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最終更新： mitorizu_please mitorizu_please 2023年03月29日(水) 00:46:26履歴

幻覚特異点


その他幻覚など

謎のランサー・リンダリンダとマスターミライ
プラカード持ってるヤスナリが別スレでランサーみたいって言われてて変な声出た

・青い
・服装がピタッとしている
・長い棒状のものを持っている
・普段は気さくで面倒見がいい

うん、ランサーですね。

・つまりランサー・リンダリンダ(真名：ヤスナリ)と契約を結ぶミライくん……ってコト！！？
・ランサーに振り回されまくるし謝罪行脚もするハメになるけどランサーを慕うミライくん、アリ
　　ウェイバーみたいな格好いい令呪の切り方してほしい
・ランサーヤスナリならお手馬はロードカナロア……？龍繋がりで偃月刀持ってそうなイメージがある。それに最強スプリンターのうちの一頭だし(ランサーは敏捷が高いイメージがある)
リュージ、休むプボ。休め(切実)
・結界師消失異聞帯ハイライトのときに「リュージがお疲れで心配」ってプポくんのセリフ書いたけど、異聞帯攻略でお疲れどころじゃないですねこれね。出会いと別れが重すぎて普通に「主題歌：躍動」が似合っている……
　空想切除して戻ってきたどこかのタイミングで、リュージをお休みさせたいプボくんによる塔イベ再び事件がありそう
・前回のメンバーにプラスしてミユピー、ダイチ、コウヘイ辺りも当挑戦者側に居そう(こなみ)
　　多分プボくん側にスティルさんとタクトちゃんは居る(確信)

KGO内異聞帯の記録
・KGO世界の異聞帯のどこが問題かって、異聞帯の記録が残らないとこだと思うんだよな……。fgoなら異聞帯の記録もマテリアルとしてカルデアのに残って、ほかのサーヴァントたちも閲覧できるけど、リュージとプボくんは単身で異聞帯切除してるから、リュージが話さない限り周りの人達が異聞帯のことを知るすべが無いんじゃなかろうか…。現地の協力者も正史がカウンターとして呼んだサーヴァント扱いで本人ではないんだろうし…。
・結界師は何かを薄らと感知してるけど、当事者のリュージが口にしないから特に触れない……みたいな感じだと思う
・結界師消失異聞帯の記録は結界師が残してる気がするな　その他もなんだかんだ武一族が何とかしてるでしょ(適当)
・はぁ〜リュージが何度か異聞帯攻略した後、2部の魔術礼装になったぐだ達と再会してくれねぇかなぁ〜！(怖いもの見たさ)
・デイビッド・ブルーブック的な存在になってるリュージ……？

ユーガ阪神JF勝利！　〜セボンスターとサンデーを添えて〜
みんなー！新しいセボンスターユーガよー！

ユーイチカペラS勝利！　〜結界師のごとく増えろ〜
・しれっとユーイチが重賞勝ってるんですが
　なあ分裂できんか？？？
・実況で「重賞160勝目！」とか言われたなユーイチ……お前、本当に現役じゃなくなるんか…？
・カペラS勝った後ニッコニコだったなユーイチ　こりゃユーイチが増える特異点が既に3つあるのも頷ける(？)
・ユーイチ先生とユーイチ騎手とユーイチ調教師、ユタカナンバーズ、リュージ騎手とリュージ調教師、ikze騎手とikzeギャンブラー等々分裂する時空…
・おい最後

