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カウンター

「……宮川さん」
突然会長に話し掛けられ、私はビクリと身体を震わせた。
もちろん、それを悟られるようなことはしない。
ファイルを整える振りをして、代わりに心を落ち着ける。
「……なに、会長?」
「いえ……明日は大晦日だというのに仕事を手伝って貰ってすいませんでした、と」
「……そうね。もっと謝って」
「すいませんでした」
「……」
全く冗談が通じない男だ……。
いや、わかっていてズレたボールを返してくるのだ、コイツは。
私だって負けていられない。
「……すぐに謝る男ってみっともない。私は、あなたに仕事を頼まれてもいないのに、勝手に手伝ったのよ?」
長い台詞は苦手だけど、頑張って言ってやる。
「そうですか。では、宮川さんが偶然通りかかった生徒会室の中で雑務処理なんかしていてすいませんでした」
これだ。
ギロリと目の前の男を睨んでやると相変わらずニコニコと目を細めている。
窓から入り込んだ夕日が、この食えない生徒会長の顔をキラキラと輝かせているのに気がつき苛立つ。
「どうかしましたか?」
「いえ…………夕日のおかげで会長の端正なお顔がさらに格好よくなっていらっしゃるので見とれていました」
皮肉だけはスラスラ喋れる私に自己嫌悪する。
「ははは、皮肉ですか」
「ええ」
「…………へぇ?」
彼はニヤリとしながら言って、処理していた書類を棚にしまいだした。
皮肉というのは嘘だ。彼は誠に遺憾だが、私の美的センスによると、
文句なしに格好いい部類に悔しながら、分類される。
顔がかあっと、熱くなる。それが悔しい。
「悔しい……」
「思ったことすぐ口にするの、やめたらどうです?普段は無口のくせに」
「わかってる!」
思わず大声を出す。ハッとして口を塞ぐも、彼はもう、困ったような諦めたような顔をしていた。
「……そうですね、すいません」
「…………私帰るから」
「もう遅いし、家まで送ってほしいですか?」
あくまで、選択権はこちらに委ねた聞き方だ。それがわかるからまた頭に血が上る。
「…………」
「そうですか」
黙って首を横に振ると、彼はまったく少しも食い下がらず、そしてこの話は終わった。
イライラを募らせながら立ち上がり、私は出口へと向かった。
「お疲れ様でした、宮川さん」
「…………」
ドアを開ける、廊下に出る。
「いよいよ今年も明日で終わりですね」
「……なんで、あなたはそれを口に出来る、の……!」
「確認です……もう最後だっていう」
「……」
「宮川さん…………ごめんなさい」
「ばか健二!!」
ピシャン、と扉を閉めた。
ああ腹がたつイライラする、怒りで視界が滲む。今日もとっとと帰るべきだった。
「くっ……」
唇を噛む、血の味がする。思ったことをすぐ喋ってしまう私の口から言葉が零れる。
「……なんなの……私……!」
それは一年前に遡る。
…………
……


一年と、もう数カ月前の秋の日。
私は約束の時間を過ぎても現れない相手に苛立っていた。
「…………」
「宮川さ〜ん!」
「……大声出さないで」
冷たく諌め、やっと来た彼を黙らせる。
彼の名前は大嶋健二。私と同じ(当時)二年生であり、家が隣り合わせの幼なじみである。
「遅い」
腰まで伸びるちょっと自慢の栗色の髪をばさりとかきあげながら睨みつけてやる。
シャンプーの匂いでも届いたのだろうか、いやにどぎまぎしながら彼は弁解した。
「あの……急に呼び出されてしまって……」
「誰に?」
「その…………」
「……やっぱり、あなたモテるのね」
彼はこの学園でちょっとした有名人である。
誰にでも優しく、礼儀正しい態度に可愛さとかっこよさを両立させた甘いマスク。
運動は人並みだが成績はかなり優秀と、つまり彼はとにかくモテる。
「……ずいぶん古風な子じゃない?相手」
今、体育館裏から出て来たものね。
言葉にしない部分を視線に乗せて言ってやると彼は首をすくめた。
「……断りましたよ?」
怖ず怖ずと私を見上げてくる。
私と彼は同じ学年だが誕生日の関係で私が11ヶ月年上であった。
小さい頃にお姉さん風を吹かせまくった結果、
彼は今だに私に対して敬語を使う。
少し気分がいいと思うのは私の性格が悪いからなのだろうか。
「私、あなたが断らなくても困らない」
「そ、そんな……宮川さん、僕は」
「…………」
僕は宮川さんが好きなんですよ、だろうきっと。
彼からは中学生時代に告白された。
私はその時『荷物持ちぐらいにはしてあげる』と、なんとも曖昧な返事をしておいた。
それ以来、彼は私の荷物持ちである。今も放課後はこうして待ち合わせして一緒に帰る。
「はい」
ずい、と鞄を押し付ける。
「今日もあなたの家で宿題を片付けるから……」
「あ、はい」
返事を待たずに歩き始める、彼が慌ててついてくるのが気配でわかった。
つねに私の一歩斜め後ろ。
さながら女王さま気分の下校は、私の自尊心を満たしてくれた。



