第53回
最終更新：ID:ubrZ2mk6tg 2016年11月20日(日) 09:37:02履歴
本編第53回 
◇依頼主
ドミニク将軍
◇依頼
孫であるベアトリーチェの護衛
なお、当日は潜入のために女装すること
◇報酬
成功報酬10,000G
◇冒険内容
ルキスラからの使者によって、護衛任務を引き受けたダナン、テラ、クロステルマン、フォルマ。
一方で使者の対応が気に食わなかったモミジとキースは依頼を断り、のちにルキスラ諜報部から依頼を受けることになる。
かくしてツーマンセルでセント・ヘレナ女学院に潜入したPCたち。
ごたごたに巻き込まれても何のその。持ち前の対応力で解決し。
なぜか突然封印が破られ出てきたフォールンドラゴンを討伐し、自分の守ったものの価値を聴覚で噛み締めるのであった。
・ボス：封印されし右腕
ダナン 石鶏随一の謎生命体
テラ ナンパに命を燃やすカオイクフェアテ
キース 筋肉兎
クロステルマン 女装に違和感のないジェンダー革命一号
モミジ 珍しい火力フェンサー
フォルマ 女装に違和感のないジェンダー革命二号
（68歳//男/人間）
本名：「カークス・C・ドミニク」
元は伯爵家の三男として生まれ、そのまま軍学校へ入り主席卒業。
その後は順当に戦果を挙げて高級将校になった生粋のエリート。
家族に息子が一人居たが戦死、妻は病死。
更に息子の妻もベアトリーチェを産んでまもなく他界。
故にただ一人残った孫のベアトリーチェをこよなく愛しており、多少強引な手を使ってでも孫娘を守ってきた。
一度決めたことに対して真っ直ぐ貫き通す芯の通った人間だが、暴走するところも多々ある。
ルキスラ帝国常備軍の五分の一の指揮権を持ち、戦時下では約4000人の兵と一隻の大型飛行船を指揮下に収める重要人物である。
・ベアトリーチェ・ドミニク
（14歳/女/ナイトメア）
ドミニク家の唯一の一人娘。
祖父に甘やかされて育ったのにも拘らずしっかりとしており、勝気で道理の通らない事を嫌う節がある。そして一度決めた事に対して突き通す強さも持つ。
フォールンソウルを活性化させる特殊体質『魔竜の巫女』の持ち主。本人にそのことに関する自覚は無い。無いが、彼女が校外学習などでザルツに点在する竜星塚に近づいた結果封印が綻び、それを察知したミノルラピスが「どうせ遠からず封印が解けるなら使わせてもらおう」とルキスラ足止め工作に使ったという背景がある。
家柄的には紅薔薇組に配属されてもおかしくないのだが、祖父の世話にならないということを明確に主張するために奨学金制度を使って入学、白百合組に所属している二年生。
・シトリーナ・ガーランド
（14歳/女/人間？）
二年白百合組のベアトリーチェの親友。寮のルームメイトでもあり、お互いに「ビーチェ」「リーナ」と愛称で呼び合う仲。マイペースな性格で、周囲とズレた反応を示すことが多々ある。視力は良好だがとある理由により眼鏡を常にかけている。
フットランドを中心に活動しているガーランド商会の娘であり、つまるところガストンの娘。奨学金試験は受けていないものの、金に困っていない自分が受け取ると本当に貧窮している学生が受け取れないからという理由であり、成績的には十分狙える範疇。必死になる理由もないくせに、下手すれば奨学金授与生徒を凌駕する彼女の成績は苦学生たちの脅威である。
先祖にバジリスクを持ち、先祖返りによって邪眼、毒の血、高い知能に丈夫な体と、種族は人間でありながらウィークリング以上にバジリスクの特性が一通り色濃く出ている。ラクシアに本来存在しないはずのハーフに近い存在。彼女の血筋は代々このように人間でありながらバジリスクの特性を持つ存在が生まれることがあり（彼女ほど色濃く出るのは稀だが）、よほど家系に血を入れたバジリスクが特異体質だったのだろうと言われている。邪眼を得る子供に石化能力を持つ者が皆無なのもその仮説を裏付けている（彼女が持っているのも消散の邪視）。