ユーガ洗脳という致命的なミス
・イケゾエ一世ってなんというか、「あー仲間になってくれたらいいなぁ、あわよくば四天王になれるような強いやつならいいよなぁ」って感じだから、洗脳、っていうの好きじゃなさそう（物で釣る、はやりそう）。
と考えて、ユーガのサンデー堕ち案件は、別の誰かの差し金とかになると、サンデー内でも内輪もめしそう（サンデーって、レース被り上等、そこで同じ勝負服でバチバチやり合ってるって話を聞いたので）。
特にイケゾエ一世の耳にその話入ったら、「は？何洗脳って？俺知らないんだけど？」って怒りそう。
・イケゾエ1世は洗脳好きじゃなさう　でもミユ=ピーって洗脳上手そう(最悪の偏見)だから、四天王が一人欠けたままのイケゾエ1世を案じたミユ=ピーの仕業とか？
・ユーガ洗脳は展開からして頭シルクなルメールの独断っぽいし、この辺でルメールがシルクのスパイってばれて四天王瓦解しそうな感じがする　どうにか決闘に持ち込むもののアーモンドアイとの性能差でボコボコにされるとか
・そこでイケゾエ一世による『グランアレグリア』ですよ。皆が「つ、強いっ」ってなったところに、かつてルメールが乗っていたグランアレグリアを駆るイケゾエ一世が、それを打ち破るという、少年漫画みたいな展開とか。
・今まで敵対していたイケゾエ一世とグランアレグリアがルメールとアーモンドアイと一騎討ちしてる時に、レジスタンスのみんなが声張り上げて応援して、無事撃破したい後歓声を上げるのが見たい
　　イケゾエ1世がレジスタンスのみんなの大歓声に振り返って、負傷して腫れ上がった顔で必死に笑顔を見せるところでカットアウト

　　　　　　　大歓声　　　　　　　
　　　Gran Alegria　　　

って黒い画面に白い文字でタイトルロールが入るの見てえ〜！

・サンデーキングダム編、イケゾエ一世とルメールの一騎打ちで終わりそうな雰囲気あるｗ　ルメールを打ち破ることでユーガの洗脳も解けるし、なんか知らんけどキャロット仮面にポ〇モンの拡張パックを国庫から勝手に出して大量買いしてたのがミユ＝ピーにバレてパロスペシャル食らって、なんか知らんけどキャロット仮面が元に戻って、最後はイケゾエ一世の「もう王様なんてこりごりだ〜！」で終わる感じ。

リュージ「結局こういう終わり方やねんなぁ」
宝塚トップスター仮面「いいんですよこういうので、めでたしめでたし」

次回へ続く。みたいな。

5Gことレジェンド・オブ・ファイブ
・ケイバ・ネオユニヴァースの5Gは「レジェンド・オブ・ファイブ」みたいな感じで呼ばれてるんじゃないかと言うのを今さっき受信した
・言わずと知れた改造人間「ユタカナンバーズ」の基になった「タケユタカ」（オリジン）
　　宝塚トップスター仮面とキャロット仮面の父、芸術的なソロマニューバで名を馳せた「ノリ・ポツン=ヨコヤマ」
　　スペース当て身でお馴染み、宇宙の「ヨットーリ」
　　宙域で迷子になった時、必ず大戦果を持ち帰ってくる「ロストベアー」
　　ヴァー・K・ダイトの父、ヒョーゴスラビア宙域の英雄「ナ・K・イジョーゴ」

どこまでも自由なノリ・ポツン=ヨコヤマ
・そういえばノリさんってサンデーに囚われてるって話だったけど、これサンデーが瓦解した後に探したけど見つからなかったってオチになりそうなイメージがある。隙を見つけてどこかに去っていったけど、なぜか息子たちの前には現れないみたいな（でも案外近くにいる）　そして宝塚トップスター仮面とキャロット仮面のお父さん捜索は続く。
・別スレで見た「サンデーに囚われるも抵抗も何もせずずっと大人しくしてるので逆に幹部から恐れられるノリさん」という概念がとても良かったな…息子が軍門に下っても苦戦していても普段の微笑みを崩さないまま監禁部屋で座っていそう
　　それで↑みたいに救出されてもその後のゴタゴタの隙に気付けば姿を消してる

サンデーキングダム編スピンオフ
サンデーキングダムの崩壊後、ノリ・ポツン=ヨコヤマの捜索のため協力し合うことになった旧サンデーキングダム構成員とレジスタンスの面々。彼らは二人一組でヨコヤマ兄弟のため捜索活動を続けていた。
ある日、リュージはミユ=ピーとペアで捜索にあたることになるのだが……。
「どうして君がその服を着ているんだ…！」
ミユ=ピーは普段の温和な物腰とは打って変わって感情をあらわに、リュージのユニフォー厶、水色に赤いクロスが爽やかなノースヒルズの勝負服を強く掴む。
―――これは、王を支え続けた忠臣が王に忠誠を誓った理由の話。
―――あるいは、少年と愛機の脆く儚い恋の話。

