沙耶(仮題)
「あ、あのさぁ、明日天気崩れてくるみたいだけど・・・・・どうする?」
すでに日も落ち、暗くなったバイト帰り、俺「宇垣真示」は隣を歩く彼女「三橋沙耶」に尋ねた。
「・・・・・・・・・・・大丈夫・・・行く。(/////)」
沙耶は俺の手をギュッと握ってそう言うと、恥ずかしそうに俯いてしまった。
「んっ、そうか。 まぁ水族館だから天気は関係無いよね。」
内心、沙耶の仕草にドキドキしながらも、平静を装い俺は答えた。
沙耶と付き合いだして一ヶ月くらいになる。そして今回は3回目のデートだ。
告白したのは俺からだった。
初めて会ったのは俺のバイトしている小さな喫茶店だ。
沙耶は喫茶店の常連さんで、4時頃に来ていつもカウンターの右端でジュースを飲んでいた。
その時間は大抵他に客も居なく、マスターは俺に店を任せてくれていたので、俺と沙耶の二人だけのことが多かった。
最初は話しかけても、店員と客という立場もあってなかなか親しく話せなかったが、それでも回数を重ねるうちにだんだんと心を開いてくれるようになった。
沙耶は話すことが得意ではないらしく、自分から話を振ることは滅多にない。
いつも俺が話題を提供して、それに沙耶が答えるという形だ。
答えると言っても「・・・・・・うん。」とか「・・・・・・・そうだね。」と、あまり積極的な答え方はしない。
それでも楽しそうに俺の話を聞いていてくれた。俺はそんな沙耶が好きになっていた。
店に二人だけのある日、俺は決心して沙耶に告白した。
「あの・・・・俺と付き合って欲しい!!」
生まれて初めての告白だった。下げた頭を上げるのが怖かった。
俺は19、さやは17だった。他に好きな人が居るかもしれない、断られたらこれからどうしよう。そんな事が頭の中でグルグルしていた。
そんな不安を沙耶はいっきに吹き飛ばしてくれた。
「・・・あっ、あの・・・・そのっ・・・こんな・・・つまらない・・・わたしで・・・良いの?」
頭を上げてみると、沙耶は顔を真っ赤に染め、俯きながらモジモジしていた。
「そっ、それは・・・・OKってこと・・・?」
俺は聞き返してしまった。
「・・・・・・・・・・・うん。」
沙耶は俯いたまま、コクンと小さく頷いた。
それからの事はよく憶えていない。
ただ沙耶が恥ずかしそうに、でも優しく微笑んでいたのははっきりと目に焼きついている。
俺たちの関係を察してくれたのか、今回のデートはマスターがセッティングしてくれた。 で、マスターがくれたのが水族館のペアチケットというわけだ。
「じゃあ俺は家こっちだから。 明日、駅前・・・10時半ね。」
いつの間にか、家も近くまで来ていた。
「・・・・・・うん、真ちゃん・・・また明日ね・・・。」
沙耶はずっと握り締めていた俺の手を惜しそうにほどくと、もう真っ暗な夜道に吸い込まれるように消えていった。
朝、空はどんよりとした雲に覆われていた。いつ降りだしてもおかしくない空模様だ。
俺はお気に入りのドイツ軍のフィールドパーカーに袖を通すと駅へと急いだ。
駅に着くと、そこにはすでにオドオドとしながら辺りを見回す沙耶の姿があった。
「ごめん、結構待った?」
沙耶は無言でフルフルと首を振った。
俺たちは早速電車に乗った。だいたい1時間くらいだ。
電車の中、俺たちはこれといった特別な話はしなかったが、沙耶は終始ニコニコしていた。
今日は土曜日ということもあってか、水族館はカップルや家族連れの人たちでいっぱいだった。
「・・・・・・・・ねぇ真ちゃん、わたしたちって・・・・どんなふうに・・・・見えるのかな?(/////)」
沙耶はモジモジしながら珍しく自分から口を開いた。どうやら周りを見て気になったのだろう。
俺はちょっとイジワルしたくなった。
「う〜ん、そうだなぁ・・・年の離れた兄妹・・・かな?」
「あっ・・・・そう・・・だよね・・・。」
途端に沙耶はしゅんとしてしまった。 それを見た俺は「しまった!」と思いつつ慌ててフォローした。
