki Language では RNOON《ﮠ》と語頭形・語中形が同型。
【使用言語・文字】
・シンディー[ʈʰ]、ザルマ[ɲ]、ソンガイ[ɲ]、パルカリ[ʈʰ]、プラール[c]、フルフルデ[mb]
【解説】
入破音の縦並び上2点ヌクタ《:》を無声有気音用に転用したシンディー語用に作成された拡張文字。
ソンガイ語 Songhai Language ではフランス語GN音、フルフルデ語 Fulfulde Language では二重子音MB音、と鼻音表記に使われている・
【使用言語・文字】
・オルムーリー[ʈ]、コンカニ[ʈ]、パシュトー[ʈ]
【解説】
パシュトー語用に作成された拡張文字。
ターの下部に、そり舌音を示す小さな円《○》を付加したもの。
【使用言語・文字】
・ウォロフ[ʧ]、カヌリ[ʧ]、シンディー[ʈ]、ソニンケ[ʧ]、ソンガイ[ʧ]、タマシェク[ʧ]、ハウサ[ʧ]、パルカリ[ʈ]、プラール[ʧ]、マンディンカ[ʧ]
【解説】
シンディー語用に作成された拡張文字。
点無しTEHに、そり舌音を意味する上2点下1点のヌクタ《∵》を付加したもの。
アフリカ諸言語では英語CH音を表す同型の字母が採用されている。
【使用言語・文字】
・†ウルドゥー[ʈ]、シンディー[tʰ]、中国(小児経)[ʨʰ]、パルカリ[tʰ]
【備考】
かつてウルドゥー語でそり舌音用の字母として用いられていて、点無しTEHの上の4点ヌクタ《::》はそり舌音を意味していた。
シンディー語では現在も使用され、その4点ヌクタは有気音を意味している。
中国の小児経ではピンインのQと同じ発音である。
【備考】
・ウルドゥー語《ﭦ》の旧字体。
ター系の派生字を使用する言語をまとめます。
・拡張アラビア【BEH】 | 拡張アラビア【JEEM】
※上部に2種類の点が付いている場合、日本語表記では〈(上部)と(下部)〉、英語表記では〈(BELOW) AND (ABOVE)〉(一部例外有り)になっております。
基本発音 | トゥ[t] |
数価 | 400 |
属性 | 太陽文字 |
ユニコード | U+062A |
数値参照 | ت |
表示形(独立形) | U+FE95 |
数値参照(独立形) | ﺕ |
表示形(語頭形) | U+FE97 |
数値参照(語頭形) | ﺗ |
表示形(語中形) | U+FB98 |
数値参照(語中形) | ﺘ |
表示形(語尾形) | U+FE96 |
数値参照(語尾形) | ﺖ |
・中国(小児経)[tʰ]、ベラルーシ[tʲ]
【解説】
アラビア文字第3字母。
当初はバーやサーと同じ字形(点無しのバー《ٮ》)だったが、これらの字母との識別のため、7世紀後半から上に2点ヌクタ《¨》が付加された。
変種としてター・マルブータ《ﺓ》(→拡張アラビア【HEH】)がある。
なお、中国語小児経ではピンインのT同様、有気音トゥ[tʰ]を表す。
基本発音 | ス[θ] |
数価 | 500 |
属性 | 太陽文字 |
ユニコード | U+062B |
数値参照 | ث |
表示形(独立形) | U+FE99 |
数値参照(独立形) | ﺙ |
表示形(語頭形) | U+FE9B |
数値参照(語頭形) | ﺛ |
表示形(語中形) | U+FB9C |
数値参照(語中形) | ﺜ |
表示形(語尾形) | U+FE9A |
数値参照(語尾形) | ﺚ |
・ウルドゥー他インド系[s]、オスマン・トルコ他チュルク系[s]、カバルダ[ts]、中国(小児経)[ʨʰ, ɕ]、ハウサ[ʧ]、ベラルーシ[ɕ]、ペルシア他イラン系[s]、モサラベ/モリスコ[t]
【未使用言語】
・ウイグル、カザフ、キルギス、クルド、ボスニア
【解説】
アラビア文字第4字母。
当初はバーやターと同じ字形(点無しのバー《ٮ》)だったが、これらの字母との識別のため、7世紀後半から上に上1点下2点ヌクタ《∵》が付加された。
おそらく追加された上部のヌクタは、発音の摩擦音化を示している。
大多数を占めるTH[θ]音を持たない言語では[s]音に置き換えられ、アラビア借用語にのみ使用される。
