幻覚特異点 
- 幕間の物語 とある調教師と調教助手の昼下がり〜懲りない男を添えて〜
- A.D.2022 泥中冀望都市大井 北西に吹く勝運の風
- A.D.2017 前代未聞偉業京都 咲かせた三束の花束
- 幕間の物語 夢舞台地中山 とある人馬の約束
- A.D.2022 ぐだぐだ元凶大集合 ユーイチだらけ
- A.D.1977 怪物通過劇場 府中 スーパーカーの未練 〜いくら何でもこんなんダメやろ…〜
- A.D.2014 唯一無二奪冠行路 東京 栄光へ至る片道切符
- A.D.1999 降臨世紀末覇王 〜消えない記憶、残らない記録〜
- A.D.2017 唯我逃走廻戦 京都 命短シ一人旅セヨ乙女
- A.D.？？？？ 絶対支配領域福永 覚醒した特異点の王
その他幻覚
『第2回特異点リーディング結果発表』
【第2回特異点リーディング 結果発表】
9位タイ：リュウセイ、ミユピー（4回）
→リュウセイ、特異点慣れしてきたな…本人もちょこちょこ関わりだしたけど、偉大()な先輩がたと違って血統IFやら何やら動機が比較的ほほえましいのが大きなポイント。ミユピー’s特異点はやはり光と闇を反復横跳びする落差。風邪ひくわ。
8位：ユーガ（5回）
→一度お手馬とキャンプした以外は真面目に、いたって真面目に(重要)特異点を作っている。まだサブキャラ感はあるもののジワジワ数を伸ばしてこの順位に。最近は犯人というよりリュージのところにニュッと生えてきて同行しがちな印象。
7位：タケシ（7回）
→集計してて一番の驚き。ダービーに囚われた男をやめて拗ねレイシフトするようになってから史実のごとく急成長しました。逸材です。今回からは構文に加えて明らかに犯人が分かるやりとりも集計対象にしたので、その恩恵も大きかったかも。
6位：ケンイチ（9回）
→前回リーディングからあまり伸びず。巻き込まれる回数自体はこれまで通りなものの、自分から特異点どうこうという立場にはあまり回りませんでした。最近はギャンブル関係なく扱いが両津ケンイチ寄りになってる気がしなくもない。
5位：リュージ（10回）
→最近は美浦勢が台頭してきたりユーイチのぐだイベで強制的に巻き込まれたり、何かと前ほどレイシフトの過酷さが軽減した気がしてましたけど…やっぱり疲れてるんですね、思ったより発生してました。リュージはもう少し休め。
4位：ノリヒロ（12回）
→最初は全員湿度高めでシリアスだったはずなのに、1人がコメディ特異点を作ったことで全員に化学反応が。最近は上位のトリックスターとして、便乗レイシフトしたり審査員として登場したりして活躍(？)中。さすがは結界師の先輩。
3位：ユーイチの冤罪（13回）
→あのですね、実はしばらく冤罪かけられてなかったんですよ。それでノリさんが3位の期間が結構長かったんですが…なんか盛り返してきたんですよね。思いましたよ、これが運命力かってね。やっぱりユーイチってすっげえ！
2位：結界師（27回）
→武一族にできることが増えていくことで強化されていくレジェンド。VS三冠馬あたりから複数人が絡んでるときの代表として色々しがちな傾向になってきましたね。あとカウンター、カウンター多いです。ユーイチの。
1位：ユーイチ（34回）
→いや〜特異点リーディングジョッキーは強かったですねえ。ユーイチが大人しかったスレもあったので、集計中に親の人も一時は「あれっこれユーイチ首位陥落か？」と思いましたよ。やっぱり強いものは強い(白目)
若い力が割って入ってはきたものの、世代後退を覆すことはできず…という現実世界のような結果になりました。まとめてて楽しかったので、どのスレで誰がいくつ作ったかの内訳表(集計の副産物)も貼っときますね。
9位タイ：リュウセイ、ミユピー（4回）
→リュウセイ、特異点慣れしてきたな…本人もちょこちょこ関わりだしたけど、偉大()な先輩がたと違って血統IFやら何やら動機が比較的ほほえましいのが大きなポイント。ミユピー’s特異点はやはり光と闇を反復横跳びする落差。風邪ひくわ。
8位：ユーガ（5回）
→一度お手馬とキャンプした以外は真面目に、いたって真面目に(重要)特異点を作っている。まだサブキャラ感はあるもののジワジワ数を伸ばしてこの順位に。最近は犯人というよりリュージのところにニュッと生えてきて同行しがちな印象。
7位：タケシ（7回）
→集計してて一番の驚き。ダービーに囚われた男をやめて拗ねレイシフトするようになってから史実のごとく急成長しました。逸材です。今回からは構文に加えて明らかに犯人が分かるやりとりも集計対象にしたので、その恩恵も大きかったかも。
6位：ケンイチ（9回）
→前回リーディングからあまり伸びず。巻き込まれる回数自体はこれまで通りなものの、自分から特異点どうこうという立場にはあまり回りませんでした。最近はギャンブル関係なく扱いが両津ケンイチ寄りになってる気がしなくもない。
5位：リュージ（10回）
→最近は美浦勢が台頭してきたりユーイチのぐだイベで強制的に巻き込まれたり、何かと前ほどレイシフトの過酷さが軽減した気がしてましたけど…やっぱり疲れてるんですね、思ったより発生してました。リュージはもう少し休め。
4位：ノリヒロ（12回）
→最初は全員湿度高めでシリアスだったはずなのに、1人がコメディ特異点を作ったことで全員に化学反応が。最近は上位のトリックスターとして、便乗レイシフトしたり審査員として登場したりして活躍(？)中。さすがは結界師の先輩。
3位：ユーイチの冤罪（13回）
→あのですね、実はしばらく冤罪かけられてなかったんですよ。それでノリさんが3位の期間が結構長かったんですが…なんか盛り返してきたんですよね。思いましたよ、これが運命力かってね。やっぱりユーイチってすっげえ！
2位：結界師（27回）
→武一族にできることが増えていくことで強化されていくレジェンド。VS三冠馬あたりから複数人が絡んでるときの代表として色々しがちな傾向になってきましたね。あとカウンター、カウンター多いです。ユーイチの。
1位：ユーイチ（34回）
→いや〜特異点リーディングジョッキーは強かったですねえ。ユーイチが大人しかったスレもあったので、集計中に親の人も一時は「あれっこれユーイチ首位陥落か？」と思いましたよ。やっぱり強いものは強い(白目)
若い力が割って入ってはきたものの、世代後退を覆すことはできず…という現実世界のような結果になりました。まとめてて楽しかったので、どのスレで誰がいくつ作ったかの内訳表(集計の副産物)も貼っときますね。
- 29スレ目の「ユーイチ：5」で腹抱えて笑った
- 29スレ目頑張り過ぎだろユーイチwwwそんなとこで頑張るんじゃないよお前www
- 29スレ目ってアレか……2連チャンの猫化特異点(犯人:ユーイチ)が有ったスレか！…………そら累計が5になるわ(納得)
- ここに魔法使いデットーリやらホーさん新規加入もあったからな29スレ目…情報量が多すぎる
- リュージ・ユーイチが揃って2桁数の特異点作ってるの見ると……ダイチももっと作ってええんやで？マジェスティバイオと中山大障害出たかったやろ？(一般通過結界師)
- そんなんだからユタカストッパーの案にテンポイント、スズカでも見せるかなんて言われるんやで？
『結界師による血も涙もないユーイチストッパー無効化対策』
結界師「そうかぁ、ユーイチかてずっと大人しくやられはしいひんよな。仕方ないなぁ…」
⏰
ユーイチ「ｾﾞｪ…ﾊｧ…やっとできたで阻止プログラム。タダでショック食らっとったわけやないんですよユタカさん。これで全部元通り、っと」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
ストッパー『ﾋﾞｰｯ！ﾋﾞｰｯ！』
ユーイチ「あれ？こんなん今までなかったで」
ストッパー『⚠️警告⚠️システム無効化要求を受理。実行する場合は、確認項目にチェックを入れてください』
ユーイチ「あ〜確認画面みたいなやつか。実行するに決まって…」
ストッパー『福永ユーイチのキングヘイロー騎乗記録、消去。シーザリオ騎乗記録、消去』
ユーイチ「は？？？」
ストッパー『ミスターメロディ騎乗記録、消去。コントレイル騎乗記録、消去、ピクシーナイト騎乗記録、消去…10秒以上操作がありませんでしたので、自動的にシステム無効化を実行しま…』
ユーイチ「うわあああああしません！実行しません！無効化やめますから止まってええええ」
〜武一族遠隔確認中〜
結界師「よしよし、ちゃんと機能しとるな」
ヒデノリ「あれ？あのストッパーあんな機能ついてましたっけ」