「う、うそうそ!冗談だよ、こんな可愛い彼女連れてるのに・・・・・。」
「・・・・・・・・ホン・・・ト?」
不安げに俺の瞳をみつめていた。
「あぁ、もちろんさ! 変なこと言ってごめんね。」
それを聞くと、多少安心したのか俺の手をギュッと握ってきた。
しかし実際のところ、沙耶は本当に年の離れた妹みたいな感じだった。
精神的にも脆く、決して社交的ではなく幼い感じだ。背だって俺が182cmに対して、沙耶は140cmちょいくらいしかない。おまけに胸もないし、尻もない。
言ってしまえば、完全に幼児体型だ。大学の友人に沙耶の写真を見せたところ、「オマエってロリコンの気があったんだな。」なんて言われた。
俺は体型のことなんか大して気にしてないが、沙耶はそのことにコンプレックスがあるらしい。
沙耶は熱帯魚の水槽に釘付けになっていた。 今までいくつか回ってきたが、熱帯魚の水槽が一番のお気に入りのようだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「沙耶はどの熱帯魚が好き?」
「・・・・・・・・・・・・・・あのお魚。」
沙耶は一点を指差した。
「ネオンテトラかい?」
「・・・・・違う、その下にいるの。」
「ん?・・・・・・・・コリ・・・ドラス?」
沙耶は満足そうにコクリと頷いた。
そいつは赤や青の華やかな水槽の中で、えらく地味なヤツだった。水槽に沈んでいる流木の陰で何やらチョコチョコ動いている。 確かに可愛くはあるのだが・・・。
「なんだか・・・」とそこで言うのをやめた。 もし「沙耶みたいだ。」と続けていたら、また傷つきそうな気がしたからだ。
沙耶はそんな俺を不思議そうに見上げていた。
俺たちは昼食を水族館の中で適当に済ませ、近くの店なんかを見て回った。時計は6時を指し、そろそろ帰ろうかという時、雨がシトシトと降ってきた。
「・・・・どうしよう・・・傘持ってない・・・・。」
沙耶は短めのトレンチコートにスカートで、どうやってもビショビショになってしまう格好だった。
「ほら。」
俺は沙耶にお気に入りのフィールドパーカーをかぶせてやった。
「え?・・・・でも・・・・。」
何か言おうとしている沙耶の手を引っ張り、俺は駅まで走った。
当然俺は駅に着くまでにずぶ濡れになっていた。
「ふぅ・・・こっちは大丈夫みたいだな。」
地元は雨がすでに上がっていた。
時計を見る。もう7時を過ぎていた。普段なら沙耶はとっくに家に帰っている時間だ。
「結構遅くなっちゃったね。 家の人心配してない?」
俺はさすがに心配になって尋ねた。
「・・・・・・大丈夫・・・き、今日・・・女の子の友達の・・・お家に泊まるって・・・言ってきた・・・・。(/////)」
「・・・!?」
それは俺のアパートに泊まるってことだ。要するにそれは・・・・・・。
「いいのか?」
沙耶は返事をする代わりに、目を静かに閉じて俺のほうに顔を向けた。
俺は少し屈むようにして、沙耶にキスをした。思えばこれが最初のキスだった。
「俺のアパートここだから・・・。」
沙耶はだまって俺の後を付いて来た。カンカンと階段を上る音だけが響いている。
俺は部屋に案内した。決して広くはないが、狭くもない。幸い部屋は一昨日かたずけたので綺麗だった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(/////)」
沙耶は緊張しているのか、一言も口にしない。 しかしそれは俺も一緒だった。
「・・・・先・・・・いいよ。」
そう言うので精一杯だった。沙耶はなにをするべきか理解しているのだろう。なにも言わずに風呂場へと消えていった。シャワーの音だけが聞こえる。俺の心臓はバクバクと激しく鼓動していた。とりあえず準備だけはしておいた。
そうしているうちに沙耶が出てきた。ほんのりと桜色に染まっていた。
俺は目を合わすことも出来ずに風呂場へ向かった。不安でため息ばかりが出る。
はたして満足してもらえるだろうか、うまくやれるだろうか。不安で不安で仕方ない。
