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無口なミュウマ(2)

 何か……向かってくる。
 あれは……なんだ……!
 巨大な、トカゲみたいな生き物。
 赤い眼。
 鋭いツノ。
 怖い、怖い、怖い!
 でも、ぼくは動けない。
 なす術なく、ぼくはその鋭いツノに……!

「うわぁあぁあっ?!」
 ぼくは驚いて目を覚ました。
「はぁっ、はぁっ……」
 ぼくは体を確認した。生きてる。よかった。
 周りを見ると、そこはぼくの部屋だった。
 時間は深夜。ほの明るい月明かりがカーテンの向こうから入ってきている。
 汗のしずくが、ぼくの太ももに落ちた。
 胸が痛む。思わず、押さえる。
 ぼくはこの胸の痛みのおかげで、ずっと身体が弱く、俗に言う運動音痴になってしまった。
 だけど、病院で検査を受けてもなんの異常も見つからない。
 心因性としか考えられないそうだ。
「ううっ……痛つっ……っはぁっはぁっ……」
 それにしても、今日は特にひどい。夢のせいだろうか。
「あんなファンタジーな夢見るなんて……ミュウマとエッチしたからかな……」
 ミュウマは、ぼくの彼女だ。この前、ひょんなことからエッチして付き合うことになった。
 彼女は可愛い感じだけど、いつも無口だった。
 その理由は、彼女が異世界から来たお姫様で、こちらの言葉がまだあまり解らないからだという。
 ぼくは、そんなゲームみたいな世界の王子様で、こっちの世界に生まれ変わった姿なんだそうだ。
 ミュウマは向こうのぼくを好きで、でも逢えなくなって。
 そんなとき、彼女はぼくに巡り会った。それで……。
 信じられない話だが、しゃべる黒オウムの執事、エルが説明したんだから、信じるしかない。

 しばらく、ぼくは痛みが治まるまでじっとしていた。
 そうしていると、ふいに窓のほうから鳥の羽ばたく音が聞こえてきた。
「ん?」
 窓のほうを見たが、なにもいなかった。
「ナオ様。このような時間にすみません」
 ふいに後ろから声がした。
 驚いて振り返ると、見事なスタイルをした女性が立っていた。
 全身を真っ黒なスーツに包まれている。
 長い髪も黒く、額で切りそろえられている。切れ長の目の瞳も黒い。
 ただその顔だけは抜けるように白く、ドキドキするほどきれいだ。

「だ、誰?!」
 彼女は一礼して口を開いた。
「エルでございます。夜の間は一時的に人の形をとれるのです」
 エルってあの執事のオウム?
 声も大人っぽくて、雰囲気も落ち着いている。
 あのオウムの時とは全然違う。
 ぼくは彼女に問いかけた。
「そ、そうなの? ほんとに?」
「はい。本当です」
 なんていうか、まだ夢の続きみたいな気分になってくる。
「そうなんだ……ってか、女だったの? 執事っていうから、てっきり男だと思ってたんだけど……」
「わたしの知っているこちらの言葉では、適当な単語が見つからなかったもので。申し訳ありません」
 うやうやしく頭を下げた。
「いや、謝らなくってもいいけど……それで、なにかぼくに用でもあるの」
「はい。ミュウマ様があなたをお求めになっておられます」
 ぼくは真っ赤になって吹き出した。
「こ、こんな時間にどうしろっていうんだよ。今から出掛けるワケにもいかないしさ」
「ご心配には及びません」
 彼女は、その白く長い指先を伸ばし、空間に円を描いた。
 するとそこに別の部屋のようすが見えるようになった。
 何か中から甘い香りが漂ってくる。
「空間をミュウマ様のお部屋に繋ぎました。どのような状況なのか、まずはご覧下さい」
 エルに言われるまま、その中を覗き込む。

 高い位置から下を見る感じだ。
 薄暗い部屋のベッドに誰かが寝ているのが見える。むこうを向いているので顔は見えない。
 だけど、エルがミュウマの部屋に繋いだっていうんだから、ミュウマなのだろう。
 かわいいピンクの寝間着を着ている。薄い毛布は、お腹のところだけを覆っていた。
 「ん……ふ……っ」
 肩が揺れている。
 また泣いているのかと思ったが、今度は何かもっと甘い感じだ。
「ん……」
 彼女は、ごろりと仰向けになった。
 両膝が立つ。それはやや開いていた。
 その太もものつけねには彼女の手があり、指が寝間着の上から大事な部分を押さえている。
 それは敏感な部分を緩やかに、さする。
 彼女のもう一方の手は、はだけた寝間着の間から胸へと入り、蠢いている。
 ぼくは思わず、つぶやいた。
「あ……お、オナニーしてるんだ……」

