【拡張アラビア文字辞典】カテゴリです。
ジーム系の派生字を使用する言語をまとめます。
・拡張アラビア【TEH】 | 拡張アラビア【HAH】
※上部に2種類の点が付いている場合、日本語表記では〈(上部)と(下部)〉、英語表記では〈(BELOW) AND (ABOVE)〉(一部例外有り)になっております。
【発音が異なる言語】
・エジプト・アラビア[ɡ]、カザフ[ʒ]、カバルダ[ʥ]、キルギス[ʒ]、タマシェク[ʒ]、タマハック[ʒ]、中国(小児経)[ʈʂ]、モサラベ/モリスコ[ʧ]
【解説】
アラビア文字第5字母。初期はHAH・クハーと同型《ﺡ》だった。
区別のため、HAHの下部(語尾形と独立形は中央部)にヌクタ記号を1点付加したもの。
セム系文字ギメルの共通発音グ[ɡ]と異なり、英語Jと同じくヂ[ʤ]音になっている。
エジプト・アラビア語では本来のセム系文字と同じグ音を、この字母で示す。
カザフ語やキルギス語では、フランス語Jと同じくジュ[ʒ]音になっている。
中世スペインのモリスコ語及びモサラベ語のアルハミアド文字 Aljamiado や中国語小児経では無声音となり、前者は英語CH[ʧ]音、後者はピンインのJ[ʈʂ]音に相当。
フォントによっては語中形と語尾形の連結位置が異なる。
【使用言語・文字】
・カバルダ[ʧʼ]、コンカニ[ɲ]、シンディー[ɲ]、ダルグヮ[ʧʼ]、ハウサ[ʔʲ]、パルカリ[ɲ]、バルティ[ʒ]、プラール[ʔʲ]、フルフルデ[ɲʤ]、ラック、ルガンダ[ɲ]、レズギ
【解説】
シンディー語のために作成された字母で、HAHの土台に鼻音を示す2点ヌクタ《‥》を付加してニ[ɲ]音を示したもの。
同型の字母はハウサ語アジャミー Ajami で軟音化した声門閉鎖音を表したり、ダルグヮ語 Dargwa language 旧正書法では放出音化したチ音を表す。
使用言語・文字
・ガウリー[ʂ]、サラーエキー[ʄ]、シンディー[ʄ]、パルカリ[ʄ]、‡パンジャブ[ʄ]、ボスニア[ts]
【解説】
シンディー語では、入破音を示す2点が縦に連結したヌクタ記号《:》をHAHの土台の下に置くことで入破音のヂ[ʄ]を表す字母を生み出した。
ボスニア語アラビッツァ Arabica では、セルビア語Ц/クロアチア語Cに対応。
使用言語・文字
・アヴァール[ʧ]、アゼルバイジャン[ʧ]、アラビア(外来語)[ʧ]、アラビア諸方言(イラク/パレスチナ/レバノン)[ɡ]、アルウィー[ʧ]、アルバニア[ʧ]、ウイグル[ʧ]、ウズベク[ʧ]、ウルドゥー[ʧ]、エジプト・アラビア[ʤ]、オスマン・トルコ[ʧ]、ガウリー[ʧ]、カザフ[ʧ]、カバルダ[k, ʨ]、キルギス[ʧ]、クムク[ʧ]、コモロ[ʧ]、コンカニ[c]、サラーエキー[c]、シーナー[ʧ]、ジャウィ[ʧ]、シンディー[c]、ソマリ[ɡ]、タジク[ʧ]、タタール[ʧ]、タマシェク、ダリー[ʧ]、ダルグヮ[ʧ]、チェチェン[ʧ]、中国(小児経)[ʈʂʰ]、ノガイ[ʧ]、バシキール[ʧ]、パシュトー[ʧ]、パトワーリー[ʧ]、パルカリ[c]、バルティ[ʧ]、バローチー[ʧ]、パンジャブ[c]、ブラーフイー[ʧ]、ベラルーシ[ʧ]、ペルシア[ʧ]、ボスニア[ʧ]、マグレブ[ɡ]、マバ[ʧ]、ラック、レズギ、ロマナビック[ʧ]
【解説】
ペルシア語において、無声音を示す上2点下1点《∵》のヌクタ記号をHAHの土台の下に置くことで、英語CH[ʧ]音を表す字母を生み出した。
ほとんどのアラビア文字使用言語では近似発音採用されている。