結局不安を拭い去ることを出来ずに、部屋へと戻った。
部屋は豆電球だけが灯っていた。ぼんやりとした明かりの中、沙耶はベッドで待っていた。俺はベッドに腰掛けた。すると沙耶は何も言わずオズオズと俺に寄り添ってきた。すでに沙耶は生まれたままの姿だった。
「その・・・俺初めてだから・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わっ、わたしも・・・。」
俺はそっとキスをした。と同時にほとんど膨らみのない胸に手を伸ばした。沙耶の胸は簡単に手の中に納まってしまった。途端に沙耶は申し訳なさそうにつぶやいた。
「んっ・・・ゴッ、ゴメンね真ちゃん・・・・あっ、わたし・・・・その・・・おっぱい・・・小さいから・・・・。」
「気にすることないよ、沙耶・・・・可愛いよ・・・。」
俺はそう言うと、今度は下の方に手を伸ばした。
「んんっ!」
沙耶は小さく呻いた。そこはもう濡れていた。俺は優しくそこをなぞった。
「くぅぅぅっ・・・・し、真ちゃっ・・・・ひうぅぅっ!?」
沙耶からはピチャピチャと湿り気をおびた音がするようになってきた。そろそろ大丈夫だろうと、俺はゴムの箱を手にしようとした。
「あっ、あのね・・・真ちゃん・・・・初めては・・・・・その・・・そのままがいいの・・・・。」
「えっ? いや、でも・・・・。」
沙耶の要望に俺は少し驚いた。
「きょ・・・今日は大丈夫な日だから・・・・。」
「・・・・・・・・・わかった。」
俺はしっとりと濡れた沙耶に宛がった。
「無理はするなよ。・・・・もし辛かったらちゃんと言ってくれ・・・。」
沙耶はコクリと頷くと、ぎゅっと目を閉じた。
俺は優しくキスをすると、正面から抱きかかえるように沙耶の中に侵入を開始した。
沙耶は苦しそうに歯を食いしばり、「フーッフーッ」と息を荒げていた。
そのうちミチミチと音をたて中から赤い血が流れてきた。
「沙耶・・・・・大丈夫か?」
沙耶はそっと目を開け、繋がっているところを目にした。
俺はもう一度聞きなおした。
「・・・・・・・うん、少し痛いけど・・・・んっ、大丈夫・・・。」
沙耶は健気にも目に涙を浮かべながらも、微笑んでみせた。
「んくっ・・・動いても・・・大丈夫だよ・・・・・・。」
「でもっ・・・・。」
「へっ、平気だ・・・から・・・・・・ねっ?」
「わかったよ。でも本当に苦しかったら言うんだぞ。」
沙耶は返事代わりに「チュッ」とキスをしてきた。 俺はストロークを開始した。結合部からはクチュクチュと湿った音が響いている。それもだんだんと、その音は激しさを増していった。
「んんんっ・・・・・あっ・・・ひぅっ・・・ねっ、真ちゃん・・・?・・・・ぐぅっ!!」
沙耶は不安げな顔で俺をみつめている。
「はぁっはぁっ・・・・気持ち・・・いいよっ・・・・んっ・・・。」
それを聞くと沙耶は安心したのか、抱きついてきた。 部屋中に吐息と、湿った音がこだましているように感じてきた。
「んんっ・・・・すっ・・・・すまない沙耶・・・・・・もうっ・・・!」
俺は限界が近づいていた。初めてにしてはかなり持っているほうだろう。
「うんっ、うんっ・・・なぁっ・・いいよ・・・・きて・・・し、真ちゃん!」
俺は沙耶を抱きしめると、沙耶の中に解き放った。
「くぅ・・・ああっ・・・来てるよ・・・・真ちゃぁん・・・・んっ・・・・あったかぁい・・・。」
沙耶はそうつぶやくと、ぐったりとしてしまった。俺は沙耶から引き抜いた。すると血と俺の出したモノがドロッと溢れてきた。
「えへへっ・・・・とうとう真ちゃんと・・H・・しちゃった・・・・。」
沙耶は微笑みながら横になった。
「野暮なこと聞いて悪いとは思うんだけどさ、その・・・・・ホントに俺で・・・・。」
沙耶の返事はない。気づくと沙耶は安心しきった顔で「スースー」と静かに寝息をたてていた。俺は沙耶の顔を優しく撫でた。そして俺も横になった。
「・・・・・・おやすみ、沙耶・・・・・。」
作者 1-213
