2chエロパロ板の「井上堅二 バカとテストと召喚獣でエロパロ」の作品をまとめたサイトです。

「…………なぜここにいる」
「うん?いやぁ、噂のムッツリ商会の繁盛っぷりを見せてもらおうと思ってさ」
放課後の校舎裏。売り上げを確認していた彼の横に、さっそうと現れたのは、緑のショートヘアの少女。
飄々とした彼女に、彼は少なからず興味と警戒心を持っている。
というのは、彼女が彼と同じ分野で戦う同志であり、かつ、実践派を自称して彼を挑発するからに他ならない。
ともあれ、あまり積極的にかかわると、いろんな意味で血を見る、そういう相手なのだ。
「…………もう店じまいだ。帰る」
「えー、なんでさ?あ、ボクがいちゃ邪魔?まぁ、そりゃそうだよね。抱き枕買ってるとこなんて人にみられたくないもんね」
うんうん、とうなずく彼女の横で、彼はさっさと荷物を片づける。
「…………帰る」
「あ、ちょっと!待ってよムッツリーニくん!待ってくれないと……(ぴらっ)」
「…………!(ぶしゅうう)」

***

「…………それで、俺に何の用だ」
出血→輸血という一連の流れを終えて、彼はしぶしぶ彼女に向き合う形になった。
「うん。実はムッツリーニ君に聞きたいことがあって」
「…………何だ?」
彼の正面に座りこんだ彼女のスカートは短い。
意図しなくても太ももがかなり見えていて、その奥にあるのがスパッツだとわかっていても視線がいってしまう。
そんなことはお見通しなのか、彼女はあくまでニコニコと、さわやかに言い放つ。
「ムッツリーニ君の参考書(エロ本)の隠し場所、教えてくれないかな?」
「…………却下だ。」
立ち上がろうとする彼の袖をつかんで、彼女は食い下がる。
「もう、待ってってば!あ、わかった、じゃあボクも何かムッツリーニ君の質問に答えるからさ?それでいい?」
何がどうそれでいいのか。
つっこみたいところではあったが、彼女のハニートラップに引っかかる間もなく逃げようとした彼の頭に、ふと一つの疑問が思い出される。
実は彼も、彼女に聞こうと思っていたことがあった。
参考書の話はまた別としても、彼から彼女に接触する機会はそうないのだから、ここで聞くのもいいかもしれない。
「…………俺も、聞きたいことがある」
座りなおした彼にほっとした表情を見せて、彼女は先を促す。
「うん、何?」
「…………お前の言う実践の相手は誰だ?」
「え?」
あまりにもストレートな質問に、普段は余裕綽々で対応している彼女も、目を丸くする。
しかしそんな様子には構わず、彼は続ける。
「…………転校前の学校のことも調べたが、お前とそのような関係になっている男はいなかった。
 …………であれば、実践派という自称そのものが疑わしくなる」
あくまで敵情視察として、少し調べさせてもらった、と彼が付け加えて話を結ぶまで、彼女はぽかんとしていた。
「なんだ…………ムッツリーニ君、やっぱりボクに興味があったんだ」
「…………っちがう!」
拳を握りしめて否定する彼に、彼女はいつもの調子を取り戻す。
「アハハ、ムキにならなくていいよ。でもちょっと心外だな、僕の実技を疑われるなんて」
いたずらっぽく笑った彼女は、ほんの少し目を伏せて、いつもとは違う表情で続けた。
「証明、してあげようか。ボクの実技がホンモノだって」

