ソビエト連邦の電力事情
最終更新：
kingzeputozeta 2022年10月18日(火) 05:28:53履歴
概要 
ソビエト連邦の電力需要は2021年時点で2400TWh(テラ・ワット・アワー)であり、経済成長に合わせて今後も極めて緩やかながら増大していくことが予測されている。このページでは、ソビエト連邦における電力の需要と供給について解説する。
電力需要
電力需要の変遷
1991年のソビエト連邦の電力需要はおよそ1500TWhだった。90年代以降、ソ連経済が再び発展し始め、景気の回復、産業設備の新造、都市化やインフラストラクチャの近代化などが進むと、電力需要も緩やかに増大を始め、2000年には2000TWhに到達した。その後の20年間でも電力需要は緩やかに伸び続け、2021年現在では前述したようにおよそ2400TWhとなっている。
1日の最大発生電力では、2012年12月20日の約4000TWhが最高記録となっている。この日は主にヨーロッパロシア地域が大寒波に襲われ、暖房需要が大幅に拡大した。例年、最大電力発生日の消費電力は、電力需要のおよそ1.6倍程度の数値となっている。
1日の最大発生電力では、2012年12月20日の約4000TWhが最高記録となっている。この日は主にヨーロッパロシア地域が大寒波に襲われ、暖房需要が大幅に拡大した。例年、最大電力発生日の消費電力は、電力需要のおよそ1.6倍程度の数値となっている。
電力の消費者の構成
2021年の部門別エネルギー消費の構成比を見てみると、産業部門が一番大きく、約40%を占めており、このうち25%が工業、12%が鉱業、3%が農林水産業となっている。続いて、企業事務所やサービス業などの消費電力を指す業務部門、各家庭の冷暖房や照明器具などの消費電力を指す家庭部門がそれぞれ約20%を占める。さらに、各種交通インフラ・通信インフラの消費電力を指す運輸部門が10%を占めている。
電力供給
電源別の発電設備容量
電源別の発電電力量
電気事業体制
かつてソビエト連邦では、沿バルト電力システム、白ロシア電力システム、ウクライナ電力システム、レニングラード電力システム、モスクワ電力システム、北カフカース電力システム、ザカフカース電力システム、沿ヴォルガ電力システム、ウラル電力システム、トルキスタン電力システム、シベリア電力システム、ザバイカル電力システム、極東電力システム、各地域の電力システム会社を補完する全ソヴィエト電力システムの合わせて15の企業が、発電・送電・配電一体の国営電力企業として設置されていた。しかし90年代以降、電力事業の効率化を目指した政府により、欧米諸国に倣い、発送電分離と発電事業への民間事業者の参入が行われた。
発電部門
旧電力システム会社14社の発電部門が独立して成立した、沿バルト発電会社(PribGK)、白ロシア発電会社(BGK)、ウクライナ発電会社(UkGK)、レニングラード発電会社(LGK)、モスクワ発電会社(MGK)、北カフカース発電会社(SkGK)、ザカフカース発電会社(ZakGK)、沿ヴォルガ発電会社(PrivGK)、ウラル発電会社(UrGK)、トルキスタン発電会社(TuGK)、シベリア発電会社(SGK)、ザバイカル発電会社(ZabGK)、極東発電会社(DGK)の14の地域発電企業の他、OGK-1、OGK-2、OGK-3、OGK-4、OGK-5の名称で知られる旧全ソヴィエト電力システムの発電部門を分割して設立された5つの大規模卸売発電会社、原子力技術の研究開発で知られる大企業ソフアトム社の卸売発電部門(全て原子力発電所で発電されている)などが中心的な役割を果たしている。この他、より小規模な民間の卸売発電企業を合わせると、ソヴィエト連邦には1500の発電企業が存在するとされる。
送配電・系統運用部門
旧電力システム会社14社の送配電部門が独立して成立した、沿バルト・エネルギーシステム(PribES)、白ロシア・エネルギーシステム(BES)、ウクライナ・エネルギーシステム(UkES)、レニングラード・エネルギーシステム(LES)、モスクワ・エネルギーシステム(LMS)、北カフカース・エネルギーシステム(SkES)、ザカフカース・エネルギーシステム(ZakES)、沿ヴォルガ・エネルギーシステム(PrivES)、ウラル・エネルギーシステム(UrES)、トルキスタン=エネルギーシステム(TuES)、シベリア=エネルギーシステム(SES)、ザバイカル=エネルギーシステム(ZabES)、極東エネルギーシステム(DES)の14企業がソヴィエト連邦内のほとんどの送配電を行っている。この他、小規模な送配電事業者が十数社存在する。
小売部門
小売部門の自由化は2000年に始まった。まず2000年に、契約電力2000kW以上という区分で、主に大工場や大規模商業施設を対象に自由化が行われた。自由化の対象は、契約電力500kW以上(2004年)、契約電力50kW以上(2011年)と徐々に拡大し、2015年に完全な電力の小売自由化が達成された。
火力発電
原子力発電
水力発電
再生可能エネルギーの利用
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