 口には例のペンダントをくわえている。
「ちゅぷっ……」
 彼女は胸にあった手を口元に持って行くと、それを口から取って舐め回す。
「らぁ……ナ、ナオぉ……ん」
 名前を呼ばれたぼくは顔が真っ赤になると同時に、股間に血が一気に集中するのを感じた。

 ミュウマはその秘密の部分を擦る指を早めた。
「……ん! んん! はぁっはぁっ」
 彼女は指を止めた。
 急に体を起こすと、もどかしそうにパンツごとパジャマのズボンを脱ぐ。
 だが全部は脱げず、すその片方は足首に掛かったままだ。
 白く艶めかしい下半身が闇に浮かぶ。
 また彼女は、ころんと寝転んだ。
 膝を広げ、その部分に指を滑らせる。
「んー……っ! はっはぁっはああっ」

 彼女の息が早く浅くなる。
「はっ、はぅ、はっ、はぁ……っ」
 ペンダントトップをつまんだ指が、徐々にその部分に下がっていく。
 ぼくは思わず生唾を飲んだ。
 片手でその濡れるアソコを広げ、もうかたほうの手でペンダントトップをあてがった。
「ふぅ……っん」
 ゆっくりと、その丸い金属が彼女の中に挿入される。
「んんんっ!」
 彼女の腰が少し浮いた。少し震えているみたいだ。
「うう!」
 そのままそれは、指と共に激しく出し入れされた。
 ぐちゅぐちゅと、いやらしい水音が響く。
 ぼくはだんだん、たまらなくなってきた。
「はっ、はっ、はぁうんん! ナオ、ナオぉ!」
 ぼくのことを考えながら、あんなに感じてる。
 そのミュウマの姿に思わず、硬くなったぼく自身をパンツの上から握ってしまう。
「ナオ様。お手伝い致します」
 ふいに背中からエルの優しく低い声がした。
 彼女は、後ろからぼくをふんわりと抱く。
 大きめの胸が押しつけられて、さらにぼくのものは大きくなる。
「一度、出しておいたほうが二回目は長くもつのでしょう?」
 柔らかく白い指が、ぼくのパンツにするりと入る。
 硬くなっているモノを軽く握った。少しひんやりとした。
「こんな感じ、ですか?」
 その人差し指と親指が輪を作り、先のほうを滑らかにしごく。
「ううっ! いい……」
 もうそれだけで、爆発しそうだ。
「これではナオ様の着ているものが汚れてしまいますので、お脱ぎになって頂きます」
 エルがいったん手を離し、後ろからぼくの寝間着のズボンをパンツごとずり下げる。
 それはぼくのモノにちょっと引っかかってから、完全に下ろされた。
 暗闇に下半身を晒す。
 ぼくのモノはずっと上を向いていて、萎える気配はない。
 彼女は前に回ると、それを見つめた。
「ナオ様、ご立派です……」

「え、そ、そうかな……」
 彼女は妖艶に微笑む。
「はい。素敵です……それでは、上も取らせて頂きます」
 流れるような指さばきで、あっという間にぼくは全裸になった。
「さあ、ミュウマ様をご覧になりながら、どうぞ達して下さい」
 エルがまた後ろに回り、ぼくのモノを擦り始めた。
 もう片方の手でぼくの乳首を優しく転がす。
「う……っ……」
 初めての感覚。
 ぼくは体を支えるように、その腕をつかんだ。
 背中にエルの胸を感じながら、ぼくはどんどん興奮してきた。
 ぼくはもう片方の手を後ろに回し、エルのお尻を触る。
「ん……な、ナオ様……」
 少し困惑したような声。しかし、拒否はしない。
 目にはミュウマの物凄くエッチな姿が映る。
「はっ、はぁ、はうう……」
 ミュウマがパジャマの前を全開にした。
 尖った乳首が、その薄い胸を覆う人差し指と中指の間から、飛び出している。
 指と手に力を入れ、強く揉む。
「くふぅ! んーっ」
 彼女のアソコには指が二本と、それに絡めたペンダントトップが出入りしてる。
「はっ、はっ、はっ、あー、あーっ……」
 ミュウマの腰が別の生き物のように、くねる。
「ナオ、好き、しゅきぃ! あー、くるるぁ! くるるぅ!」
 彼女の腰がぐねぐねと激しく上下する。
 あれは、ミュウマがイクちょっと前の時の言葉だ。
 それを聞いたとたん、急に何かが心の中で弾けるような気がした。