なおこの血筋は父親から受け継がれたものであり、母は普通の人間であったため毒の血を持つ娘を孕んだことにより衰弱し、シトリーナを産んでしばらくして死んでしまった。父は自分の呪われた血のせいで愛する妻を死なせ、娘を化け物にしてしまったと嘆き、人間と他種族が交わることはその場だけは綺麗に見えても将来的に禍根を残すことになると考えるようになる。
親子仲が良好でないこともあり、入学して以来彼女がフットランドに帰省したことはない。だが、彼女が愛用している邪眼封じの眼鏡はガーランド家にいつの間にか伝わっていた家宝であり、それを託される程度には本質的にお互いを気にかけている。
・ルフィナ・ロレンツォーニ
（18歳/女/人間）
ベアトリーチェ担当従者。国から配属してもらった人員であり、実はルキスラ帝国諜報機関の工作員。明るくて気さくな態度は演技も混ざっているが素の部分も大きい。
PCたちに伝えられるベアトリーチェの個人情報や学園祭のスケジュールは、彼女からドミニク将軍に伝達されたもの。状況によっては学園内でもPCたちのサポートを務める。
・ゲルトリーデ・リヒテンベルク
（14歳/女/人間）
二年紅薔薇組の生徒。プライドに実力が追いついておらず、それを取り繕うためにさらに威圧的に振る舞うという悪循環を繰り返している。
ユリウス帝の治世により特権が失われた貴族の一門であり、事業に手を出して失敗、娘の授業料さえ払えなくなるところをクリアサファイアから支援を受ける。
親は娘がクリアサファイアの幹部に見初められたからだと能天気に構えており、彼女も彼女で恩義と憧れがごっちゃになった恋に恋する状態で、そういう風に誘導されたとも知らず、日記のように毎日綴った手紙を顔も知らないあしながおじさんに送り続けている。
・ルーチェ・ゼラーティ
（28歳/女/ラミア）
数年前に新規採用された教員。担当は操霊魔法講座で、冷静沈着な雰囲気は頼りがいがあるとの評判。
その正体は盗賊ギルド〈闇夜の鷹〉の構成員。盗賊ギルド〈闇夜の鷹〉とルキスラ諜報部門は協力関係にあるためルフィナと共闘することもあるが、最終的に優先するのはギルドの利益である。
・スザンネ・デッケルス
（14歳/女/人間）
二年紅薔薇組の生徒。目立つ成績は残していないものの天真爛漫で聞き上手な性格をしており、よく友人から悩み相談を受けている。交友関係の幅が広く、全校生徒の顔と名前が一致するとの噂も。
その正体は盗賊ギルド〈デスクリムゾン〉の工作員。純粋に貴族の生まれだが、ユリウス帝の統治で失われた生活を再び得ようと彼女の親は娘を売り渡した。数年の教育を経て立派な工作員へと変貌した少女は、今日も笑顔の仮面をかぶる。
・ヘレル・B・サハル
（名簿上13歳/女/魔動天使？）
一年白百合組の生徒。引っ込み思案な性格だが孤独を嫌い、五人組がいればその端に佇み集団に属していることに満足するような目立たない存在。従者はクリアサファイア経由で雇用した普通の人間を持参している。
その正体はアレアの姉妹機であり、生きながらにしてフォールンソウルを取り込んだ魔動天使。ミノルラピスの懸命な情報収集と研究の結果、短期間ならミノルラピスの『孤独の視線』で破壊衝動を解除せずとも生活できる目途が立ったので、アレアの様子を探ることができ、なおかつ向こうからは見つかりにくい適度に離れた場所であり、人族と集団活動できるという条件に最も見合ったこの学園に入学した。
つまりこの学園にきたことはまったくの偶然。入学時はクリアサファイアのコネでバルナッドからの留学生として推薦状を出し、堂々と試験に合格している。
