無口っ子ハロウィン
無口っ子に好物のバウムクーヘンをあげる代わりに
後から周りこんでちょっとぎゅっとして、さらさら髪は良い匂い
食べながら「何?」と言われたから、お菓子あげたからいたずらする
と耳元で囁くと、ぞく、と少し恥ずかしそうに反応する。可愛い
無口っ子が着ているのは黒のタートルネック、露出はどちらかと言えば少ないけど
腕とか胴を細く見せると共に、胸の膨らみが強調されていて
肌に近い感触と手触りも柔らかくて、抱き締めながら手が動く
「やっ」
煽るような反応をしながら尚ももくもく、お菓子を味わう無口っ子
小さな体の中に、甘いお菓子
お腹を擦って、それから斜面を上るようにそっと撫で上げていって
本当は揉みしだきたいけど、そのまま指先を谷間に、皺を作るように更に上に沿って
顎の先から一度指を離すと、今度は頬に掌を
温かくて多分薄ら赤くて、咀嚼でむにむに動くのが面白い
「もうっ」
こくん、と飲み込んでから、ようやく玩具にされたことに難色を示す
普段はべったりでも、お菓子がある時はそっちが優先
そんな時こそ手を出したくなるのが性。お菓子より、こっちを見てほしい
「……」
じっと目を見つめる。無口っ子も手を止めて、視線に釘づけになっている
綺麗な瞳。目蓋がやや下がって、がさ、と音がして
体を捩って腕を取ってきた。引き寄せられて、唇が触れ合った
きみがくれたもの、いちばんだいじにしたいとおもう
でも、きみのほうがもっとだいじだって、わかってる
おかし、わけっこしよ?
キスの息継ぎや頬擦りの度に少しずつ、そんな言葉を完成させて
こっちも悪かったと謝って、お詫びに優しく熱を交換する
キスだけでも口の中はお菓子の甘さがいっぱいに広がって、でもひとまずおしまい
本当は甘い物、無口っこほど好きな訳じゃないけど
「あーん」
細かくちぎった甘い欠片を、口の中に入れてもらう
食べさせ合い、少し小さめのバウムクーヘンは少しずつなくなっていって
最後の一切れは、無口っ子がこっちの手首を受け止めて、摘んだ指先から貰う
これまで以上にじっくり味わって、やがて喉を通り過ぎて
でも名残惜しいのか、今度は残った甘さを求めて、おもむろに指先を舐めてきて
そしてそのまま、離れなくなる
キスをもう一度、今度はもっと激しく
お菓子よりも癖になるような愛を、無口っ子にあげよう
空の袋を放って、横たえる。上からまた被さって、吸うようにキス
今度はしっかり胸を、幸せを掌に収めて、じっくり愛撫する
下から服を捲し上げてブラをずらすと、今度は素の感触を
片手は濡れた指先のままに、彼女のデニムのボタンを外し、チャックを下ろして
隙間から薄い下着の中に手を潜りこませると、茂みに
「みやこー、お菓子いるか?」
がたっ!
「ん? どうしt(筆箱直撃)」
「……ってーな。勝手に入ったのが悪かったのか? ごめん」
「べつに」
「なら良いけど。で、友達からハロウィン分のお裾分け――ん? ネットで何か見てんのか?」
「! ちがっ、みないで」
「冗談だよ。あとでこっち来いよ」ぱたん
「……ふぅ」
2011年12月15日(木) 10:34:42 Modified by ID:yaigDm7HYA