管理人さんが帰ってくるまでの仮まとめです

※外部スレからのコピペ等 完全に創作だと分かっているもの以外は嫌だという人は見ないほうがいいです





ヤンデレの定義
アンサイクロペディア


師匠と弟子少女
※年齢制限あり

18禁

佐藤君と悠紀ちゃん※18禁

細川忠興についての百科事典記事
wikipedia
アンサイクロペディア
ニコニコ大百科

細川忠興についてのMADとか探せば結構あったりするので気になったら探してみて下さい



644 :彼氏いない歴774年:2010/08/23(月) 17:58:20 ID:3Vc4ZSjN
726 名前:恋人は名無しさん[sage] 投稿日:2010/08/23(月) 17:43:52 ID:VZ/MkIXi0
付き合い始めた男性の家に遊びに行った。
リビングでのんびりしていてふと気づくと、彼がこちらにやって来た。
手にはハサミを持っている。

「髪、切らせて」

どういうことだ。目も異常で怖い。
「付き合ってから伸びた分はいい。(まだ1ヶ月です)でもそうでない部分は他の男が触ったかも知れないと思うと死にたくなる。」
「なぜ気を遣って自分から切ってくれないんだ。もう仕方ないから俺に切らせてくれ。」

なんて言えば刺激せずに逃げられるか必死で考え、なんとか外出。そのまま逃げて携帯番号も変えました。
もし髪切られたとしても、髪で済めばよかったかもね、なんて友人に言われてさらにゾッとしました。



316 :彼氏いない歴774年:2010/01/15(金) 19:07:17 ID:wlfuEFWO
コピペだけど
584 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/11/26(水) 15:54:39
僕の家の隣に女の子が越してきたのは小四の夏休みだった。
彼女の家庭にはお父さんがいなかった。
お母さんは僕の目から見てもとても若かったのを覚えている。
違うクラスになったけど僕と彼女は仲良くなった。
彼女はあまり明るいほうではなく、女子の友達も少なかった。
本ばかり読んで親しい友人のいなかった僕と彼女はお互いの家に遊びに行くほど仲良くなった。
そのうち彼女は愚痴を言うようになった。
母親がすぐ殴ること。
同じクラスの女子が意地悪をすること。
すきな男の子ができたけどその子はほかの女子にも人気があること。
最初は僕のほうがよくしゃべっていたけれど、この頃からは
一方的に彼女が話し僕が聴くようになっていた。
 
ある日を境に彼女は学校に来なくなった。
好きだった男子の取り巻きたちにいじめられていたのが理由だ。
彼女は僕に会うたびに自分をいじめた女子が憎いといった。
そのいじめを見てみぬ振りしていたクラスの皆も憎いといった。
そして現実味のない復讐やクラスメイトの悪口を延々と話し続けた。
僕はただ黙って相槌を打っていた。

中学に入ってから彼女の素行が荒れ始めた。
夜遅くまで帰ってこないようになり、これ見よがしにタバコをすい始めた。
家庭環境も悪化し、深夜にいきなり親子喧嘩が始まったりもした。
一度は警察が彼女を迎えにやってきた。この頃から近所と折り合いが悪くなり、
中傷ビラや落書きなどの悪質な嫌がらせが彼女の家に行われた。
一度は郵便受けに刻んだ猫が入っていた。
僕も母に彼女と付き合うのをやめるよう言われた。

僕が高校を出たとき、彼女は部屋に引きこもるようになった。
僕も彼女の姿を見ることがめっきり減った。
めっきりふけこんだ彼女のお母さんに話を聞くと
昼は絶対に出てこない。
ご飯は部屋の前においていく。
深夜になるとトイレに行くときだけ出てくる。
そんな生活を送っているようだ。
僕は久しぶりに彼女に会いにいった。

317 :彼氏いない歴774年:2010/01/15(金) 19:08:54 ID:wlfuEFWO
(続き)
彼女は僕に会うのを拒絶した。
扉越しに帰れと怒鳴った。
何を話しても黙っていた。
一度なんかはドアがあいたと思ったら味噌汁をかけられた。
ちらりと見えた彼女はげっそりと青白くやつれていた。
絞った雑巾のようだった。
僕は毎日彼女に会いに行った。
親とけんかした。
やっとできた友達と疎遠になった。
それでも毎日彼女の部屋まで会いに行った。

そのうち彼女は扉越しに話をするようになった。
悪い仲間と付き合っていたこと
万引きが癖になって警察に捕まったこと
恋人ができたと思ったら避妊に失敗して子供ができたとたんに逃げられたこと
助けてほしくて相談した母親に半狂乱になって殴られたこと
子供をおろしたこと
死のうと思ったこと
手首を切ったこと
昔と同じ様に彼女が一方的にしゃべり続け、僕は相槌を打つ。
意見を求められたときはなるべく無難な意見を言う。

そのうち彼女は部屋を出た。アルバイトも始めた。
だんだん性格も明るくなり始めた。彼女のお母さんから泣きながらお礼を言われた。
ある日、彼女は近所の団地から飛び降りた。
下が植え込みだったこととたいした高さじゃなかったために一命は取り留めたが
脊髄が傷ついたために今後の人生は車椅子のお世話になるそうだ。
ベッドに横になった彼女はなきながら謝った。
親や僕に迷惑をかけていたのがすごく申し訳なかったから飛び降りたんだそうだ。
泣いている彼女を慰めた。寝転んだまま泣いている人を慰めるのは難しいと思った。
慰めながら彼女にプロポーズした。結婚を前提に付き合ってくれるように頼んだ。
彼女は全身の水分を絞りつくすようにして泣きながら「本気?私でいいの?本当にいいの?」
と何度も聞き返した。訊かれる度にうなづき返した。
君のことがずっと好きだった。
顔をゆがめてクラスメイトの悪口を言っていたときも
悪い友達と付き合って荒れていたときも
一方的に愚痴をしゃべり続けていたときも
君が泣きながらお母さんが自分を殴ることを告白したときも
引きこもって別人のようにやせたときも
小学生の頃に君が好きな男子の名前をその取り巻きたちに教えたときも
君の家のポストの入れる猫を刻んでいたときも
足の感覚を失い白いベッドに飲み込まれそうに小さく横たわっている今も
ずっと君が好きだ。
これで完璧に君は僕だけの「彼女」だ。

