玉砕したらしいけど(仮題)
98 友人が卒業式に無口っ娘に告白していたらしい(玉砕したらしいけど)
【98の友人】くんに告白された。
「ずっと好きでした」と、すごく真剣な表情で。
私は生まれて初めての体験による動揺で、顔は真っ赤に、頭の中は真っ白になり、声にならない声で「え、え、」と呟く事しかできない。
わからない。こんな、地味で内気で煮え切らない性格の私なんかの、いったいどこを好きになってくれたというのか。
脳内がぐるんぐるん状態の私。
しかし【98の友人】くんも、そんな私からでも見てとれるほど緊張が表に出ていた。
顔はきっと私と同じかそれ以上に赤く染まっていて、速く脈打つ鼓動を落ち着こうとしているのか呼吸も深い。
それでも【98の友人】くんは、決して私から目をそらさずにいる。
その眼差しは、【98の友人】くんの私への想いを実感させられるもので。
そうだ。私も誠意をもって答えなければならない。
こんな私を好きと言ってくれる気持ちは嬉しいです。
けど、私は、私には……
「……ごめんなさい……」
今日は卒業式。
私たちの高校生活は、今日でお終い。
よくしてくれたお友達は、みんな進路がバラバラで、会う機会は減るんだろう。
そして……3年間一緒のクラスだった『あの人』。
それほど親しくはなかったけど、私はいつも彼を見ていたし、想っていた。
その彼は、県外の学校に行くそうで……もう、会うことはないんだろう。
そう思うと、胸に何かモヤモヤしたものが生まれ、私を暗い気持ちにさせる。
彼とはもう会えない。それはしかたがないことだ。今日という日まで何もしてこなかった自分が悪いんじゃないか。
諦めよう。初恋なんて、こんなものなんだ。何年かすれば、きっと良い思い出となって……。
……嫌だ。このまま、この胸のモヤモヤを残したまま卒業したくなんかない。
自分の気持ちを伝えないまま、彼と別れたくなんかない!
そう思いたつと同時に、私は『あの人』の元へと向かい出した。
勢いがあるうちに、この気持ちを彼に伝えるんだ。
自分でも驚くこの行動。【98の友人】くんの影響かな。
【98の友人】くん、ありがとう。あなたがくれた勇気で、私も……。
作者 5-102
【98の友人】くんに告白された。
「ずっと好きでした」と、すごく真剣な表情で。
私は生まれて初めての体験による動揺で、顔は真っ赤に、頭の中は真っ白になり、声にならない声で「え、え、」と呟く事しかできない。
わからない。こんな、地味で内気で煮え切らない性格の私なんかの、いったいどこを好きになってくれたというのか。
脳内がぐるんぐるん状態の私。
しかし【98の友人】くんも、そんな私からでも見てとれるほど緊張が表に出ていた。
顔はきっと私と同じかそれ以上に赤く染まっていて、速く脈打つ鼓動を落ち着こうとしているのか呼吸も深い。
それでも【98の友人】くんは、決して私から目をそらさずにいる。
その眼差しは、【98の友人】くんの私への想いを実感させられるもので。
そうだ。私も誠意をもって答えなければならない。
こんな私を好きと言ってくれる気持ちは嬉しいです。
けど、私は、私には……
「……ごめんなさい……」
今日は卒業式。
私たちの高校生活は、今日でお終い。
よくしてくれたお友達は、みんな進路がバラバラで、会う機会は減るんだろう。
そして……3年間一緒のクラスだった『あの人』。
それほど親しくはなかったけど、私はいつも彼を見ていたし、想っていた。
その彼は、県外の学校に行くそうで……もう、会うことはないんだろう。
そう思うと、胸に何かモヤモヤしたものが生まれ、私を暗い気持ちにさせる。
彼とはもう会えない。それはしかたがないことだ。今日という日まで何もしてこなかった自分が悪いんじゃないか。
諦めよう。初恋なんて、こんなものなんだ。何年かすれば、きっと良い思い出となって……。
……嫌だ。このまま、この胸のモヤモヤを残したまま卒業したくなんかない。
自分の気持ちを伝えないまま、彼と別れたくなんかない!
そう思いたつと同時に、私は『あの人』の元へと向かい出した。
勢いがあるうちに、この気持ちを彼に伝えるんだ。
自分でも驚くこの行動。【98の友人】くんの影響かな。
【98の友人】くん、ありがとう。あなたがくれた勇気で、私も……。
作者 5-102
2008年03月18日(火) 21:32:01 Modified by n18_168