***

いつもならあの一言で失血死していただろう彼が今ここにいるのは、神の僥倖としか思えなかった。
いや、実は彼女からの挑発で一度出血した後、また何かあると予想して、処置していたのが功を奏したのだが。
「じゃあ、いいかな?」
水泳部の更衣室。長いベンチにタオルを敷いて、そこに二人は並んで腰かけていた。
そうして彼の顔を覗き込む彼女は、間違いなく美少女だ。かわいい。上目遣いだけでも、それなりの破壊力はある。
「…………(ゴクリ)」
目の前で瞳を閉じる彼女は、油断ならないいつもの彼女とは別人に見える。
薄暗いせいか、鼻につく塩素の匂いのせいか、いや、まずこの距離の近させいか。
ともあれ彼の頭の中には、これまでに詰め込んだありとあらゆる保健体育の知識が渦巻いていた。
「…………」
まずは唇を重ねる。柔らかい。顔を近づけると、ほんのりと彼女の甘い体臭が鼻をくすぐる。
唇をついばむ。もちろん彼女もそれに応じる。舌を伸ばして唇を舐めれば、それにもすぐに応える。
軟体動物のような舌を絡ませ、口内を貪る。
「は、む……」
「…………ん」
実技であろうとなんだろうと、保健体育で彼女に負けるわけにはいかなかった。
というのはもちろん彼女も同じことで、自然と口付けという名の実技の応酬も長くなる。
ややもすればがむしゃらになりそうな彼と違って、彼女は時折、控え目に動く。それがまた男を深追いさせる。
その必死さに、彼女も少し押されてしまったのか、つと彼の服を引っ張って止めるよう促す。
ようやく口を離すと、どちらのものともいえない唾液が糸を引く。
「は……ムッツリーニ君、急ぎすぎ」
そういう彼女の瞳は熱っぽくて、また、ついた息も色っぽくて。
「…………っ」
もう一度口づけて、ためらうことなく腕をまわして身体を抱き寄せる。
一瞬驚きに震えた彼女も、彼の背に腕を回す。
密着した体は熱くて、そのうえ柔らかくて、これが女子の体か、とまだ冷静な部分が確かめる。
そして冷静な彼の体は、これまで蓄積してきた知識を実行に移す。
そっと背をなぞり、無防備な腿に指を這わせる。
ひくりと彼女が震えて、彼にすがりついて、その実践が成功していることを証明する。
するするとスカートの中に手を進ませると、彼女が口付けから逃げる。
けれどそれは、決して消極的なものではない。その証拠に、彼女はいつものように、男を挑発する笑みを浮かべている。
「ふふ、やっぱり、スパッツの中が気になる?」
そういえば最近、そんなことを彼の召喚獣が口走ってしまったような気がする。
というか要するに、それは本心だ。気になるもんは気になるのだ。と、開き直れる彼でもないのだが。
「…………そんなことは」
「いいよ。でも、脱がせにくいだろうから……」
徐に立ち上がって、彼女は自らのスカートの中に手を入れ、スパッツだけを脱ぐ。
「はい。これで問題ないでしょ?」
すとんと、再び腰を下ろした彼女は、まだまだ余裕と言った風情で笑う。
しかし、床に脱ぎ捨てられてスパッツは、なんだか妙に生々しい。
それでも彼は、『保健体育では負けられない』という、こういう場面にはイマイチ似合わない気合いでもって、彼女をベンチに押し倒す。
「わっ……だから、急ぎすぎって……んっ」
抗議しかけた彼女が息をのんだのは、服の上から胸をもまれたからだ。
彼の手は円を描くように彼女の胸をもみしだき、合間に先端をこねる。
常にノーブラと公言している通り、服越しに伝わる感触は肌そのものだ。
おかげで、ほんの少し触れただけで、胸の先端がぷっくりとたちあがって、服の上からでもよくわかる。
それを指摘するようにこりこりとつまんでやると、高い声が漏れる。
「んんっ……ぁんっ気持ちいい、よぉ、ムッツリーニくんっ……」
「…………っ」
見た目にはいつもどおり服を着たままだというのに、この淫靡さはなんだ。というか、その目つきはなんだ。
いや、それより何より、さりげなく彼女が膝を立てているせいで、魅惑のミラクルゾーンが見えそうだ。
というか、ちょっと下がれば見える。確実に見える。どうなんだ。ここは見るべきなのか、それとも脱がせるべきなのか。
ここで「見るためだけに」身体を離すのは流れをブッタ切るからナシなんじゃないか。
とはいえ見ないで脱がせるのはあまりにもったいないのではないか。どうすればいいんだ。どちらがベストアンサーなんだ。
「…………」
などと悩むこと、数秒。
「は……あ、んんっ」
胸への愛撫を片手にまかせ、もう片方の手を太ももに滑らせ、まずはスカートの中に進む。
そしてまだ見ぬ神秘のヴェールに触れて、するべきことは。