結界師「あ〜この前付け足してん。ユーイチはストッパーごときで簡単に諦める男やないし、先回りでな」
コブラ「福永先輩のこと買っとるんか買っとらんのかよう分からんわ…」
⏰
ユーイチ「ｾﾞｪ…ﾊｧ…やっとできたで阻止プログラム。タダでショック食らっとったわけやないんですよユタカさん。これで全部元通り、っと」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
ストッパー『ﾋﾞｰｯ！ﾋﾞｰｯ！』
ユーイチ「あれ？こんなん今までなかったで」
ストッパー『⚠️警告⚠️システム無効化要求を受理。実行する場合は、確認項目にチェックを入れてください』
ユーイチ「あ〜確認画面みたいなやつか。実行するに決まって…」
ストッパー『福永ユーイチのキングヘイロー騎乗記録、消去。シーザリオ騎乗記録、消去』
ユーイチ「は？？？」
ストッパー『ミスターメロディ騎乗記録、消去。コントレイル騎乗記録、消去、ピクシーナイト騎乗記録、消去…10秒以上操作がありませんでしたので、自動的にシステム無効化を実行しま…』
ユーイチ「うわあああああしません！実行しません！無効化やめますから止まってええええ」
〜武一族遠隔確認中〜
結界師「よしよし、ちゃんと機能しとるな」
ヒデノリ「あれ？あのストッパーあんな機能ついてましたっけ」
結界師「あ〜この前付け足してん。ユーイチはストッパーごときで簡単に諦める男やないし、先回りでな」
コブラ「福永先輩のこと買っとるんか買っとらんのかよう分からんわ…」
- ユーイチが解除に乗り出した場合の対策もバッチリで草
- ユーイチストッパー進化してるwwwクッソワロスwwww
- この結界師…できる…！
- その騎手は、34度の前科を超えて一流を証明した。敗れても、敗れても、敗れても、絶対に特異点を諦めなかった。結界師の隣人、不屈の塊。その騎手の名は、「福永ユーイチ」。
- その結果、同期は疲労と胃痛に悩まされてるんですが……しかも二人
- 悪い方面に不屈の魂出してんじゃねぇ！
『お友達or同期対抗相思相愛クイズダービー』
ユーイチが元々私立の学校行ってたからコブラとかの栗東中組とほとんど接点のない少年時代だったって言ってたのの派生で、お友達or同期対抗相思相愛クイズダービーとかやりそうだなって
『スレ民の需要を理解した第4の壁ブレイカーユーイチとメタ修復師ユタカによる劇場版世界観』
しかしなんていうか特異点に飢えているって言うとアレだ
ユーイチが「せやろ？」ってドヤ顔してる姿が思い浮かんでくる
俺たちが特異点を望む→ユーイチ含むその他が特異点作る→修正する→以下ループって流れは一種のマッチポンプなのかもしれないな(？)
この世界では特異点以上に様々な「もしも」が自由に実現可能な反面あまりにも不安定で、現実への干渉力が特異点の比ではないみたいな。まだ己の対峙する未来を知らない虚像のお手馬と協力してひずみを脱出し世界を元に戻さなければならないけれど、ここでの選択を誤れば世界は滅びるかもしれない…パッと思いついたやつだからKGO感はない。
ユーイチが「せやろ？」ってドヤ顔してる姿が思い浮かんでくる
俺たちが特異点を望む→ユーイチ含むその他が特異点作る→修正する→以下ループって流れは一種のマッチポンプなのかもしれないな(？)
特異点を作りすぎて「なんでや！お前らも望んどるやろ！ギブアンドテイクやん！」と第4の壁を突破し始めるユーイチ、メタを修正するために世界の構成式をいじる結界師、その結果生じたひずみに吸い込まれる12期生たち、そこは分岐する前の未熟なifが交差する世界で――？みたいな謎の導入を受信
この世界では特異点以上に様々な「もしも」が自由に実現可能な反面あまりにも不安定で、現実への干渉力が特異点の比ではないみたいな。まだ己の対峙する未来を知らない虚像のお手馬と協力してひずみを脱出し世界を元に戻さなければならないけれど、ここでの選択を誤れば世界は滅びるかもしれない…パッと思いついたやつだからKGO感はない。
『KGO特異点の聖杯ってそういえば誰がどこに保管してるの？結界師じゃね？ｺﾜ〜…』
- そういえばなんやけど、回収した聖杯はどこに保管してるんかな？
いつか集まった聖杯が暴走してプボくんが大変なことになりそうだけど
でも多分普通に結界師が保管してると思います…
- 武一族が所有してる蔵(なんか世間からは感知出来ない迷彩魔術有り)に全部保管してるんじゃないかな？多分だけど…
- 自分で結界師が保管してるとか言ったけど武一族ほんと何でもありだな…
『リュージ休息塔イベのダイチ版そろそろ作ってあげようよ…』
マジェスティバイオ「ダイチ休もう？もうたくさん頑張ったよ？」
マイネルホウオウ「そうそう。どっか美味しいもんでも食べに行こうぜ」
ダイチ「いやでも…」
マジェスティバイオ「はいつべこべ言わずにいくよ！」
ダイチ「ちょ、ちょっとバイオ待って〜！」
幕間の物語 とある調教師と調教助手の昼下がり〜懲りない男を添えて〜
コブラ「あれ？ミサキさんスマホと睨めっこして何しとるんです？」
ミサキ「あ、コウシロウ……いや、UMAJOのサイトのジョッキー紹介ページから俺が居なくなったなぁ……と」
コブラ「そう言えば先月までは載ってましたね、ミサキさん」
ミサキ「引退したのが6月末だからそっから1ヶ月くらい載せて貰ってたのは有り難かったんだけどね……」
コブラ「やっぱり寂しいんです？」
ミサキ「うん、ちょっとね……あ、でも引退して良かったなと思うことも有るよ」
コブラ「良かった事？」
ミサキ「ユーイチ主催のジョッキー地獄の好き嫌い企画に参加せずに済む事」
コブラ「あー……兄貴が報復として生放送公開処刑しとった…」
ミサキ「俺、青魚嫌いなんだよね……ケンイチや幸先輩の話を聞くと相当過酷な企画だったみたいで……」
コブラ「しかもアレ2回目やったみたいですね……二度有る事は……あ」ｳﾞｩﾝ(コブラの前に展開される魔法陣)
ミサキ「うわっ！急に何その魔法陣？」
コブラ「これは……兄貴の作ったユーイチストッパーが発動した合図ですね」
ミサキ「つまり、また碌でも無い思い付きをした合図か」
コブラ「そうなりますね(意外と毒舌なんやなミサキさん……いや、合っとるけど)」
ーその頃・新潟ー
セイナ「キャー！福永さんが急に倒れはったー！？」
ケイタ「一瞬、魔法陣光りましたね」
リュージ「ストッパーが発動したっちゅー事か…」
ダイチ「セイナちゃーん、そいつ放っておいていいよー！多分、レースまでには起きるからー！」
幕間の物語 とある調教師と調教助手の昼下がり〜懲りない男を添えて〜
A.D.2022 泥中冀望都市大井 北西に吹く勝運の風
リュージ「ホーさんもう重賞勝ったんか！乗り方は危なかったけどさすが香港のトップジョッキーやわ」
セイナ「それに世代のレベルも高くて面白いですよね。若い力って感じが」
リュージ「おうセイナお疲れ。若い力て、重賞初騎乗初勝利した人が言うと嫌味にしか聞こえんわ〜」
セイナ「嫌やわ〜そういう意味ちゃいますて！そういえば勝ち馬のカフジオクタゴンって和田さんの乗ってた馬と2回当たって2回とも和田さんが負かしてましたよね。あの子も怪我がなければどれほど勝ってたんでしょう」
リュージ「デリカダなあ…今思えば倒してきたメンツがみんな重賞どころかG�気任眈”蕕砲覆辰箸辰董△曚鵑涓�やまれるわ。無事に戻ってこられたらええけど」
セイナ「たしかに負かしてきた相手が違いますもんね。今回のカフジオクタゴン、先月条件戦を楽勝したジャスパーグレイト、それにJDD勝ち馬のペイシャエスに2着のノットゥルノ…」
リュージ「ん？JDDの1、2着馬逆ちゃう？たしかユタカさんが3度目の芝ダートWダービー制覇て」
セイナ「何言ってるんですか和田さん！ゴール寸前で菅原さんのペイシャエスがノットゥルノをかわしていったでしょ！」
リュージ「は…？」
セイナ「オーナーさんの重賞初勝利もG�欺蘊〕�もプレゼントできたからって大号泣してトレンド入りもしてたじゃないですか。あ、私12Rも乗らなきゃなので失礼しますね。噂をすれば菅原さんも来たことやし…って、こっち見た途端行ってしもた。あっちパドックとは逆方向やのに、変ですねえ」
リュージ「！！！」
ディープボンド「ぷぼ〜」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.2022 泥中冀望都市大井 北西に吹く勝運の風
A.D.2017 前代未聞偉業京都 咲かせた三束の花束
