2chエロパロ板の「井上堅二 バカとテストと召喚獣でエロパロ」の作品をまとめたサイトです。

えーっと、教えてもらった住所では確かこの辺だよね。途中のスーパーで買った飲み物とお菓子を持って、僕は木下家を目指していた。
「あ、ここかな」
表札に木下の文字。白を基調としたごく一般的な二階建ての住居、ここが秀吉と木下さんの家らしい。
さっそく玄関まで行ってインターフォンを鳴らす。
「はい」
「あ、えっと、秀吉君の友人の」
「あ、吉井君ね。ちょっと待って」
出たのは木下さんだったみたいだ。そういえば木下さんの家の両親とかはいるのだろうか。少し緊張するなぁ。
ガチャッと目の前のドアが開いて木下さんが出迎えてくれた。
「こんにちは。木下さん」
「いらっしゃい。どうぞ上がって」
「うん、お邪魔します」
玄関で靴を脱いで上がらせてもらう。休みだから当然だけど木下さん私服だ。
短めのスカートに素足でいるから、ふとももからスリッパを履いている足首まで露出していてすごく眩しくみえる。
「これ、飲み物とか買ってきたから」
「うん、ありがとう。あ、チョコレートも入ってる」
「勉強するなら甘いものがあってもいいかなって思って」
「そうね。でもなんか気を遣わせちゃってごめんね?」
「ううん、こっちこそ今日はお世話になります」
「ふふ、任せて。じゃあコップとか持って行くから部屋に行っててくれる? 階段上がって奥が私の部屋だから」
言われた通り階段を上がって行くと、二階には部屋が二つあった。正面にあるのが木下さんの部屋ってことは、こっちは秀吉の部屋なのか。
うーん、やっぱり女の子の部屋に入るのは緊張するなぁ。そういえば秀吉はどこにいるんだろう?
ドアノブを回してドアを開けると、女の子特有のいい香りが漂ってくる。木下さんの部屋は綺麗に整頓されていて落ち着いた感じの部屋だ。
いかにも女の子って感じのアイテムはあまりないけど、カーテンの色だったり、大きめのチェストが女の子の部屋ってことを意識させる。
部屋の真ん中にはガラステーブルと周りにクッションが置いてある。ここで勉強するのかな。
座ろうかどうか迷っていると後ろのドアが開いて、コップとお皿に乗ったお菓子をお盆に載せて持ってきた木下さんが入ってきた。
「あ、その辺に適当に座っていいわよ」
「うん。木下さんの部屋すごく綺麗だね」
「あはは、昨日頑張って掃除した甲斐があったわ」
なんて言ってお盆をテーブルの上に置く。オレンジジュースのふたを開けてコップに注いでいる。
「そういえば木下さんの親は今日は……」
「今日は二人とも出かけているわ。だから気にしなくて大丈夫よ」
「そうなんだ。ところで秀吉を見ないね」
と言うと、何故か木下さんが引きつったような笑顔になった。
「えーと、実はあのバカね今日になって急に部活の予定が入ったって言って、さっき学校に行っちゃったのよ」
そうだったのか、道理でさっきから見ないはずだ。
「そっか、秀吉も大変だね。日曜日なのに」
ってことは秀吉は今日参加できないのか、残念だなぁ……。つまりこの家には今、僕と木下さんと……あれ?
「二人だけ?」
つ、つまり僕はこれから木下さんと二人きりで勉強することになるの?
「そ、そうなるわね……」
テーブルの向かいに座ってる木下さんは顔を赤くして俯いている。多分僕も同じような表情になっていると思う。
うわぁ……どうしよう、こんな展開は予想してなかった。顔を赤くしてる木下さんもかわいいなじゃなくて! とりあえずこの空気を打破しなきゃ!
「あの、吉井君。もし嫌だったら……」
「じゃあ今日はいっぱい教えてもらえるね! 改めてよろしく木下さん」
「あ……うん! ビシビシ叩き込んでやるわ!」
こうして二人きりの勉強会は始まった。