「ここは定理利用ですよ……基本なんだけどな〜」
「生意気……」
いちひくタンタン分のタンプラタンだったかしら。
頭に浮かんだ定理の覚え方のマヌケな調子に合わせてペンを走らせる。
「正解です」
健二がニッコリと言った。
私は彼の家のリビングで宿題を進めている。
成績優秀者の解説は非常に解りやすい。
取り組みはじめてまだ30分程度。
彼はとっとと自分の分を片付け、今は私のサポートに徹していた。
「……終わった」
「早いですね。僕のおかげですか?」
「さあ?……お茶」
「はいはい、紅茶でいいですか?」
無言で頷くと彼はキッチンにかけて行った。尻尾を振っているのが見えるようだ。
あいつ、執事なんか向いてるんじゃないかしら。
人に尽くす時にあそこまで嬉しそうなやつはそうそう見つからない。
なぜだか悔しいけど。
何となく居心地が悪くなってスカートの裾を気にしてみる。
「……どうしました?」
お盆を持った彼が帰ってくる。
「関係ないわ」
冷たく突き放した。私が『関係ない』と言えば彼は詮索してこない。
無言のまま彼はティーカップをテーブルに置いた。
「……いただきます」
一口啜る……まあ、及第点の紅茶がそこにはあった。
「……やっぱり、おば様の紅茶には遠く及ばないわ、ね」
「まあ、ねえ……淹れ方を教わる暇さえありませんし」
苦笑しながら彼も一口飲む。
彼の両親は一年中世界を飛び回っていて、滅多に家にいない。
だからこそリビングで好き勝手出来るというものだ。
「そうね。……じゃあ、隆さんは今どこに?」
隆さんは健二の兄で、バリバリの企業家である。
小さなころから健二と私と一緒に遊んでくれた、優しくて明るい人。
これまた仕事で全国を飛び回る隆さんだが、この家の彼の部屋はそのままになっている。
「兄さんは大阪あたりかなあ」
「自分の兄のくせに、アバウト……」
「親なんか北半球にいるのか南半球にいるのかすらわかりませんから」
はは、と健二は笑った。
「ですから……」
すっ、と距離を詰められる。
「二人っきりですね、今日も」
「…………そう」
「くっついていいですか?」
「良くはない……」
「ダメでもないんですね?」
私の返事も待たずに健二は肩に頭を乗せてきた。
「嫌なら突き飛ばしてくれてもいいんですよ?」
「趣味じゃないから」
暴力は、である。
「はは……」
いけない。
頬が熱くなる。
彼の顔を見て『かわいい』などと考えてしまう。
だめだ、だめ。健二を突き放さないと……。

「……宮川さん…………」
健二の唇が迫ってくる。
右手にいつの間にかそっと添えられた彼の手から伝わる温もりが私の自制心を覆い隠す。
なんだか今日はやけに暑い気がする。
……私は目を閉じ、考える事を放棄した。
「ん……ふ……」
唇が重なる。健二の腕が背中に回り、優しく抱きしめられる。
自分の鼻息が彼に顔にぶつかるのがわかり頭が熱くなる。
「はふ…………」
ぼんやりとした頭では欲望を押さえられるはずもなく、私も彼の柔らかさを求めた。
キスは麻薬、とはなんの言葉だったろうか?
差し込まれて来た舌を“意識して”無意識に受け入れる。
最後の抵抗として、腕だけは彼の背中に回さないよう努める。
抱きしめてしまえば健二を求めた事になる。彼の思いに答えることになる。
私のつまらない脳みそが、それを許さなかった。
「んん……ぷは」
彼のほうから唇が離される。
自分は今どんな顔なんだろう。
「……宮川さん、いいですか?」
健二が、私の胸に手を置いて尋ねてくる。
キスだけで興奮した淫らな身体が乳首を固く立たせ、思考とは関係なくピリッと快楽が駆ける。
「…………」
私は絶対に言わない。
自分から『してほしい』などとは絶対に言わない。
今までにも何度かこういう雰囲気になった事があったが、その度に私はだんまりを決め込んだ。
しかし、キスは拒まない、拒めない。
キスだけじゃない。
彼が私の返事を待たずにブレザーを引きちぎりブラジャーを押し下げ胸をめちゃくちゃに揉めば。
彼がパンティを脱がし執拗にそこを愛撫して、そしてペニスで私の淫裂をすぼすぼと凌辱すれば。
私は、私は、絶対に抵抗できない……いや、しない。
私は、私が、私の意思と関係なしに犯されることをどこかでは望んでいるのだろう。
「……宮川さん」
しかし、彼はそんな獣とは違う。
「僕は宮川さんが好きです……だから、宮川さんを抱きたいです。いいですか?」
相手が、告白に対する返事をしないうちに処女を奪おうなどということはしない。
「…………」
普通、もう良いはずなのだ。
きちんとした告白をされ―――返事をはぐらかしたとはいえ―――その後一緒に下校する事を許し、
ほぼ毎日自宅にやってきて、キスをされても抵抗しない女。
こんな女を手篭めにしたところで誰が彼を責めるだろう。私でさえ責めない。
だけど、やはり健二は……ゆっくりと身体を離し……言った。
「先走り過ぎました、すいません」
彼は、私なんかの百倍、理性に生きる人なのだ。
「僕、ちょっと買い物に行ってきますね。
今日は解散で……家の鍵は閉めなくていいですから、じゃあ」
健二は早口で言い切ると財布を掴んで玄関を出ていった。
……つまり、これがいつものパターンだった。