ユーイチ「くそ、どうにかしてこのストッパーを止められへんか！？」
リュウセイ「できるんですかね、そういうの？」
ユーイチ「できへんって思ったらできるものも成し遂げられへん……やろ？リュウセイ？」
リュウセイ「は、はあ……（かっこよく言ってるけど、やろうとしてることはロクでもないことなんだよな……）」
ユーイチ「よし、ここをこうすれば……ってぐぁあ！？」
リュウセイ「ユーイチさん！？大丈夫ですか！？」
ユーイチ「うげぇ……解除対策までかかっとるんかこのストッパー……ユタカさんも堪忍してほしいわ。」
ユタカ「それは無理な話やな。だって俺がそれ解いたら、またお前暴走するやろ？」
ユーイチ「げっ、ユタカさん！？どうしてここに？」
ユタカ「ストッパーに異常が発生したから見回りに来たんや。まぁそれよりユーイチ、リュウセイ。新しい特異点が発生したで。お前たちには修正作業をしてもらうから、よろしくな。」
ユーイチ「えっ！？そんなんリュージに任せとけばいいじゃないですか！俺の役目はあくまで作ることであって直すことじゃないですって！」
リュウセイ（たまにこの人も特異点を修正してるのにな……）
ユタカ「今回はそういうわけにもいかんのよな……だってアイツ、特異点に巻き込まれてるし。」
リュウセイ「えっ！？和田さんになにかあったんですか！？」
ユタカ「あぁ。今回の発生源はクロコスミア。この馬はエリザベス女王杯で三年連続二着っていう珍記録を残しとる馬なんやけど、どうやらそれが三連覇にすり替わっとる。」
ユーイチ「クロコスミアって、確かそのレースの一つでリュージが乗ってた馬……ってことは！」
ユタカ「そう。和田にも改変が起きとるってことや。さあ、行くでお前ら。」
ユーイチ「……わかりました。（クソ、どいつもこいつも特異点作りおって！そういうのは俺の仕事やろが！）」
リュウセイ「はい！（福永さん、凄く悪い顔してるな……）」
ユタカ「話が早くて助かるわ…………展開。」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.2017 前代未聞偉業京都 咲かせた三束の花束
「あれ！？なんで俺はオペラオーの牧場に来とるんや！？しかも携帯見たら2017年になっとるし！」
幕間の物語 夢舞台地中山 とある人馬の約束
ダイチ「はぁ……はぁ……なんか、最近ウチ(美浦)の後輩達もユーイチみたいなしょーもない理由で特異点作ってる気が……」
ベータナ「ダイチさんお疲れで……うわっ、すっごい顔！」
ケイタ「なんか、最近立て続けに特異点修正に行かれたんですよね？」
ダイチ「あぁ……田辺に戸崎……お疲れ。なんか短い間隔で3回くらい行った気がする……いや、最初の1回はタケシが作って俺が和田達を巻き込んだんだけど…」
ベータナ「このまま家帰ったら奥さんとか心配しますよ、その顔」
ケイタ「少し眠ってたらどうです？俺、近くの厩舎の人に話して来ます」ﾀｯﾀｯﾀ
ダイチ「ありがとう、戸崎」
⏰
ベータナ「じゃあ、１時間したら起こしますけど……本当に１時間でいいんですか？」
ケイタ「もうちょっと寝た方が良いと思いますけど……」
ダイチ「いや、あんまり長いすると厩舎の人に迷惑だし……そんだけ寝れたら十分だから」
ケイタ「分かりました」
ベータナ「じゃあ、おやすみなさいダイチさん」
ダイチ「あぁ、１時間後頼むな〜」
⏰
？？？？？？？「……チ……ダイチ……ダイチ、聞こえるか、ダイチ？」
ダイチ「う……うぅ〜ん……あぁ、もうじか……へ？」
？？？？？？？「あぁ、漸く目を開けたなダイチ」
ダイチ「マ……マジェスティバイオ？」
マジェスティバイオ「あぁ。久しぶりだなダイチ」
ダイチ「うん、久しぶり……じゃなくて！うっかり普通に返事をしたけど色々とツッコミたい事が……お前確かイルミネーションJSで競走中止になってそれで……て、言うかなんで喋ってるんだ？人語は三冠馬しか会得出来ないんじゃ…」
マジェスティバイオ「別に人語は三冠馬だけの特権では無いぞ？現にプボくんとかパンパラパンくんとか言う子達も喋ってるだろ？」
ダイチ「プボとパンパラ……あぁ、ディープボンドとパンサラッサか……前者(前馬？)は実際にファンに言われてるし本馬も語尾で言ってるけど、後者(後馬？)はパンしか合ってないな」
マジェスティバイオ「ここは簡単に言うと夢の世界だ」
ダイチ「夢の世界？」
マジェスティバイオ「以前、私がお前を引き込んだ特異点が有っただろう？それは修正されてしまったが、その残滓が夢という形で具現化した世界がここだ」
ダイチ「それって……要するにここは特異点って事なのか？」
マジェスティバイオ「いや……ざっくり言うと特異点のなり損ないみたいなモノだ」
ダイチ「なり損ない」
マジェスティバイオ「そう。ここには現実世界の歴史を改変するだけの力は無い。有るのは……お前と私の心残りを1回だけ果たす事だけ」
ダイチ「俺達の心残り……」
マジェスティバイオ「周りを良く見てみろダイチ」
ダイチ「周り……ここ、中山競馬場……まさか」
マジェスティバイオ「あぁ……年末の中山で、有馬記念の前日に行われるJ・G1。私達が目標の一つとしながら共に飛ぶ事が叶わなかったレース」
ダイチ「中山大障害……！」
マジェスティバイオ「ダイチ、共に飛んでくれるか？」
ダイチ「あぁ……行こう、マジェスティバイオ！」
ー同時刻・栗東ー
結界師「ぅん？」
コブラ「どうしたん、兄貴？」
結界師「いや……なんやダイチが特異点擬き作ったみたいや」
ヒデノリ「え！？それやったら早う和田さん達に知らせんと」
結界師「落ち着けヒデ。擬き言うたろ？多分すぐ消えるわ、コレ」
コブラ「なんで分かるん？」
結界師「今、俺以外は気ぃ付かんかったやろ？つまり、強い術者やないと気ぃ付かんくらい力が弱いっちゅー事や」
ヒデノリ「なるほど……やっぱユタカさんは凄いなー(尊敬の眼差し」
コブラ「でも、それで放置しといてええんか？もしかしたらそこから特異点に発展なる事も」
結界師「いや、平気やろ。ユーイチならここから特異点作りそうやけど、今回中心におるのはダイチやしな」
コブラ「なるほど。それは一理あるな」
ヒデノリ(流石は幼馴染、福永さんを良く分かってる……悪い意味で)
結界師「本人達が満足ならしゃーないけど……もっと欲出してもええんやぞ……ダイチ、マジェスティバイオ」
幕間の物語 夢舞台地中山 とある人馬の約束
A.D.2022 ぐだぐだ元凶大集合 ユーイチだらけ
2022年 新潟競馬場
リュージ「あれ？さっきまでユーイチ居たよな？」
セイナ「どうしはったんですか和田さん？」
リュージ「なんで…アイツ札幌に居るんや？」(画面を見ながら)
セイナ「和田さん？熱でもあるんですか？Os-1冷えてるのありますよ」
リュージ「熱かぁ…見間違いかぁ？？」Os-1を受け取る
セイナ「じゃぁ、私はこれで！」
突然現れる魔法陣
結界師「おったおった！和田！大変や！ユーイチが増えてしもた」
リュージ「ユタカさん？？何言ってるんすか？？」
結界師「観測しただけで5人おるわ」
リュージ「ユーイチはプラナリアかなんかか！」
結界師「まぁ…写し絵見せるわ、今新潟にいる本物のユーイチと札幌にいるのがユーイチオルタ、女体化したユーイチことユーコ、それと保護したユーイチリリィ、夢から出てきて逃亡したキングヘイローに乗ってた時のユーイチもおるわ」
リュージ「あかん、女体化とリリィと若ユーイチはともかく、本人とオルタの見分けがつかんわ」
結界師「同期なのにわからんか〜」
リュージ「普通は分からなくて当然なんですよ！」
結界師「せや！新潟に来たのにはここにいるユーイチを確保しに来たんやった！」
リュージ「っ！！探しましょ！！」
新潟競馬場を探し回るがユーイチは見つからなかった。
結界師「…先越されたかぁ…レイシフトした痕跡があるなぁ…」
リュージ「あの、俺行かなあかんの？」
結界師「同期の失態は連帯責任や」
リュージ(ユタカさん怒り通り越して呆れとる！)
結界師「行先はまぁ、何とかなるでしょ？…展開！」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.2022 ぐだぐだ元凶大集合 ユーイチだらけ
ユーイチ「人手を増やせば特異点の量産出来るやんな！！」
〜数時間後〜
ユーイチオルタ「野郎！ぶっ〇してやる！！」
ユーイチ「うわぁ！自分〇し！！」
ユーコ「やめてよ！自分同士の争いは醜いものよ！」
若ユーイチ「眠いと気が荒くなるんやなぁ」
ユーイチリリィ「はやく、しゅくだいやってねようよ」
