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『超・短編』

おれは、彼女が話している声を聞いたことがない。

おれが初めて彼女と出会ったとき、すでに彼女は言葉を話せなくなっていた。
幼い頃両親を亡くした事故によって、彼女は命を得る代わりに、声を失ったのだ。

喋れないことが元でクラスの奴らに苛められていたところをおれが助けた。
その苛めた奴らを半殺しにしたおれに、必死の身振り手振りで、「暴力はダメ!」と諫めた小柄な彼女。
それまでは硬派で、誰も近寄らない狂犬のようだったおれが、よもやの一目惚れ。
あっさりとケンカ番長を廃業し、速攻で交際を申し込んだ。

そのあと。
ギャルゲのようなハートフルエピソードを乗り越えて、
エロゲのようなご褒美エッチで結ばれたおれたち。

その後も順調に交際を続け、いまではようやく彼女もエッチに快感を覚え始めたようだ。


「なぁ、気持ちいいか?」

おれがそう訊ねると、彼女は、快感に荒げた呼吸のまま、こくこく、とうなずいた。

ベッドの上でおれに組み伏せられている彼女。
真っ白な陶器と見間違えるくらいの白くすべすべな肌を、ほんのりと桜色に染めている。

そして彼女は、おれの鼻の頭にちゅう、と小さくキスをして。
女の大事な部分でおれを受け入れたままの彼女は、その恍惚と幸福をおれに伝えるべく、ゆっくりと唇を動かした。

だ、

い、

す、

き。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ、チクショーッ、可愛い、可愛過ぎるッ!!!」

おれは、そんな錯乱した叫び声をあげながら、彼女の膣奥に射精した。


彼女とつきあう前は硬派で通したおれだったが、今ではもう、惚れた女の表情だけでイけるような、リリカル男になっちまった。

      • ・・・いや、だめだ、意地を見せろ、おれ!
男なんざ、惚れた女をイかせられてナンボじゃぁっ!!

「・・・・・・このまま二回戦、いくぜ?」

全然萎えないおれの息子。コイツ、元気さだけはおれを裏切ったことがない。
そんなおれの、滑稽なくらいの元気さに彼女はクスリと笑って。

こくり、

と頷いたあと。

恥ずかしそうに顔を真っ赤に染めた。


END OF TEXT



作者 1-108
2007年12月12日(水) 09:35:50 Modified by n18_168




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