ただし、エジプト・アラビア語の外来語表記では有声音[ʤ](英語J音)に使用されている。
なぜなら、エジプト・アラビア語では連字〈تش〉でチ音を表すためである。
イラクやパレスチナなどのアラビア語諸方言やマグレブ文字、ソマリ語ガダブールシ文字 Gadabursi ではグ[ɡ]音を示す。
【使用言語・文字】
・エジプト・アラビア[ʒ]、シーナー[ʈʂ]、シンディー[cʰ]、トルワーリー[ʈʂ]、パルカリ[cʰ]、パレスチナ・アラビア[ɡ]
【解説】
シンディー語において、有気音を示す上2点下2点のヌクタ記号《::》をHAHの土台の下に付加して有声有気音CHを表す字母を生み出した。
トルワーリー語 Torwari language ではそり舌音のチ音表記用として使用される。
ジーム系の派生字を使用する言語をまとめます。
・拡張アラビア【TEH】 | 拡張アラビア【HAH】
※上部に2種類の点が付いている場合、日本語表記では〈(上部)と(下部)〉、英語表記では〈(BELOW) AND (ABOVE)〉(一部例外有り)になっております。
基本発音 | ヂ[ʤ] |
数価 | 3 |
属性 | 月文字 |
ユニコード | U+062C |
数値参照 | ج |
表示形(独立形) | U+FE9D |
数値参照(独立形) | ﺝ |
表示形(語頭形) | U+FE9F |
数値参照(語頭形) | ﺟ |
表示形(語中形) | U+FEA0 |
数値参照(語中形) | ﺠ |
表示形(語尾形) | U+FE9E |
数値参照(語尾形) | ﺞ |
・エジプト・アラビア[ɡ]、カザフ[ʒ]、カバルダ[ʥ]、キルギス[ʒ]、タマシェク[ʒ]、タマハック[ʒ]、中国(小児経)[ʈʂ]、モサラベ/モリスコ[ʧ]
【解説】
アラビア文字第5字母。初期はHAH・クハーと同型《ﺡ》だった。
区別のため、HAHの下部(語尾形と独立形は中央部)にヌクタ記号を1点付加したもの。
セム系文字ギメルの共通発音グ[ɡ]と異なり、英語Jと同じくヂ[ʤ]音になっている。
エジプト・アラビア語では本来のセム系文字と同じグ音を、この字母で示す。
カザフ語やキルギス語では、フランス語Jと同じくジュ[ʒ]音になっている。
中世スペインのモリスコ語及びモサラベ語のアルハミアド文字 Aljamiado や中国語小児経では無声音となり、前者は英語CH[ʧ]音、後者はピンインのJ[ʈʂ]音に相当。
フォントによっては語中形と語尾形の連結位置が異なる。
ユニコード | U+0683 |
数値参照 | ڃ |
表示形(独立形) | U+FB76 |
数値参照(独立形) | ﭶ |
表示形(語頭形) | U+FB78 |
数値参照(語頭形) | ﭸ |
表示形(語中形) | U+FB79 |
数値参照(語中形) | ﭹ |
表示形(語尾形) | U+FB77 |
数値参照(語尾形) | ﭷ |
・カバルダ[ʧʼ]、コンカニ[ɲ]、シンディー[ɲ]、ダルグヮ[ʧʼ]、ハウサ[ʔʲ]、パルカリ[ɲ]、バルティ[ʒ]、プラール[ʔʲ]、フルフルデ[ɲʤ]、ラック、ルガンダ[ɲ]、レズギ
【解説】
シンディー語のために作成された字母で、HAHの土台に鼻音を示す2点ヌクタ《‥》を付加してニ[ɲ]音を示したもの。
同型の字母はハウサ語アジャミー Ajami で軟音化した声門閉鎖音を表したり、ダルグヮ語 Dargwa language 旧正書法では放出音化したチ音を表す。
ユニコード | U+0684 |
数値参照 | ڄ |
表示形(独立形) | U+FB72 |
数値参照(独立形) | ﭲ |