僕たち今度結婚します。


345 :彼氏いない歴774年:2010/01/19(火) 21:05:59 ID:Rc3S/MrP
まとめの隠れヤンデレに萌えたのでコピペ※一部改変

456 名前: 風と木の名無しさん [sage] 投稿日: 2010/01/10(日) 03:02:06 ID:k/KtcRyx0

普段は真面目でおとなしそうで
いじめられてるところを喪子に助けられても
にこ、と笑いながら

「いや、いいんだ、悪いのは俺だから。いつものことだ、気にしないでくれ」

とか言っちゃうような奴
そんなヤンを放っておけない喪子がいつしか面倒を見るようになり

「ヤンは本っ当に私がいないと駄目だな!」

なんて、冗談っぽくでも照れながらでもいいけどそういう言葉を交わすようになる
それに「いやー、本当にそうだなーw」とヘラヘラしながら返すヤン

ある日、悪人に喪子が傷つけられ、ヤンが豹変する
ものすごい勢いで悪人をフルボッコ

顔面蒼白の喪子に向き直って一言

「前に話したことあるだろう?……俺はね、駄目なんだよ、お前がいないと」

喪子は、下手をすればいじめられ良くてもいい人止まりなヤンを
初めて特別扱いしてくれた人
だからヤンの愛はシャレにならないくらい重い

少し考えれば分かりそうだけど、
本人がそれをひた隠しにしていているから最後まで誰も気づけなかった


双子の弟

70 1/4 sage 2005/05/24(火) 05:22:12 ID:1cb8QL0K0
姉の腕に抱かれ、眠る。
僕がドアをノックしたらお姉ちゃんは優しく迎え入れてくれないといけないよ。
それは義務、使命だ。

私の弟は異常者だ。
姉弟である自分に姉弟愛では無い、恋愛感情を求めている。
その弟の異常性に気付いたのは彼が中学二年の頃だ。
私と弟の部屋は共同で、ベッドも一つ。
双子として産まれてきて物心がついてからはいつも
二人で一緒に寝てきたことを覚えている。
だけど異常な弟の性に気付くまで私は彼と二人で寝ることを
嫌だとは思っていなかったし、隣に弟がいると安心した。
周りには仲の良い姉弟だと認識されていたと思う。
私も弟のことが好きだったし、弟も私のことが好きであったと思う。
だけどその間に有ったのは姉弟としての愛だ。
引っ込み思案であった弟は、あまり友達の多い方では無かったし
性格も明るくは無かった。でも姉である私に対しては
優しくて思いやりのある弟だった。
誕生日には私の欲しがっていた手帳をプレゼントしてくれたこともあったし、
母親や父親と喧嘩して泣いていた私に、弟はいつも優しくしてくれた。
つまり私にとって弟は心強い味方であったし、優しい友達でもあった。
だから毎日弟とばかり遊ぶのは嫌では無かったし、楽しかった。
幼稚園、小学生、と同じ学校を通ってきた私達は中学も当たり前かのように
同じ公立の中学校へ進学した。
周りの環境は変わったけれど、本質は何も変わっていない毎日が
繰り返されているだけだと思っていた。

71 本当にあった怖い名無し sage 2005/05/24(火) 05:24:30 ID:1cb8QL0K0
ある晩いつもの様に弟とベッドで眠っていた時
私は深夜に不意に目を覚ましてしまった。
ゆっくりと目を開けた。そこには薄暗い闇の中で私を見下ろしながら
性器を取り出し、必死にそれを揺れ動かしている弟の姿があった。
口元には笑みを浮かべていた。
しかし私の目が開いているのに気付いたのか
弟は不思議そうな表情でまじまじとこちらを見つめている。
「あれ・・・?お姉ちゃん・・・起きてたの?」
その時の私は弟の行為の意味を理解していなかった。
だが背筋に走る冷たいものが、理解し難い何かが走った。
私は返事をしなかった。いや、出来なかったのかもしれない。
とにかく言葉を失った。
そしてそのまま寝返りを打ったフリをして目をつぶった。
弟は私が寝ているのを半信半疑の様子だったが
そのまま横で眠りについたようだ。
いつも横にいて安心を与えてくれるはずの弟が
今日は何か得体の知れない人間に感じられた。
怖い。恐怖で身を固まらせながらも私はやがて深い眠りに落ちた。

次の日の朝、弟は何も変わらない様子だった。
少し私はほっとした。
(アレは何かの見間違え、もしくは夢か何かだったのだろう・・・)
いつもと同じ学校の授業を終え、帰宅してテレビを見て入浴。食事を経て・・・
「おやすみ。お姉ちゃん」
「うん、おやすみなさい」
灯りを消してそのまま眠る。
昨日のはやっぱり何かの間違いだったんだな・・・

72 3/5 sage やっぱり5こになったorz 2005/05/24(火) 05:26:25 ID:1cb8QL0K0

やがて意識が薄れていき、完全に睡魔に意識を奪われる直前
背中に何か熱い何かを感じた。
文章表現の類では無い、実在する物体の熱さ。
振り向くと弟の寝顔があった。私に密着したまま眠っていた。
(なーんだ・・・。あれ?でもコレって・・・」
私の背中に当たっていた何かは、大きく怒張した弟の性器だった。
悪寒がした。気持ち悪いと思った。嫌悪感を抱いた。
昨日の夜の出来事が何かの間違いでは無かったことに気付いた。
それからは毎日就寝の時間が怖くて仕方が無かった。
弟との普段の生活中での会話も減った。
弟は私に何度も声をかけてきたが
そのたびに何度も素っ気無い返事を返して過ごして来た。
中学も終わりに近づき、高校受験を迎えることになった。
私は女子校を受験した。
更に母親に私と弟の部屋を分けて欲しい、と伝えた。
母親は承諾し、姉弟別々の部屋になった。
その日の夜一人で眠りにつこうとすると
部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「お姉ちゃん、一緒に寝てもいいかな・・・?」
息を飲んだ。気力を振り絞って
「ごめん。今日は一人で寝たいんだ・・・」
すると扉の向こうから足音が遠ざかっていくのを聞いた。
その日は本当に久しぶりの安眠を貪ることが出来た。
だけどそんな日々が続くのも僅かな時間だった。
次の日も弟は、私と一緒に寝たいと伝えにドアをノックしにやってきた。
その日も私は断ったが、その次の日も、次の日も、次の日も、次の日も、次の日も・・・
弟はやって来た。