A.D.1977 怪物通過劇場 府中 スーパーカーの未練 〜いくら何でもこんなんダメやろ…〜
リュージ「なあリュウセイ、ここおかしないか？」
リュウセイ「やはり和田さんもそう思いますか！？良かったあ…他の人に聞いても怪訝な顔されるばかりで…」
リュージ「いま競馬新聞読んでるんやけど、1977年の第44回のダービー優勝馬ところ、他と違ってカッコつきになってんやけど…」
リュウセイ「これ聞いた話だと、マルゼンスキーが出走して勝ったんですよ」
リュージ「マルゼンスキー？持ち込み馬で出走できんはずやろ？」
リュウセイ「ええまあそうなんですけど…ファンと世論に押されて国会でも特別法案が通っちゃって、JRAが特例で出走させたのがこの世界線なんです」
リュージ「あー…出走させろって声が多かったのは聞いとるけどここはそれが叶ったんか…それでどないなったん？」
リュウセイ「出走は許可されましたが、その代わり賞金も賞状も優勝レイも無しで、ただ大外枠で出走して能力を見るだけです」
リュージ「…は？」
リュウセイ「そのうえ一位入線しても二位の馬が一位繰り上がりです」
リュージ「…でも結果は？」
リュウセイ「マルゼンスキーの勝ちです。ラッキールーラに16馬身付けて2分25秒9のレコード勝ち。しかも当時は雨が止んだ直後の重馬場」
リュージ「…だからこんな表記になっとるのか…いやこれラッキールーラとマルゼンスキーに対する侮辱やろ…これ記録どないなっとるんや…」
リュウセイ「競走除外扱いで幻のダービー馬扱いです」
リュージ「アカンわ！こんなんラッキールーラ側も気まずいどころちゃうで」
リュウセイ「実力で勝てなかったのにお情けで貰ったとみなされますから溜まったものじゃないです。だからマルゼンスキーだけの特例となったみたいです」
リュージ「そらそうや。こんなん何度も続いたらアカンわ…」
リュウセイ「あ、ちなみにこの世界のマルゼンスキーは77年の京都大賞典と有馬記念にも出走して勝ってます。ダービー含めれば11戦11勝ですね」
リュージ「いや…これは…中野渡さんどんだけ出したかったんや…まあ…気持ちは分からんでもないがこれはアカン。プボー！」
ディープボンド「ぷぼ〜」
リュージ「あ…またプボが変わっとる…うーんダービー出走の影響で血統が変わったんかな？」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.1977 怪物通過劇場 府中 スーパーカーの未練 〜いくら何でもこんなんダメやろ…〜
A.D.2014 唯一無二奪冠行路 東京 栄光へ至る片道切符
ユーイチ「ふう、盛岡はやっぱ遠いなあ」
リュウセイ「同じ空路でも海外と国内とでは違いますね」
リュージ「おう2人ともマーキュリーCお疲れさん。そんでユーイチはおめでとう」
ユーイチ「ん、ありがと」
リュージ「インタビュー聞いたで？江田さんだけは予想外やったて言うてたけど『こんなん俺のデータにないで！？』ってベソかいてた頃のお前思い出したわ」
ユーイチ「せやなあ、あの頃は俺も未熟…いやさすがにベソはかいてへんわ！」
リュウセイ（なんだかんだ言っても仲良しだなあ）
リュージ「それにしても江田さんはやっぱ怖いなあ。まさかあっこで仕掛けてくるとは」
ユーイチ「ホンマやで。ふとした時に足元ピュッと掬われそうになるわ」
リュウセイ「そりゃあ百戦錬磨、ベテランのダービージョッキーですもん。いつだって怖い存在ですよ」
リュージ「…ん？？？」
ユーイチ「江田さんが…ダービージョッキー…？」
リュウセイ「え〜何ですかその反応。2014年のダービーをエキマエで逃げ切り勝ちしたじゃないですか」
リュージ＆ユーイチ「…は？？？」
リュウセイ「メイショウボーラー産駒にとってもオーナーさんにおっても初G�機△靴�もそれがサニーブライアン以来17年ぶりの逃げ切り…こうも記録尽くめだと間違えませんよ」
リュージ「なあユーイチ、2014年て確か…」ﾋｿﾋｿ
ユーイチ「ああ、俺の記憶が正しければ…」ﾋｿﾋｿ
？？？「――親父にとって2度目の、そして俺が目の前で見たダービー勝利です」
ユーイチ「なっ…！」
リュージ「お前は、タケシ！それにダイチまで」
タケシ「何だか嫌な予感がして来てみたら、こういうことだったんですね」
ダイチ「ごめん2人とも、こいつレイシフトとか空間移動への罪悪感薄れちゃったみたいで…好き勝手させちゃいけないと思ってついてきたはいいんだけど、止められなかった」
ユーイチ「ええんやで。身内に被害者が出たら、まあそうなるのもしゃーないわ」
タケシ「和田さん」
リュージ「ん？」
タケシ「ダイチさんから聞きました、いつも福永さんたちの起こす面倒事を解決なさってるって。今回僕とダイチさんも同行して構いませんか？ワンアンドオンリーのダービーは、俺にとっても大事な出来事なんです」
ユーイチ「タケシ…（熱い眼差し」
リュージ「よっしゃ分かった。ほな一緒に行くで。ボンド〜」
ユーイチ「コントレイル！」
タケシ「エフフォーリア！」
ダイチ「……えっ俺も！？マ、マイネルホウオウ〜」
ディープボンド「ぷぼ〜」
コントレイル「おっ今日は大所帯やないかい（CVユーイチ」
エフフォーリア「ﾀｹｼｵﾔﾂｸﾚ」
マイネルホウオウ「フェニックース！」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.2014 唯一無二奪冠行路 東京 栄光へ至る片道切符
A.D.1999 降臨世紀末覇王 〜消えない記憶、残らない記録〜
ユーイチ「ん？はぁ、これ見てみ？」
リュウセイ「なんですか？」
『三冠馬テイエムオペラオー グランドスラム達成！！』
リュウセイ「これは…」
ユーイチ「まああいつだろうな、人に色々言ってるくせに懲りずに二回目か…」
リュウセイ（苦笑い）
ユーイチ「まあ俺たちが修復せな」
リュウセイ「そうですね、和田さんを止めましょう」
リュージ「誰か呼んだか?」
「は？」「え？」
結界師「今起きてる特異点、これは俺達の不始末だ」
A.D.1999 降臨世紀末覇王 〜消えない記憶、残らない記録〜
？？？「この記憶、経験は…」
？？？「お前を俺のせいで負けさせはしない」
A.D.2017 唯我逃走廻戦 京都 命短シ一人旅セヨ乙女
リュージ「いやあ今年も結局オメガパフュームか。これで四連覇やからほんまに凄い馬やで」
リュウセイ「有終の美を飾って待望の種牡馬入りですね！スウェプトオーバーボードは産駒傾向がかなり多岐にわたってますし意外とダート以外から大物が出たりするかもしれません」
リュージ「しかし中央ではG1の連覇って二連覇が限界なのに不思議なもんやなあ。それこそダートとか現役長いのにおらんのよな」
リュウセイ「何言ってんすか和田さん！同一G1三連覇ならクロコスミアのエリ女三連覇があるじゃないですか！」
リュージ「は…？」
リュウセイ「不思議とエリザベス女王杯では無類の強さを誇る馬でしたよね。色々あって毎年騎手も変わってたから連覇の感覚薄いのかもしれませんけど、その口火を切ったのは和田さんなんだから忘れるなんてひどいですよ！」
リュージ「え、だって俺…は…？」
リュウセイ「え、もしかしてこれ……」
リュージ「うん……俺が記憶してるのは三年連続二着なんやけど、詳しく教えてくれるか？」
リュウセイ「詳しくって言っても…一年目は和田さんで勝ったんですけど二年目の時は和田さんが直前で落馬して乗り替わりになったんですよ。それで元の主戦だった岩田さんで勝ったことでまた岩田さんがしばらく乗ってたんですけど、次の年の春にはヴィクトリアマイルで岩田さんがレッツゴードンキを選んで、また乗り替わって」
リュージ「あれ、そっから戸崎が乗って怪我してエリ女では結局テン乗りやったのは同じか？」
リュウセイ「そうですそうです！三回目のエリ女は佑介さんが乗ってましたね」
リュージ「じゃあ勝ち負けが変わってる以外はそんな状況変わってないんやな」
リュージ「ちょっと状況がよくわからんけど行くかボンド」
ディープボンド「ぷぼ〜」
（……）
リュージ「ん？なんで飛べへんのや」
ディープボンド「ぷぼ〜？」
リュージ「こういう時に相談すべきは……」
ユーイチ「なんで俺に疑いの目向けてんねん！この特異点俺が思いつくと思うんか！」
リュージ「別に疑ってるわけやないけどな、特異点を作る人間はどういう心理で作るのかが気になるだけで」
結界師「じゃあ俺呼ぶ必要はなかったん違うん？ユーイチほど前科があるでも無し」
リュージ「ユタカさんにはレイシフトできない理由に何か心当たりはないかなと思って…」