「ひゃ、そこっ……」
ヴェールの上からの愛撫、それが寡黙なる性識者の出した答えだった。
まずはゆるりと、軽くなぞるようにたしかめる。
思った以上に柔らかく、頼りないそこは、しっかりと熱をあげている。
真ん中あたりに指を這わせて、一番敏感なモノがあるあたりを強めにこする。
「あっ、そこはっ……ひゃ、やぁんっ!」
びくびくと震える体。可愛い悲鳴。すがりつく手。
今のところ彼が圧倒的に優位で、彼女はただうちふるえているだけ、なのだが。
「…………っ」
そんな状況で、いつもは鼻から噴出するはずの血液が下半身に集まって、彼は彼なりにかなりのピンチに陥っていた。
そうなると当然その有様は彼女にもわかってしまうわけで、肉食系女子も黙ってはいない。
「あ、あっ……ムッツリーニくん、も……っしてあげるっ」
「…………っ!?」
頼りなさそうにすがりついていた手が、生き生きと彼の体を降りていって、硬く立ち上がったそれを服の上からなで上げる。
のみにとどまらず、つかんだり、先端を手のひらでこねたり、これぞ本領発揮という勢いで、一気に彼を追い詰める。
「…………くっ」
制服の上からでも、そういう刺激を女性から与えられているというだけで、かなり興奮する。
そして苦しい。
休まず彼女を攻撃していた手を止めて、彼は身体を引く。しかし撤退ではない。新たな攻勢に出るためだ。
しかし彼女は逃げたと思ったのだろう、意味ありげな笑みで彼を眺めていた彼女は、彼の動きでぱっと頬を染める。
彼女の膝を抱えて、足を開かせる。そこには、ぐっしょりと濡れそぼった水玉模様の布があった。
「…………濡れてる」
「っ!そ、それは、だって、ムッツリーニ君がえっちなことするから、気持ちよくて……」
と、あまり恥じらうでもなく、それでも慌てたように言い訳を言うあたり、本当に実践派なのかと疑いたくなる。
「…………つまり、快感によって愛液が分泌された…………性交渉の準備をしている、ということ」
「む、ムッツリーニくんだって、もう準備が――ひゃっ!?」
するりと、その濡れた水玉を脱がせれば、いやらしく糸を引いた粘液が目に飛び込んでくる。
途中で途切れたそれは彼女の太ももに落ちて、ぬらぬらと光って彼を誘惑する。
「…………(ペロリ)」
「えっ!?ひゃ、ちょ、ムッツリーニ、くんっ……!」
太ももに落ちた粘液を舐めとり、そのまま脚の間へと進んでゆく。
むせるような女の匂いがするそこは、参考書で知っていたつもりだったが。
「…………ここが、大陰唇……小陰唇……」
眺め、名称を確かめ、舌を伸ばす。
「や、だめ、シャワー浴びてないから、汚いよっ……!」
シャワーを浴びずにこうされるのは初めてなのだろうか。やはり、言うほどの経験はない、と判断せざるを得ない。
そもそも、ここまでしている男が、その程度の抵抗で止めると思っているのだろうか。
ともあれ、今は知識を経験にしている最中だ。このチャンスを十分にモノにしなければ。
「…………(ちゅぷ、ちゅうっ、じゅううっ)」
「ひゃ、やぁ、吸っちゃだめぇっ……」
丹念に口を動かす彼の頭を、彼女の引き締まった太ももがはさむ。
かわまず、生温かい愛液をすする。汗のようなしょっぱさと、なんともいえない風味がする

