RSZO-12多連装ロケット砲システム(ソビエト連邦)
最終更新：
kingzeputozeta 2022年12月11日(日) 18:31:34履歴
| RSZO-12多連装ロケット砲システム | |
 | |
| 要目 | |
| 全長 | 7.5m |
| 全幅 | 2.56m |
| 全高 | 3.2m |
| 重量 | 17.5t |
| 速度 | 時速80km(整地) |
| 乗員 | 3名 |
| 搭載兵装 | 122mmロケット弾20連装ポッド×2 または 220mmロケット弾6連装ポッド×2 または OTR-09戦術弾道ミサイル×2 |
| エンジン | 400馬力多燃料対応ディーゼルエンジン |
概要 
RSZO-12多連装ロケット砲システムは、2011年にソビエト連邦が制式採用した装輪式自走多連装ロケット砲システム。主に各旅団直轄のロケット砲兵大隊や、各軍直轄の砲兵旅団にて運用が行われる。その射程は、122mmロケット弾を使用した場合40km、220mmロケット弾を使用した場合90km、OTR-09戦術弾道ミサイルを使用した場合300kmに達する。このような長大な射程を活かし、敵軍の司令部、燃料や弾薬などの物資集積所、行軍中の敵野戦軍、砲兵陣地などを標的として攻撃を行う。
設計
兵装
RSZO-12は車体後部にアルミフレーム製の旋回発射機を備える。ここには、122mmロケット弾ならば20発、220mmロケット弾ならば6発、OTR-09戦術弾道ミサイルならば1発を収容できる、グラスファイバー製の発射ポッドを左右2基搭載する。122mmロケット弾ならば0.5秒間隔、220mmロケット弾ならば1~1.5秒間隔で射撃を行うことが可能であり、最短で20秒以内に全弾を撃ち切る。旋回発射機は発射ポッドの迅速な再装填を実現するためにクレーンを内蔵しており、これにより、発射ポッド1つにつき3分で再装填を行うことができる。
122mmロケット弾は発射重量70kg、弾頭重量20kgで、最大射程は40kmである。220mmロケット弾は発射重量350kg、弾頭重量100kgで、最大射程は90kmである。通常の高性能炸薬の単弾頭の他、対人/対車両用クラスター弾頭、対戦車クラスター弾頭、サーモバリック弾頭などが用意されている。対人/対車両用クラスター弾頭は、装甲車両などの天板装甲を貫通するための成形炸薬弾頭をベースに、ソフトスキンなどに対する殺傷能力を高めるために破片効果と焼夷効果を追加したものであり、122mmロケット弾ならば48個、220mmロケット弾ならば250個が搭載される。対戦車クラスター弾頭は、赤外線画像シーカーによって目標識別・自己誘導が可能な子弾を放出するもので、122mmロケット弾ならば最大1個、220mmロケット弾ならば最大5個を運搬できる。122mmロケット弾は誘導能力を持たず最大射程付近でCEPは10~20m、220mmロケット弾はGLONASS衛星測位システムの補正を受けた慣性航法システムによる精密誘導能力を有し最大射程付近でCEPは5mとなっている。
OTR-09戦術弾道ミサイルは発射重量1500kg、弾頭重量250kgで、最大射程は300kmである。通常の高性能炸薬の単弾頭の他、地下貫通弾頭、対人/対車両用クラスター弾頭、サーモバリック弾頭、電磁パルス弾頭、熱核弾頭および放射線強化型核弾頭など様々な弾頭を搭載することが可能である。GLONASS衛星測位システムの補正を受けた慣性航法システムによる中間誘導と、ミリ波および赤外線カメラによる地形照合を用いた終末誘導からなる精密誘導能力を有しており、最大射程付近においてもCEP10mの精度で攻撃を行うことができる。
