2chエロパロ板の「井上堅二 バカとテストと召喚獣でエロパロ」の作品をまとめたサイトです。

放課後。
「んっ……」
「…………」
「はっ……あぁん……」
「……………………」
「んぁあ……はぁ……あぅ……」
「………………………………」
静寂が支配する教室に響き渡るのは、姫路さんの甘い声。
白い頬はほんのりと上気し、綺麗な瞳の焦点はどこか遠く、ふっくらとした唇がだらしなく開かれている。
「ど、どうかな?」
「あっ……はい、すごく…んっ…気持ちいいです……」
初めてだから上手くできてるか分からないけど、どうやら喜んでくれてるみたいだ。
もうちょっとほぐせるかな……
「姫路さん、痛かったら言ってね」
「は、はいっ!」
身構える姫路さん。力を入れるよりリラックスしてもらったほうがやりやすいんだけど……まあいっか。
「んっ……ぐぅ……あ、んん!」
「大丈夫?」
「は、はい……さっきより、いいです……」
「そう?」
なかなか、姫路さんは揉み応えがあるな。
「姫路さん大分肩凝ってるね」
やっぱりFクラスの大きさになると凝るんだろうか。
「あっ、今エッチなこと考えましたね?」
「へ!?い、いやあそんなこと!」
「まあそれもあるんですけどね。最近いろいろありまして……」
「確かにAクラス戦のあとだしね〜」
僕らFクラス(学級的な意味で)は先日学年最強のAクラスに試召戦争を挑んだばかりなのだ。
悲願の打倒Aクラスを果たすべく、Fクラスみんなが今までの経験と知恵を振り絞って勝利目前までいった今回の試召戦争。
しかしその直前でババァ長がシステムを止めやがったおかげで因縁のAクラスとの決着はつかず、三年の先輩方と学年対抗での試召戦争を行うことになったのだ。
詳しいことは分からないけど、この戦いは理不尽な点が多すぎると思う。
まだ試召戦争は始まっていないけど、準備が整い次第開戦だという。
そんなこともあって僕らは今、肉体的・精神的な疲労を回復することに努めている。
「はい。それもあるんですけど……」
「?まだ、何か?」
言われてみれば、姫路さんはAクラス戦の間、何か悩んでいた節があった。まだ解決していないのかもしれない。
「僕でよければ、相談に乗るよ?」
「っ……」
ん?今一瞬姫路さんが辛そうな表情をしたような……。
「ありがとうございます。けど、大丈夫ですよ」
「そう?」
「はい。それより、三年生戦頑張りましょうね!」
「あ、うん……」
そう微笑む姫路さんだけど、僕は何か違和感を感じていた。姫路さん、無理してないかな……。
「それにしても、高城先輩遅いですね」
「ん……そうだね」
その人の名前が出ると、僕はテンションを下げざるを得ない。
……まさか数少ない自分のキス経験の中に男が入るとは思わなかったよ……。
今日姫路さんがここに残っていたのは高城先輩に呼ばれたからだと言う。
偶然僕も忘れ物を取りに来ていたので、折角だからと言うことでご一緒させてもらっている。
KY(死語?)と言われるかもしれないけど、正直あの先輩は何をしでかすか分からない。
この前だって僕がアレとアレすることになった原因はアレが姫路さんにアレしようとしたことなわけで……
代名詞が多用されるのは許して欲しい。頭の中で思い浮かべるのも嫌なんだ。
僕がある先輩に異常な嫌悪を示していると
ガラッ
「遅れてしまって申し訳ない瑞希嬢。……吉井明久君も一緒なのですか」
……美形が、爽やかな笑顔を浮かべて登場してきた。
「こんにちは高城先輩。僕がいると何か不都合なことでも?」
ついついきつい口調になってしまうのは勘弁して欲しい。
「普段なら別に構わないのですが……今はちょっと、席を外してはいただけませんか」
「……姫路さんに何する気ですか」
「あ、あの、明久君……?」
姫路さんが僕を不思議そうな目で見つめている。
いけない。少し冷静さを欠いていた。
……この人とまともにやりあうのならもっと落ち着いていかないと。
少し、外の空気でも吸ってこようかな。ただ、何かあると困るから……
「先輩、僕ちょっとだけ外に行ってきますね」
これは本当だ。今は頭を冷やしてこないとまずい。
「分かってもらえて何よりです」
「ただ、姫路さんは僕と帰るのでしばらくしたら戻ってきますから」
冷静になるのも大切だけど、予防線ははっておきたい。
「あ、明久君!?」
どこか驚いた様子の姫路さんに囁きかける。
「(なにかあったら大声で叫ぶんだよ?)」
「(は、はい……)」
よくわからないという顔をしながらも頷いてくれた。僕にできるのはこれくらいかな。
「では、また」
「お気をつけて」
「って明久君、一緒に帰るって――」
バタン。扉を閉め、僕は中庭へ歩き出した。