これはまさに、体験しなければわからない部分だろう。
時折陰核を吸うと、びくりと身体が跳ねる。
「ムッツリーニ、くんっ、も、もぅ、だめっ、きもち、いぃっ……」
息を乱して、身体を震わせて懇願する様は、かえって男を挑発すると、知っているのか。
「…………まだ、指も入れていない」
言葉とともに指をさし入れると、予想以上に熱い粘液と肉壁に包まれる。
ここに自分自身が入っていくと想像するだけで、彼自身が気持ち良いような錯覚に陥る。
「あ、あぁ……ん、もっと、奥……して……」
ゆるゆると、入口の近くを行き来していた彼にねだる彼女の顔も、これでよく見える。
いつもはぱっちりと開いている大きな目が、少し虚ろになっている。
息が上がったせいか、頬に血が上って、ほんのりと色づいている。
「…………(いい)」
もっと過激で直接的な画像なんていくらでも見ているのに、やはり目の前にすると違う。
何より、自分が触れている場所の熱と、それが直接つながっていることがよくわかる。
ねだられるまま指を奥まで突っ込んで、その締め付けとぬめりとを味わいながら動かすと、彼女の表情も変わる。
「んふ、あぁ、んっ……あ、あ、ソコ、いいっ……」
声の高さや、大きさも、彼の指一本で面白いように変わってしまう。
もちろん(保健体育に限っては)勉強熱心な彼は、それをつぶさに観察し、自分のモノにする。
「あ、やぁ、だめぇっ、そこ、イイのっ……っ!」
すがりつく彼女の、今にも泣き出しそうな表情につばを飲み込みながら、彼は手を動かし、彼女の中を蹂躙して。
「ひっ、だめ、そこっ、クリ、しちゃあっ……っあ、ひやぁあんっ!」
油断していた場所まで一気に攻め立てれば、彼女を追い込むのもそう難しくはなかった。

ビクビクと震える体がおさまり肩で息をする彼女の姿を、彼は割合に落ち着いて見ていた。
いや、彼の体にはすでに熱が上がり、脈拍は常より早くなっていた。
けれど、それを彼女に知られない程度には冷静だった。日ごろの無口さも役に立ったようだ。
「は、あ……ムッツリーニ君……実技も、上手だね」
「…………」
どうこたえるべきか、逡巡している彼に笑みを向けて、彼女はゆっくりと体を起こす。
汗で張り付いたシャツからは肌色が透けて見え、胸の先端も確認できる。そういえばまだ直接触っていなかった。
という、彼の考えを知ってか知らずか、彼女は自分のネクタイを外し、シャツのボタンをいくつか開けて。
「今度はボクの番だね。実技でなら負けないよ?」
ベンチに腰をおろしていた彼に迫って、ベルトに手をかける。
「…………!?」
何を、と言うまでもなく、彼女のしようとしていることはわかったが、慌ててしまう。
そして慌てながらも、ちらちらと胸元が見えて、そちらに視線がいってしまう。
これを計算してのさっきの脱ぎだったのか。だとすれば実践派の名は伊達ではない。
などと感心している間に、窮屈な場所から分身が解放される。
「わ……もう、やる気マンマンだねー」
細くて、自分のよりも柔らかな指が添えられる。
「じゃ、覚悟してね?」
見上げる瞳はいつにもまして楽しげで、それでいて妖しい熱を帯びていて、思わずつばを飲む。
先端を舐め上げる舌に戸惑いはない。唾液を垂らして潤滑油にして、細い指が竿をしごく。
それだけで、自分でするのとは全く違う快感が背を走る。
ぱくりと口に含まれれば、その温かさと感触に、ぞわりと身を震わせる。
「ふふ、きもひいぃ?」
自分をくわえたまま、見上げてしゃべる彼女の頭に、自然と手がいく。
「…………あぁ、いい」
くしゃりと髪をなでると、彼女は嬉しそうに目を細める。
「は、む……んん……」
舌は別の生き物のように勤勉に、裏筋を舐めたり、先端をはじいたりと休みなく動く。
吸いつかれながら柔らかな唇でしごかれると、たまらない。
「…………くっ…………」
「ふ、むぅ……んんっ」
じゅぷじゅぶと、いやらしい音が響く。
かと思うと、ゆったりとした動きを始めて、もの足りないと感じさせる。
思わず腰を押し込むようにみじろぐと、ちらりと彼を見上げて、先端に吸いつく。
唇を先端まで滑らせて、喉の奥まで一気に押し込み、吸いつきながらまた頭を上げる。
再び激しくなった責めに、いっきに発射の予兆がせりあがってきて、思わず彼女の頭を引き離す。
「んっ……!?」
驚きに目を見開く彼女に、ばつの悪い顔を見られないように、そのまま勢いで彼女をベンチに押し倒す。
「あはは、イきそうだった?どう?ボクの実技は」
「…………まぁまぁ、だ」
苦し紛れの一言はバレバレのような気もするが、これは一応男として言っておかないといけない、気がする。
それにしても、やはり実践派の名はホンモノだったようだ、と思うと、少々癪だ。
一体今までどんな男と実技の技術を磨いてきたのか、と、当初の疑問を思い出すと、なぜかますます癪だ。
とにかく自分の手でこの女を抱かなければ、この鬱屈は消えそうにない。
「…………まだ、脱がせていなかった」