であるのにも関わらず学園で魔竜の巫女であるベアトリーチェに遭遇してしまい、フォールンソウルが活性化していろんな意味でドキドキな学園生活を送るハメになる。そのおかげで魔竜の巫女についてミノルラピス勢力が飛びぬけて詳しい研究結果を得る結果に繋がったのは何とも皮肉な話だが。
竜星塚のフォールンソウルを封印する原理を一部転用し、フォールンの凶暴性を鎮静させる効果を持つタリスマンを常に身に着けている。
なお知識獲得の順番としては、
「フォールンソウルを鎮静化する方法を探して大陸中を調査
＞ザルツ地方で竜星塚の伝承を見つける
＞研究してなんとか一部をタリスマンに転用
＞入学した結果、フォールンを活性化させる特異体質の少女を見つける
＞彼女の体質を『魔竜の巫女』と名付けてさらに研究開始」
という風になっている。
シナリオ中にPC視点からだとミノルラピスがフォールン関連や竜星塚、魔竜の巫女について異様に詳しいように思えるかもしれないが、それは『魔竜の巫女』であるベアトリーチェを中心に据えて全体像を見たときの錯覚。実際は魔竜の巫女は結果的に遭遇してしまったもので、ピンポイントに狙いすまして策に取り込んだわけではない。
・トニック・ソルファ
（24歳/女/人間）
いまザルツ地方で旬なミュージシャン。【カサドリス戦奏術】の一門であり、“熱狂の”ハインツを人生の師と仰ぎ、好みのタイプなら男女構わず食っちまうタイプ。
そうとは知らないお役人に、演劇発表の前座としてステージに呼ばれた。
◇セント・ヘレナ女学院
・基本設定
元々は花嫁修業の場として機能していた場所で、そこから貴族の婦女子御用達の学校として設立された。
今でも前述としての用途は強く、ここを卒業して行った者の何人かは貴族の息子と結婚が約束されていたりする。
よって、各貴族はこぞって出資しているのが現状である。
・詳細
ユリウス帝統治になってから『貴族専用の嫁入り修行の場』から『優秀な人材を育成する学校』としての移行が図られており、従来よりも生徒、教職員が増加している。現在ルキスラの貴族の割合はおよそ半数であり、残りの半数は試験を合格した平民や他国からの留学生となっている。
現在の全校生徒数はおよそ120人。一学年あたり40人の三年制であり、1クラス20人の2クラスで運用されている。貴族と平民の摩擦は無視しがたく（平民とは言え裕福層出身の者が多いのだが）、有力貴族の子女がまとめられた紅薔薇組と、平民が多く集められた白百合組に分かれているのが現状。
平民の中には入試とは別に厳しい試験を合格し奨学金を得て通学している者もいる。奨学金は将来的に国に就職すれば返還の義務はなく、一種の青田買いといえる。この政策は優秀な人材を市井から発掘し登用するという意味ではとても有用なのだが、そのような経緯を経て学園に来た生徒は能力もモチベーションも温室育ちの貴族の娘たちとはけた違いであり、紅薔薇組と白百合組の能力差、ひいては学園内での貴族と平民の摩擦という問題を生み出している。
なお、生徒ひとりにつき従者ひとりが同伴することがこの学園の基本スタイル。ドレスの着衣を始め、貴族の準備は現実的に一人で行うのが不可能なものが多いのがその理由。学園が人員を用意するよりは、寝泊まりする場所だけ用意して人員は各自で用意してもらった方が安上がりという切実な理由もある
貴族の子女は自宅から気心の知れた相手を連れ込むのが通例だが、平民出身など当てがない場合は学園に申請すれば国経由で雇用した相手を派遣してくれる。この費用も奨学金の返済分に上乗せされる。
急激に増えた人の流れに裏の防御が追いついておらず、各方面からのスパイが学園に紛れ込んでいるのが頭の痛い問題である。