結界師「そんなこと言われてもなあ…そもそも俺とディープボンドのパワーソースは別もんやし」
リュージ「なんかちょっとでもとっかかりになりそうなのとかないんですか…？」
結界師「ちょっとディープボンドの様子でも見てみるか」
リュージ「はい……おい帰ろうとすんなユーイチ」
ユーイチ「なんでやねん俺もう必要ないやろ！」
リュージ「お前みたいな人間が一緒にいることでわかることもあるかもしれんやろ。たまにはまっとうに働けや」
ユーイチ「いやこんなん俺の仕事ちゃうし……」
リュージ「俺の仕事でもないからな！？」
結界師「ほらほら馬の前でうるさくせんの……」
ディープボンド「ぷぼ〜」
ギュウウウゥゥゥン…………
リュージ・ユーイチ・結界師「「「！？」」」
リュージ「え、なんで！？何で今飛べた！？」
結界師「三連覇……なあ。もしかすると」
リュージ「もしかすると？」
結界師「適性を持つ人間が三人必要やったんかもしれんな」
リュージ「そんなこともあるんですか……」
結界師「まあまだ断定はできんけどな。よかったやんユーイチも役に立ってるで」
ユーイチ「巻き込まれ決定やんけ！お前やってくれたな！！」
リュージ「やかましい！たまには巻き込まれとけお前も」
A.D.2017 唯我逃走廻戦 京都 命短シ一人旅セヨ乙女
A.D.？？？？ 絶対支配領域福永 覚醒した特異点の王
「クソッ、なにやってもこのストッパー解除できへん！どうすればいいんや！」
真昼の栗東トレセンで一人の小柄な男がそう嘆く。男の名前はユーイチ。トップジョッキーとして活躍するこの男の目下の悩みはこのストッパーのことであった。
ユーイチは今まで好き勝手に暴れてきた。彼は30を超える特異点を作り出し、同期のジョッキー達を混乱の渦に巻き込んでいたのだ。それを見かねたユタカという結界師がもう彼が暴れないように、高性能のストッパーを彼に仕掛けたのだ。ユーイチが特異点を作り出そうとしたらすぐにそれを止める。ストッパーを解除しようとしたらユーイチのこれまでが消滅する……そんな厄介極まり無い代物であったのだ。
「諦めへんで……何度でも繰り返し続けて、いつかこれを解いてみせる……ってなんやこれ？」
ユーイチが見つけたのはまるで何千年も時間を重ねてきたかのような威厳を感じさせるような一つの金色の杯であった。ユーイチはそれを興味本位から拾い上げた。
「これ、どこかで見たことあんぞ？確か聖杯だったけな？確かなんでも願いが叶うやつ……」
ユーイチはそこまで言いかけると、口元を大きく歪めた。
「これがあれば、ストッパーも外せるし、とんでもない特異点も作れる……ならやることは一つやな。」
彼は聖杯を持ち上げ、自分の願いを実現させる。すると彼の体は光に包まれ……
「ッ！？嘘やろ！アイツ、とんでもないことをやりおった！」
やられた……ユタカは一人、そう嘆くしかなかった。彼の作ったストッパーは間違いなく完全であった。ユーイチには解けるはずがない。ユタカにはそんな風に楽観視していた。だがここに例外が発生した。突然現れた聖杯によってストッパーは呆気なく解除され、ユーイチは今までの特異点を遥かに超越したレベルの特異点を作り出そうとしていた。
「まずい、早くレイシフトせな！……展開！」
ユタカは一瞬でそう決断し、ユーイチが作り出そうとしている特異点へとレイシフトを始めたのだった。
「最近はユーイチストッパーのおかげで特異点ができる頻度も少し減った気がするなぁ……」
数多の特異点を修正してきた男、リュージは微かに笑いながらそう呟いた。ユーイチがキングヘイローへの後悔で暴れてから始まったこの特異点騒動にも慣れてきた彼は、ささやかな休暇を楽しんでいた。
「まさかこんなにユーイチストッパーが役立つなんて……ユタカさんには感謝せなアカンな。」
リュージがそんなことを言いながら歩いていると、突然彼の脳内に声が流れてくる。それはリュージにとって聞き馴染みのある声であった。
『リュージ！はやくボンドに乗ってレイシフトするんや！今、過去最大級の歴史改変が起こっとる！』
「！？なにが起きたんすか、ユタカさん！」
リュージはユタカの焦燥しきった声に驚いていた。彼がここまで焦るような態度を見せるのは初めてだったからだ。
『ユーイチが動き出した！なに考えてるんかわからんけど、アイツ、聖杯の力で今まで自分が作り出した特異点を全て再生させたんや！』
「……はぁ！！？？」
正直、またユーイチはやらかすだろうとリュージは思っていた。しかしここまでの規模の特異点を作り出すことまでは予測できていなかった。抑圧から解放された人間はこんなことをやらかすんやなと、リュージはそう思いながら、急いでディープボンドの元に駆けつけた。
「急ぐで、ボンド！ユーイチを止めるぞ！」
「ぶぼ〜！！！」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.？？？？ 絶対支配領域福永 覚醒した特異点の王
「ボンド、俺たちの旅の全てをコイツにぶつけてやろうや！」
マイネルホウオウ「そうそう。どっか美味しいもんでも食べに行こうぜ」
ダイチ「いやでも…」
マジェスティバイオ「はいつべこべ言わずにいくよ！」
ダイチ「ちょ、ちょっとバイオ待って〜！」
- 一度結界師に召喚され、特異点作って(修正されて)から割と頻繁に冥界からダイチの元に来てるマジェスティバイオさん。
幕間の物語 とある調教師と調教助手の昼下がり〜懲りない男を添えて〜
UMAJOサイトから名前が消えてしんみりするミサキと一緒にたそがれるコブラ…一方その頃新潟ではユーイチストッパーが発動していた。KGOぐだイベは基本現役ジョッキーしか巻き込まれないけど、言ったそばから新例ができるのもまたKGOだからミサキも気を抜いていられないゾ☆2022年
コブラ「あれ？ミサキさんスマホと睨めっこして何しとるんです？」
ミサキ「あ、コウシロウ……いや、UMAJOのサイトのジョッキー紹介ページから俺が居なくなったなぁ……と」
コブラ「そう言えば先月までは載ってましたね、ミサキさん」
ミサキ「引退したのが6月末だからそっから1ヶ月くらい載せて貰ってたのは有り難かったんだけどね……」
コブラ「やっぱり寂しいんです？」
ミサキ「うん、ちょっとね……あ、でも引退して良かったなと思うことも有るよ」
コブラ「良かった事？」
ミサキ「ユーイチ主催のジョッキー地獄の好き嫌い企画に参加せずに済む事」
コブラ「あー……兄貴が報復として生放送公開処刑しとった…」
ミサキ「俺、青魚嫌いなんだよね……ケンイチや幸先輩の話を聞くと相当過酷な企画だったみたいで……」
コブラ「しかもアレ2回目やったみたいですね……二度有る事は……あ」ｳﾞｩﾝ(コブラの前に展開される魔法陣)
ミサキ「うわっ！急に何その魔法陣？」
コブラ「これは……兄貴の作ったユーイチストッパーが発動した合図ですね」
ミサキ「つまり、また碌でも無い思い付きをした合図か」
コブラ「そうなりますね(意外と毒舌なんやなミサキさん……いや、合っとるけど)」
ーその頃・新潟ー
セイナ「キャー！福永さんが急に倒れはったー！？」
ケイタ「一瞬、魔法陣光りましたね」
リュージ「ストッパーが発動したっちゅー事か…」
ダイチ「セイナちゃーん、そいつ放っておいていいよー！多分、レースまでには起きるからー！」
幕間の物語 とある調教師と調教助手の昼下がり〜懲りない男を添えて〜
A.D.2022 泥中冀望都市大井 北西に吹く勝運の風
アキラがペイシャエスでJDDを勝てていた特異点。あと少しで掴めそうだった初G�犠〕�が動機とは、久しぶりに理由がオーソドックスで良き。それにリュージを見て逃げるというのもリーディングジョッキーの態度に慣れてた我々にスーッと効いた。2022年
リュージ「ホーさんもう重賞勝ったんか！乗り方は危なかったけどさすが香港のトップジョッキーやわ」
セイナ「それに世代のレベルも高くて面白いですよね。若い力って感じが」
リュージ「おうセイナお疲れ。若い力て、重賞初騎乗初勝利した人が言うと嫌味にしか聞こえんわ〜」
セイナ「嫌やわ〜そういう意味ちゃいますて！そういえば勝ち馬のカフジオクタゴンって和田さんの乗ってた馬と2回当たって2回とも和田さんが負かしてましたよね。あの子も怪我がなければどれほど勝ってたんでしょう」
リュージ「デリカダなあ…今思えば倒してきたメンツがみんな重賞どころかG�気任眈”蕕砲覆辰箸辰董△曚鵑涓�やまれるわ。無事に戻ってこられたらええけど」
