概要

リヴォルの戦いとは、アルファ1741年8月に、アルビス国とリヴォル帝国の間で行われた戦いであり、ドラグゥーン作戦最後の戦いである。

戦闘に至るまでの背景



スカルオーネの戦いに歴史的大勝を収めたアルビス国軍は、急ぐことなく堂々と進軍を進め、リヴォル帝国帝都リヴォルへ向かっていた。
これは、地盤を固めながら確実に帝国を追い詰めつつ、時間を与えることで相手側から和平なり降伏なりを持ちかける猶予を与えてのことであるが、三魔王の一人であるシャラダンには、最初から降伏という選択肢は存在していなかった。
そんな最中、これまで「双方との繋がり」を維持したまま、日和見を決めていたフェングランド国が、突如リヴォル帝国との同盟を破棄し、アルビス国軍の援軍として到着する。
静観に静観を重ね、勝者がはっきりとした段階で同盟国さえも見限る。露骨すぎる選択だが、彼らには大義名分があった。「ティファーナの戦いにおいて(誤解からとはいえ)、送り込んだ援軍をリヴォル帝国将軍アスタルによって壊滅させられている」というものであり、その遺恨を建前上の理由としたのだ。
アルビス国上層部は、この露骨な態度に嫌悪感を抱いたものの、それを表情には出さず、援軍を受け入れてリヴォル帝国帝都へと進んでいった。
スカルオーネの戦いにおいてイズガミランをはじめとする多くの将軍と兵士を失ったリヴォル帝国だが、もう一つの主力部隊、アスタルベルンハルト達は、はるか海の彼方アディス国の首都を包囲したまま、追い詰められて牙を剥いたアディス国軍必死の抵抗によって釘付けにされたいた。
本国の危機を知り、急ぎ帰還したい彼らだが、包囲を解けば敵の猛追撃を受ける、憎悪が渦巻きすぎ既に停戦の使者すら斬られるという、動きたくても動けない膠着状態を迎え、ついに損害を無視した力攻めを決意する。(アディスの戦い
リオネティアの戦いにより、アディスの様な小国は放置してよいと決断したリヴォル帝国、その決断が、ここにきて彼らに強烈な復讐をしてきたのだ。

三魔王として君臨したシャラダン、そして、彼が帝位についてから、ついこの前まで敗北というものを知らなかった大帝国リヴォル帝国。
その帝都を完全包囲したアルビス国軍に対して、シャラダンの陣営はあまりにも寂しかった。
シャラダンは、攻勢においては強さを誇ったが、支配下とした領土に対してのさして興味を示さず、「領土の空洞化」が進んでいた。膨らみ続けた風船に、同時に数本の針を突き刺され、一瞬にして崩壊したリヴォル帝国。
その針こそが、ドラグゥーン作戦であったといえる。

戦闘経緯



ガリアの戦いティファーナの戦いアディスの戦いスカルオーネの戦いフェングランド国、ミリィ拉致事件。
それらは、全て別々の事と見せて、1本の糸で結ばれていた。
いま、シャラダンがたった一人でアルビス国を迎えているのは、決して偶然や幸運ではなく、ドラグゥーン作戦の結果であった。
シャラダンを討ち取れば、その手柄は相当なものであると、全軍は帝都に殺到したが、城へ向かうには細い一本の橋のみが存在し、大軍ゆえの弱点である仲間同士の混乱を招いていた。
そこを狙われ、進軍は数度阻まれたが、それでもアルビス国軍は、徐々に城内に突入、シャラダンが討ち取られるのは時間の問題かと思われた。
しかし、その直後、突如城が大爆発を起こす。
当初、アルビス国上層部は、シャラダンがアルビス国軍を撒き沿いにしての自爆だと思っていたが、戦後になり生存者の言葉をまとめると、以上のことが判明した。
  • 爆発は、シャラダンの息子であるシュラが、城内に仕込んだ火薬に法術で火をつけて起こしたもの。
  • ジルダー子飼いであったベルバットが、この戦いの直前に突如姿を現し、シャラダンに面会を求めたが、それ以後誰もシャラダンとベルバットの姿を見ていない。
  • シャラダンの遺骸は見つからなかったものの、戦死と断定。ただし、彼を討ち取ったという者は最後までアルビス国軍には現れなかった。

戦いの結末

シャラダンを失い、リヴォル帝国は崩壊した。その後、リヴォル帝国は帝政を放棄し、アルビス国の属国として存続。また、焦土と化したアディス国もアルビス国が復興を行い、アルビス国により、リヴォル国、アディス国、シーフィールド国、フェングランド国による北海連合同盟が生まれ、アルビス国がその盟主となった。

また、この戦いは、同時刻に行われたアディスの戦い、直後に行われたリヴォル残党軍強襲作戦と連鎖している為、全てをあわせて一つの戦いとされている。

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