黒魔術系無口さん
「……呪ってやる」
幼馴染の白井渚と下校中、開口一番にそう言われた。
まぁ、いつものことなんで俺こと日下部修一はいつもどおり適当に流すことにした。
「はいはい、今度は何だ、渚?」
「………………」
返答もなく恨みがましい目を向けてくる。
でも、俺より20cmも背が低い渚に睨まれてもなぁ。
上目づかいが可愛いだけで、凄みも何もあったもんじゃない。
「今日休み時間にトランプでこてんぱんにしたことか?」
「………………」
先ほどと変わらずにガンをつけてきてる。どうやら違ったようだ。
「じゃあ、昨日お前が大事に冷蔵庫に取ってあったプリンを食べちゃったことかな?」
「!?」
あ、やべ、ばれてなかったのか。火に油をそそいじまった。
う〜ん、でも、それ以外は特に心当たりないんだよなぁ。
他になにかあったっけ?
「……っ、…………っ!」
俺が考え込んでいる間に、渚は真っ黒なノートになにやら書き込み始めた。
またいつもの黒魔術なんだろうが、ノートを使うのは初めて見るな。
おっ、ノートの表紙にタイトルがあるぞ、なになに……。
…………DEATH NOTE?
「ちょっとまて!それはヤバイって、いろんな意味で!」
俺は慌ててデスノート(?)を奪い取った。
「……ぁ、…………かえして」
「いや、洒落のつもりかもしれんが、洒落になってないから!
ていうか、今度は俺が何をしたっていうんだ?」
「…………クラスの女の子と楽しそうに喋ってた」
「それだけ!?たったそれだけでデスノート!?」
「…………だって…………デレデレしてた」
「どんな等価交換だよ!とりあえず、これは没収な」
「………………」
「そんな目で睨んでもだ〜め!」
どれどれ、なんて書いてあるのかな。
……って、うわ。俺じゃなくて、クラスの女の子の名前が片っ端から書いてあるし。
「……あのさ、こんなことで怒ってたら、世界中の人を呪う羽目になるぞ」
「………………修ちゃんを取られるくらいなら……世界なんて滅びればいい」
「おいおい。そんなことばっか言ってると、嫌いになっちゃうぞ」
「……っ!!??」
いや、そんなこの世の終わりみたいな顔せんでも。
罪悪感でちくちくと胸が痛むと痛むけど、こいつにはこれぐらい言っておかないと、
ぜんぜん反省しないんだからしょうがない。
「…………ご……ごめんなさい」
「うん、素直な渚は大好きだな」
「………………ゎ……………っ」
「え、何?大きな声じゃないと聞こえないよ」
「………………ゎ、わたしも……し、修ちゃんが…………大好きっ!!」
真っ赤な顔で恥ずかしそうに叫んだ渚がどうしようもなく可愛くみえた。
怪しげな黒魔術なんか使わなくても、どうやら俺はとっくに魔法にかかっちまってるみたいだ。
完
作者 5-637
幼馴染の白井渚と下校中、開口一番にそう言われた。
まぁ、いつものことなんで俺こと日下部修一はいつもどおり適当に流すことにした。
「はいはい、今度は何だ、渚?」
「………………」
返答もなく恨みがましい目を向けてくる。
でも、俺より20cmも背が低い渚に睨まれてもなぁ。
上目づかいが可愛いだけで、凄みも何もあったもんじゃない。
「今日休み時間にトランプでこてんぱんにしたことか?」
「………………」
先ほどと変わらずにガンをつけてきてる。どうやら違ったようだ。
「じゃあ、昨日お前が大事に冷蔵庫に取ってあったプリンを食べちゃったことかな?」
「!?」
あ、やべ、ばれてなかったのか。火に油をそそいじまった。
う〜ん、でも、それ以外は特に心当たりないんだよなぁ。
他になにかあったっけ?
「……っ、…………っ!」
俺が考え込んでいる間に、渚は真っ黒なノートになにやら書き込み始めた。
またいつもの黒魔術なんだろうが、ノートを使うのは初めて見るな。
おっ、ノートの表紙にタイトルがあるぞ、なになに……。
…………DEATH NOTE?
「ちょっとまて!それはヤバイって、いろんな意味で!」
俺は慌ててデスノート(?)を奪い取った。
「……ぁ、…………かえして」
「いや、洒落のつもりかもしれんが、洒落になってないから!
ていうか、今度は俺が何をしたっていうんだ?」
「…………クラスの女の子と楽しそうに喋ってた」
「それだけ!?たったそれだけでデスノート!?」
「…………だって…………デレデレしてた」
「どんな等価交換だよ!とりあえず、これは没収な」
「………………」
「そんな目で睨んでもだ〜め!」
どれどれ、なんて書いてあるのかな。
……って、うわ。俺じゃなくて、クラスの女の子の名前が片っ端から書いてあるし。
「……あのさ、こんなことで怒ってたら、世界中の人を呪う羽目になるぞ」
「………………修ちゃんを取られるくらいなら……世界なんて滅びればいい」
「おいおい。そんなことばっか言ってると、嫌いになっちゃうぞ」
「……っ!!??」
いや、そんなこの世の終わりみたいな顔せんでも。
罪悪感でちくちくと胸が痛むと痛むけど、こいつにはこれぐらい言っておかないと、
ぜんぜん反省しないんだからしょうがない。
「…………ご……ごめんなさい」
「うん、素直な渚は大好きだな」
「………………ゎ……………っ」
「え、何?大きな声じゃないと聞こえないよ」
「………………ゎ、わたしも……し、修ちゃんが…………大好きっ!!」
真っ赤な顔で恥ずかしそうに叫んだ渚がどうしようもなく可愛くみえた。
怪しげな黒魔術なんか使わなくても、どうやら俺はとっくに魔法にかかっちまってるみたいだ。
完
作者 5-637
2008年09月25日(木) 21:52:44 Modified by n18_168