セイナ「たしかに負かしてきた相手が違いますもんね。今回のカフジオクタゴン、先月条件戦を楽勝したジャスパーグレイト、それにJDD勝ち馬のペイシャエスに2着のノットゥルノ…」
リュージ「ん？JDDの1、2着馬逆ちゃう？たしかユタカさんが3度目の芝ダートWダービー制覇て」
セイナ「何言ってるんですか和田さん！ゴール寸前で菅原さんのペイシャエスがノットゥルノをかわしていったでしょ！」
リュージ「は…？」
セイナ「オーナーさんの重賞初勝利もG�欺蘊〕�もプレゼントできたからって大号泣してトレンド入りもしてたじゃないですか。あ、私12Rも乗らなきゃなので失礼しますね。噂をすれば菅原さんも来たことやし…って、こっち見た途端行ってしもた。あっちパドックとは逆方向やのに、変ですねえ」
リュージ「！！！」
ディープボンド「ぷぼ〜」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.2022 泥中冀望都市大井 北西に吹く勝運の風
A.D.2017 前代未聞偉業京都 咲かせた三束の花束
クロコスミアが3回ともエリ女を勝てていたら…な特異点。うち1回に騎乗しているリュージも改変対象となって使い物にならないため、作る担当のユーイチが修正へ向かう羽目に。リュージは2017年のエリ女を勝てていればオペさんの寿命に間に合ったんだよな…ｳｯ2022年
ユーイチ「くそ、どうにかしてこのストッパーを止められへんか！？」
リュウセイ「できるんですかね、そういうの？」
ユーイチ「できへんって思ったらできるものも成し遂げられへん……やろ？リュウセイ？」
リュウセイ「は、はあ……（かっこよく言ってるけど、やろうとしてることはロクでもないことなんだよな……）」
ユーイチ「よし、ここをこうすれば……ってぐぁあ！？」
リュウセイ「ユーイチさん！？大丈夫ですか！？」
ユーイチ「うげぇ……解除対策までかかっとるんかこのストッパー……ユタカさんも堪忍してほしいわ。」
ユタカ「それは無理な話やな。だって俺がそれ解いたら、またお前暴走するやろ？」
ユーイチ「げっ、ユタカさん！？どうしてここに？」
ユタカ「ストッパーに異常が発生したから見回りに来たんや。まぁそれよりユーイチ、リュウセイ。新しい特異点が発生したで。お前たちには修正作業をしてもらうから、よろしくな。」
ユーイチ「えっ！？そんなんリュージに任せとけばいいじゃないですか！俺の役目はあくまで作ることであって直すことじゃないですって！」
リュウセイ（たまにこの人も特異点を修正してるのにな……）
ユタカ「今回はそういうわけにもいかんのよな……だってアイツ、特異点に巻き込まれてるし。」
リュウセイ「えっ！？和田さんになにかあったんですか！？」
ユタカ「あぁ。今回の発生源はクロコスミア。この馬はエリザベス女王杯で三年連続二着っていう珍記録を残しとる馬なんやけど、どうやらそれが三連覇にすり替わっとる。」
ユーイチ「クロコスミアって、確かそのレースの一つでリュージが乗ってた馬……ってことは！」
ユタカ「そう。和田にも改変が起きとるってことや。さあ、行くでお前ら。」
ユーイチ「……わかりました。（クソ、どいつもこいつも特異点作りおって！そういうのは俺の仕事やろが！）」
リュウセイ「はい！（福永さん、凄く悪い顔してるな……）」
ユタカ「話が早くて助かるわ…………展開。」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.2017 前代未聞偉業京都 咲かせた三束の花束
「あれ！？なんで俺はオペラオーの牧場に来とるんや！？しかも携帯見たら2017年になっとるし！」
幕間の物語 夢舞台地中山 とある人馬の約束
夢の中くらい自由にしてもいいのよ、なお手馬たちによるダイチ慰労会。本当に夢の中で中山大障害を跳んだら満足して終わりそうなので皆そっとしておく優しさ。自分は武一族が会話してるシーンで十刃の会議を想像してます。2022年 美浦
ダイチ「はぁ……はぁ……なんか、最近ウチ(美浦)の後輩達もユーイチみたいなしょーもない理由で特異点作ってる気が……」
ベータナ「ダイチさんお疲れで……うわっ、すっごい顔！」
ケイタ「なんか、最近立て続けに特異点修正に行かれたんですよね？」
ダイチ「あぁ……田辺に戸崎……お疲れ。なんか短い間隔で3回くらい行った気がする……いや、最初の1回はタケシが作って俺が和田達を巻き込んだんだけど…」
ベータナ「このまま家帰ったら奥さんとか心配しますよ、その顔」
ケイタ「少し眠ってたらどうです？俺、近くの厩舎の人に話して来ます」ﾀｯﾀｯﾀ
ダイチ「ありがとう、戸崎」
⏰
ベータナ「じゃあ、１時間したら起こしますけど……本当に１時間でいいんですか？」
ケイタ「もうちょっと寝た方が良いと思いますけど……」
ダイチ「いや、あんまり長いすると厩舎の人に迷惑だし……そんだけ寝れたら十分だから」
ケイタ「分かりました」
ベータナ「じゃあ、おやすみなさいダイチさん」
ダイチ「あぁ、１時間後頼むな〜」
⏰
？？？？？？？「……チ……ダイチ……ダイチ、聞こえるか、ダイチ？」
ダイチ「う……うぅ〜ん……あぁ、もうじか……へ？」
？？？？？？？「あぁ、漸く目を開けたなダイチ」
ダイチ「マ……マジェスティバイオ？」
マジェスティバイオ「あぁ。久しぶりだなダイチ」
ダイチ「うん、久しぶり……じゃなくて！うっかり普通に返事をしたけど色々とツッコミたい事が……お前確かイルミネーションJSで競走中止になってそれで……て、言うかなんで喋ってるんだ？人語は三冠馬しか会得出来ないんじゃ…」
マジェスティバイオ「別に人語は三冠馬だけの特権では無いぞ？現にプボくんとかパンパラパンくんとか言う子達も喋ってるだろ？」
ダイチ「プボとパンパラ……あぁ、ディープボンドとパンサラッサか……前者(前馬？)は実際にファンに言われてるし本馬も語尾で言ってるけど、後者(後馬？)はパンしか合ってないな」
マジェスティバイオ「ここは簡単に言うと夢の世界だ」
ダイチ「夢の世界？」
マジェスティバイオ「以前、私がお前を引き込んだ特異点が有っただろう？それは修正されてしまったが、その残滓が夢という形で具現化した世界がここだ」
ダイチ「それって……要するにここは特異点って事なのか？」
マジェスティバイオ「いや……ざっくり言うと特異点のなり損ないみたいなモノだ」
ダイチ「なり損ない」
マジェスティバイオ「そう。ここには現実世界の歴史を改変するだけの力は無い。有るのは……お前と私の心残りを1回だけ果たす事だけ」
ダイチ「俺達の心残り……」
マジェスティバイオ「周りを良く見てみろダイチ」
ダイチ「周り……ここ、中山競馬場……まさか」
マジェスティバイオ「あぁ……年末の中山で、有馬記念の前日に行われるJ・G1。私達が目標の一つとしながら共に飛ぶ事が叶わなかったレース」
ダイチ「中山大障害……！」
マジェスティバイオ「ダイチ、共に飛んでくれるか？」
ダイチ「あぁ……行こう、マジェスティバイオ！」
ー同時刻・栗東ー
結界師「ぅん？」
コブラ「どうしたん、兄貴？」
結界師「いや……なんやダイチが特異点擬き作ったみたいや」
ヒデノリ「え！？それやったら早う和田さん達に知らせんと」
結界師「落ち着けヒデ。擬き言うたろ？多分すぐ消えるわ、コレ」
コブラ「なんで分かるん？」
結界師「今、俺以外は気ぃ付かんかったやろ？つまり、強い術者やないと気ぃ付かんくらい力が弱いっちゅー事や」
ヒデノリ「なるほど……やっぱユタカさんは凄いなー(尊敬の眼差し」
コブラ「でも、それで放置しといてええんか？もしかしたらそこから特異点に発展なる事も」
結界師「いや、平気やろ。ユーイチならここから特異点作りそうやけど、今回中心におるのはダイチやしな」
コブラ「なるほど。それは一理あるな」
ヒデノリ(流石は幼馴染、福永さんを良く分かってる……悪い意味で)
結界師「本人達が満足ならしゃーないけど……もっと欲出してもええんやぞ……ダイチ、マジェスティバイオ」
幕間の物語 夢舞台地中山 とある人馬の約束
A.D.2022 ぐだぐだ元凶大集合 ユーイチだらけ
特異点を増やしたいならユーイチを増やせばいいことに気付いたユーイチが悪だくみして結局思うようにいかない「い つ も の」な特異点。やはりリリィ…リリィは全てを、ダイチをも浄化すｒ…いや悲しみが増すだけだな。ダイチの。コネコネしてきました。
2022年 新潟競馬場
リュージ「あれ？さっきまでユーイチ居たよな？」
セイナ「どうしはったんですか和田さん？」
リュージ「なんで…アイツ札幌に居るんや？」(画面を見ながら)