122mmロケット弾は発射重量70kg、弾頭重量20kgで、最大射程は40kmである。220mmロケット弾は発射重量350kg、弾頭重量100kgで、最大射程は90kmである。通常の高性能炸薬の単弾頭の他、対人/対車両用クラスター弾頭、対戦車クラスター弾頭、サーモバリック弾頭などが用意されている。対人/対車両用クラスター弾頭は、装甲車両などの天板装甲を貫通するための成形炸薬弾頭をベースに、ソフトスキンなどに対する殺傷能力を高めるために破片効果と焼夷効果を追加したものであり、122mmロケット弾ならば48個、220mmロケット弾ならば250個が搭載される。対戦車クラスター弾頭は、赤外線画像シーカーによって目標識別・自己誘導が可能な子弾を放出するもので、122mmロケット弾ならば最大1個、220mmロケット弾ならば最大5個を運搬できる。122mmロケット弾は誘導能力を持たず最大射程付近でCEPは10~20m、220mmロケット弾はGLONASS衛星測位システムの補正を受けた慣性航法システムによる精密誘導能力を有し最大射程付近でCEPは5mとなっている。
OTR-09戦術弾道ミサイルは発射重量1500kg、弾頭重量250kgで、最大射程は300kmである。通常の高性能炸薬の単弾頭の他、地下貫通弾頭、対人/対車両用クラスター弾頭、サーモバリック弾頭、電磁パルス弾頭、熱核弾頭および放射線強化型核弾頭など様々な弾頭を搭載することが可能である。GLONASS衛星測位システムの補正を受けた慣性航法システムによる中間誘導と、ミリ波および赤外線カメラによる地形照合を用いた終末誘導からなる精密誘導能力を有しており、最大射程付近においてもCEP10mの精度で攻撃を行うことができる。
ベトロニクス
RSZO-12は現代の流動的な戦場で要求される火力支援任務を確実に達成するため、データリンクシステムと直接連接された高度な射撃管制システムを有している。司令部からの攻撃指令に従い、目標位置へロケット弾を飛翔させるのに必要な角度に旋回式発射機を自動で指向し、指定の種類のロケット弾に対し飛翔経路を自動で計算して入力し、砲手の指示により射撃を行う機能を有する。なお、非常時には、これら全ての操作を砲手が手動で実施することも可能である。射撃管制システムのコントロールパネルは砲手席に設けられており、現在装填されているロケット弾やミサイルの弾種を確認したり、信管の詳細な設定を行ったりすることも可能である。
RSZO-12は近年のソビエト連邦の装甲戦闘車両同様、データリンクシステムへの連接のために「MUVS-DM(車両用多機能高速通信デバイス)」を搭載する。「MUVS-DM」は、あらゆる軍種と兵科に共通の高性能通信装置を支給することを目的に開発されており、HF、VHF、UHFでの通信に対応、従来の全ての軍用無線および軍用ネットワーク端末を代替する。必要に応じて、無線機本体に、衛星通信アンテナ、データリンクと射撃管制システムの橋渡しを行う高性能演算装置、長距離通信のリアルタイム性を高めるために必要なセシウム原子時計など各種モジュールを追加してアップデートすることが可能である。この通信端末を用いることで、本車では、「火力戦闘支援システム」への接続が可能となっている。
火力戦闘支援システムは、ソビエト連邦の「先進縦深打撃コンセプト」においてマルチドメインな火力発揮を指揮統制する中核とされた各レベル(方面軍、軍団、旅団、大隊の4階梯)の統合火力指揮統制所を中心として、前線の近接戦闘部隊、偵察狙撃班、観測班、偵察/観測車両、偵察/観測無人機、対砲兵レーダー、偵察機などの各種索敵手段(「センサー」と呼称される)と、各種口径の迫撃砲、榴弾砲、ロケット砲、弾道ミサイルおよび巡航ミサイル発射機、攻撃機や戦闘爆撃機や重爆撃機などの各種攻撃手段(「シューター」と呼称される)などを結合するシステムである。前線の近接戦闘部隊からの火力支援要請、偵察任務にあたる地上部隊や航空部隊からもたらされた各種情報は統合火力指揮統制所のモニターに集約して表示され、エキスパートシステムの意思決定支援の下、各目標に対し隷下にある適切な「シューター」を選択、「シューター」に対し目標の座標情報や攻撃の方法について伝達し、さらに観測任務にあたる地上部隊や航空部隊によって攻撃の効果を観測する。上位の階梯の統合火力指揮統制所は、下位の階梯の統合火力指揮統制所から手持ちの「シューター」で対処しきれない目標に対する攻撃を依頼される場合もある。