「じゃあまずは、数学ね。テスト範囲になりそうな辺りの問題をコピーしておいたから、まずはこれを解いてみて。隣に書いてある時間を目安にしてね」
「うん、わかったよ」
A4サイズのコピー用紙を数枚重ねてホチキスで閉じてある物を渡された。
「分からない問題はとりあえず飛ばして解いて。後でまとめて教えるから」
シャープペンを持って問題に立ち向かう。
さて、一問目……うーんこれはちょっと難しいな、パスしよう。
二問目……この問題は見たことがあるぞ、確か……ちょっと思い出せないな、パスしとこう。
三問目……うわ、グラフが出てる。これ苦手なんだよね、パスしよう。
一枚目は終わりか。じゃあ二枚目に……。
「ちょ、ちょっと待って。解ける問題ないの?」
木下さんが焦ったように問いかけてくる。
「うん、一枚目の問題は難しすぎて」
ちょっと最初から難易度が高すぎる気がする。もう少し簡単な問題から始めないとね。
「一枚目は基礎部分で簡単な問題で、二枚目以降徐々に難しくなっていくんだけど……」
あれ?じゃあ表裏間違ったのかな。プリントの束を裏返してみた。
……おかしい、日本語で書かれているはずなのに何一つ理解できない。もしかして暗号になってるんじゃないだろうか。
「かなり基礎的な部分からやらないといけないみたいね……」
「すいません……」
「ま、覚悟はしてたからいいわ。じゃあ教科書も開いておいて。えーっとこれはね」
そう言いながら身を乗り出して、プリントを覗き込んできた。
距離がかなり近くなる。シャンプーの香りかな?木下さんからはすごくいい匂いがする。
いかんいかん、せっかく教えてもらってるんだから真面目にやらなきゃ。――ってうわぁ!!
「ん? どうかしたの吉井君」
きょとんとして聞いてくる木下さんの今の姿勢は前かがみになっている。するとシャツの間に隙間ができて……み、見ちゃだめだ。
木下さんは僕の視線に気づいて、自分の胸元に目をやって……
「きゃあ!!」
と、甲高い声を上げて後ずさる。
「……見た?」
「見てないですっ!」
少ししか。
「そ、そう。ならいいわ。隣少し空けてくれる? そっちにいくから」
そう言って僕の隣に腰を下ろす。確かにこれならさっきのようなことはないだろうけど、距離がさっきよりずっと近くなってドキドキする。
「ふぅー、さて続けるわよ」
結局、午前の間ずっとこの距離感に翻弄されることになった。


「さて、作り始めようかしら」
今アタシはキッチンに立っている。目的はもちろんご飯を作ること。
勉強に一段落ついたところで、丁度お昼時になったので昼食をとることにした。
最初こそ、頭を抱えたくなるような状況だったけど、勉強は思ったよりはかどっていた。
吉井君は確かに理解はあまり速くないし、お世辞にも優秀とは言えないけどその分、見栄を張らずに分からないことはちゃんと聞いてくるから教えやすい。
それに意外と集中力もあるみたい。うん、決して落ちこぼれなんかじゃない。世界史や日本史は結構点数取れてるみたいだし、努力し続ければAクラスにだって―
ってさすがにそれは言い過ぎかな。でももしそうなれば……ふふっ、ほんとにどうかしてるわね。
ちょっとしたハプニングもあったけどね。でも本当に見えてなかったのかしら、それはそれで勿体なかったような……。
バカなことを考えながら料理に使う食材を用意する。えっと、ネギと卵と焼豚で良かったわよね……あ、あと調味料とご飯か。
メニューはシンプルに炒飯を作ることにした。そもそも料理なんて全然しないアタシが凝ったものを作れるわけがないしね。
一応、レシピは見たし大丈夫なはず。というか炒飯くらい失敗しようがないわよね。
なんて私の考えは甘すぎる程に甘かった。
「むう、均等に切れないわね。ここを切ればいいかな……って、ひゃっ!!」
あぶな……指切るとこだったわ。
「よし、鍋温まったわね。えーと、卵なんてすぐ焼けるしご飯を先に炒めた方がいいわよね」
「やば、焼豚切るの忘れてたわ。うーん、なかなか小さく切れないわね。もっとこう………………うん! これならいいわ」
「ってご飯ご飯。あれ!? 焦げてる! あっ、油を引くの忘れてた! 油ってどこだっけ!? あーもう卵も入れなきゃ!」
「木下さん!? なんか大変そうだけど大丈夫!? 木下さん!?」