73 本当にあった怖い名無し 2005/05/24(火) 05:33:18 ID:1cb8QL0K0
「お姉ちゃん。なんで無視するの?」
「お姉ちゃん。どうして一緒に寝てくれないの?」
「お姉ちゃん。僕たち姉弟じゃなかったの?」
ドア越しに弟の声を聞く。
耳を塞ぐ。
ある日の朝、私が目覚めるとたくさんの丸まったティッシュペーパーが散乱していた。
事態を飲み込めなかったがティッシュペーパーを拾い、広げてみると
中には粘着性の液体が付着していた。
私はそれが何か瞬時に理解した。
(弟だ・・・弟がこの部屋に入ってきたんだ・・・。でもカギはかけているのにどうやって・・?)
次の日の夜、私は眠りにつくことが出来なかった。
弟が部屋を自由に出入りできることを考えると気が気で無かった。
「もう嫌だ・・・こんな家早く出て行きたい・・・」
口に出して呟くとその時ドアからガチャリと音が鳴り、開いた。
「どうして・・・」
弟がにやりと口元を歪めた。
「合鍵を作ってもらったんだよ・・・。お姉ちゃんの事を考えたら安い投資だ・・・。
最近のお姉ちゃんはおかしいよ・・・。僕は姉弟じゃないの?愛情を与えるのに値しないの?
この地上で同じ時間同じ場所で生まれた二人じゃないの・・・?愛し、同じ使命に従うべき・・・」
「あんたなんて弟じゃない・・・気持ち悪い。」
弟の口元が呆けた様に開いた。何を言っているのか理解できない風の顔をしながら
こちらに近づいてくる。

74 5/5 sage 2005/05/24(火) 05:35:04 ID:1cb8QL0K0
恐怖で体が動かない。そして私の耳元で弟が囁いた。
「お姉ちゃん、これからは毎日一緒に寝ようね。前と一緒みたいに・・・」
そう言って布団に潜り込んできた。
布団から抜け出そうとすると弟が腕を強引に掴んできた。
「駄目だよ・・・一緒に居てくれなきゃ・・・」
高校生男子の腕力にかなうはずも無く、そのまま一夜を明かした。
一晩中弟は私の方を向いたまま、まばたきもせずに丸い目でこちらを見つめていた。
反対側を向こうとすると無理矢理弟の方に力ずくで向かせられた。
一晩、ずっと弟の顔を見つめさせられた。
異常者の顔にしか見えなかった。
それから毎日弟は私の部屋にやって来る。
高校も1年が過ぎ2年が終わり3年目に突入した。
それでも弟は毎日やって来る。母や父には相談出来るはずも無い。
二人は私達のことを今でも仲の良いただの、普通の、双子だと思っているのだろう。
今日も外は静まり返り、夜がやって来た。
ドアをノックする音が聞こえた。


101 名前:手紙[sage] 投稿日:2010/06/26(土) 00:05:05 ID:CRsvZLrl [2/5]
 西田篤志 様

拝啓
今日もお仕事お疲れ様です。
西田フードカンパニーの次期社長になるべく今日も会社のために尽力されたことだと思います。
あなたに手紙を書くのは初めてですね。
私はあなたのように達筆ではないので、読みにくいかもしれませんが、お許しください。
あなたもご存知かもしれませんが、まず私の生涯をここに綴っておこうと思います。
私、小早川ゆりは小早川家の長女として生まれました。
極々普通の少女として育ち、近所の公立高等学校に進学しました。
そこで私は夫となる進藤孝信と出会いました。
彼は学校の古典の教師、私は女子生徒の一人。
お互いが想いあっていることは気づいていましたが私は想いを伝えないまま高校を卒業してしまいました。
高校を卒業後は医療系の専門学校に進学しました。
朝から夕方までぎっちり詰まったカリキュラムに疲れきっていた五月の下旬、大学に進学した友人に誘われ、
母校の文化祭に顔を出すことになりました。
覚えたての化粧をして、高校の時よりも大人びた流行の服を着て、胸を高鳴らせながら母校に向かいました。
私が卒業して二ヶ月しか経っていませんでしたが、母校に足を踏み入れた瞬間、懐かしい気持ちになりました。
顔も知らない高校に入学したての一年生の中、後輩達の中、私は辺りを見回します。
進藤はなかなか見つかりません。
高校時代を思い出すように食堂で友人と昼食を楽しみながらも、私の目は進藤を探します。
それでも進藤は見つかりません。
すべての展示を見終え、生徒の保護者達達が帰途につく中、私達も校門へと向かいます。
校門の前では教師達がずらりと並び、保護者に挨拶をしています。
その中に漸く進藤を見つけました。
私が声をかけようか迷っていると、友人は元気一杯に進藤に駆け寄っていきました。
私も友人に後からついて行き、進藤の前に立ちます。
進藤は教師らしく、私達の学校生活を気にかけるようなことを話し、私達も自分達の学校生活を進藤に話しました。
そこで何もかもが終わってしまうかと思われましたが、進藤は私に渡しそびれたものがあるからと私を職員室につれていきました。
職員室で渡された渡しそびれたもの、それは彼の住所、携帯電話の番号とメールアドレスでした。
その日から私達の交際はスタートし、一年後私が成人を迎えると共に私達は結婚しました。
結婚生活を始めると共に私達は新居に引っ越しました。
そうです、あなたも暮らすあのマンションに。
私達夫婦は805号室、あなたは801号室の住人でしたね。
進藤ゆりとなった私の新婚生活は幸せに満ち溢れていました。
愛する進藤と夫婦になれた。これ以上の幸せはありません。
しかしです――学業と家事に追われる日々は二十歳の私の世界を狭めたのも事実です。
そんな時にあなたと出会いました。
あなたは22歳の国立大学に通う学生でしたね。
専門学校に通い、家事に勤しむ私には新しく大学生と知り合いになるというのは、些か新鮮なことでした。
若くして結婚し、慣れない家事に奮闘する私をあなたはいつも褒めてくれました。
進藤も私を何かと気遣ってくれましたが、それでも他人のあなたに褒められるというのは格別に嬉しいことでした。
それ以外にも、あなたとの何気ない日常のおしゃべりは楽しかったです。
進藤とは一回りも年が離れていたので、同世代のあなたが持ってくる日本経済の話、サークルの話、音楽の話、大学生活の話、
私はそれらを楽しみにしていました。
ああ、もし進藤と結婚していなければ、私とあなたは付き合っていたかもしれませんね。
しかし進藤と結婚し、マンションに引っ越してきたからこそあなたと出会ったのであって、
引越しさえしなければあなたと出会うことは一生なかったのかもしれません。