 これは、このパワーは……この湧き上がる力は……。

 エルの手の動きが速くなる。
「ん、ナオ様の、モノがガチガチに硬く、なってますよ、はっ、ん、んふぅ」
 きれいな横顔がぼくのすぐ横で、ささやく。
 その頬は熱く、息も少し荒い。
「エル、あ、きもちいいよ! も、もうすぐ、で、出ちゃう、うっあう」
 彼女は微笑む。
「な、ナオ様、い、イッて下さいませ、わたしの、エルの手の中で、あ、はぁっはぁっ」
 彼女の甘い息が掛かる。
 エルの腕に、ぼくはしがみつく。
 もうかたほうの手を彼女のお尻から前に回し、彼女自身に触れた。
 スーツパンツの上からでもそこが熱を持って、とろけているのがわかった。
「あっ、な、ナオ様……い、いけませ、あ、ああはっ!」
 ぼくは、ぼくだけど、ぼくじゃない何かに突き動かされた。
「いいじゃないか! エルもイかせてあげるよ」
「は、はぅっ! あ、ありが、とうご、ざいますぅっ!」
 お互いの性器を激しく擦り、高め合う。
 ミュウマの嬌声も聞こえてくる。
「……ナオのぉ、お、おチンポ……あたしの、お、お●んこに、欲しいのぉ……!」
「うわ……ホント、ミュウマはスケベだなぁ……」
 エルの手がさらに速くなる。
「はぁっ、はぁっ! な、ナオ様……ああ、ああん」
 その脚の根元はもうどろどろだ。
 目はトロンとして、口元からはよだれが、だらしなく垂れていた。
 彼女はぼくの手を握り、自分から腰を振ってきた。
「……ん、んん! ん! ナオ、さ、ナオ様ぁ、イキます、イキそ、うです!」
 ぼくもエルの手に合わせるように腰を突き動かす。
「あ、い、いいよ! ぼくも、うっうう!」
「はっ、はああん! はあっはぁっ! ナオ様、ああっ」
「ナオ、ナオぉ! 好き、しゅきひぃ!」
「ミュウマ、ああ、ぼくも、好き、好きだっ!」

 腰の律動が激しくなってくる。
 エルも声が出ている。
 彼女の腰がぼくの腕の上で、がくがくと震える。
「ああ、ああっ……はぁっはぁっ、ああ、くるるぁ、くるるぅ!」
 ミュウマも同じ言葉を発した。
「くるるぁ、くるるっううう!」
 その言葉は絶頂が近いしるしだ。
 ぼくももう、限界だ。
「あっ出るっ! 出る出る出るっ!」
「いひゅ、いひゅ、いひゅうん!」
「ナオ様いひゅぅっ!

 三人同時に、弾けた。
「うあぁぁ――ッ!」
「いぎゅぅぅぅ――ッ!」
「いぎゅぅふぅ――ッ!」
 最後の声はステレオで聞こえた。
 ぼくの精液は弧を描いて、見事にミュウマに降りかかる。
 イキ顔のミュウマにべっとりと付着するぼくの体液。
「……?」
 彼女は荒い息の中、それをぼんやりと指に掬い取り、ねぶる。
「……ナ、オ?」
 彼女が首を動かし、目線を天井、つまりぼくのほうに向けた。
 ぼくと目が合った。
 彼女が慌てて胸と股間を毛布で隠した。
「……見て、た?」
 彼女は顔を真っ赤にして聞いた。
「あ、あはは、ご、ごめん……」
 ぼくは頭を掻いて謝るしかなかった。