「…………」
「…………」
アタシ達の前にはとても炒飯とは呼べない物があった。料理は見た目より味って言ったって半分以上ご飯が焦げてれば食べなくても不味い事くらいわかる。
バカだなぁアタシ。変に見栄張らずに弁当でも買ってくればよかったのに。みっともないったらありゃしないわ。
よくよく考えれば、調理実習とかを除けば初めての料理なのよね。はは、妥当なんじゃない?この焦げご飯が。
「ごめんごめん。アタシ料理全然できないのよ、というかこれが初めて。ちょっと見栄張っちゃった。今お弁当買ってくるから待っててくれる?」
アタシがエプロンを外してキッチンから出ようとすると、吉井君はなぜか近くにあったスプーンを手にとって――目の前の焦げご飯を食べ始めた。
「ちょ、ちょっと吉井君!? なにしてるのよ!」
吉井君はアタシの言葉なんか聞こえてないみたいに次々とご飯を口に運んでいく。
「そんなことしなくていいってば! お腹壊すわよ!?」
ヒトの制止も無視して食べ続けている。力ずくで止めようとしたけどこっちに背中を向けてお皿を隠し、振り向いた時には既に全部食べきってしまっていた。
「もう! なんでこんなこと……」
こっちの言葉なんて意にも介さず、吉井君はアタシの方を見て、
「ごちそうさま。すごくおいしかったよ」
なんて笑顔で言ってのけた。
「ば、バッカじゃないの!? おいしいわけないでしょ!」
「そうかな? 食べてみたら全然いけたよ」
「全部失敗して、あんなに焦げてたじゃないの……」
「でも、食べても失神することもないしさ」
「なによそれ……全然フォローになってないじゃないバカぁ……」

『木下さんの分も食べちゃったから僕が新しく作ってもいいかな?』
その提案を了承して、今はキッチンに吉井君が立っていてアタシは後ろから見ている。
泣いちゃった……。涙を流したのなんていつ以来だろう。
吉井君はやっぱりバカ。あんなこと今時ベタな恋愛映画でもやらないっていうのに……。そんな風にしてくれるなんて反則じゃないのよ、もう……。
キッチンに立つ吉井君は手際よく準備を整えていく。包丁さばきもアタシの危なっかしい手つきとは段違い。
「吉井君は料理上手なのね……」
「それなりにね。料理は家庭内で一番立場の低い人がやるもんだって教え込まれたんだよね」
「あはは、なにそれ。吉井君のお母さんは作ってくれなかったの?」
「うちの家庭は母さんの独裁……いや、姉さんもいるから独裁じゃなくて……」
冗談かどうか分からないことをぶつぶつ言いながらも手は止まらない。
「電子レンジ使ってもいいかな?」
「え、うん。いいけど……ご飯温かいのに使うの?」
「うん、水分を飛ばすために少し使うといいんだ」
へぇー、そんなこと知らなかった。
「あとは、炒める前に卵をご飯に絡めてっと」
勉強は苦手みたいだけど、料理はAクラス並みたい。
なんてね。そしたらアタシは間違いなくFクラスだわ。
吉井君の作った炒飯はお店で出てくる物と比べても遜色ない出来だった。もちろんアタシは本心から言えた。
「ごちそうさま。すごくおいしかったわ」

ちょっとだけ慌ただしかったお昼ご飯を終えて、また木下さんの部屋で勉強を再開していた。
木下さんが料理できないのは意外だったな。でも、なんでも完璧にできる人なんてそうそういるもんじゃないよね。
料理を作ったのが初めてだって言葉を聞いて昔を思い出した。僕も昔はじめて料理した時は同じように失敗したっけな。
でもその時、母さんも姉さんも父さんもみんなおいしいって言ってくれてすごく嬉しかった。
そのおかげで、料理を作らされる機会は多かったけど、料理自体は結構好きになれたんだっけ。
隣で自分の勉強をしている木下さんをチラッと盗み見る。
泣かれちゃった時は正直すごく焦った。とりあえず土下座はしておいたんだけど、あやまらないでほしいって言ってくれた。
その時の木下さんは見惚れてしまうような優しい笑顔をしていて、その……すごく驚いた。
美人なのは分かってたけど、普段のしっかりした雰囲気とは違うところを見れて、それを思い出すと……胸がドキドキする。
僕の視線に気づいたのか木下さんがこっちを振り向いた。
「あ、終わったの?」
「うん、一応できたよ」
僕の解いたプリントに視線を運んで、一通り読み終わると笑顔になってくれた。
「うん、解けるようになってきたわね。答えも合ってるし」
「ホント!? 良かった」
木下さんの教えのおかげだよね。すごく教えるの上手だし、理解が遅い僕にもきちんと分かるまで説明してくれる。
そのおかげで、自分でも問題が解けるようになったのを実感できる。今日はホントに来てよかったなぁ。
「さて、それじゃもう時間もあんまり無いし、最後にこのプリントやってみて。今日の復習になってるから。時間は……40分くらいを目安にね」
「うん、わかった。やってみるよ」