・エモすぎてエモンガになったわ……。若手勢が「何するんですか！」ってなりそうだけど、リュージにはぜひアイデアロール成功してもろて、「ええんよ、これは俺から説明せな」ってなってほしいし、事情知ってる勢は静かに見守っててほしい。

【定期】なぜユタカは分裂したのか
・ユタカさんほんとなんで分裂してるんですかね……昔なんかあってナンバーズになったんだろうな〜としか思いつかない
　自我というか記憶とかは共有してるんだろうか。でもそれだとレジスタンスにいる53号がサンデーに囚われてるナンバーズから情報取り放題だから制限あるのかな……
・大量のユタカの改造人間がいる理由。それはユタカ・オリジンがどっかの国のある秘密の研究室の中でずっと眠り続けており、その間にユタカの記憶とDNAがぶち込まれた改造人間が大量に作られたとかいうなんかそういう感じの。
　　だから改造人間たちは全員ユタカであるがユタカではなく、記憶もお互いに共有している。が、それぞれに多少なりとも個体差があるとかだといいなと。
・ナンバーズのことは知っててもどうして分裂したのか知ってる人は少なそうというか、特に若手は皆知らなさそう。ユタカものらりくらりと冗談言ったりしてかわしそうだし……尋ねられたコブラが「兄貴にああなってほしかった訳やない」とだけ言うのが浮かんだ
でもめちゃめちゃしょうもないギャグみたいな理由で分裂してても良いな……ネオユニ時空だし(？)

マテリアル：☆4 サンタプボリュージ（騎）
https://docs.google.com/document/d/16_ZHQK7EA7OWn7...
あの時はマテリアルもどきでしたが、最後のイベントクリアしなきゃいけないところ以外、マテリアル完成させました。ご査収ください。

概念受信：SSのいない特異点ないし異聞帯

A.D.2022『特異点之王』消失捜索　あなたが落としたのはこのユーイチですか？
結界師の親切()による「きれいなユーイチ」特異点。特異点のとの字もない無垢なジョッキーを見て寂しくなるのはなぜだろう。修正に向かうのはいつメンであるリュージとリュウセイ、福永塾の門下生セイナ、そして当たり前のように美浦から駆り出されたダイチであった。
2022年
リュージ「ほんまにユーイチには困ってもうたなぁ……とはいえ、来年二月で騎手引退、これからは調教師として頑張っていくんやし、まあ、大目に見てもええかなぁ……なんてゆうた傍からほいほい特異点作り出すからやっぱりあかんわな。あれは調教師になっても好き勝手に特異点作ったりすんねん」
リュウセイ「どうしたんですか和田さん？そんなぶつぶつ呟いて？」
リュージ「ああ、いやな、ユーイチが調教師になってもおとなしくなるんかなぁって」
リュウセイ「どうでしょうかね。調教師合格したから、今日誕生日だからって特異点量産してた愉快犯みたいな人ですから、調教師になったからって自重するようには思えないんですけど」
リュージ「だよなぁ」
セイナ「あ、あのっ」
リュウセイ「あ、セイナ。どうしたの？また見ただけで産駒当てまSHOWやる？」
リュージ「お前ら何してんねや」
セイナ「そ、それはやりたいんですけどそうじゃなくて、あの、皆さん福永さんと今日会いました？」
リュージ「いや、俺はまだやけど、リュウセイは？」
リュウセイ「僕もまだです。福永さんがどうかしたの？」
セイナ「なんか、いつもの福永さんと違うんです」
リュージ「いつものユーイチやない？どこら辺が？」
セイナ「その、なんと言っていいのか……その、福永さんなんですけど、でもどこか違うんです。私もその、もしかしたら私の勘違いかもしれないんですが、でも、どこか違うんです。だから、和田さんに判断してもらいたくて」
リュージ「よう分らんけど、分かった。ユーイチはどこにいる？」

