カシマシィ!
とある図書館。
二人の男女のパラパラと本を捲る音だけが静かに流れる。
と、
「ねえ、ねえ、智‘コレ,なんて意味?」
向かいに座る少女が、少年に質問をした。
「? ああ、‘ツンデレ,ってのは『ア、アンタなんか別にスキとかそういうんじゃないんだからね! 馬鹿!』とか言う女の子の事」
「へえ……じゃあサ、智はそういう風な女の子の事好き?」
質問され、少年は軽く首を捻ると。
「ん〜、あんまりにぎやかな女の子はちょっと苦手かな」
「そうなんだ、智ってにぎやかな娘が苦手だったんだ……あ、ねえねえ、これは?」
「ん? どれどれ? ‘無口っ娘, ああ、それは……」
少女から再び質問を受けて一瞬目の前の少女の顔を見た後。
『七瀬明菜』と、
‘無口っ娘て何? と、質問の書かれた紙,に名前を書き込み目の前の少女を指差す。
「私の事?」 と、言う顔をして少女は自分を指差し。
‘ふ〜ん,と言う顔になり、
‘先ほどまで質問を書いていた紙,を自分の下に寄せ、また目の前の本に視線を戻した。
二人の男女の本を捲る音。
そして時折ペンを滑らせる音だけが流れる。
加嶋市市立図書館。
2011年08月23日(火) 11:43:00 Modified by ID:uSfNTvF4uw