すでに日も落ち、暗くなったバイト帰り、俺「宇垣真示」は隣を歩く彼女「三橋沙耶」に尋ねた。
「・・・・・・・・・・・大丈夫・・・行く。(/////)」
沙耶は俺の手をギュッと握ってそう言うと、恥ずかしそうに俯いてしまった。
「んっ、そうか。 まぁ水族館だから天気は関係無いよね。」
内心、沙耶の仕草にドキドキしながらも、平静を装い俺は答えた。
沙耶と付き合いだして一ヶ月くらいになる。そして今回は3回目のデートだ。
告白したのは俺からだった。
初めて会ったのは俺のバイトしている小さな喫茶店だ。
沙耶は喫茶店の常連さんで、4時頃に来ていつもカウンターの右端でジュースを飲んでいた。
その時間は大抵他に客も居なく、マスターは俺に店を任せてくれていたので、俺と沙耶の二人だけのことが多かった。
最初は話しかけても、店員と客という立場もあってなかなか親しく話せなかったが、それでも回数を重ねるうちにだんだんと心を開いてくれるようになった。
沙耶は話すことが得意ではないらしく、自分から話を振ることは滅多にない。
いつも俺が話題を提供して、それに沙耶が答えるという形だ。
答えると言っても「・・・・・・うん。」とか「・・・・・・・そうだね。」と、あまり積極的な答え方はしない。
それでも楽しそうに俺の話を聞いていてくれた。俺はそんな沙耶が好きになっていた。
店に二人だけのある日、俺は決心して沙耶に告白した。
「あの・・・・俺と付き合って欲しい!!」
生まれて初めての告白だった。下げた頭を上げるのが怖かった。
俺は19、さやは17だった。他に好きな人が居るかもしれない、断られたらこれからどうしよう。そんな事が頭の中でグルグルしていた。
そんな不安を沙耶はいっきに吹き飛ばしてくれた。
「・・・あっ、あの・・・・そのっ・・・こんな・・・つまらない・・・わたしで・・・良いの?」
頭を上げてみると、沙耶は顔を真っ赤に染め、俯きながらモジモジしていた。
「そっ、それは・・・・OKってこと・・・?」
俺は聞き返してしまった。
「・・・・・・・・・・・うん。」
沙耶は俯いたまま、コクンと小さく頷いた。
それからの事はよく憶えていない。
ただ沙耶が恥ずかしそうに、でも優しく微笑んでいたのははっきりと目に焼きついている。
俺たちの関係を察してくれたのか、今回のデートはマスターがセッティングしてくれた。 で、マスターがくれたのが水族館のペアチケットというわけだ。
「じゃあ俺は家こっちだから。 明日、駅前・・・10時半ね。」
いつの間にか、家も近くまで来ていた。
「・・・・・・うん、真ちゃん・・・また明日ね・・・。」
沙耶はずっと握り締めていた俺の手を惜しそうにほどくと、もう真っ暗な夜道に吸い込まれるように消えていった。
朝、空はどんよりとした雲に覆われていた。いつ降りだしてもおかしくない空模様だ。
俺はお気に入りのドイツ軍のフィールドパーカーに袖を通すと駅へと急いだ。
駅に着くと、そこにはすでにオドオドとしながら辺りを見回す沙耶の姿があった。
「ごめん、結構待った?」
沙耶は無言でフルフルと首を振った。
俺たちは早速電車に乗った。だいたい1時間くらいだ。
電車の中、俺たちはこれといった特別な話はしなかったが、沙耶は終始ニコニコしていた。
今日は土曜日ということもあってか、水族館はカップルや家族連れの人たちでいっぱいだった。
「・・・・・・・・ねぇ真ちゃん、わたしたちって・・・・どんなふうに・・・・見えるのかな?(/////)」
沙耶はモジモジしながら珍しく自分から口を開いた。どうやら周りを見て気になったのだろう。
俺はちょっとイジワルしたくなった。
「う〜ん、そうだなぁ・・・年の離れた兄妹・・・かな?」
「あっ・・・・そう・・・だよね・・・。」
途端に沙耶はしゅんとしてしまった。 それを見た俺は「しまった!」と思いつつ慌ててフォローした。
「う、うそうそ!冗談だよ、こんな可愛い彼女連れてるのに・・・・・。」
「・・・・・・・・ホン・・・ト?」