102 名前:手紙[sage] 投稿日:2010/06/26(土) 00:06:42 ID:CRsvZLrl [3/5]
引越しから半年後、私と進藤は待望の子どもを授かりました。
妊娠中も学校に通い、年内に私は卒業に必要な単位を取り終え、後は安心して子どもを産むだけでした。
しかし、あなたもご存知の通り、その年の年末進藤は帰らぬ人となりました。
学校の忘年会の帰り、進藤は駅のホームから落ち、電車に轢かれ、原型も判らぬ姿になって私のもとへ――。
進藤を亡くし、涙に暮れる私を励ましてくれたのは、やはりあなたでした。
安定期に入った私のお腹は日に日に大きくなっていきます。
この子は進藤の忘れ形見。
あなたに励まされて、私は元気な赤ん坊を産むため、泣くのを止め、前向きに生きるように努めました。
私が21歳になってすぐに、私と進藤の子ども、娘の皐月が生まれました。
娘の名前を命名するときに相談に乗ってくれたのもあなたでしたね。
出産後は西田の残してくれたお金で生活には困りませんでしたが、娘の夜泣きには随分と手を焼きました。
初めての子育てに梃子摺る私の協力者になってくれたのもやはりあなたでしたね。
あなたも大学院に進学し、研究が忙しかったことだと思います。
それなのに私達親子のために貴重な時間を割いてくれて、本当にありがとう。
今でもあの時のことはとても感謝しています。
しかし、この頃進藤の両親はあなたと私が親しくしていることをあまりよく思っていなかったようです。
後に若い私には再婚の道があると理解をしてくれるまでは大分嫌味を言われ続けました。

さて、しかし、それでもこの頃はまだ幸せでした。
これから先は私の不幸な日々です。
皐月二歳の夏。
皐月はひき逃げ事故に遭い、夫のもとへと旅立ちました。
私は23歳にして夫の忘れ形見である、最愛の娘までも喪いました。
私のこの悲しみ、あなたは私の傍で見ていましたよね?
私は食べるものも喉を通らず、まともに歩くこともできなくなり、入院を余儀なくされました。
その時、私を支えてくれたのもあなたでした。
もうその時には私の両親よりもあなたは私に近しい存在でした。
進藤と皐月の分まで幸せに。
進藤と皐月の分まで力強く生きろ。
あなたはそう言ってくれました。
あなたは私の代わりに進藤と皐月の月命日には墓参りをしてくれました。
そして、あなたは私に告白してくれました。
私はそれよりも前からあなたの想いには気づいていましたが、ずっと気づかないふりをしていました。
すぐにあなたの気持ちに応えることはできませんでした。
私の心の中には進藤と皐月がいました。
あなたは笑顔で待つ、ずっと傍にいると言ってくれましたね。

103 名前:手紙[sage] 投稿日:2010/06/26(土) 00:08:50 ID:CRsvZLrl [4/5]
ねえ、篤志さん。
あなたはどんどんと幸せになっていったのでしょうね。
でも反対に私は坂道を転がり落ちるように不幸になっていったのです。
篤志さん、あなたは大学院を卒業し、あなたのお父さんの会社に入社しましたね。
あなたは私の傍にいてくれると言ってくれましたけど、会社員となったあなたは以前よりも私といる時間は少なくなっていましたよね。
だからあなたは私に同棲を持ちかけた。私はあなたに応えた。
篤志さん、私はあなたのすぐ傍であなたが幸せになっていく様子を見ていました。
その裏でね、篤志さん。
私はあなたのお母さんに会っていたのですよ。
篤志さん、あなたのお母さんは私と初めて会った瞬間、私を張り飛ばしたんですよ。
息子はあなたのせいでおかしくなったのよ、と私を何度もぶったんです。
私をあなたの実家に連れて行くと、あなたの自室、そして倉庫に連れていったんです。
驚きましたよ、篤志さん。
あんなに驚いたのは初めてでした。
壁一杯の私の写真。無数のモニターに映し出される進藤のマンション。私が出したゴミ、ゴミ、ゴミ――。
倉庫から見つけたのは、皐月が事故にあった時無くなったとばかり思っていた、私が手編みしたピンク色の兎の耳がついた毛糸の帽子。
篤志さん、あなたのお母さんを責めてはいけませんよ。
これは私が進藤と皐月の死の真相を確信した出来事にすぎないのです。
あのね、篤志さん、それ以前から私は気づいていたのですよ。
だってね、あなた、進藤の葬儀で、皐月の葬儀で、二人の遺影を見る度に、嬉しそうに笑っていたんですよ?
それはそれは嬉しそうに嘲笑っていたんです、あなたは。
篤志さん、私は夫の葬儀の日から決めていたんです。
進藤を殺したあなたに復讐することを。
まさかあなたが私の愛娘まで手にかけるとは思ってもいませんでしたがある意味納得しました。
あなたは本当に外道だったのですね。
人の風上にも置けませんね、あなたは。
さて、篤志さん。
私の復讐はどうでしょう?
嬉しいですか?
悲しいですか?
絶望を感じていますか?
死にそうな気分ですか?
あなたが私を心の底から愛してくれていたことは死ぬほど知っています。死ぬほど知っているのです。
だから私の復讐はあなたにかすり傷ぐらいの痛みは与えていることだろうと思います。
ねえ、篤志さん。
リビングにぶら下がり、虚ろな目をしてあなたを見下ろす私の姿はあなたの目にどう映っているのでしょう?
美しいですか?
綺麗ですか?
可愛いですか?
汚らわしいですか?
歪んでいますか?
醜いですか?
篤志さん、今私はとても幸せです。ようやく幸せを取り戻せたのです。
あなたの手の届かない場所、夫と娘のいる場所へ旅立ったのですから。
さようなら、篤志さん。
私はあなたを許しません。
            敬具
               進藤ゆり(旧姓:小早川ゆり)


追伸
私のお腹の中にいるあなたの子供は道連れです。当然ですよね?