中国語小児経ではピンインのX[シ ɕ]およびQ[チ ʨʰ]に対応。ベラルーシ語は現在のキリル文字正書法の〈СЬ〉に対応。
カバルダ語(1923年までの旧正書法)ではツ[ts]音、ハウサ語ではチ[ʧ]音を示す。
【備考】
・ジャウィ文字の上3点付きヌーン[ɲ]《ڽ》は別字(この字母の語頭・語中形はPEH《ﭘ》と同型)。
ユニコード | U+0679 |
数値参照 | ٹ |
表示形(独立形) | U+FB66 |
数値参照(独立形) | ﭦ |
表示形(語頭形) | U+FB68 |
数値参照(語頭形) | ﭨ |
表示形(語中形) | U+FB69 |
数値参照(語中形) | ﭩ |
表示形(語尾形) | U+FB67 |
数値参照(語尾形) | ﭧ |
・ウルドゥー[ʈ]、ガウリー[ʈ]、カシミール[ʈ]、サラーエキー[ʈ]、シーナー[ʈ]、パトワーリー[ʈ]、バルティ[ʈ]、バローチー[ʈ]、パンジャブ[ʈ]、ブラーフイー[ʈ]、ブルシャスキー[ʈ]
【解説】
ウルドゥー語の拡張アラビア文字で、ヒンディーのター HINDI TEH という異称がある。
かつては点無しTEHの上に上4点のヌクタ記号が使用されていたが、18世紀後半にそり舌音を示す上付きの(強勢子音の)TAH小文字 SMALL HIGH TAH《ﻁ》に置き換えたもの。
【異体字】
・旧字体はTAH小文字の代わりに四つの点《ﭢ》。
【備考】
・サラーエキー語 Saraiki Language では RNOON《ﮠ》と語頭形・語中形が同型。
ユニコード | U+067A |
数値参照 | ٺ |
表示形(独立形) | U+FB5E |
数値参照(独立形) | ﭞ |
表示形(語頭形) | U+FB60 |
数値参照(語頭形) | ﭠ |
表示形(語中形) | U+FB61 |
数値参照(語中形) | ﭡ |
表示形(語尾形) | U+FB5F |
数値参照(語尾形) | ﭟ |
・シンディー[ʈʰ]、ザルマ[ɲ]、ソンガイ[ɲ]、パルカリ[ʈʰ]、プラール[c]、フルフルデ[mb]
【解説】
入破音の縦並び上2点ヌクタ《:》を無声有気音用に転用したシンディー語用に作成された拡張文字。
ソンガイ語 Songhai Language ではフランス語GN音、フルフルデ語 Fulfulde Language では二重子音MB音、と鼻音表記に使われている・
ユニコード | U+067C |
数値参照 | ټ |
・オルムーリー[ʈ]、コンカニ[ʈ]、パシュトー[ʈ]
【解説】
パシュトー語用に作成された拡張文字。
ターの下部に、そり舌音を示す小さな円《○》を付加したもの。
ユニコード | U+067D |
数値参照 | ٽ |
・ウォロフ[ʧ]、カヌリ[ʧ]、シンディー[ʈ]、ソニンケ[ʧ]、ソンガイ[ʧ]、タマシェク[ʧ]、ハウサ[ʧ]、パルカリ[ʈ]、プラール[ʧ]、マンディンカ[ʧ]
【解説】
シンディー語用に作成された拡張文字。
点無しTEHに、そり舌音を意味する上2点下1点のヌクタ《∵》を付加したもの。
アフリカ諸言語では英語CH音を表す同型の字母が採用されている。
ユニコード | U+067F |
数値参照 | ٿ |
表示形(独立形) | U+FB62 |
数値参照(独立形) | ﭢ |
表示形(語頭形) | U+FB64 |
数値参照(語頭形) | ﭤ |
表示形(語中形) | U+FB65 |
数値参照(語中形) | ﭥ |
表示形(語尾形) | U+FB63 |
数値参照(語尾形) | ﭣ |
・†ウルドゥー[ʈ]、シンディー[tʰ]、中国(小児経)[ʨʰ]、パルカリ[tʰ]
【備考】
かつてウルドゥー語でそり舌音用の字母として用いられていて、点無しTEHの上の4点ヌクタ《::》はそり舌音を意味していた。
シンディー語では現在も使用され、その4点ヌクタは有気音を意味している。
中国の小児経ではピンインのQと同じ発音である。
【備考】
・ウルドゥー語《ﭦ》の旧字体。
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