制服は存在するが、学年によってリボンの色が変わるだけであり、組み分けを示す違いはない。
・立地
嫁入り修行の一環として親の庇護を断ち、独立心を養うために全寮制。しかし、学園の敷地内にある寮はもとからあった貴族用の紅薔薇寮と彼女たちの従者が寝泊まりする菫寮の二種類だけであり、ユリウス帝統治後に没収した貴族の館を改築して用意された白百合寮は学園まで少し歩かなければいけない距離にある。なお、教職員は原則通勤している模様。
もっとも、教職員の宿舎含めすべてルキスラの上流階級街に収まっているので、治安的な意味では通学だろうが問題がない模様。ただ生徒同士の差異の意識がより強調される一助になっているだけである。
勉学の場となる本校舎はもともと見栄重視で教室に余裕があったため、増築せずとも使用できている。いちおう護身術の演習や魔法の試し打ちを行うための訓練場はあるものの、上流階級街の内部という立地条件上面積は限られており、乗馬訓練など広い敷地を必要とするものはルキスラ軍護衛のもと郊外に乗り出すことになる。
◇竜星塚
フォールンソウルとは竜刃星からラクシアに降り注いだ異界の魂であり、輪廻から外れた存在であり、つまりその数に限りがある。またドラゴンの死骸と融合することでフォールンドラゴンとなるが、一度融合した肉体を破壊してしまえば消滅する。そして亡骸に損傷が少なければ少ないほど強力な個体になることも研究の結果判明している。
そこで昔、誰かが考えた。意図的に損傷の激しいドラゴンの肉体にフォールンソウルを宿らせることによって、極めて貧弱で討伐が容易なフォールンドラゴンを作成し、その脅威を減らすことが可能なのではないかと。
そうして魔法文明時代に作成されたフォールンソウルホイホイが竜星塚である。妖精魔法に熟達したエルフたちの協力のもと妖精郷の原理を転用して亜空間を作成し、操霊魔法でフォールンソウルを引き寄せ宿らせる魔法陣を用意し、空間を遮りあるいは通過させる真語魔法による通路を作成し、深智魔法による全体のバランス調整と、当時の魔法技術を十全につぎ込んだ一品。内部には竜の遺骸の一部が鎖に縛られた状態で安置されており、フォールンソウルが宿りフォールンドラゴンと化しても、外に出ることすら叶わず徐々に弱体化し、果てには消滅するように仕掛けが施されている。
内部でフォールンが暴れても大丈夫なように何重にも封印が施されているが、何らかの理由で封印に致命的なほころびが生じた場合、真語魔法に熟達していれば外部からの干渉で封印を解除することができる。
竜の肉体を譲り受ける際にひと悶着あったらしいが、それらの話が伝えられているのは当時の末裔のエルフたちだけである。なお、竜星塚はザルツ全土に点在するものの、ザルツ以外には見られない模様。
◇魔竜の巫女
フォールンソウルを引き寄せ、またフォールンソウルの宿った存在を活性化させる特異体質。主に10代の少女に見られ、肉体と魂のバランスが奇跡的に合致したときに生じるものと推測されている。ゆえに通常は20代も半ばになればこの災厄的体質は消失する。ただ唯一、10代後半で年月の楔から解き放たれてしまうナイトメアを除いて。
フェロモンを発生させるような肉体的性質というよりは、星の巡りに干渉するミスティック的な要素が強いとされ、「少女が近づいただけで『偶然、不幸にも』封印が突然綻び、中からフォールンドラゴンが出てきた」などといった目撃情報が寄せられている。
フォールンソウルを生きながらにして宿すこともあり、その場合は胎児のときに宿す場合と違って安定せず、蘇った竜が過去の記憶を持ちながら凶悪な存在と作り替えられるように、人の身でありながらラクシアに仇成すクイーン種になると言われている。