120 名前:伊集院君と沙夜ちゃん[sage] 投稿日:2010/07/08(木) 02:02:39 ID:UGXCiCCJ [2/6]
なんだか最近妙に視線を感じる。
妹が私の家の近くの大学に進学を決めて、引っ越してきてからかな。
近くで救急車もよく出動してるし――この街の治安は大丈夫なのかしら。
「沙夜。なんか視線を感じない?」
占い雑誌を読みふけっている妹に尋ねると、
妹は「もしかして幽霊!?」と喜色満面の笑みを浮かべ立ち上がった。
大学生になれば少しはまともになると思ったら、相変わらずオカルトが好きみたい。
ムカついたのでキッチンから塩を取ってきてその辺に撒いてやった。
「お姉ちゃんやめてよ!幽霊祓っちゃダメ!」
お前は家で幽霊を飼おうとするな。
「うるさい。黙れ。ちょっとはおしゃれして合コン行くようになったと思ったのに、どうして根本が変わってないの?
 この前の合コンはどうだったの?男の子とアドレス交換した?その後、デートした?」
この前まで田舎の真面目な高校生をやっていた妹にそこまで期待してないけど。
案の定、妹の顔色が曇った。
「アドレス交換したんだけどね、そのー……、男の子みんなあの後入院しちゃって、連絡つかないの。
 みんな悪霊ついてたのかなー?」
入院?一人ならばわかるがみんなってどうなのよ?
「はあ?男の子みんな?女の子側はみんな無事なの?」
「うん、女の子はみんな無事。男の子達は食中毒とか事故とかで……可哀想だよね」
可哀想だけど。
女が無事で男どものみ全員入院。
うちの妹に本当に悪霊憑いてるんじゃなかろうか?
「あ、そういえばお姉ちゃん。私の部屋でカメラを見つけたんだけど、心霊ビデオ撮ろうとしてくれてたの?」
妹は一度部屋に戻ると、小さいレンズとコードが付いたものを持って来た。
これって隠しカメラとか監視カメラとか呼ばれるものでは?
勿論設置したのは私ではない。
私にオカルトな趣味があるわけでもなし。妹の趣味に協力する道理もなし。
もしかして、この妹にストーカーとかいうものがいるのでは?
私かもしれないけど、私の部屋で視線を感じない。
妹との共有スペースで視線を感じるのよね。

121 名前:伊集院君と沙夜ちゃん[sage] 投稿日:2010/07/08(木) 02:03:42 ID:UGXCiCCJ [3/6]
妹にストーカーって考えにくいけども、変わった人間っているわけだし。この妹みたいに。
「沙夜。最近、男の人に後つけられたりしてない?つけられてるようなら警察行こう?」
妹は目を丸くして、次の瞬間ぷっと吹き出した。
「そんなのないよー。私、本当に、男の人とは全然だしー。
 あ、でもね、最近仲良くなった男の子がいるんだ」
ぽっと頬を染める妹。なんともわかりやすいやつ。
「ふーん。だから最近女の子らしくしてるの?」
「う、うん」
「どんな子?」
「伊集院君っていって、今高校三年生の子」
高校生かー。っていっても、三年生なら妹の一つ下でしかないんだよね。
「お姉ちゃん、年下の男の子好きになったら変?」
「変じゃないよ。うちのお父さんとお母さんだって、お父さんの方が三つ年下じゃん」
「そうだよね。よかったー。お姉ちゃんがそういってくれて。
 今日はもう寝ようかな。お姉ちゃんとこうゆう話ができるようになって嬉しい」
幽霊と占いにしか興味のなかった妹とこんな話ができる日がこようとは。
やっと普通の姉妹の会話って感じ?
そして意外にもうちの妹は素直で可愛い。
伊集院君ってのが悪い子じゃなければいいんだけど――。

翌朝、ちょっと寝過ごして、急いでマンションのエレベーターから降りると、
自動ドアの前に見知らぬ高校生を見つけた。
学ラン、黒髪眼鏡の、どっちかっていうと可愛い感じの男の子。
このマンションにあんな子いたっけ?
もしかして朝帰りなのかも。
自動ドアの前で少し減速して、自動ドアが開くと同時にダッシュ。
「沙那お姉さん。おはようございます」
振り返ると、高校生が自動ドアの向こうのロビーへと入っていく。
せっかく挨拶してくれたのに挨拶しそびれた。
あれ?あの男の子、どうして私の名前知ってるんだろう?

122 名前:伊集院君と沙夜ちゃん[sage] 投稿日:2010/07/08(木) 02:04:58 ID:UGXCiCCJ [4/6]
沙夜さんと初めて出会ったのは近所のレンタルビデオ店。
俺はその時海外ドラマものにはまっていて、よくレンタルビデオ店に足を運んでいた。
そしてオカルト好きの弟に怖いビデオを頼まれていてよくホラーの棚も覗いていた。
するといつもホラー映画の棚の前には沙夜さんがいた。
俺はあまりオカルトに詳しくなかったので、どうゆうものがお勧めなのか沙夜さんに尋ねてみた。
沙夜さんは目を輝かせ、「このビデオには本物が映っているらしい」とか
「これが創作では一番面白い」とかを事細かに俺に教えてくれた。
多分そこの店員よりも詳しかったと思う。
単純なんだけど、俺はその日、恋に落ちた。沙夜さんに惚れた。恋に理由なんてない。
でも中高一貫の男子校に通う俺にはアプローチ方法なんて分からず、名前も聞けず、
ちゃんとお礼さえもできずにレンタルビデオ店を後にしてしまった。
沙夜さんが選んでくれたDVDは弟に大絶賛だった。
お礼がしたくて――というよりも、もう一度沙夜さんに会いたくて、俺は足繁くレンタルビデオ店に通った。
三度目でDVDを返しに来た沙夜さんと会えた。
この前のお礼をして思い切って沙夜さんの名前を聞いた。
また怖いビデオを探していると嘘をついて沙夜さんにDVDを選んでもらった。
そして店の前で別れたふりをして、沙夜さんの後を尾行し、沙夜さんのマンションをつきとめた。
それからは沙夜さんのマンションとレンタルビデオ店、沙夜さんの通う大学を行ったり来たり。
沙夜さんがお姉さんと二人暮しをしていること、所属している学部、交友関係なんかはすぐにわかった。
でも俺は沙夜さんのことがもっともっと知りたかった。
沙夜さんの家の間取りはどうなっているかだとか、家ではどんなことをしているかだとか、
それと――沙夜さんの体はどんなだとか。
俺は自分と同じような悩みを抱えている人が集うSNSのコミュニティに入り、そこで様々なノウハウを得た。
犯罪まがいなことも多くあったけど、もうそんなのどうでもよくなった。バレなきゃいい。
SNSには小学校三年生の時から想い続けた女性と両想いになった男性もいた。
俺も沙夜さんとそんな風になれたらなんて――。