 しばらくしてから、ぼくはとりあえずパンツだけは履いて、ミュウマの部屋に降りた。
 エルが、ミュウマの部屋のもう少し低いところを繋ぎ直してくれたんだ。
 ぼくが現れたのを見て、ミュウマがぎこちなく照れるように笑う。
「……こ、んばんは」
 まだ服は着ていない。毛布で体をくるんでいるだけだ。
「こんばんは……その、さっきはごめん……」
 彼女はふるふると首を横に振った。
「……別に、いい……ナオなら……」
 可愛い。
 ぼくは彼女のそばに行った。

 ミュウマの横に座る。
 彼女がぼくの肩に頭を預けてきた。
「……くふ……」
 柔らかくて、ふにふいにしている。

 エルが目の前に来て膝を突き、かしづいた。
「本当にあなたはナオ王子がこちらの世界で転生した姿なのですね」
 ミュウマの頭を撫でながら返答する。
「どういうこと?」
 エルは頭を垂れたまま、応じた。
「その胸の輝きは、王家の証です。王家のかたは皆、その力を胸の輝く鳥、ヴァーディアに宿しているのです」
 見ると、ぼくの胸の中央に羽を広げた鳥のような形が青白く浮かび上がっている。
「これは……そうか、これのせいで……」
 今まで、ぼくがぼくじゃないような感じがしていたのはこれだったのか。
 そう思って見ていると、すーっとそれが消えていった。
 とたんに体が重くなる。
「う、わ……なんだこれ……ヤバい……死ぬ……」
 体が動かなくなって、そのまま後ろに倒れ込んだ。

 ミュウマが焦って呼びかける。
「ナオ? ナオ!」
 ぼくの体を必死に揺する。でも、もう意識も……
「エル!」
 涙の混じったミュウマの叫びだけが耳に残った。

 目が覚めると、ぼくは自分のベッドにいた。
 覗き込む黒いオウムがいる。エルだ。
 首をくくっと曲げると、甲高い声で喋り出した。
「ナオ様、お目覚めですか。回復魔法を掛けた甲斐がありましたな」
 どうやら、エルのおかげで命は助かったらしい。

 しかし、このオウムがあの美女とはとても思えないなぁ。
 声もしゃべり方も違うし……キャラが違い過ぎる。
 ぼくはあの胸とミュウマの体を両方、思い出した。
 すると……股間が反応した。
 エルがくるっと頭を回して、それを見た。
「ふむ。さすがですな。もう大丈夫ということでしょう。ではわたしは失礼します」
 羽を広げると、二、三回羽ばたいて宙に浮く。
 すると、もうその姿はどこにもなかった。
 ちょっと溜息。
 まぁ、ここんとこ色々あり過ぎて、もう驚かないけどね……。

「ナオユキ、佐藤さんがお見舞いにいらしたわよー」
 突然、母さんがドアをノックした。
「ええっ?!」
 ミュウマがお見舞いー!?
 って、ぼくはどのくらい寝てたんだ?
 混乱したがとりあえず、母さんには返事をした。
「あ、ああ。どうぞー」
 ドアが開けられ、ミュウマが顔を出した。
「こんにちは……」
 ぺこりと頭を下げる。
 母さんが彼女の後ろで、にやにやしまくりながら去っていった。

 ミュウマはぼくのそばに、とてとてといった感じでやってくる。
「大丈夫……?」
「ん。エルのおかげでなんとか大丈夫みたい」
 彼女はちょっと拗ねるように頷いた。
「……そう、ね」
 これはもしかしてエルにジェラシーを燃やしてるのか?
 ぼくは重たい体を無理矢理に起こして、彼女の薄い胸に頬ずりした。
「来てくれてありがとう」
 すりすり。
「ん……あ、あぅ」
 ミュウマがぼくの頭をぎゅっと抱いた。
「……だめ……」
 ぼくは彼女の顔を見上げた。
「ん?」
 ミュウマは真っ赤になっていた。
「気持ちよくなっちゃう、から……」
 うわ……ドキドキする……。
 なんて可愛いんだろう。
 ここで押し倒したい。でも、ぼくの体がヤバいのも解っていた。
 これ以上、体力を消耗してしまっては本当に死んでしまう。
「ん、解った。また、今度ね」
 そう返事をすると彼女は嬉しそうに、でもちょっと残念そうに、こっくりと頷いたのだった。

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作者 coobard◆69/69YEfXI
2008年01月20日(日) 12:20:28 Modified by n18_168




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