不安げに俺の瞳をみつめていた。
「あぁ、もちろんさ! 変なこと言ってごめんね。」
それを聞くと、多少安心したのか俺の手をギュッと握ってきた。
しかし実際のところ、沙耶は本当に年の離れた妹みたいな感じだった。
精神的にも脆く、決して社交的ではなく幼い感じだ。背だって俺が182cmに対して、沙耶は140cmちょいくらいしかない。おまけに胸もないし、尻もない。
言ってしまえば、完全に幼児体型だ。大学の友人に沙耶の写真を見せたところ、「オマエってロリコンの気があったんだな。」なんて言われた。
俺は体型のことなんか大して気にしてないが、沙耶はそのことにコンプレックスがあるらしい。
沙耶は熱帯魚の水槽に釘付けになっていた。 今までいくつか回ってきたが、熱帯魚の水槽が一番のお気に入りのようだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「沙耶はどの熱帯魚が好き?」
「・・・・・・・・・・・・・・あのお魚。」
沙耶は一点を指差した。
「ネオンテトラかい?」
「・・・・・違う、その下にいるの。」
「ん?・・・・・・・・コリ・・・ドラス?」
沙耶は満足そうにコクリと頷いた。
そいつは赤や青の華やかな水槽の中で、えらく地味なヤツだった。水槽に沈んでいる流木の陰で何やらチョコチョコ動いている。 確かに可愛くはあるのだが・・・。
「なんだか・・・」とそこで言うのをやめた。 もし「沙耶みたいだ。」と続けていたら、また傷つきそうな気がしたからだ。
沙耶はそんな俺を不思議そうに見上げていた。
俺たちは昼食を水族館の中で適当に済ませ、近くの店なんかを見て回った。時計は6時を指し、そろそろ帰ろうかという時、雨がシトシトと降ってきた。
「・・・・どうしよう・・・傘持ってない・・・・。」
沙耶は短めのトレンチコートにスカートで、どうやってもビショビショになってしまう格好だった。
「ほら。」
俺は沙耶にお気に入りのフィールドパーカーをかぶせてやった。
「え?・・・・でも・・・・。」
何か言おうとしている沙耶の手を引っ張り、俺は駅まで走った。
当然俺は駅に着くまでにずぶ濡れになっていた。
「ふぅ・・・こっちは大丈夫みたいだな。」
地元は雨がすでに上がっていた。
時計を見る。もう7時を過ぎていた。普段なら沙耶はとっくに家に帰っている時間だ。
「結構遅くなっちゃったね。 家の人心配してない?」
俺はさすがに心配になって尋ねた。
「・・・・・・大丈夫・・・き、今日・・・女の子の友達の・・・お家に泊まるって・・・言ってきた・・・・。(/////)」
「・・・!?」
それは俺のアパートに泊まるってことだ。要するにそれは・・・・・・。
「いいのか?」
沙耶は返事をする代わりに、目を静かに閉じて俺のほうに顔を向けた。
俺は少し屈むようにして、沙耶にキスをした。思えばこれが最初のキスだった。
「俺のアパートここだから・・・。」
沙耶はだまって俺の後を付いて来た。カンカンと階段を上る音だけが響いている。
俺は部屋に案内した。決して広くはないが、狭くもない。幸い部屋は一昨日かたずけたので綺麗だった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(/////)」
沙耶は緊張しているのか、一言も口にしない。 しかしそれは俺も一緒だった。
「・・・・先・・・・いいよ。」
そう言うので精一杯だった。沙耶はなにをするべきか理解しているのだろう。なにも言わずに風呂場へと消えていった。シャワーの音だけが聞こえる。俺の心臓はバクバクと激しく鼓動していた。とりあえず準備だけはしておいた。
そうしているうちに沙耶が出てきた。ほんのりと桜色に染まっていた。
俺は目を合わすことも出来ずに風呂場へ向かった。不安でため息ばかりが出る。
はたして満足してもらえるだろうか、うまくやれるだろうか。不安で不安で仕方ない。
結局不安を拭い去ることを出来ずに、部屋へと戻った。