ドミニク将軍
◇依頼
孫であるベアトリーチェの護衛
なお、当日は潜入のために女装すること
◇報酬
成功報酬10,000G
◇冒険内容
ルキスラからの使者によって、護衛任務を引き受けたダナン、テラ、クロステルマン、フォルマ。
一方で使者の対応が気に食わなかったモミジとキースは依頼を断り、のちにルキスラ諜報部から依頼を受けることになる。
かくしてツーマンセルでセント・ヘレナ女学院に潜入したPCたち。
ごたごたに巻き込まれても何のその。持ち前の対応力で解決し。
なぜか突然封印が破られ出てきたフォールンドラゴンを討伐し、自分の守ったものの価値を聴覚で噛み締めるのであった。
・ボス：封印されし右腕
参加PC
ダナン 石鶏随一の謎生命体
テラ ナンパに命を燃やすカオイクフェアテ
キース 筋肉兎
クロステルマン 女装に違和感のないジェンダー革命一号
モミジ 珍しい火力フェンサー
フォルマ 女装に違和感のないジェンダー革命二号
登場NPC・ドミニク将軍
（68歳//男/人間）
本名：「カークス・C・ドミニク」
元は伯爵家の三男として生まれ、そのまま軍学校へ入り主席卒業。
その後は順当に戦果を挙げて高級将校になった生粋のエリート。
家族に息子が一人居たが戦死、妻は病死。
更に息子の妻もベアトリーチェを産んでまもなく他界。
故にただ一人残った孫のベアトリーチェをこよなく愛しており、多少強引な手を使ってでも孫娘を守ってきた。
一度決めたことに対して真っ直ぐ貫き通す芯の通った人間だが、暴走するところも多々ある。
ルキスラ帝国常備軍の五分の一の指揮権を持ち、戦時下では約4000人の兵と一隻の大型飛行船を指揮下に収める重要人物である。
・ベアトリーチェ・ドミニク
（14歳/女/ナイトメア）
ドミニク家の唯一の一人娘。
祖父に甘やかされて育ったのにも拘らずしっかりとしており、勝気で道理の通らない事を嫌う節がある。そして一度決めた事に対して突き通す強さも持つ。
フォールンソウルを活性化させる特殊体質『魔竜の巫女』の持ち主。本人にそのことに関する自覚は無い。無いが、彼女が校外学習などでザルツに点在する竜星塚に近づいた結果封印が綻び、それを察知したミノルラピスが「どうせ遠からず封印が解けるなら使わせてもらおう」とルキスラ足止め工作に使ったという背景がある。
家柄的には紅薔薇組に配属されてもおかしくないのだが、祖父の世話にならないということを明確に主張するために奨学金制度を使って入学、白百合組に所属している二年生。
・シトリーナ・ガーランド
（14歳/女/人間？）
二年白百合組のベアトリーチェの親友。寮のルームメイトでもあり、お互いに「ビーチェ」「リーナ」と愛称で呼び合う仲。マイペースな性格で、周囲とズレた反応を示すことが多々ある。視力は良好だがとある理由により眼鏡を常にかけている。
フットランドを中心に活動しているガーランド商会の娘であり、つまるところガストンの娘。奨学金試験は受けていないものの、金に困っていない自分が受け取ると本当に貧窮している学生が受け取れないからという理由であり、成績的には十分狙える範疇。必死になる理由もないくせに、下手すれば奨学金授与生徒を凌駕する彼女の成績は苦学生たちの脅威である。
先祖にバジリスクを持ち、先祖返りによって邪眼、毒の血、高い知能に丈夫な体と、種族は人間でありながらウィークリング以上にバジリスクの特性が一通り色濃く出ている。ラクシアに本来存在しないはずのハーフに近い存在。彼女の血筋は代々このように人間でありながらバジリスクの特性を持つ存在が生まれることがあり（彼女ほど色濃く出るのは稀だが）、よほど家系に血を入れたバジリスクが特異体質だったのだろうと言われている。邪眼を得る子供に石化能力を持つ者が皆無なのもその仮説を裏付けている（彼女が持っているのも消散の邪視）。