沙夜さんにボールペンをプレゼントしたら喜んでくれた。そのボールペンは盗聴器付きだったけど。
沙夜さんにキーホルダーをプレゼントしたら喜んでくれた。発信機付きだったけど。
沙夜さんの家の合鍵もつくり、初めて沙夜さんの部屋に足を踏み入れた瞬間、泣きそうになった。
沙夜さんの部屋はやっぱりオカルトグッズがいっぱいあって、お札とか、魔方陣みたいなものとか、
不気味な日本人形とか、ホラービデオのDVDBOXとかあったけど、それでも沙夜さんの部屋は
女の子のいい匂いがした。
隠しカメラをいたるところに設置させてもらった。
沙那お姉さんには申し訳なかったけど、廊下やリビングにも。
その結果、沙夜さんについてわかったこと。
沙夜さんはこちらが驚くほど裏表のない人だった。
大学の友達と話すときは、あまりオカルトの話をしないようだったけど、性格はまったく変わっていない。
無防備すぎてこちらが心配になるほどだった。

123 名前:伊集院君と沙夜ちゃん[sage] 投稿日:2010/07/08(木) 02:05:55 ID:UGXCiCCJ [5/6]
そしてやはりというか、沙夜さんが男と知り合う機会はたくさんあった。
沙夜さんのお友達はお節介にも、頻繁に合コンに沙夜さんを誘った。
最初のうちは沙夜さんも断っていたけど、あまり断るのも申し訳なく思ったのか、合コンに参加した。
気軽に沙夜さんに話しかけ、べたべたと沙夜さんに触れる男どもが俺は許せなかった。
ある日、私服で沙夜さんの大学に向かうと、沙夜さんのアドレスを聞いた男を食中毒にして入院させた。
別の男は横断歩道の前で立ち止まりケータイに夢中だったので、俺は男の横に立ち、横断歩道は赤信号だったけれど一歩踏み出した。
男はケータイ片手に歩き出し――車に轢かれた。
沙夜さんの周りの男を俺が手を下さずに潰すのは簡単なことだった。

沙夜さんは合コン相手や大学の男友達が皆入院してしまったことに驚いていたけど、
悪霊のせいだと思ってくれて俺はとても助かった。沙夜さんがオカルト好きでよかった。
俺と沙夜さんは着実に仲良くなっていると思う。
休みの日にデートに誘ったりしていいだろうか。
沙夜さんはやっぱり心霊スポットとかがいいのかな。
自宅のモニタの前で沙夜さんの部屋の様子を覗く。
沙夜さんはパジャマ姿で占い雑誌を読んでいる。
そして突然呪文のようなものを唱え始めた。どうゆう効果があるのだろうか。
「伊集院君、好きっ!」
俺の思考は一瞬停止した。
沙夜さんのことを思いすぎて、幻聴が聞こえてきたのだろうか。
画面の中の沙夜さんは雑誌に顔を埋め、じたばたとベッドの上で身もだえ、ベッドから落ちた。
俺も手足が震えてどうしていいのかわからない。
「あ、なんだろう。これ……」
あ、ヤバイ。隠しカメラが見つかった。
沙夜さんが引っ張ったのでコードが千切れて、モニタが一つ真っ黒になる。
あのカメラ、後日回収にいかないとな。
それで、その、沙夜さんは本当に俺のことが好きなのだろうか?
もしかして俺らは両想いでいいのだろうか?
でも、もし、両想いで、付き合うことになったら?
盗撮や、盗聴はやめた方がいいのだろうか?
そもそもこのことがバレたら嫌われてしまうのだろうか?
わからない。
後でコミュニティの掲示板に書き込んで、Sさんにアドバイスをもらおう。


125 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/07/09(金) 02:54:38 ID:lO4nR3Ik
小学三年の頃からの…、Sさん…、…まさか。 佐藤君のことかーッ!


※18禁

353 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 20:52:07 ID:P78KuSoE [1/3]
出だしですが投下します。弟ヤンデレですが、最初の頃は病んでません。
途中までで申し訳ないのですが、投下しないとモチベーションが上がらなくて…。
嫌な方はスルーでお願いします。

「ただいま」
そう言うと、バイトから帰ってきた姉はそのまま部屋に入り、着替えてから風呂に行く。
大学の帰りにバイト、そして帰宅。そんな毎日が数年続いている。バイト以外で帰りが遅くなる事はなかった。


それも仕方ない事なのかもしれない。何しろ姉は不細工だ。今時、染めた事もない黒髪。
一応化粧はしているが、メガネブスで服装も大きめサイズのTシャツにGパンばかり。
昔からこんな感じで同級生にもブスと陰口を叩かれていたようだった。
反対に俺は中の上位の顔で生まれてこれたおかげで、割と人気はあったようだ。
共学の高校に入ってからは、何人か彼女もできた程度にはモテている。
こうも違うのは、俺海堂瞬と姉片桐湊の親が連れ子同士の再婚だったからだと思う。
父を早くに亡くし、片親だった母は俺が10才の頃、今の父親と再婚したのだ。当時姉は12才だった。
当時は俺と比べられては姉は不細工だとイジメられていたらしかった。
そのせいか姉は学校から帰ると、よくベッドで泣いていた。イジメに合いだしてからは俺と距離を取り出し、
中学に入る頃には家以外では、あまり会話をする事もなかった。
自分も友人に「不細工な姉さんだな」と言われるのが嫌だったので、自然な事だったと思う。
両親も「思春期だから仕方ない」で済ませてくれたし、有り難かったな。
だから、この毎日が変わる事はないと思っていた。あの日までは…




354 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/26(金) 20:55:32 ID:P78KuSoE [2/3]
「あの…瞬…変じゃない?」
学校から帰って自室に戻ると、姉が部屋にやって来た。
「いきなり開けるなって…はぁ!?」
ノックもせず、いきなり部屋に入って来た姉に俺は素っ頓狂な声を上げてしまった。
「な…どうしたんだよ…それ…」
思わずどもってしまう程、姉が変わっていた。ストレートで真っ黒だった髪は巻いて茶色くなり
服も今まで見た事ないような丈の短めの可愛いワンピース姿だった。
何より一番驚いたのはメガネ姿ではなかった事だ。メガネのない彼女を見るのは何年ぶりだろう。
「その…今日…バイト先の人と食べに行くから…少しはお洒落しないと…って思って」
マジマジと見つめる俺に、居心地悪そうに視線を下にそらせ呟く。
「…」
姉のその言葉に、一瞬息を飲む。「お洒落しないと」って事は相手は男…だよな。「男出来たんだ…良かったじゃん」
「別に…食べに行こうって言われただけだし…」
俺の言葉に下を向きながら言い返す。食事に誘われただけって割に気合い入りすぎじゃん。
と、口を開こうとしたが我慢した。何となく言ってはいけない台詞まで言ってしまいそうだったのだ。
「今までの格好よりはいいじゃん」
「そっか…」
そう言って姉は部屋から出て行った。ドアが閉まるのを確認すると、俺はベッドに腰掛ける。
『ブスが髪染めても似合わない』
『スカートとかマジ無理』
イライラして、思ってもいない言葉が口から出そうになった。
胸がムカムカして、胃のあたりがモヤモヤする。なんでこんな気持ちになるのか…。
何もする気が起こらず制服を脱いでTシャツとGパンに着替えると、 そのままベッドに横になった。