セイナ「和田さん？熱でもあるんですか？Os-1冷えてるのありますよ」
リュージ「熱かぁ…見間違いかぁ？？」Os-1を受け取る
セイナ「じゃぁ、私はこれで！」
突然現れる魔法陣
結界師「おったおった！和田！大変や！ユーイチが増えてしもた」
リュージ「ユタカさん？？何言ってるんすか？？」
結界師「観測しただけで5人おるわ」
リュージ「ユーイチはプラナリアかなんかか！」
結界師「まぁ…写し絵見せるわ、今新潟にいる本物のユーイチと札幌にいるのがユーイチオルタ、女体化したユーイチことユーコ、それと保護したユーイチリリィ、夢から出てきて逃亡したキングヘイローに乗ってた時のユーイチもおるわ」
リュージ「あかん、女体化とリリィと若ユーイチはともかく、本人とオルタの見分けがつかんわ」
結界師「同期なのにわからんか〜」
リュージ「普通は分からなくて当然なんですよ！」
結界師「せや！新潟に来たのにはここにいるユーイチを確保しに来たんやった！」
リュージ「っ！！探しましょ！！」
新潟競馬場を探し回るがユーイチは見つからなかった。
結界師「…先越されたかぁ…レイシフトした痕跡があるなぁ…」
リュージ「あの、俺行かなあかんの？」
結界師「同期の失態は連帯責任や」
リュージ(ユタカさん怒り通り越して呆れとる！)
結界師「行先はまぁ、何とかなるでしょ？…展開！」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.2022 ぐだぐだ元凶大集合 ユーイチだらけ
ユーイチ「人手を増やせば特異点の量産出来るやんな！！」
〜数時間後〜
ユーイチオルタ「野郎！ぶっ〇してやる！！」
ユーイチ「うわぁ！自分〇し！！」
ユーコ「やめてよ！自分同士の争いは醜いものよ！」
若ユーイチ「眠いと気が荒くなるんやなぁ」
ユーイチリリィ「はやく、しゅくだいやってねようよ」
A.D.1977 怪物通過劇場 府中 スーパーカーの未練 〜いくら何でもこんなんダメやろ…〜
マルゼンスキーが本当に「実力を見るだけ」のために大外枠から出走した特異点。当然公式記録に残らないのでぶっちぎられたラッキールーラが勝った史実は変わらないうえにマルゼンスキーを京都大賞典と有馬記念まで無事に走らせもする複雑な気持ちが生まれた。2022年
リュージ「なあリュウセイ、ここおかしないか？」
リュウセイ「やはり和田さんもそう思いますか！？良かったあ…他の人に聞いても怪訝な顔されるばかりで…」
リュージ「いま競馬新聞読んでるんやけど、1977年の第44回のダービー優勝馬ところ、他と違ってカッコつきになってんやけど…」
リュウセイ「これ聞いた話だと、マルゼンスキーが出走して勝ったんですよ」
リュージ「マルゼンスキー？持ち込み馬で出走できんはずやろ？」
リュウセイ「ええまあそうなんですけど…ファンと世論に押されて国会でも特別法案が通っちゃって、JRAが特例で出走させたのがこの世界線なんです」
リュージ「あー…出走させろって声が多かったのは聞いとるけどここはそれが叶ったんか…それでどないなったん？」
リュウセイ「出走は許可されましたが、その代わり賞金も賞状も優勝レイも無しで、ただ大外枠で出走して能力を見るだけです」
リュージ「…は？」
リュウセイ「そのうえ一位入線しても二位の馬が一位繰り上がりです」
リュージ「…でも結果は？」
リュウセイ「マルゼンスキーの勝ちです。ラッキールーラに16馬身付けて2分25秒9のレコード勝ち。しかも当時は雨が止んだ直後の重馬場」
リュージ「…だからこんな表記になっとるのか…いやこれラッキールーラとマルゼンスキーに対する侮辱やろ…これ記録どないなっとるんや…」
リュウセイ「競走除外扱いで幻のダービー馬扱いです」
リュージ「アカンわ！こんなんラッキールーラ側も気まずいどころちゃうで」
リュウセイ「実力で勝てなかったのにお情けで貰ったとみなされますから溜まったものじゃないです。だからマルゼンスキーだけの特例となったみたいです」
リュージ「そらそうや。こんなん何度も続いたらアカンわ…」
リュウセイ「あ、ちなみにこの世界のマルゼンスキーは77年の京都大賞典と有馬記念にも出走して勝ってます。ダービー含めれば11戦11勝ですね」
リュージ「いや…これは…中野渡さんどんだけ出したかったんや…まあ…気持ちは分からんでもないがこれはアカン。プボー！」
ディープボンド「ぷぼ〜」
リュージ「あ…またプボが変わっとる…うーんダービー出走の影響で血統が変わったんかな？」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.1977 怪物通過劇場 府中 スーパーカーの未練 〜いくら何でもこんなんダメやろ…〜
A.D.2014 唯一無二奪冠行路 東京 栄光へ至る片道切符
2014年のダービーでエキマエが競走中止せずそのまま逃げ切れていた特異点。父の偉業と自分のかけがえない思い出を無いものとされたタケシも美浦から参上するが、当たり前のように同伴させられるダイチ。そしてタケシは隠レイシフトのせいでレイシフトすることに何とも思っていない。2022年
ユーイチ「ふう、盛岡はやっぱ遠いなあ」
リュウセイ「同じ空路でも海外と国内とでは違いますね」
リュージ「おう2人ともマーキュリーCお疲れさん。そんでユーイチはおめでとう」
ユーイチ「ん、ありがと」
リュージ「インタビュー聞いたで？江田さんだけは予想外やったて言うてたけど『こんなん俺のデータにないで！？』ってベソかいてた頃のお前思い出したわ」
ユーイチ「せやなあ、あの頃は俺も未熟…いやさすがにベソはかいてへんわ！」
リュウセイ（なんだかんだ言っても仲良しだなあ）
リュージ「それにしても江田さんはやっぱ怖いなあ。まさかあっこで仕掛けてくるとは」
ユーイチ「ホンマやで。ふとした時に足元ピュッと掬われそうになるわ」
リュウセイ「そりゃあ百戦錬磨、ベテランのダービージョッキーですもん。いつだって怖い存在ですよ」
リュージ「…ん？？？」
ユーイチ「江田さんが…ダービージョッキー…？」
リュウセイ「え〜何ですかその反応。2014年のダービーをエキマエで逃げ切り勝ちしたじゃないですか」
リュージ＆ユーイチ「…は？？？」
リュウセイ「メイショウボーラー産駒にとってもオーナーさんにおっても初G�機△靴�もそれがサニーブライアン以来17年ぶりの逃げ切り…こうも記録尽くめだと間違えませんよ」
リュージ「なあユーイチ、2014年て確か…」ﾋｿﾋｿ
ユーイチ「ああ、俺の記憶が正しければ…」ﾋｿﾋｿ
？？？「――親父にとって2度目の、そして俺が目の前で見たダービー勝利です」
ユーイチ「なっ…！」
リュージ「お前は、タケシ！それにダイチまで」
タケシ「何だか嫌な予感がして来てみたら、こういうことだったんですね」
ダイチ「ごめん2人とも、こいつレイシフトとか空間移動への罪悪感薄れちゃったみたいで…好き勝手させちゃいけないと思ってついてきたはいいんだけど、止められなかった」
ユーイチ「ええんやで。身内に被害者が出たら、まあそうなるのもしゃーないわ」
タケシ「和田さん」
リュージ「ん？」
タケシ「ダイチさんから聞きました、いつも福永さんたちの起こす面倒事を解決なさってるって。今回僕とダイチさんも同行して構いませんか？ワンアンドオンリーのダービーは、俺にとっても大事な出来事なんです」
ユーイチ「タケシ…（熱い眼差し」
リュージ「よっしゃ分かった。ほな一緒に行くで。ボンド〜」
ユーイチ「コントレイル！」
タケシ「エフフォーリア！」
ダイチ「……えっ俺も！？マ、マイネルホウオウ〜」
ディープボンド「ぷぼ〜」
コントレイル「おっ今日は大所帯やないかい（CVユーイチ」
エフフォーリア「ﾀｹｼｵﾔﾂｸﾚ」
マイネルホウオウ「フェニックース！」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.2014 唯一無二奪冠行路 東京 栄光へ至る片道切符
A.D.1999 降臨世紀末覇王 〜消えない記憶、残らない記録〜
今リュージに改変耐性があるなら若リュージにもあったっていいじゃない。現代でリュージが積み重ねた経験が若リュージにも蓄積され、様々なスキルが今リュージに近づいたことで独自の特異点を生み出してしまった。三冠馬テイエムオペラオー…そういえば1スレ目でユーイチも三冠馬キングヘイロー作ってたなあ（遠い目）2022年
ユーイチ「ん？はぁ、これ見てみ？」
リュウセイ「なんですか？」
『三冠馬テイエムオペラオー グランドスラム達成！！』
リュウセイ「これは…」