―――中庭。
「はぁ〜……」
深く、深く。それこそ日本海溝のように深いため息。
「どうも、あの人は苦手だな……」
もちろん先日のアレもあるだろうけど、根本的な価値観と言うか、とにかく合わない。
それに、姫路さんへの態度も気になる。
今は放課後。部活動をしている生徒もいるけど、もうすぐ部活動終了時刻。だんだん人気もなくなってきた。
先生は生徒達を見送り、そのまま車に乗り込む人が多い。校内に残っているのもほんの数人だろう。
――なにか、嫌な予感がする。
「……まずいっ!!」
外気を肺に取り込んで物理的に頭が冷えてきた今考えてみれば、あの二人を二人きりにさせるなんて危険にも程がある。
そのことに気が付く前から、もう僕の体は動き出していた。
体全身が、第六感が、最大音量で警告を発している。
ひたすら足を動かした。ただ、前へ、前へ。
間に合え、間に合え!そう祈りながら。
――大切な姫路さんのいる、僕らのFクラスへ。

―――1/2階段。
息が切れる。冬場なのに全身が汗でベトベトだ。
けれど、この足を止めるわけにはいかない。
(明久君っ)
声が聞こえた。
「明久君っ」
その声は、決して大きなものではなかったけど。
「明久君!!」
確かに、僕の耳に届いた。
こんな僕を頼りにしてくれる、大切な人の声が。

―――Fクラス。
ガラッ
「姫路さん!!!」
「あ、明久君!」
「っ!」
そこにいたのは、僕が出て行ったときと同じ姫路さんと高城先輩の二人。
けれどそこにあったのは、僕が出て行ったときとは全く違う状況だった。
目に涙を浮かべている姫路さん。はだけた制服でこちらを見て驚いているようだ。
その前には高城先輩。どう見ても、姫路さんを無理やりどうかしようとしていたとしか思えない。
コイツを片付けるのは後だ。まずは――
「姫路さん、大丈夫!?」
「明久君!明久君!!」
姫路さんに駆け寄ると、いきなり抱きついてきた。
「ちょ、姫路さん!?」
「明久君!…私、わたし……!!」
よっぽど恐かったのか、そのまま僕の胸に顔をうずめて、泣き出してしまった。
「大丈夫だよ姫路さん。もう、大丈夫だから。ごめんね」
「うっ…うぅ……あき、ひさ…くんっ……」
「…………」
その様子を高城先輩が驚いたような、寂しいような、そんな顔で眺めていた。
「……先輩。これが姫路さんの答えですよ」
その顔を見ているうちに、だんだん怒りが湧いてくる。
「そのようだね。どうやら瑞希嬢のお気に召さなかったようだ」
その冷めたように言い放つ高城に、思わず
「ふざけんな!!」
「!?」
「あ、明久君?」
そして、沈黙が教室を満たす。
「姫路さんの気持ちも考えないで、無理やりして!なにが『お気に召さなかった』だ!相手のことを考えられないような人間を、姫路さんか気にいると思うか!?」
「それは事実です」
「だったら考えればよかったじゃないか!こういうことをしたら、姫路さんはこう思う、だからこうしようって!騙されやすくても、頭はいいんじゃなかったのか!」
「おかしいですね。こういうことをして泣き出したら喜んでいる証拠だと本に――」
「言い訳だ」
「!?」
「そんなの全部言い訳だ!騙された?じゃあ好きな子が泣いていても他人に『彼女は嬉しがっているんだよ』って言われたら、本当にそう思うのか?本気で泣いてる好きな子が、嬉しそうに見えるのか!?」
「…………」
「好きな子の気持ちもわからないやつに、そいつと関係を持つ資格なんて無い!!」
「明久君……」
その声ではっとする。
姫路さんがとても安心したような笑みを浮かべている。
「姫路さん、大丈夫だよ」
それを見ただけで、僕には力が出てくる。幸せになれる。
「…………失礼します」
「…………」
高城先輩がFクラスのドアに手をかけた。
「どうやら私は瑞希嬢には相応しくないようですね」
「「…………」」
「ですが、私が貴方を想う気持ちは本物でした。そこだけは、誤解されませぬよう。では」
バタン。
彼は少ない言葉を残して、教室を去っていった。
「「…………」」
僕らは先輩が出て行ったドアを無言で見つめ、そして……
「「!?」」
視線を戻すとお互い抱き合っているような構図になっていることに気付き、パッと離れる。
くっ、シリアス展開であまり感覚が働いていなかったから、もっと感触を味わっていたい……!!
「「…………」」
しかしやはりというか、気恥ずかしさが優先し目線を合わすどころか、正面を向けない。
きっと今の僕の頬は信号機に採用されてもおかしくないくらい赤くなっていることだろう。
「「…………」」
僕らは無言で、けれど一緒に、学校を出た。

