シャラダンが帝位についてから、大きな負け戦を知らない強国リヴォル帝国。
この強国と長期的に戦うことは不利だと思ったアルビス国は、ドラグゥーン作戦を考え出し、数多くの伏線を敷いた上で、大帝国との短期決戦へと向かった。
その作戦の一環として、リヴォル帝国軍主力部隊をアディスにひきつける必要があった。
そのために、リヴォル帝国軍がシーフィールド国とのティファーナの戦いへ赴いた隙に、アルビス国は、難攻不落といわれたミリアス要塞を攻略する。
これに乗じてアディス国も行動を起こし、シャラダンの愛娘であるミリィを拉致する。これによってシャラダンの怒りに火をつけ、シャラダンは感情のままアディス国への出陣を決意する。
出陣前にシャラダンは、自分の留守の時にアルビス国が不穏な動きをしない様にフェングランド国に牽制を頼むが、既にフェングランド国はアルビス国に裏で懐柔され、アルビス国軍の進軍を見てみぬふりをした。
シャラダンはアディス国に上陸すると、要害であるグルド砦を陥落させ、王族であるオウグストを捕虜とした。しかし彼は脱走を図った為惨殺される。その情報が間違って伝えられ、アディス国王ハーグリブスは、シャラダンが人質を皆殺しにしたと思い込み、報復としてミリィを殺害する。
今回の出兵は、威圧によって相手側から和睦、降伏の使者を送らせ、そこでミリィを奪還するつもりだったシャラダンだったが、この報告に落胆し、イズを伴って一旦遠征軍から離れて帰国する。
戦いそのものはアスタル、ベルンハルトが引き続き指揮をとるが、このときイズを残さず、感情にまかせて攻勢に出るアスタル、そして性格上思考が攻撃にのみ傾くベルンハルトを指揮官として残した人選にも問題があった。
実際二人は、損害をものともせず首都まで攻め込む。だが、すぐに陥落するかと思われていた首都だが、追い詰められ「降伏しても皆殺しにされる」と信じ込んだ将兵、民衆が一丸となって徹底的に抵抗し、リヴォル帝国軍の軍勢はこの地に足止めされることとなる。
そんな中、スカルオーネの戦いにおいてリヴォル帝国軍主力部隊が壊滅し、更に帝都にまで敵軍が迫っているとの連絡が遠征軍に届く。
包囲を続けての長期戦をする時間はない、包囲を解いて撤退すれば追撃戦を受ける、和議を結ぶにも、送り込んだ使者すら斬られるほど憎悪が渦巻いている。進退窮まったアスタルは、1741年8月、最も避けていた「損害度外視の力攻め」を決行する。
一秒でもはやく本国へ帰国したいアスタルは完全に焦っていた。総指揮をとる立場にも関わらず、自ら剣をふるって最前線に立つが、それは四方将の本来の姿でもあり、兵を鼓舞する効果もあった。
だが、既に「リヴォル帝国軍に慈悲はなく、皆殺しにされる」と信じていたアディス首都の人々は、兵士だけではなく民衆までもが逆らった為、斬られずに済んだ人々まで次々と屍と化していた。
「敵兵を打ち破れっ!!城下町は焼き払えっ!!動く者は女子供から犬に至るまで全て斬れっ!!」
敵も味方も復讐の坩堝の中で戦い、作戦も何もなくただ憎悪の感情だけをぶつけ合い、全てを吐き出した者から散っていくという掃討戦が展開されていた。
そして、本来なら決してこんな結末を迎える筈ではなかった将であるアスタルが、必要以上に前に出すぎた為、城壁を乗り越えたところで待ち伏せていた弓隊の総攻撃を受け戦死する。
しかし、アスタルの作り出した突破口から兵は次々と城内に入り込み、まずはノーウェンを討ち取る。
更に、この戦いの中、唯一冷静さを持っていた、ミリィの恋人になる筈だったリフィティも、いままさに自害しようとしていたところを無理やり引きずりだされ、王族として身につけていた装飾品目当てに兵士達にその五体を切り刻まれた。普段の軍規厳しいリヴォル帝国軍なら決してなかった略奪だったが、怒りと憎悪、そして徹底的に反抗されたことへの逆上から、この時ばかりは首都の各地で平然とこういった蛮行が行われた。
狂乱の戦いは、ベルンハルトがハーグリブスを討ち取り、城が陥落したところでようやく終わりを告げた。
だが、既に「リヴォル帝国軍に慈悲はなく、皆殺しにされる」と信じていたアディス首都の人々は、兵士だけではなく民衆までもが逆らった為、斬られずに済んだ人々まで次々と屍と化していた。
「敵兵を打ち破れっ!!城下町は焼き払えっ!!動く者は女子供から犬に至るまで全て斬れっ!!」
敵も味方も復讐の坩堝の中で戦い、作戦も何もなくただ憎悪の感情だけをぶつけ合い、全てを吐き出した者から散っていくという掃討戦が展開されていた。
そして、本来なら決してこんな結末を迎える筈ではなかった将であるアスタルが、必要以上に前に出すぎた為、城壁を乗り越えたところで待ち伏せていた弓隊の総攻撃を受け戦死する。
しかし、アスタルの作り出した突破口から兵は次々と城内に入り込み、まずはノーウェンを討ち取る。
更に、この戦いの中、唯一冷静さを持っていた、ミリィの恋人になる筈だったリフィティも、いままさに自害しようとしていたところを無理やり引きずりだされ、王族として身につけていた装飾品目当てに兵士達にその五体を切り刻まれた。普段の軍規厳しいリヴォル帝国軍なら決してなかった略奪だったが、怒りと憎悪、そして徹底的に反抗されたことへの逆上から、この時ばかりは首都の各地で平然とこういった蛮行が行われた。
狂乱の戦いは、ベルンハルトがハーグリブスを討ち取り、城が陥落したところでようやく終わりを告げた。
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