364 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/29(月) 23:17:51 ID:YT150WN7 [1/3]
瞬と湊の続き投下します今回も短いですスミマセン


『あれ瞬のお姉さん?』
学校からの帰り道、友人に言われて家の方を見ると玄関から中に入って行く姉が見えた。
『へ〜瞬の姉さん?結構可愛くね?』
別の友人が姉が去った後に目をやり、ニヤニヤしていた。胸がモヤモヤして俺は思ってもいない言葉を吐く。
『不細工だよ…あんなのが姉なんて最悪だよ』
『そっか?』
『そうだよ…貞子みたいだろ』
『まぁ確かに…髪も真っ黒で暗い感じだった』
俺の言葉に友人達が頷いて、そのまま別れた。
それから何週間としない内に姉は周りからブスと噂されるようになった。
『貞子みたい』の一言から、色々な話が出来上がっていったようだった。その噂を聞いていた俺は…。


目を開けると、暗い自室だった。ベッドに横になって色々考えている内に寝てしまっていたようだった。
「あの夢…昔の…」
自分でも忘れていた過去の記憶。あれがきっかけで姉は「貞子」「根暗ブス」とイジメに合うようになったのだ。
あの噂を聞いた時、自分はどんな顔気持ちだったのだろうか?それを思い出す事なく目を覚ましてしまった。
「ただいま」
玄関の方から姉の声がする。電気を点けて時計を見ると夜の10時を回っていた。
5時間も寝てたのか自分は…。てか、母さんも起こしてくれたらいいのに。
そう思いながら台所に向かうと、廊下で姉に出くわした。彼女はここ最近見た事もない笑顔で
「瞬ありがとう!この服良いって言ってもらえたよ」
そう言うと自分の部屋に戻って行った。馬鹿だな…服じゃなくて姉さんを褒めたんだよ…。
「…っ」
あんな笑顔、ここ数年見た事なかった。あの人、あんな風に笑えたんだな…。胸がジリジリする。
家で家族と話す時でも笑う時は口に手をあてて顔を隠すようにしていた。それなのにさっきは、普通に笑っていた。
「なんだよ…それ…」
廊下に座り込み、一人ごちる。アンタは他人の前で笑わなくてもいいんだよ。貞子なんだから…。

365 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/11/29(月) 23:23:16 ID:YT150WN7 [2/3]
あれから三ヶ月程経つが、姉は今もたまに俺に服や髪型について聞いてくる。
一度「何で俺に聞くの?」って言ったら「瞬…モテるし…彼女さん沢山居るし…」って答えられたが、沢山も居ないからな。
姉とは反対に俺は苛つく事が多くなった。


「瞬君…瞬君!やぁ…!あ…ん…後ろばかり嫌ぁ…」
彼女をラブホのベッドに四つん這いにさせて、後ろから腰を振る。
最近イライラする事が増えた俺は、それを解消したくてセックスをする回数が増えていた。
乱暴に服を脱がし、胸にしゃぶりつき膣に指を入れ、何度も抽挿する。女が腰を揺らしてきたら
一気に自身を挿入し、ひたすら腰を打ち付ける。女がアンアン言ってイク時に自分も達する。
「し…瞬君最近スゴい…何かあったの?」
事後に聞かれて自己嫌悪に陥った。
「ごめん…優しくしないで」
「いいの…私も気持ち良かったし…強引なのも好きかも」
そう言って彼女は疲れたのか寝入ってしまった。違う…そうじゃない…。俺がバックでやっていたのは…。
後ろから犯していた相手は…。脳内で犯していた相手は…。


『瞬!!瞬!!やぁ…止めてぇ…後ろは嫌ぁ』


睡魔に身を委ねる直前、あの人の叫び声を聞いた気がした。


377 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 23:07:16 ID:Sd1mnmBs [1/4]
瞬と湊の続きを投下します。
エロはありませんが弟が変態すぎるので変態が嫌な方はスルーでお願いします



「ただいま」
玄関のドアを開けて家の中に入る。靴を脱ごうとして玄関先に目をやると姉の靴があった。
今はまだ夕方だ。今日はバイトがあると言っていたから、夜まで帰って来ないはずだが…。
大した事じゃないだろうと思い、そのまま部屋に行こうとすると何か音がした。
「気のせいか…?」
音がした方に顔を向けたが特に何もなかった。勉強のしすぎで疲れているのかもしれない。
もうすぐで中間テストがあるので、最近俺は学校が終わると図書館で勉強をしていたのだ。
正直勉強なんて好きではないが、成績さえ良ければ何も言われないですむ。これ位の苦労は楽なものだ。
彼女に勉強を教えるのが面倒で家で勉強をしようと思い、真っ直ぐに帰って来たのだが、幻聴が聴こえる程疲れていたのだろうか…。
「疲れてるのかな?」
そう思い部屋に入ろうとしたら、また音がした。音というよりは、かすれた声…?声がした方を見るとそこは姉の部屋だった。
「…んっ」
「姉さん?」
また聞こえた。さっきよりも確かな声だった。もしかして体調が悪くてバイトを休んだんじゃ!?