―――帰路
「……あの、明久君」
月明かりが道を照らす帰り道。教室からずっと続いていた沈黙を破ったのは姫路さんだった。
「な、なに?」
「今日は、助けてくれて、ありがとうございました……」
深々と姫路さんが頭を下げる。
「ああ、うん、えっと……どういたしまして?」
その、なんというか恥ずかしさもあって堂々としていられない。
「なんで疑問系なんですか?」
「う〜ん……」
緊張してるからなんだよね……姫路さんと二人っきりってだけでも緊張するのにアレの後だし……
それに、姫路さんを助けたのは僕自身が姫路さんが嫌な目に遭うのが嫌だったわけで……
「姫路さんを助けたのは僕自身が姫路さんが嫌な目に遭うのが嫌だったわけで……」
「ふぇ!?」///
あれ?どうしたんだろう、姫路さん。
「あ、明久君は、わ、私が誰かにされるのが嫌だったってことですか!?」
ん、ちょ、ちょっと待って。
「今、僕思いっきり喋っちゃってた!?」
「はい、それはもう!」
うわー、恥ずかしい……
「…………」
しかし姫路さんはそのまま考え顔で黙り込んでしまい、また沈黙が降り立つ。
そのまま二人で歩くこと三分。
「明久君!!」
「はい!」
急に姫路さんが大きな声を出すのでつられて大声で返事をしてしまった。
「あの、ですね……」
「……うん」
めずらしく大声を出したと思ったら今度はしおらしくなってしまった。
「えっと、あの……」
「ちゃんと聞いてるよ」
なかなか言い出せない様子。何か難しいお話かな?とすると僕ではカバーしきれないような……
あ、さっき言ってた悩み事かな?僕に協力できる範囲でならいくらでもしてあげたいところだけど……
「…………!」
意を決した表情で、僕をまっすぐに見つめる姫路さん。
暗闇の中で月光に照らされた彼女の頬は赤らんでいて、とても神秘的だった。
「明久君」
「はい」
その瞳に射ぬかれた僕もまた、彼女を正面に捉える。
そして、その綺麗なラインの唇から、音が零れる。

「………………好きです!」

「はい……えっ?」
ただあるのは、驚き。
まず、音を音としてしか認識できなかった。
そして、次第に脳が処理を始め、その音が意味を持った言葉として処理される。
「好きです!大好きなんです!」
視覚が認識している姫路さんの口から、言葉が、想いが、溢れ出す。
「いつも、明るい明久君が!優しい明久君が!強い明久君が!かっこいい明久君が!」
ただそこにあるのは、純粋な気持ち。人が、人を想う気持ち。
「今日だって、私を、助けてくれました。とっても恐かったのに、今笑っていられるのは、明久君のおかげなんです!」
とても大切な、特別な気持ち。
「好きで好きで、仕方ないんです……」
心臓がバクバクいってる。体全体でドキドキしていると思えるくらい。
「……だから、私と、お付き合いしてくれませんか……?」
揺れる瞳。不安げな表情。震えている体。
僕の言葉、僕の気持ちだけを待って、恐がっている。
僕が、そうさせてしまっているんだ。
――答えなんて、決まってるのに。

「僕も、大好きだよ。姫路さん」

「っ!!」
僕が微笑んでそう言うと、一瞬にして姫路さんの表情が崩れる。
「だから……よろしくお願いします!!」
「〜〜〜はい!!」
たぶん、お互いに今までで最高の笑顔だったんじゃないかな。
そんなことを考えた途端
「えいっ」
「わわっ?」
姫路さんが腕に抱き付いてきた。
「ひ、姫路さん?」
「今までずっと我慢してた分、これからいっぱい明久君と一緒に過ごすんですからね!」
嬉しいことを言ってくれるじゃないか。
「それと」
「ん?」
「やっぱり、瑞希って呼んで欲しいです」
腕に抱きつきながらの上目遣い。か、可愛い……。
恋人だもんね。それくらいどうってことないよね!
「み、瑞希……」
や、やっぱり結構恥ずかしいや。
「なんですか、明久君?」
胸に当たる確かな柔らかい感触と、その上で瑞希が顔をスリスリしてくる。ああ、幸せってこういうことか……
「呼んでみただけ」
こんな会話、まるでバカップルじゃないか。
「ふふっ」
「へへっ」
けど、それでいいかな。
「さあ明久君。恋人関係を築いたところで、私の両親に挨拶ですよ〜!」
「へ!?それはその、まだ流石に早いのでは!?」
「あ、明久君は私をその程度にしか見てなかったんですか?」
「別にそういうわけでは……ただ心の準備が」
「じゃあ大丈夫ですね、れっつご〜!」
「わわっ、瑞希!」

――この笑顔を、ずっと守っていけるなら――

このページへのコメント

去らば明久、安らかに眠れ…
まぁいい話でした

0
Posted by 匿名 2013年05月11日(土) 01:23:59 返信

良いストーリーですね( *・ω・)ノ

0
Posted by バカテス 2013年01月22日(火) 02:03:38 返信

いい話だと思います。
ストーリーも明久と姫路さんが結ばれることを、願います

1
Posted by 試獣召喚 サモン 2013年01月08日(火) 21:51:25 返信

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