ユーイチ「呼んだか？」

リュージ「うおっ！？お前いつの間に？」
ユーイチ「俺の名前が聞こえてきたからな、で？俺がどうしたって？」
リュージ「……」
リュウセイ「和田さん？」
リュージ「いや、お前が調教師になってもうたら寂しいなって話をしてたんや」
ユーイチ「ははっ、お前にしては素直やなぁ。けど、今度は調教師として戻ってくるんや、お前が俺の管理馬に乗って走るかもしらんのやから、もっと腕を磨けよ」
リュージ「言われんでも分かっとるわ、お前もええ馬作れよ」
ユーイチ「そのつもりや。まあ、しばらくは調教師としての技術を磨かんとなぁ……っと、呼ばれてたの忘れてたわ、またな」
リュージ「おう」
リュウセイ「見た感じだと福永さんなんだけど、確かになんか、いつもと違いますね」
セイナ「そうなんです、何が違うんです。でも何が違うのかわからなくて……」
リュージ「……」
リュウセイ「和田さん、何か気づきました？」
リュージ「そうやな、一番近いたとえが思いついた。あれは『きれいなジャ〇アン』だな」
リュウセイ・セイナ「「は？」」
リュージ「これはあれやな、ある意味特異点かもしらんけど……ユタカさん、なんかしたな？」

結界師『おー、よう気づいたな』

リュウセイ「の、脳内に直接ユタカさんの声が！？」
セイナ「すごい！どういう技術？」
リュージ「今香港おるからな。ユタカさん、何しましたあいつに？」
結界師『そうやなぁ、言うてしまえば今リュージがゆうた『きれいなジャイ〇ン』理論やな』
リュージ「……ってことは、本物の福永ユーイチは？」
結界師『さて、どこやろな』
リュウセイ「え？え？つ、つまりあのさっきいた福永さんは、僕たちの知ってるようで知らない福永さんってことなんですか？」
結界師『あいつから特異点関係が抜けたやつやから、あれもお前らの知ってる福永ユーイチなんやけどなぁ、あかんか？』
セイナ「そんな……」
リュージ「これまでのことを考えれば俺はほんまに今のままでもええと思う」
リュウセイ「それは、そうなんですけど」
リュージ「お前らはいやか？」
セイナ「確かに福永さんなんです。あの人も……でも、どこか違和感があるんです。私の知ってる福永さんじゃないように感じてしまうんです」
リュウセイ「僕も同じです。この違和感がある限り、僕は、あの福永さんは、やっぱり僕らの知ってる福永さんじゃないと感じてしまいます」
結界師『驚いた、若い二人がそう言うんやから、なんだかんだであのユーイチも慕われてるんやなぁ』
リュージ「あいつは学校の先生になりたかった男ですから、若手に教えたりするのも好きなんですよ。やから、若手に慕われてる。あんなんでも」
結界師『そんなんゆうてるお前も、なんか納得いってない感じがしとるけど？』
リュージ「まあ、俺はあいつとの付き合いが長いですから、さんざん特異点量産して迷惑かけられてお仕置きされとるのにめげずに悪知恵働かせて変な知恵つけてまた特異点作って……思い出したら腹立ってきたけど、でも……あれもまあ、あいつやから」
結界師『難儀な奴やなぁお前も。まあ、それやったらお前らで見つけてやってくれ―――お前らの『本物』の福永ユーイチを。俺は高みの見物させたもらうわ』

リュージ「というわけや、俺らで探してみるか？俺らの『福永ユーイチ』を」
リュウセイ・セイナ「「はい！」」

ディープボンド「ぷぼ〜」

ギュウウウゥゥゥン…………

A.D.2022『特異点之王』消失捜索　あなたが落としたのはこのユーイチですか？

？？？？「おいっ、見てないで助けろや！お前らの福永ユーイチくんが今ピンチやぞ！！」
リュージ「なぁ、ほんまにあいつでええんか？こっちのきれいなユーイチの方がええ気がしてきた」
ダイチ「俺もそう思うんやけど」←リュージの要請で捜索に協力しに来た人
？？？？「おいっ！！同期！！」

Keiba/Alternative Fiction
犯人(馬)はピクシーナイト。そんなピクシーナイト＆彼と高松宮記念を勝ったifから来た剣ユーイチとパスが繋がったユーガの協力を得て、ユーイチだらけの聖杯戦争が今、始まる――。各ユーイチ(何だ各ユーイチって)と契約するジョッキーの面々も個性豊かです。
「問おう、お前が俺のマスターか？…ってユーガやん。お前も魔術師やったっけ？」
「……これ和田さん案件ですよね？」
「何やっとんねんユーイチ！」