378 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 23:10:38 ID:Sd1mnmBs [2/4]
姉の部屋に向かう途中、無意識に俺は足音を忍ばせて歩いていた。何故だかはわからない。ただ、予感がしたのだ。
気配を消すように、そっと姉の部屋の前に立つと先程よりも声がハッキリと聞こえてきた。
「…ん…ふぅ…」
かすれたような姉の艶のある声を聞いた瞬間、躰が熱くなるような感覚が全身を襲った。
気付かれないように隣の物置部屋に入り、鞄からボイスレコーダーを取り出しスイッチを入れる。
学校の授業で先生の説明を録音して聞き返すのに丁度良いと思って購入したボイスレコーダーが、こんな所で効果を発揮するとは思わなかった。
「はぁはぁ…んっ…」
録音を開始した後も姉の部屋からは押し殺したような厭らしい声が聞こえてきた。ボイスレコーダーを置いたまま、俺はそっと物置部屋を離れた。
そのまま家を出ると少し離れた公園に向かった。公園に誰も居ないのを確認しトイレに入ると、ズボンを下ろし熱を持った下半身を露出させる。
「姉さん姉さん姉さん!!」
先程の姉の声を思い出し、俺は本能のまま下半身を扱く。一人でオナニーをして感じている姉の姿を想像しながら、一気に放出した。
トイレの個室から出て、鏡を見るとそこには醜く歪んだ笑顔の自分が写っていた。


『確かに貞子みたいだな』
『ああ…暗そうだな…』
友人達の言葉を聞き、別れた彼らの背中を見ながら一人で笑っていた俺は、こんな顔をしていたのだ。


379 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/05(日) 23:14:25 ID:Sd1mnmBs [3/4]
家に戻ると部屋の前で姉に出くわした。姉は少々驚いていたが、俺は何食わぬ顔で声をかける。
「あれ…姉さん早いね?バイトは休みなの?」
軽いようなトーンの声で、さも驚いた風を装うと姉は安心したような顔をした。
「うん…休みなの忘れてて早く帰ってきたの。今からお風呂入るね」
「もう?夕飯前に?」
「うん…少し汗かいちゃって」
そう言い残して風呂場に向かう姉を振り返りもせず、俺は物置部屋からボイスレコーダーを回収し自室に戻る。
「くくくっあっはっはっは!!」
部屋に戻るとベッドに顔を押し付け大声で笑った。近所迷惑だろうが笑わずにはいられなかったのだ。
馬鹿な湊姉さん…俺は全部知ってるんですよ?貴女がナニをして汗をかいたのか…その理由を…。
ひとしきり笑った後にそっと姉の部屋のドアを開ける。彼女は風呂が長いから、今の内に部屋に侵入する必要があるのだ。
ゴミ箱の中を確認すると袋に詰められたティッシュが幾つも入っていた。
ゴミ箱を漁った事が気付かれないように、そっと袋から一枚ティッシュを取り出し逃げるように姉の部屋を出て自室に戻る。
部屋に戻った俺はズボンを下ろし、己の下半身に、手に入れたばかりのティッシュを絡める。
若干湿り気を帯びたそれを巻き付けると、先程欲望を吐き出したばかりなのに、またしても下半身が誇張し出す。
固くなったそれを一心に扱き、姉がオナニーをしたであろうティッシュに欲望を吐き出し、俺は果てた。


393 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 10:11:34 ID:/Uqi+SGI [1/3]
瞬と湊を投下します。
今回もエロなしで会話も全然ないので嫌な方はスルーでお願いします。


あれからテスト期間までの10日の間、姉は最低でも3回は自慰をしていたようだった。
確証が持てるのが3回だっただけで、実際の回数は不明だったが録音した声を聴いている限り若干慣れているような気がした。
姉が男と親しく出かけるようになって三カ月は経っているので、もしかしたら以前から自慰をしていたのかもしれない。
録音した声を聴きながら、姉の自慰姿を妄想して使用済みティッシュでオナニーをするのが最高だった。



「姉さん…その後上手くいってるの?」
「え…?上手くって?」
テスト期間も終わり、部屋で寛いでいた俺の所に姉が来たので、何となく聞いてみた。
「付き合ってるんだろ?」
「付き合ってはない…けど……あ〜…でも…」
ストレートに聞く俺に姉は歯切れの悪い返答をする。
「振られ…ちゃった…」
「…!?」
驚いて姉を見ると、彼女は下を向いていた。
「なんか私と居てもつまんないって言われて…」
「もう行くね…」と言い残し、そのまま姉は部屋を出て行くとバイトに出て行った。
姉の出て行ったドアを見つめながら俺は呆気に取られていた。ここ数ヶ月の彼女は楽しそうで家でも笑顔でいたのだ。
そんな彼女と居て「つまらない」などと言って姉を振った男に憎しみすら覚える。
まぁ相手の男にしてみれば、適当に親しくしてやれば、簡単に犯れる女だと思っていたのが誤算だったのだろう。
振られたのに身綺麗にしているのは姉にしては成長したな…とも思うが…。


394 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 10:16:08 ID:/Uqi+SGI [2/3]
相手の男に対する憎しみはあるが、同時に安堵している自分がいるのも可笑しい話だった。
彼女はまっさらなままなのだ。その事実が何よりの喜びだった。自分の中の姉への感情が間違った方向に向かっているのがわかる。
いつからこうなってしまったのかは解らない。多分、自分自身が姉を陥れ
回りから隔絶されるように仕向けた時には既に彼女にそういう想いを抱いていたのだろう。
姉が一人ぼっちでいるのを遠くから見ているのは嫌な情景ではなかった。
友人達が姉への陰口を話している光景も内心、喜んでいたのだ。「…」
蓋を開けてしまった感情で心がドロドロになりそうだった。興奮と歪んだ想いのバランスに下半身が熱を持ち始める。
俺は引き出しの奥から姉の使用済みティッシュを取り出すと、ズボンを脱ぎ捨ておもむろに下半身に巻き付ける。
「はぁはぁ…姉さん…姉さん!!」
パソコンで録音した姉の自慰の声を再生させながら夢中で扱いていた。


395 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2010/12/24(金) 10:19:16 ID:/Uqi+SGI [3/3]
姉が男と別れてから、いつも通りの日々に戻ったが姉と俺の関係は変わっていた。
以前の姉は俺と会話をしてもあまり笑顔を見せる事はなかったが、今では笑顔を見せるようになったのだ。
振られた後も彼女は平静を装っていたが、自室でこっそり泣いている事が何度かあったので、慰めていたのだ。
傷付いた彼女に付け入るのは簡単だった。優しい言葉を掛け、姉がどれだけ綺麗になったかを語り他愛のない会話をする。
こんな日々を続けただけで、いとも簡単に姉は俺に笑顔を向けるようになったのだ。

「振った男も簡単に手なづけたつもりだったんだろうな…」
姉を振った男の事を考える。相手の男は手を出そうとする時期を見誤ったようだが、俺は決して間違えない。
湊を他の男に奪われる前に自分の物にする。無理矢理自分の物にするのではなく、
湊の方から俺を欲するように、ゆっくり彼女の心を歪ませる。彼女はまた別の男に声を掛けられたと言っていたが構わない。いじめに合っていた経験から湊はガードが固い。
次もまた振られるだろう。もし振られたら、俺がまた慰めて彼女の心に付け入るだけだ。



以上です。




























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