優れた射程と破壊力を有するRSZO-12は、主に各旅団の砲兵大隊、各軍団の砲兵旅団に配属され、当該システムの「シューター」として機能する。
RSZO-12は近年のソビエト連邦の装甲戦闘車両同様、データリンクシステムへの連接のために「MUVS-DM(車両用多機能高速通信デバイス)」を搭載する。「MUVS-DM」は、あらゆる軍種と兵科に共通の高性能通信装置を支給することを目的に開発されており、HF、VHF、UHFでの通信に対応、従来の全ての軍用無線および軍用ネットワーク端末を代替する。必要に応じて、無線機本体に、衛星通信アンテナ、データリンクと射撃管制システムの橋渡しを行う高性能演算装置、長距離通信のリアルタイム性を高めるために必要なセシウム原子時計など各種モジュールを追加してアップデートすることが可能である。この通信端末を用いることで、本車では、「火力戦闘支援システム」への接続が可能となっている。
火力戦闘支援システムは、ソビエト連邦の「先進縦深打撃コンセプト」においてマルチドメインな火力発揮を指揮統制する中核とされた各レベル(方面軍、軍団、旅団、大隊の4階梯)の統合火力指揮統制所を中心として、前線の近接戦闘部隊、偵察狙撃班、観測班、偵察/観測車両、偵察/観測無人機、対砲兵レーダー、偵察機などの各種索敵手段(「センサー」と呼称される)と、各種口径の迫撃砲、榴弾砲、ロケット砲、弾道ミサイルおよび巡航ミサイル発射機、攻撃機や戦闘爆撃機や重爆撃機などの各種攻撃手段(「シューター」と呼称される)などを結合するシステムである。前線の近接戦闘部隊からの火力支援要請、偵察任務にあたる地上部隊や航空部隊からもたらされた各種情報は統合火力指揮統制所のモニターに集約して表示され、エキスパートシステムの意思決定支援の下、各目標に対し隷下にある適切な「シューター」を選択、「シューター」に対し目標の座標情報や攻撃の方法について伝達し、さらに観測任務にあたる地上部隊や航空部隊によって攻撃の効果を観測する。上位の階梯の統合火力指揮統制所は、下位の階梯の統合火力指揮統制所から手持ちの「シューター」で対処しきれない目標に対する攻撃を依頼される場合もある。
優れた射程と破壊力を有するRSZO-12は、主に各旅団の砲兵大隊、各軍団の砲兵旅団に配属され、当該システムの「シューター」として機能する。
車体
RSZO-12多連装ロケット砲システムは、車体シャーシにKamAZ(カマ自動車工場)製中型軍用トラック「KamAZ-698」を採用している。これは、オフロードで5tの貨物を運搬可能な3軸6輪駆動トラックで、ソビエト連邦軍では、「ZIL-695」5tトラックよりも多くの荷物を積載でき、「KamAZ-898」10tトラックや「MAZ-896」15tトラックよりも小回りの利く車両として広範に使用されているものである。全輪駆動でタイヤ圧自動制御装置を備えており、このクラスの車両としては悪路走破性はかなり高い。キャビンは与圧式のNBC防護機能を備えており、3名の乗員は車外に出ることなく停車から3分以内に発射準備を整えられる。また、ロケット弾の発射炎からキャビンを保護するブラストシールドが備わっている。エンジンとしては400馬力の多燃料対応ディーゼルエンジンが搭載されており、整地であれば時速80kmで走行することが可能である。燃料無補給での航続距離は600~700kmである。
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