「あぁ、そうだねぇ」
やけに気負いを感じている彼とは対照的に、彼女はどれだけ快感に喘いでも呑気に見える。
彼が器用に彼女のボタンをはずすと、呑気な彼女も手を伸ばして彼のネクタイを外し、ボタンをはずす。
露わになった彼女の胸は汗ばんで、桃色の先端が彼を誘う。ので、迷いなく口をつける。
「ん、あんっ、やぁ、気持ちいぃっ……」
コリコリと先端を舌で転がしながら、もう一方は手でもみしだく。
「はぁ、あ、あっ……っ」
あっという間に声をあげてすがりつくのは、先ほどの余韻が残っているせいか。
頭を抱かれると離れることもできず、夢中で胸に吸いつく。
「ムッツリーニ、くっ、だめぇ……っ」
びくびくと震えて、せっぱつまった声が聞こえて、ようやく頭を離す。
息を乱している彼女を眺めながら、スカートに手をかける。
力の入らない彼女も腰を浮かせて、脱ぐのを手伝う。
一糸まとわぬ姿になって、よくしまった体のラインがよく見えるようになった。
「は……きて、ムッツリーニ君……」
「…………待て」
「え……?」
「…………準備が必要」
当然、保健体育を得意とする彼女なら理解できるはずなのだが、それもおぼつかないほどの状態だったということか。
彼は完全にいきりたった自身をオブラートに包んで、ようやく彼女の脚を割る。
「…………いくぞ」
「う、うん……」
うなずいた彼女が、これまでよりほんの少し控え目に、視線をそらしたのは気のせいだったのか。
腰を押し付けると、ぬるりとした粘液が邪魔をして、外側を滑ってしまう。
今一度手を添えて中心にあてがい、ゆっくりと腰を進める。
「いっ…………」
「…………!?」
苦しげな声に、思わず彼は動きを止めた。
それに気づいた彼女ははっとして、ばつが悪そうな顔をする。
「ご、ごめん……ゆっくり、して……」
言いにくそうに言ったとの言葉が示す意味は、おそらく。いやまさか、と逡巡しつつも、他に答えは見当たらない。
なぜかここにきて一気に、自分の心臓が脈打つのを感じた。
「…………処女、なのか」
「……うん」
こくりとうなずく彼女は、とても気まずそうで、かつ恥ずかしそうでもあった。
「い、意外かもしれないけどさっ!でも、その……そういうことだから、優しくして、ね?」
彼にとってはもちろん、これは意外な事実だった。あれだけ実践派と自称し、かつこうして、実技を披露しているというのに。
実践派を名乗るなど笑止、と勝ち誇れる状況ではあるのだか、それより彼が感じたのは。
「…………少し、嬉しい」
「……え……?」
自分のつぶやきの意味を深める間もなく、彼は彼女の耳に顔を近付けて。
「…………なんでもない…………いくぞ」
ゆるゆると、先ほどよりも慎重に腰を進める。とにかく未開のそこは狭くて、キツくて、それでいて熱く濡れていて。
オブラート越しとはいえ、手とは比べ物にならないくらいに気持ちがいい。
けれど彼の背に回された彼女の腕が、必死ですがりついているのがわかる。
「…………痛いか」
問いかけると、ぎゅっと瞑っていた目を見開いて、首を振る。
「だ、大丈夫!思ってた程じゃない、というか、その、大丈夫だから!だから……」
やめないで、なんて囁くのは、反則だと思う。