ユーイチ「まああいつだろうな、人に色々言ってるくせに懲りずに二回目か…」
リュウセイ（苦笑い）
ユーイチ「まあ俺たちが修復せな」
リュウセイ「そうですね、和田さんを止めましょう」
リュージ「誰か呼んだか?」
「は？」「え？」
結界師「今起きてる特異点、これは俺達の不始末だ」
A.D.1999 降臨世紀末覇王 〜消えない記憶、残らない記録〜
？？？「この記憶、経験は…」
？？？「お前を俺のせいで負けさせはしない」
A.D.2017 唯我逃走廻戦 京都 命短シ一人旅セヨ乙女
クロコスミアのエリ女3連覇特異点の別の方バージョン。史実に従うべくジョッキーが3人揃わないとレイシフト条件が満たされない新システムが導入されるわリスグラシューwith結界師とモズカッチャンwithリュージが実現するわ割と新感覚要素が多め。リュージ「やかましい！たまには巻き込まれとけお前も」←ほんとにね？？2021年
リュージ「いやあ今年も結局オメガパフュームか。これで四連覇やからほんまに凄い馬やで」
リュウセイ「有終の美を飾って待望の種牡馬入りですね！スウェプトオーバーボードは産駒傾向がかなり多岐にわたってますし意外とダート以外から大物が出たりするかもしれません」
リュージ「しかし中央ではG1の連覇って二連覇が限界なのに不思議なもんやなあ。それこそダートとか現役長いのにおらんのよな」
リュウセイ「何言ってんすか和田さん！同一G1三連覇ならクロコスミアのエリ女三連覇があるじゃないですか！」
リュージ「は…？」
リュウセイ「不思議とエリザベス女王杯では無類の強さを誇る馬でしたよね。色々あって毎年騎手も変わってたから連覇の感覚薄いのかもしれませんけど、その口火を切ったのは和田さんなんだから忘れるなんてひどいですよ！」
リュージ「え、だって俺…は…？」
リュウセイ「え、もしかしてこれ……」
リュージ「うん……俺が記憶してるのは三年連続二着なんやけど、詳しく教えてくれるか？」
リュウセイ「詳しくって言っても…一年目は和田さんで勝ったんですけど二年目の時は和田さんが直前で落馬して乗り替わりになったんですよ。それで元の主戦だった岩田さんで勝ったことでまた岩田さんがしばらく乗ってたんですけど、次の年の春にはヴィクトリアマイルで岩田さんがレッツゴードンキを選んで、また乗り替わって」
リュージ「あれ、そっから戸崎が乗って怪我してエリ女では結局テン乗りやったのは同じか？」
リュウセイ「そうですそうです！三回目のエリ女は佑介さんが乗ってましたね」
リュージ「じゃあ勝ち負けが変わってる以外はそんな状況変わってないんやな」
リュージ「ちょっと状況がよくわからんけど行くかボンド」
ディープボンド「ぷぼ〜」
（……）
リュージ「ん？なんで飛べへんのや」
ディープボンド「ぷぼ〜？」
リュージ「こういう時に相談すべきは……」
ユーイチ「なんで俺に疑いの目向けてんねん！この特異点俺が思いつくと思うんか！」
リュージ「別に疑ってるわけやないけどな、特異点を作る人間はどういう心理で作るのかが気になるだけで」
結界師「じゃあ俺呼ぶ必要はなかったん違うん？ユーイチほど前科があるでも無し」
リュージ「ユタカさんにはレイシフトできない理由に何か心当たりはないかなと思って…」
結界師「そんなこと言われてもなあ…そもそも俺とディープボンドのパワーソースは別もんやし」
リュージ「なんかちょっとでもとっかかりになりそうなのとかないんですか…？」
結界師「ちょっとディープボンドの様子でも見てみるか」
リュージ「はい……おい帰ろうとすんなユーイチ」
ユーイチ「なんでやねん俺もう必要ないやろ！」
リュージ「お前みたいな人間が一緒にいることでわかることもあるかもしれんやろ。たまにはまっとうに働けや」
ユーイチ「いやこんなん俺の仕事ちゃうし……」
リュージ「俺の仕事でもないからな！？」
結界師「ほらほら馬の前でうるさくせんの……」
ディープボンド「ぷぼ〜」
ギュウウウゥゥゥン…………
リュージ・ユーイチ・結界師「「「！？」」」
リュージ「え、なんで！？何で今飛べた！？」
結界師「三連覇……なあ。もしかすると」
リュージ「もしかすると？」
結界師「適性を持つ人間が三人必要やったんかもしれんな」
リュージ「そんなこともあるんですか……」
結界師「まあまだ断定はできんけどな。よかったやんユーイチも役に立ってるで」
ユーイチ「巻き込まれ決定やんけ！お前やってくれたな！！」
リュージ「やかましい！たまには巻き込まれとけお前も」
A.D.2017 唯我逃走廻戦 京都 命短シ一人旅セヨ乙女
A.D.？？？？ 絶対支配領域福永 覚醒した特異点の王
あ、アイツとうとうやりやがった…！！聖杯によってこれまで作った34特異点が一気に同時再生された特異点。聖杯を手にしたことでユーイチストッパーが早くもお陀仏になってしまった。ユーイチストッパーよ、安らかに。2022年
「クソッ、なにやってもこのストッパー解除できへん！どうすればいいんや！」
真昼の栗東トレセンで一人の小柄な男がそう嘆く。男の名前はユーイチ。トップジョッキーとして活躍するこの男の目下の悩みはこのストッパーのことであった。
ユーイチは今まで好き勝手に暴れてきた。彼は30を超える特異点を作り出し、同期のジョッキー達を混乱の渦に巻き込んでいたのだ。それを見かねたユタカという結界師がもう彼が暴れないように、高性能のストッパーを彼に仕掛けたのだ。ユーイチが特異点を作り出そうとしたらすぐにそれを止める。ストッパーを解除しようとしたらユーイチのこれまでが消滅する……そんな厄介極まり無い代物であったのだ。
「諦めへんで……何度でも繰り返し続けて、いつかこれを解いてみせる……ってなんやこれ？」
ユーイチが見つけたのはまるで何千年も時間を重ねてきたかのような威厳を感じさせるような一つの金色の杯であった。ユーイチはそれを興味本位から拾い上げた。
「これ、どこかで見たことあんぞ？確か聖杯だったけな？確かなんでも願いが叶うやつ……」
ユーイチはそこまで言いかけると、口元を大きく歪めた。
「これがあれば、ストッパーも外せるし、とんでもない特異点も作れる……ならやることは一つやな。」
彼は聖杯を持ち上げ、自分の願いを実現させる。すると彼の体は光に包まれ……
「ッ！？嘘やろ！アイツ、とんでもないことをやりおった！」
やられた……ユタカは一人、そう嘆くしかなかった。彼の作ったストッパーは間違いなく完全であった。ユーイチには解けるはずがない。ユタカにはそんな風に楽観視していた。だがここに例外が発生した。突然現れた聖杯によってストッパーは呆気なく解除され、ユーイチは今までの特異点を遥かに超越したレベルの特異点を作り出そうとしていた。
「まずい、早くレイシフトせな！……展開！」
ユタカは一瞬でそう決断し、ユーイチが作り出そうとしている特異点へとレイシフトを始めたのだった。
「最近はユーイチストッパーのおかげで特異点ができる頻度も少し減った気がするなぁ……」
数多の特異点を修正してきた男、リュージは微かに笑いながらそう呟いた。ユーイチがキングヘイローへの後悔で暴れてから始まったこの特異点騒動にも慣れてきた彼は、ささやかな休暇を楽しんでいた。
「まさかこんなにユーイチストッパーが役立つなんて……ユタカさんには感謝せなアカンな。」
リュージがそんなことを言いながら歩いていると、突然彼の脳内に声が流れてくる。それはリュージにとって聞き馴染みのある声であった。
『リュージ！はやくボンドに乗ってレイシフトするんや！今、過去最大級の歴史改変が起こっとる！』
「！？なにが起きたんすか、ユタカさん！」
リュージはユタカの焦燥しきった声に驚いていた。彼がここまで焦るような態度を見せるのは初めてだったからだ。
『ユーイチが動き出した！なに考えてるんかわからんけど、アイツ、聖杯の力で今まで自分が作り出した特異点を全て再生させたんや！』
「……はぁ！！？？」
正直、またユーイチはやらかすだろうとリュージは思っていた。しかしここまでの規模の特異点を作り出すことまでは予測できていなかった。抑圧から解放された人間はこんなことをやらかすんやなと、リュージはそう思いながら、急いでディープボンドの元に駆けつけた。
「急ぐで、ボンド！ユーイチを止めるぞ！」
「ぶぼ〜！！！」
ギュウウウゥゥゥン…………
A.D.？？？？ 絶対支配領域福永 覚醒した特異点の王
「ボンド、俺たちの旅の全てをコイツにぶつけてやろうや！」
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