表示形(語頭形) | U+FB74 |
数値参照(語頭形) | ﭴ |
表示形(語中形) | U+FB75 |
数値参照(語中形) | ﭵ |
表示形(語尾形) | U+FB73 |
数値参照(語尾形) | ﭳ |
・ガウリー[ʂ]、サラーエキー[ʄ]、シンディー[ʄ]、パルカリ[ʄ]、‡パンジャブ[ʄ]、ボスニア[ts]
【解説】
シンディー語では、入破音を示す2点が縦に連結したヌクタ記号《:》をHAHの土台の下に置くことで入破音のヂ[ʄ]を表す字母を生み出した。
ボスニア語アラビッツァ Arabica では、セルビア語Ц/クロアチア語Cに対応。
ユニコード | U+0686 |
数値参照 | چ |
表示形(独立形) | U+FB7A |
数値参照(独立形) | ﭺ |
表示形(語頭形) | U+FB7C |
数値参照(語頭形) | ﭼ |
表示形(語中形) | U+FB7D |
数値参照(語中形) | ﭽ |
表示形(語尾形) | U+FB7B |
数値参照(語尾形) | ﭻ |
・アヴァール[ʧ]、アゼルバイジャン[ʧ]、アラビア(外来語)[ʧ]、アラビア諸方言(イラク/パレスチナ/レバノン)[ɡ]、アルウィー[ʧ]、アルバニア[ʧ]、ウイグル[ʧ]、ウズベク[ʧ]、ウルドゥー[ʧ]、エジプト・アラビア[ʤ]、オスマン・トルコ[ʧ]、ガウリー[ʧ]、カザフ[ʧ]、カバルダ[k, ʨ]、キルギス[ʧ]、クムク[ʧ]、コモロ[ʧ]、コンカニ[c]、サラーエキー[c]、シーナー[ʧ]、ジャウィ[ʧ]、シンディー[c]、ソマリ[ɡ]、タジク[ʧ]、タタール[ʧ]、タマシェク、ダリー[ʧ]、ダルグヮ[ʧ]、チェチェン[ʧ]、中国(小児経)[ʈʂʰ]、ノガイ[ʧ]、バシキール[ʧ]、パシュトー[ʧ]、パトワーリー[ʧ]、パルカリ[c]、バルティ[ʧ]、バローチー[ʧ]、パンジャブ[c]、ブラーフイー[ʧ]、ベラルーシ[ʧ]、ペルシア[ʧ]、ボスニア[ʧ]、マグレブ[ɡ]、マバ[ʧ]、ラック、レズギ、ロマナビック[ʧ]
【解説】
ペルシア語において、無声音を示す上2点下1点《∵》のヌクタ記号をHAHの土台の下に置くことで、英語CH[ʧ]音を表す字母を生み出した。
ほとんどのアラビア文字使用言語では近似発音採用されている。
ただし、エジプト・アラビア語の外来語表記では有声音[ʤ](英語J音)に使用されている。
なぜなら、エジプト・アラビア語では連字〈تش〉でチ音を表すためである。
イラクやパレスチナなどのアラビア語諸方言やマグレブ文字、ソマリ語ガダブールシ文字 Gadabursi ではグ[ɡ]音を示す。
ユニコード | U+0687 |
数値参照 | ڇ |
表示形(独立形) | U+FB7E |
数値参照(独立形) | ﭾ |
表示形(語頭形) | U+FB80 |
数値参照(語頭形) | ﮀ |
表示形(語中形) | U+FB81 |
数値参照(語中形) | ﮁ |
表示形(語尾形) | U+FB7F |
数値参照(語尾形) | ﭿ |
・エジプト・アラビア[ʒ]、シーナー[ʈʂ]、シンディー[cʰ]、トルワーリー[ʈʂ]、パルカリ[cʰ]、パレスチナ・アラビア[ɡ]
【解説】
シンディー語において、有気音を示す上2点下2点のヌクタ記号《::》をHAHの土台の下に付加して有声有気音CHを表す字母を生み出した。
トルワーリー語 Torwari language ではそり舌音のチ音表記用として使用される。
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