硝子越しの君は…予告編
「…お昼の放送を始めます……。」
感情のない声が近くのスピーカーから響く。
柔らかなBGMが聞こえてくるなか、硝子一枚を隔てたスタジオの向こう側で、淡々と連絡事項を告げている、腰まで伸びる黒髪を後ろで軽く束ねた少女。
名前を華邑 琴佳(はなむら きんか)と言う。
所属人数三人というとても少ない人員で細々とこのような活動を続けている。
もう一人のメンバーはというと…
「さぁ!今日も始まったよ!お昼の放送…もちろん、今日もこの私、棗 鈴子(なつめ りんこ)がお送りしまぁ〜す。」
このハイテンションなショートボブの髪型の快活な少女が我らが部長の棗 鈴子先輩である。
そして、今ここで機械をいじっているのが俺、仲村 真治(なかむら しんじ)である。
俺は、手の動きで異常が無いことを伝えると、華邑にこちらに戻ってくるようにと合図を送る。
華邑もそれに気付いてこっち側へと戻ってくる。
そして、無言のまま、彼女の定位置である放送室の隅に置かれたパイプ椅子に腰掛けて読書を始める。
「棗の、ちょっと聞いてよ!生レターのコーナーです。」
そんな外の雰囲気を知ってか知らずか、棗先輩は陽気な声で放送を続けていく。
先ほどからの態度を見て分かるように、華邑はとても無口で必要な事以外は全くと言っていいほどに言葉を発さない。
そんな彼女がなぜ放送部に入ったのかは分からない。
まぁ、そのぶん棗先輩が喋ってくれるのでバランスはとれているのだが……
そんな事を考えている内に本日分の放送が終わる。
作者 1-517
感情のない声が近くのスピーカーから響く。
柔らかなBGMが聞こえてくるなか、硝子一枚を隔てたスタジオの向こう側で、淡々と連絡事項を告げている、腰まで伸びる黒髪を後ろで軽く束ねた少女。
名前を華邑 琴佳(はなむら きんか)と言う。
所属人数三人というとても少ない人員で細々とこのような活動を続けている。
もう一人のメンバーはというと…
「さぁ!今日も始まったよ!お昼の放送…もちろん、今日もこの私、棗 鈴子(なつめ りんこ)がお送りしまぁ〜す。」
このハイテンションなショートボブの髪型の快活な少女が我らが部長の棗 鈴子先輩である。
そして、今ここで機械をいじっているのが俺、仲村 真治(なかむら しんじ)である。
俺は、手の動きで異常が無いことを伝えると、華邑にこちらに戻ってくるようにと合図を送る。
華邑もそれに気付いてこっち側へと戻ってくる。
そして、無言のまま、彼女の定位置である放送室の隅に置かれたパイプ椅子に腰掛けて読書を始める。
「棗の、ちょっと聞いてよ!生レターのコーナーです。」
そんな外の雰囲気を知ってか知らずか、棗先輩は陽気な声で放送を続けていく。
先ほどからの態度を見て分かるように、華邑はとても無口で必要な事以外は全くと言っていいほどに言葉を発さない。
そんな彼女がなぜ放送部に入ったのかは分からない。
まぁ、そのぶん棗先輩が喋ってくれるのでバランスはとれているのだが……
そんな事を考えている内に本日分の放送が終わる。
作者 1-517
2008年01月20日(日) 09:32:36 Modified by n18_168