なおこの血筋は父親から受け継がれたものであり、母は普通の人間であったため毒の血を持つ娘を孕んだことにより衰弱し、シトリーナを産んでしばらくして死んでしまった。父は自分の呪われた血のせいで愛する妻を死なせ、娘を化け物にしてしまったと嘆き、人間と他種族が交わることはその場だけは綺麗に見えても将来的に禍根を残すことになると考えるようになる。
親子仲が良好でないこともあり、入学して以来彼女がフットランドに帰省したことはない。だが、彼女が愛用している邪眼封じの眼鏡はガーランド家にいつの間にか伝わっていた家宝であり、それを託される程度には本質的にお互いを気にかけている。
・ルフィナ・ロレンツォーニ
（18歳/女/人間）
ベアトリーチェ担当従者。国から配属してもらった人員であり、実はルキスラ帝国諜報機関の工作員。明るくて気さくな態度は演技も混ざっているが素の部分も大きい。
PCたちに伝えられるベアトリーチェの個人情報や学園祭のスケジュールは、彼女からドミニク将軍に伝達されたもの。状況によっては学園内でもPCたちのサポートを務める。
・ゲルトリーデ・リヒテンベルク
（14歳/女/人間）
二年紅薔薇組の生徒。プライドに実力が追いついておらず、それを取り繕うためにさらに威圧的に振る舞うという悪循環を繰り返している。
ユリウス帝の治世により特権が失われた貴族の一門であり、事業に手を出して失敗、娘の授業料さえ払えなくなるところをクリアサファイアから支援を受ける。
親は娘がクリアサファイアの幹部に見初められたからだと能天気に構えており、彼女も彼女で恩義と憧れがごっちゃになった恋に恋する状態で、そういう風に誘導されたとも知らず、日記のように毎日綴った手紙を顔も知らないあしながおじさんに送り続けている。
・ルーチェ・ゼラーティ
（28歳/女/ラミア）
数年前に新規採用された教員。担当は操霊魔法講座で、冷静沈着な雰囲気は頼りがいがあるとの評判。
その正体は盗賊ギルド〈闇夜の鷹〉の構成員。盗賊ギルド〈闇夜の鷹〉とルキスラ諜報部門は協力関係にあるためルフィナと共闘することもあるが、最終的に優先するのはギルドの利益である。
・スザンネ・デッケルス
（14歳/女/人間）
二年紅薔薇組の生徒。目立つ成績は残していないものの天真爛漫で聞き上手な性格をしており、よく友人から悩み相談を受けている。交友関係の幅が広く、全校生徒の顔と名前が一致するとの噂も。
その正体は盗賊ギルド〈デスクリムゾン〉の工作員。純粋に貴族の生まれだが、ユリウス帝の統治で失われた生活を再び得ようと彼女の親は娘を売り渡した。数年の教育を経て立派な工作員へと変貌した少女は、今日も笑顔の仮面をかぶる。
・ヘレル・B・サハル
（名簿上13歳/女/魔動天使？）
一年白百合組の生徒。引っ込み思案な性格だが孤独を嫌い、五人組がいればその端に佇み集団に属していることに満足するような目立たない存在。従者はクリアサファイア経由で雇用した普通の人間を持参している。
その正体はアレアの姉妹機であり、生きながらにしてフォールンソウルを取り込んだ魔動天使。ミノルラピスの懸命な情報収集と研究の結果、短期間ならミノルラピスの『孤独の視線』で破壊衝動を解除せずとも生活できる目途が立ったので、アレアの様子を探ることができ、なおかつ向こうからは見つかりにくい適度に離れた場所であり、人族と集団活動できるという条件に最も見合ったこの学園に入学した。
つまりこの学園にきたことはまったくの偶然。入学時はクリアサファイアのコネでバルナッドからの留学生として推薦状を出し、堂々と試験に合格している。