「…………力を抜け。…………息を、吐くといい」
「う、うん…………は…………ふっ……んんっ……」
苦しげな、鼻にかかった声を聞きながら、浅いところをゆっくりと行き来してから、腰を進める。
思いやりを持ってそんな動きをしていても、彼自身はどうしようもなく気持ち良くて、ただでさえ狭い彼女の中で暴れてしまう。
ゆったりとした動きでもこれだけ気持ちいいのに、思うように腰を動かしたらどんなにか気持ちいいのか。
それを実行に移さないでいるのも、一重に理性と言う名の天使のおかげなのだが、そうはいっても限界というものはある。
ひときわ狭い場所までたどりつくと、一度息をついて。
「…………すまん」
「……い、いいよ……ムッツリーニ君の、好きにして……」
ほんの少しおびえたように言う彼女は、いつもの姿からは想像できないくらい、健気で、愛らしかった。
「……っ!」
彼女の腰をつかみ、奥深くへと侵入すると、彼女の表情が一層険しくなって、息をのむ。
破瓜の痛みは猫のような大きな瞳に涙を浮かばせるが、それに構っていられる余裕はなかった。
一気に最奥まで押し進み、引き抜くと、若く異物を知らない肉壁が絡みつく。
「っひ、いっ……っ!」
苦悶の表情と悲鳴とを頭の片隅にひっかけながら、それでも彼は動きを止めることはできない。
実技で彼女を上回るという一種の目標は、今は無意味になっていた。
彼女が快感を得られないなら、いっそ早く終わらせてやって方が彼女のためにもなる。
都合のいい言い訳にもなりそうな答えに向かって、がむしゃらに腰を振る。
「む、ムッツリーニくっ……ひ、いあ、あぁっ……!」
背中に爪が食い込んでも、いつの間にか彼女の瞳に浮かんでいた涙がこぼれていても、同じことだった。
むしろ、そうされるほどに一種の欲望が満たされるようで、止めるわけにはいかなかった。
自身の先端から根元まで、余すことなく刺激を与えるように深く、素早く抜き差しを繰り返す。
卑猥な水音と彼女の悲鳴とを聞いているうちに、再び射精感が襲ってくる。
そこで彼女の足を抱え上げ、より深く、奥まで自身を突きたてる。
「ひっ、あ、あぁっ……っ!」
首を振り、涙をこぼしながらも彼女は彼にすがりつき、彼の腰に足を絡める。
「…………くっ!」
その貪欲さに応えるように、きっと苦痛しかないだろう彼女の最奥に突き進んで、腰の奥からせりあがってくるものを吐きだす。
普段鼻血として出ている欲求が、幾度も彼女の中に出て行こうとしているのがわかる。
涙でぐしゃぐしゃになった彼女の頬をぬぐってやって、ようやく落ち着いた分身を引き抜くと、最後の快感に震える。
引き抜いたそれには、間違いなく赤いものが混じっていて、今さらながら自分の行いを思い知る。
「……は……ムッツリーニ君……」
少々反省しながら処理をした彼に、彼女は手を伸ばす。
起こして欲しいのだろうと手を取った彼を、彼女は予想外の力で引き寄せた。
自然と彼女の上に倒れこんで、思わず表情をうかがうと、やけに満足げに微笑んでいる。
「ふふ、ありがとう、ムッツリーニくん。ボクの初めての相手になってくれて」
汗ばんだ肌を密着させていると、なんだか妙に大人になったようで気恥ずかしい。
「…………感謝されるようなことはしていない」
「そんなことないよ。ボク、初めてはぜったい、好きな人とって決めてたんだから」
「…………!?」
突然の告白に思わず目を見開くと、彼女はむっとしてみせる。
「あーっ、なにその顔っ!もっと喜んでよね!勇気を出して女の子が告白したんだからさ!」
「…………本気か」
つい本音で聞き返してしまったが、その問いも彼女にはますます不満だったようで。