「私……なにしてるんだろ……」
部屋に一人残され、また自己嫌悪する。
彼を拒絶もせず、ただ心は許さず。
自分は心を許さず、ただ肉欲のために、彼に襲わせて責任転嫁することを望んで。
もう頭では自分が何を望んでいるのかわからなかった。
ただ、身体だけは先程の余韻を放熱出来ずに燻っている。
私は解散と言われたにもかかわらず、玄関ではなく階段に向かい、勝手にそれを上った。
いつものように。

がちゃり、とドアノブを回し部屋に侵入する。
私は、男の部屋とは思えないほどに片付いたその部屋の奥にあるクローゼットへ向かった。
折れ曲がって開くクローゼットの中には当然男物の服が並んでいる。
防虫剤の嫌な臭いが鼻をついたが、私は怯まずにジャケットを一つつかみ取ると、抱きしめて頬ずりした。
ああ、私は最悪だ。いえ、変態かな。
今日もこれから、このジャケットをオカズにオナニーするんだもの。
股間がじゅん、と熱くなりたまらずベッドへと倒れ込む。
ジャケットを鼻にあて一杯に空気を吸い込む。
最近、全く使われていないのであろうそれからは防虫剤の臭いしかしなかったが、
それでも私の興奮を盛り上げるには十分だった。
「すぅ……ふぅ……ふぅ……」
右手がパンティの内側へ伸びる。
すでにしっとりと潤むそこを私は激しく摩擦した。
「あっ……ふ……あん……あ……」
中指を割れ目に埋め、めちゃくちゃに動かす。あまりの気持ちよさに火花が散った。
「あっ……あっ……えっちだぁ……あふ……ふうぅぅぅぅ……」
しないはずの“彼”の匂いを吸い込み、くらくらと視界がぼやけた。
肉芽を摘むように擦りあげ、脚がびくんと跳んだ。
ぐちゅぐちゅ!ぐちょ、ちゅぶ!と卑猥なリズムが耳を打つ。
よ、よし……このまま……最後までイケる。いきたい……。は、はあ。
ああ、いきたい、イきたいイキタイ、イク、イク!
「あ、あ、あ、い、い」
ガチャン!
「っ!!」
迂闊だった。絶頂の間際で全く気付かなかった。
突然、閉めたはずの扉が開いたのだ。
見なくても判る……つまり、そこには健二がいた。
さっと、頭から血が引く。
「……あ……え……宮川、さん?」
彼は柄にもなく狼狽し、目を見開いた。
い、言い訳、なにか……。この期に及んでも私はとことん卑怯な事を考えた。
だめ、ちゃんと思考できない。
まずなにを言えばいい?
混乱しなにも出来ずにいると、健二が諦めきった顔色で小さく笑った。
「は、はは……なるほど……宮川さんは、そうなのか」
健二が廊下から私を見下すように言う。初めて聞く冷たい声だった。
「僕、宮川さんが告白をOKしてくれないのは、照れてるだけだって、
だってほら、だからキスもしてくれるし、一緒に帰ったり……。
だから、待っていれば絶対いつか通じ合えるって……」
いつもからは考えられないぐらいまとまらない文でまくし立てられ、胸が痛む。
「でも……違ったんですね。宮川さんは僕を好きじゃあなかった……じゃあ、じゃあなんでっ!」
なんで僕を拒絶してくれなかったんだ!
健二は叫びながらドアをたたき付けるように閉めた。
ああ、やってしまった。
自分の汚らしい性欲の為に健二を酷く傷つけてしまったのだ。
「…………う、ああ……」
身勝手な涙が零れる。
それはぽとりと下に落ちて……

そして隆さんのジャケットを濡らした。
2011年03月06日(日) 21:23:40 Modified by ID:xKAU6Mw2xw




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