佳奈(仮題)
昼休み終了のチャイムの音が聞こえたため、俺は渋々体を起こした。
「くぅ〜………ふぁ」
現在地は屋上、当たり前だが外にある。
しかし、意外と今の季節でも、昼寝が出来る暖かい場所があるのだ。
「くっー……」
体を大きく伸ばす、ここで俺はようやく、
「なにやってるんだ?佳奈」
俺の方をじっと見ていた俺の彼女の存在に気が付いた。
で、その問いを受けた佳奈は何故か赤面し、何も言わずに顔を逸らす。
「………………」
「………………」
問いに答えが返ってこないため、会話が繋がらず、沈黙が間を支配する。
「……あー、しゃべりたくないなら別にいいぞ」
なんとなく居心地が悪くなり、俺はその沈黙を破る。
「………れて…」
と、そこで佳奈がなにかを呟くが、声が小さくてうまく聞き取れない。
「ん?なんだって?」
聞き返す俺に、先ほどより赤面した顔を俺に向けて、
「…寝顔に見とれてた」
と、言った。
そんな、ある日の学校の昼休み
作者 3-128
2008年01月20日(日) 19:26:26 Modified by n18_168