タグ検索でとごター(4件見つかりました。

マーヤ3

何度も言うが時間がない。朝食など悠長に食うはずもなく、簡単にトーストを一枚ほおばるだけですませてしまった。 せっかく用意した朝食を食べなかった息子、否、娘に母はさんざん文句をいってきた。 申し訳ない気持ちでいっぱいではあるが、だからといって話に耳を傾けていては本当に遅刻してしまう。そちらのほうが母の逆鱗に触れることだろう。 話半ばで「いってきます!」と言い放ち、無理矢理に家を出る。明日は絶対に早く起きなさいよ!と背後から叫ばれた。 (多分無理だね…) 無言の返事を肯定ととらせておき、心で本音をぽ…

https://seesaawiki.jp/tsf/d/%a5%de%a1%bc%a5%e43... - 2011年09月18日更新

ChristmasAfterChristmas

「はぁ…」 自室の窓から外を見た。窓枠を通した狭い町並みに白い結晶が振り落ちる。どうやらやんでいた雪がまた降ってきたみたいだ。 外との気温差で少し窓が曇っている。水滴を小さく手でふき取ると、さらに小さい町の姿が鮮明に見て取れた。 さんさんと絶えず降りてくる雪。さきほどまでのよりも勢いが強い。 「こりゃあ積もるかな…」 窓を半分ほど開き、外の様子をじかに見る。ビュゥっと予想外の冷風が部屋に差し込んできた。 「さ、さみぃ〜〜〜」 竜夜(りゅうや)の自宅は山を切り開いて作られた団地の中にある。ちょ…

https://seesaawiki.jp/tsf/d/ChristmasAfterChristma... - 2011年09月18日更新

マーヤ2

まったく人間界では大変な目にあったものだ。 学生寮の窓から差し込む朝の光。少し寒くなってきた自室での目覚め。 もうそんな季節か… 今なお火照った身体に心地よい冷たさを感じつつマーヤは夕べのことを思った。 雄介が眠りについているその間に、戻ったばかりの不安定な意識を保ちながら早々に自分の世界へと舞い戻ってきた。 下品なほど大きないびきをかいていたし、気づかれるようなこともなかったであろう。 雄介自身の願いもきちんかなえたことであるし、実に後腐れのない去り方であったな、と感想を抱く。 魔法界に帰…

https://seesaawiki.jp/tsf/d/%a5%de%a1%bc%a5%e42... - 2011年09月18日更新

マーヤ

「え……き、貴様……」 「な、なんだよ……。人の頭を勝手に覗くなよ……」 自分に非があるわけでもないが、雄介は反射的に目をそらした。 悶々とした精神の彼に肉欲の望みを無視することはできなかった。 元来男は女よりも性欲を生み出す分泌ホルモンが異常に多いのだ。 そんな事実があるとはいっても…やはり「男女の交わり」が最大の願望だと思われるのは蔑まれた気持ちがする。 お世辞にも清廉といえない思いが白日に下に晒されたのだ。若き男子が赤面しないはずもない。 雄介自身『交わり』の経験がないわけでもないが、…

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