忘却からの帰還〜Atomic Age

2010年代初頭、おそらくロシア政府は、ロシア国内で「スターリン」についての歴史修正出版を黙認or推進し始めた。

One of the first indicators of Russia preparing for a full-scale turn to dictatorship and a global war was the mass production of books about cool sides of Stalin and Stalinism and about upcoming war against the West. These books appeared on Russian bookshelves in early 2010s/

The appearance was so massive that it could not be a coincidence on a book market which was under a strict control of secret police FSB. "Be proud, not sorry! Truth about Stalin Age" "Stalinist's Handbook", "Stalin's Repressions: A Great Lie" and "Beria: Best XX Cent Manager".

The wave of stalinist books was so massive, that in 2011 a grass-root initiative "Stop Publishing Stalinists Books" emerged with a call for publishing houses to stop. It was ignored of course.

ロシアが独裁政権と世界戦争への本格的な転換を準備している最初の指標の1つは、スターリンとスターリニズムのクールな側面と今後の西側との戦争についての本の大量生産だった。これらの本は2010年代初頭にロシアの本棚に登場した。

目立って非常に大量であったため、秘密警察FSBの厳格な管理下にあった本の市場では偶然のことではありえない。「スターリン時代を誇れ、悔いるな」「スターリニストハンドブック」「スターリンの抑圧：その大嘘」「ベリヤ： 20世紀最高の管理者」

スターリニスト本の出版の波は非常に大きく、2011年に草の根のイニシアチブ「スターリニスト本の出版をやめよう」が現れ、出版社にやめるよう呼びかけたが、もちろん無視された。

Sergej Sumlenny (Twitter) (2022/06/11) ]

そもそもロシア国民の中にも「帝政ロシア〜ソビエト連邦〜ロシア連邦の歴史のなかでも最凶部分を修正したい」という需要がなければ、盛況な出版にはなりにくいので、実際、需要はあったのだろう。

これらの本は、以下のようなもので...

Юрий Жуков	Гордиться, а не каяться! Правда о Сталинской эпохе
ユーリ・ジュコフ	悔いるな、誇りに思え！ スターリン時代についての真実
	ベストセラー「スターリン主義者ハンドブック」の作者による新作プロジェクト。スターリン、イェゾフ、ベリアの秘密のアーカイブにアクセスした数少ないスターリン時代の主要な研究者の驚くべき発見。汚い反ソビエト神話ではなく、元の文書の研究に基づいた、20世紀の重要な出来事のセンセーショナルなバージョン。 ロシアの歴史の最も複雑で物議を醸す問いに答えて、この本は、人々の敵が何であろうと、ソ連の本当の歴史が自責の念と非難を引き起こすのではなく、感謝をもたらすことを説得力を持って証明する。振り返ってスターリンの偉大な時代、悔いるな、誇りに思え！
Юрий Жуков	Настольная книга сталиниста
ユーリ・ジュコフ	スターリン主義者ハンドブック
	大粛清の秘密の意味は何か？キーロフ暗殺の背後にいるのは誰か？スターリンに対する陰謀はあったか？なぜ彼は「党派との戦い」を解き放ち、「革命の墓掘人」になったのか？彼の死を「世紀の犯罪」と考える理由はあるか？ フルシチョフは自らの「秘密」報告で何について沈黙したか？そして、なぜソビエト連邦の崩壊は歴史的に避けられなかったのか？ この本は、ソビエトの過去の最も鋭く、物議を醸す、そして苦痛な問いに答える。幸運にもスターリン、イェゾフ、ベリアの秘密資金からのユニークなアーカイブ資料に精通した最初の研究者であるユーリ・ジュコフは、20世紀の重要なイベントの非標準でセンセーショナルなバージョンを提示する。
Дмитрий Лысков	Сталинские репрессии
ドミトリー・リスコフ	スターリン主義者の抑圧
	ドミトリー・リスコフは、有名なロシアの作家兼ジャーナリストである。何千人もの視聴者がロシアの公共テレビの人気番組「RIGHT！YES？」で彼を知っている。彼の本は、20世紀のロシアの歴史の中で最も深刻なトピックであるスターリンの抑圧に捧げられている。数千万（さらには数億）の「罪のない犠牲者」や「子供たちの処刑」についての確立された考えに反して、ドミトリー・リスコフ、実際に抑圧されたのは誰で、何のために、調査がどのように行われたかの例を示している。ソビエトの法律の条項は、逮捕された人々、将来彼らを待っていた運命、1937年の「大いなる浄化」に苦しんだ人々の数に最も頻繁に適用された。最後に、彼は、1937年頃の「黒い神話」と一般的なスターリン時代が1980年代後半にソ連を破壊するためにどのように使用され、現在もロシア文明でロシアを攻撃するために使用され続けているかを示している。
Кремлев Сергей	Имя России: Сталин
セルゲイ・クレムレフ	ロシアの名：スターリン
	半世紀にわたる徹底的な反スターリン主義のプロパガンダにもかかわらず、「ペレストロイカ」の時代には、まさに嘘のバカナリアに成長し、際限のない中傷、ジャグリング、歴史の書き換えにも関わらず、スターリンの名前は依然として国民の間で人気がある。インターネットプロジェクト「ロシアの名」の成果がそれを間違いなく証明している。さらに、今回はリベラル派が「スターリンに投票するのは年金受給者だけだ」といういつもの言い訳で逃れることはできない――ほとんどの若者がインターネット世論調査に参加しているのは、我が国の過去ではなく未来のためだ。 これは、スターリン主義の大義にも未来があることを意味する。
Сергей Кремлев	Берия. Лучший менеджер XX века
セルゲイ・クレムレフ	ベリア、 20世紀の最高のマネージャー
	ラヴレンチー・パーヴロヴィチ・ベリヤの完全な道徳的復権を開始したカルトベストセラー！ソビエト連邦の最も偉大なマネージャーの最も正直で詳細な伝記。リーダーの意志を果たすことができた、スターリンの唯一の尊敬すべき後継者への最高の記念碑：それを人々に返すために当局の手から力を奪い取れ！ 若い頃、ベリアは新しい都市を建設することを夢見たが、最終的にはスターリンに次ぐスーパーパワーの建設者となった。大粛清の真っ只中に内務人民委員を務めた後、彼はイェゾフの無法状態に終止符を打ち、法の支配を回復した。彼はリーダーに戦争の差し迫ったことについて警告し、モスクワの防衛を準備し、コーカサスを防衛し、大祖国戦争全体の軍需生産の責任を負い、勝利後、核およびミサイル産業の創設者になった。彼の敵の多くでさえ彼を「20世紀の最高のマネージャー」と認めたのも不思議ではない。 フルシチョフの蹂躙に反論するこの本は、人民の敵たる「処刑人」や「グール」ではなく、ソビエトの天才に敬意を表している！

このあと、ロシアでは対ウクライナ仮想戦記が出版されるようになる。

---

ロシアと東ヨーロッパの安全保障とエネルギー政策を専門とするドイツの政治学者Sergej Sumlennyが語るロシアン右翼の仮想戦記とスターリンの復活

• ロシアの対ウクライナ仮想戦記
• ロシアとドイツが同盟して英国と戦う仮想第2次世界大戦
• ロシアの歴史改変ノベル: 「盗まれた勝利」と「裏切られたロシア」の神話
• その他のロシア仮想戦記
• 説教くさい露政府資金によるタイムトラベラー映画
• 米国破壊を歌う、「ブダペストへの勲章」の替え歌
• スターリン時代を修正する出版物
• ロシアの極右と反西側思想の広がり

---

---