であるのにも関わらず学園で魔竜の巫女であるベアトリーチェに遭遇してしまい、フォールンソウルが活性化していろんな意味でドキドキな学園生活を送るハメになる。そのおかげで魔竜の巫女についてミノルラピス勢力が飛びぬけて詳しい研究結果を得る結果に繋がったのは何とも皮肉な話だが。
竜星塚のフォールンソウルを封印する原理を一部転用し、フォールンの凶暴性を鎮静させる効果を持つタリスマンを常に身に着けている。
なお知識獲得の順番としては、
「フォールンソウルを鎮静化する方法を探して大陸中を調査
＞ザルツ地方で竜星塚の伝承を見つける
＞研究してなんとか一部をタリスマンに転用
＞入学した結果、フォールンを活性化させる特異体質の少女を見つける
＞彼女の体質を『魔竜の巫女』と名付けてさらに研究開始」
という風になっている。
シナリオ中にPC視点からだとミノルラピスがフォールン関連や竜星塚、魔竜の巫女について異様に詳しいように思えるかもしれないが、それは『魔竜の巫女』であるベアトリーチェを中心に据えて全体像を見たときの錯覚。実際は魔竜の巫女は結果的に遭遇してしまったもので、ピンポイントに狙いすまして策に取り込んだわけではない。
・トニック・ソルファ
（24歳/女/人間）
いまザルツ地方で旬なミュージシャン。【カサドリス戦奏術】の一門であり、“熱狂の”ハインツを人生の師と仰ぎ、好みのタイプなら男女構わず食っちまうタイプ。
そうとは知らないお役人に、演劇発表の前座としてステージに呼ばれた。
独自設定
◇セント・ヘレナ女学院
・基本設定
元々は花嫁修業の場として機能していた場所で、そこから貴族の婦女子御用達の学校として設立された。
今でも前述としての用途は強く、ここを卒業して行った者の何人かは貴族の息子と結婚が約束されていたりする。
よって、各貴族はこぞって出資しているのが現状である。
・詳細
ユリウス帝統治になってから『貴族専用の嫁入り修行の場』から『優秀な人材を育成する学校』としての移行が図られており、従来よりも生徒、教職員が増加している。現在ルキスラの貴族の割合はおよそ半数であり、残りの半数は試験を合格した平民や他国からの留学生となっている。
現在の全校生徒数はおよそ120人。一学年あたり40人の三年制であり、1クラス20人の2クラスで運用されている。貴族と平民の摩擦は無視しがたく（平民とは言え裕福層出身の者が多いのだが）、有力貴族の子女がまとめられた紅薔薇組と、平民が多く集められた白百合組に分かれているのが現状。
平民の中には入試とは別に厳しい試験を合格し奨学金を得て通学している者もいる。奨学金は将来的に国に就職すれば返還の義務はなく、一種の青田買いといえる。この政策は優秀な人材を市井から発掘し登用するという意味ではとても有用なのだが、そのような経緯を経て学園に来た生徒は能力もモチベーションも温室育ちの貴族の娘たちとはけた違いであり、紅薔薇組と白百合組の能力差、ひいては学園内での貴族と平民の摩擦という問題を生み出している。
なお、生徒ひとりにつき従者ひとりが同伴することがこの学園の基本スタイル。ドレスの着衣を始め、貴族の準備は現実的に一人で行うのが不可能なものが多いのがその理由。学園が人員を用意するよりは、寝泊まりする場所だけ用意して人員は各自で用意してもらった方が安上がりという切実な理由もある
貴族の子女は自宅から気心の知れた相手を連れ込むのが通例だが、平民出身など当てがない場合は学園に申請すれば国経由で雇用した相手を派遣してくれる。この費用も奨学金の返済分に上乗せされる。
急激に増えた人の流れに裏の防御が追いついておらず、各方面からのスパイが学園に紛れ込んでいるのが頭の痛い問題である。