「っと、よし。できた」
最後の一問を解き終わった。時間は……うわ、ぎりぎりだ。
でも、最初は全然解けなかったこのプリントも、今は空欄の一つもない。ちょっと自慢したくなってしまう。
「木下さん、出来た―」
声をかけながら隣に視線を向けると、木下さんはベットを背もたれにして寝ていた。
そりゃあ疲れるよね。出来の悪い僕に教えながら、合間には自分の勉強もしっかりやってたんだもん。
静かに寝息を立てる木下さんを見ながら最近のことを思い出す。
こんな風に、同じ部屋で二人きりで一緒に勉強したりするようになるなんて全然考えたこともなかった。
Aクラスで真面目で優秀な木下さんは、自分とは違う存在なんだって勝手に思ってた。
でも全然そんなことはなくて、普通に笑って、怒って、失敗して……こんな風に居眠りしたりもする。
最初に持ってたイメージとは違って、そして、そんな木下さんはすごく――
「うぅん……」
少し身じろぎしたけど、そのまま眠り続けている。
それにしても……やっぱり美人だよなぁ。寝てるのをいいことに木下さんの顔をまじまじと観察する。
肌もすごくきれいだし……うわぁ、まつげがすごく長い。それに、少し茶色が混ざった瞳は水晶のように澄んでいて……あれ、木下さん起きて――
「よ…しい くん?」
あ、僕いつの間にこんなに近づいて…、すぐに離れないと……はなれないと、いけないのに……
「きのした…さん」
「…………ん」
木下さんはまた目蓋を閉じて、僕はそのまま唇を……。
プルルルルルル!
うわぁ! この音は……携帯?
「あっ、え? あれ?」
木下さんは一瞬困惑したかと思うと、たちまち真っ赤になって携帯を握りしめてドアから出て行ってしまった。
あああ!! ぼ、僕はなんてことをしようとしてたんだ!
よりによってキ……うわぁぁぁ!
結局その後目一杯、自分の行為に身悶えしなければならなかった。

弟の関節を曲がらない方向に思いっきり曲げてやろう。そう固く決意したのは三十分程前のこと。
あの最悪にタイミングの悪い電話は秀吉からのものだった。内容はというと。
『今日の夕食は儂らしかおらんからのう、弁当を買って帰るつもりなのじゃがなにがいいかのう』
しかも、わざわざ公衆電話から。もう盛大に力が抜けた。
ちなみに吉井君はもう帰っている。まあ、あんなことがあったわけだし。電話を終えて部屋に戻ったら、なんかすごく悶えてたっけ。
なんでもないようにされるよりはよかったかな。二人とも意識しちゃって大変だったけどね。
結局会話も続かず、プリントの答え合わせだけしてお開きにしちゃった。あの雰囲気じゃしょうがないわよね。
吉井君……あれはやっぱりキス……しようとしてたのよね?
あのとき電話が無かったら……しちゃってたのかな。
付き合ってるわけでもないのにな。でも……全然いやじゃなかった。ううん、むしろ……。
頭がボーっとする。鼓動はずっと速いままだ。
「アタシは……吉井君が、好き、なの、かな……?」
マズイ。口に出しただけで心臓がバクバクいってる。こんなんじゃ……もうごまかしようもないわよね……。
今日は吉井君のいろんな面に触れた。情けないとこ、真剣なとこ、凄いとこ、そしてなにより……とんでもなくお人好しでやさしいところ。
「アタシは、吉井君が、好き」
ふふっ、こんなにあっさり好きになっちゃうものなのね。アタシ惚れっぽいのかな?
違うよね。たぶん吉井君だから……うん、きっとそう。
よし、そうと決まったら早速メールでも送ろう。いつまでも気まずいまんまじゃイヤだしね。
と、思ったら携帯にメールの着信音。この前個別に設定した吉井君用の。
あたしより、吉井君のほうが早かったみたいね。携帯を操作してメールの内容を見る。
『今日はホントにありがとう! それで、もし迷惑じゃなかったらまた勉強教えてくれないかな? 僕も頑張りたいんだ』
渡りに船ってやつね。アタシも同じこと提案しようと思ってたわ。早速返信を打ち始める。
『迷惑なんかじゃないわ、もちろんいいわよ。そのかわりに今度お料理を教えてほしいな。いいかな?』
送信っと。うん、アタシも頑張ろう。勉強も、料理も、そして……恋愛も。
「ただいまなのじゃー」
いいとこに帰って来たわね。今ならお姉さまは気分がいいから右腕だけで許してあげるわ。

 続く

このページへのコメント

さすが明久とうとう木下姉妹までもフラグを立てるとは・・・
そして逃げろ秀吉!腕が・・・関節が・・・

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Posted by バカテス 2013年04月10日(水) 00:13:25 返信

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