部屋は豆電球だけが灯っていた。ぼんやりとした明かりの中、沙耶はベッドで待っていた。俺はベッドに腰掛けた。すると沙耶は何も言わずオズオズと俺に寄り添ってきた。すでに沙耶は生まれたままの姿だった。
「その・・・俺初めてだから・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わっ、わたしも・・・。」
俺はそっとキスをした。と同時にほとんど膨らみのない胸に手を伸ばした。沙耶の胸は簡単に手の中に納まってしまった。途端に沙耶は申し訳なさそうにつぶやいた。
「んっ・・・ゴッ、ゴメンね真ちゃん・・・・あっ、わたし・・・・その・・・おっぱい・・・小さいから・・・・。」
「気にすることないよ、沙耶・・・・可愛いよ・・・。」
俺はそう言うと、今度は下の方に手を伸ばした。
「んんっ!」
沙耶は小さく呻いた。そこはもう濡れていた。俺は優しくそこをなぞった。
「くぅぅぅっ・・・・し、真ちゃっ・・・・ひうぅぅっ!?」
沙耶からはピチャピチャと湿り気をおびた音がするようになってきた。そろそろ大丈夫だろうと、俺はゴムの箱を手にしようとした。
「あっ、あのね・・・真ちゃん・・・・初めては・・・・・その・・・そのままがいいの・・・・。」
「えっ? いや、でも・・・・。」
沙耶の要望に俺は少し驚いた。
「きょ・・・今日は大丈夫な日だから・・・・。」
「・・・・・・・・・わかった。」
俺はしっとりと濡れた沙耶に宛がった。
「無理はするなよ。・・・・もし辛かったらちゃんと言ってくれ・・・。」
沙耶はコクリと頷くと、ぎゅっと目を閉じた。
俺は優しくキスをすると、正面から抱きかかえるように沙耶の中に侵入を開始した。
沙耶は苦しそうに歯を食いしばり、「フーッフーッ」と息を荒げていた。
そのうちミチミチと音をたて中から赤い血が流れてきた。
「沙耶・・・・・大丈夫か?」
沙耶はそっと目を開け、繋がっているところを目にした。
俺はもう一度聞きなおした。
「・・・・・・・うん、少し痛いけど・・・・んっ、大丈夫・・・。」
沙耶は健気にも目に涙を浮かべながらも、微笑んでみせた。
「んくっ・・・動いても・・・大丈夫だよ・・・・・・。」
「でもっ・・・・。」
「へっ、平気だ・・・から・・・・・・ねっ?」
「わかったよ。でも本当に苦しかったら言うんだぞ。」
沙耶は返事代わりに「チュッ」とキスをしてきた。 俺はストロークを開始した。結合部からはクチュクチュと湿った音が響いている。それもだんだんと、その音は激しさを増していった。
「んんんっ・・・・・あっ・・・ひぅっ・・・ねっ、真ちゃん・・・?・・・・ぐぅっ!!」
沙耶は不安げな顔で俺をみつめている。
「はぁっはぁっ・・・・気持ち・・・いいよっ・・・・んっ・・・。」
それを聞くと沙耶は安心したのか、抱きついてきた。 部屋中に吐息と、湿った音がこだましているように感じてきた。
「んんっ・・・・すっ・・・・すまない沙耶・・・・・・もうっ・・・!」
俺は限界が近づいていた。初めてにしてはかなり持っているほうだろう。
「うんっ、うんっ・・・なぁっ・・いいよ・・・・きて・・・し、真ちゃん!」
俺は沙耶を抱きしめると、沙耶の中に解き放った。
「くぅ・・・ああっ・・・来てるよ・・・・真ちゃぁん・・・・んっ・・・・あったかぁい・・・。」
沙耶はそうつぶやくと、ぐったりとしてしまった。俺は沙耶から引き抜いた。すると血と俺の出したモノがドロッと溢れてきた。
「えへへっ・・・・とうとう真ちゃんと・・H・・しちゃった・・・・。」
沙耶は微笑みながら横になった。
「野暮なこと聞いて悪いとは思うんだけどさ、その・・・・・ホントに俺で・・・・。」
沙耶の返事はない。気づくと沙耶は安心しきった顔で「スースー」と静かに寝息をたてていた。俺は沙耶の顔を優しく撫でた。そして俺も横になった。
「・・・・・・おやすみ、沙耶・・・・・。」
作者 1-213
2007年12月12日(水) 10:00:27 Modified by n18_168