制服は存在するが、学年によってリボンの色が変わるだけであり、組み分けを示す違いはない。
・立地
嫁入り修行の一環として親の庇護を断ち、独立心を養うために全寮制。しかし、学園の敷地内にある寮はもとからあった貴族用の紅薔薇寮と彼女たちの従者が寝泊まりする菫寮の二種類だけであり、ユリウス帝統治後に没収した貴族の館を改築して用意された白百合寮は学園まで少し歩かなければいけない距離にある。なお、教職員は原則通勤している模様。
もっとも、教職員の宿舎含めすべてルキスラの上流階級街に収まっているので、治安的な意味では通学だろうが問題がない模様。ただ生徒同士の差異の意識がより強調される一助になっているだけである。
勉学の場となる本校舎はもともと見栄重視で教室に余裕があったため、増築せずとも使用できている。いちおう護身術の演習や魔法の試し打ちを行うための訓練場はあるものの、上流階級街の内部という立地条件上面積は限られており、乗馬訓練など広い敷地を必要とするものはルキスラ軍護衛のもと郊外に乗り出すことになる。
◇竜星塚
フォールンソウルとは竜刃星からラクシアに降り注いだ異界の魂であり、輪廻から外れた存在であり、つまりその数に限りがある。またドラゴンの死骸と融合することでフォールンドラゴンとなるが、一度融合した肉体を破壊してしまえば消滅する。そして亡骸に損傷が少なければ少ないほど強力な個体になることも研究の結果判明している。
そこで昔、誰かが考えた。意図的に損傷の激しいドラゴンの肉体にフォールンソウルを宿らせることによって、極めて貧弱で討伐が容易なフォールンドラゴンを作成し、その脅威を減らすことが可能なのではないかと。
そうして魔法文明時代に作成されたフォールンソウルホイホイが竜星塚である。妖精魔法に熟達したエルフたちの協力のもと妖精郷の原理を転用して亜空間を作成し、操霊魔法でフォールンソウルを引き寄せ宿らせる魔法陣を用意し、空間を遮りあるいは通過させる真語魔法による通路を作成し、深智魔法による全体のバランス調整と、当時の魔法技術を十全につぎ込んだ一品。内部には竜の遺骸の一部が鎖に縛られた状態で安置されており、フォールンソウルが宿りフォールンドラゴンと化しても、外に出ることすら叶わず徐々に弱体化し、果てには消滅するように仕掛けが施されている。
内部でフォールンが暴れても大丈夫なように何重にも封印が施されているが、何らかの理由で封印に致命的なほころびが生じた場合、真語魔法に熟達していれば外部からの干渉で封印を解除することができる。
竜の肉体を譲り受ける際にひと悶着あったらしいが、それらの話が伝えられているのは当時の末裔のエルフたちだけである。なお、竜星塚はザルツ全土に点在するものの、ザルツ以外には見られない模様。
◇魔竜の巫女
フォールンソウルを引き寄せ、またフォールンソウルの宿った存在を活性化させる特異体質。主に10代の少女に見られ、肉体と魂のバランスが奇跡的に合致したときに生じるものと推測されている。ゆえに通常は20代も半ばになればこの災厄的体質は消失する。ただ唯一、10代後半で年月の楔から解き放たれてしまうナイトメアを除いて。
フェロモンを発生させるような肉体的性質というよりは、星の巡りに干渉するミスティック的な要素が強いとされ、「少女が近づいただけで『偶然、不幸にも』封印が突然綻び、中からフォールンドラゴンが出てきた」などといった目撃情報が寄せられている。
フォールンソウルを生きながらにして宿すこともあり、その場合は胎児のときに宿す場合と違って安定せず、蘇った竜が過去の記憶を持ちながら凶悪な存在と作り替えられるように、人の身でありながらラクシアに仇成すクイーン種になると言われている。
コメントをかく