「もう!ムッツリーニ君のバカ!」
むにゅ、と頬を思い切りつねられる。
「…………痛い。いや、すまん」
「ほんとに悪いと思ってる?」
「…………思っている。だから手を離してほしい」
ようやく手を離して、彼女は再び彼を驚かせる。
「じゃあ、ムッツリーニ君は?ボクのこと……その……好き?」
再び目を見開いた彼は、その瞬間に、自分でも不思議に思っていた疑問が解けた。
そして少々恥ずかしかったが、彼女の頬を軽くつねる。
「なっ、何するの!?」
「…………俺はお前の実技の相手が知りたい、と言った」
「ふぇ?うん、言ってたねぇ」
「…………好きじゃなければ、そんなこと気にならない…………と、思う」
「…………え?い、今のって、つまり」
ようやく熱が下がってきたはずの彼女の頬が赤く染まる。
頬をつねっていた手を離して、無理矢理頭を抱く。
「…………2回は言わない」
「……うん。……えへへ。嬉しいなぁ」
ふにゃ、と緩んだだろう彼女の表情を見たい気もしたが、彼女と同じくらい赤くなっている顔を見られるわけにもいかない。
「ボクもお兄ちゃんと約束した甲斐があったよ」
「…………!?」
突然の発言に、思わず彼女頭をひきはがし、至近距離で問い詰める。
「…………兄、だと…………!?」
「え?う、うん……僕に実技を教えてくれたの、ボクのお兄ちゃんなんだけど、初めては好きなやつにとっておけって……」
―…………実の兄だと…………近親相姦、いや、本番までは達していない…………とはいえしていることは実技に他ならない…………だが見ず知らずの男よりは…………という問題でもないのでは…………
予想外の解答が予想外のタイミングで舞い込んできて、彼の頭の中は混乱した。
「ボク、ムッツリーニ君と出会うまでは、いっそお兄ちゃんでいいかなーなんて思ってたんだけど、やっぱりムッツリーニ君で良かった……って、聞いてる?」
「…………(ハッ)聞いている」
とりあえず、悶々としていた疑問は解決された。予想外の結末ではあったが。
そう彼が自分を納得させていると、彼女がたたみかけてくる。
「そっか、それじゃ僕の番だね」
にっこりと笑った彼女の意図がつかめず、次の言葉を待つ。
「ムッツリーニクンの参考書の隠し場所、教えてもらう約束だったよね?」
「…………!」
逃げ出そうとした彼の体をがっしりと抱きしめて、彼女は笑う。
「逃げようったってそうはいかないよ、ムッツリーニ君。何せこれからは一緒に実技のお勉強をする仲なんだからね」
その発言内容は非常に魅力的なのだが、とにかくこの場所から脱出せねば。
そう焦る彼の表情を楽しげに眺めている彼女とは、長い付き合いになりそうだった。

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最高です(^O^)

1
Posted by 赤髪のモモ 2011年05月12日(木) 19:55:21 返信

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