ある日突然ユーガとリュージの前に現れたシルクの勝負服を着たユーイチとピクシーナイトは、セイバーのサーヴァントであった。

「ほーん、今2022年なん？　過去に召喚されたんか。なんかよう分からんけどよろしゅうな、マスター」
「和田さん…」
「ユーガ、お前がセイバーのマスターや。巻き込まれてもうたからにはしゃあない、腹括り」

続々と増えていき、ジョッキーと契約を結んでいくユーイチ。

「老眼のせいなのかもしれないんだけどね、ジャスタウェイを連れたユーイチくんがジャスタウェイを投げているんだよ」
「ヨシトミさん…………非常に申し上げづらいのですが、現実です………」

「うわっ！　なんやこの変な模様」
「ランサー、槍と蹄でずっとナスカの地上絵を描いてます、困ります」

「弟から写真が送られてきたんだけど、これシャフリヤールと福永さん？」
「おいタケシが倒れたぞー！」

「福永さんとコントレイルくんが増えて、しかも片方ライダーって名乗って僕のことをマスターって呼んでで、え？」
「あかん普段からコントレイルがそこら辺におるせいでコーヘイが2倍混乱しとる」

「ユタカさんのところにはユーイチ来うへんかったんですね」
「いや、来たで？　エピファネイア連れとったからちょっと笑いかけたら大人しゅうなったわ」

セイバー、アーチャー、ランサー、アサシン、ライダー、バーサーカー。6つのクラスのユーイチは、それぞれ違う時代のユーイチであり、当時乗っていたお手馬を引き連れていた。

「大変だ兄貴！　保管庫の聖杯が一つなくなっている！」
「ってことは？」
「「「「「「「今なら聖杯が手に入る！？」」」」」」

そして各々の野望を叶えるため、6人のユーイチとお手馬による聖杯戦争が幕を上げる。

「6人のユーイチのなかに、一人仲間はずれがおる。……気付いとるんやろ、ユーガ」
「分かっています。それでも、あの光景が脳裏によみがって、あんな、あんなことされなければ……」

何かを隠しているユーガ。

「へー！　やるやん、未来の俺」
「せやろせやろ。ピクシーナイトと高松宮も勝って、これでキングヘイローに顔向けできるようになるわ」

未来を知らない5人の過去のユーイチたちと未来から来たと名乗るセイバーのユーイチ。

「あぁ、やっと分かったわ。これは俺が…俺自身がなんとかせな」
「行けるか？」
「任しといてください、ユタカさん。ユーガ、巻き込んで悪かったな」
「……すみません」

「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――！」

そして、最後の一騎、キャスターが召喚される。

「サーヴァント、キャスター。福永ユーイチ。一応魔術も使えるんやけど、本業は調教師やからそんな期待せんといてぇな」

Keiba/Alternative Fiction

「騎手よりもやりたいことが出来たんです」

別名ドキッ！ユーイチだらけの聖杯戦争です。

配役は前スレの案を参考にして
剣ピクシーナイト=ユーイチ(マスター：ユーガ)
弓ジャスタウェイ=ユーイチ(マスター：ヨシトミ)
槍ジオグリフ=ユーイチ(マスター：ルメール)
騎コントレイル=ユーイチ(マスター：コーヘイ)
殺シャフリヤール=ユーイチ(マスター：クリスチャン)
狂エピファネイア=ユーイチ(マスター：ユタカ)
術福永ユーイチ師(マスター：現代のユーイチ)
となっております。基本的に実在するどこかの時間軸のユーイチですが、剣ユーイチだけ「ピクシーナイトと高松宮記念を勝利したIf」です。
ピクシーナイトが聖杯を盗み出して特異点を作り、ピクシーナイトとパスが繋がったことでその心情を理解したユーガが協力者となっていました。

A.D.2014　光華恒星幻想 ウルトゥル・カデンス　そして君の背を離れ
「最強のスターホース」ハープスターを見続けていたかった人々の願いが束ねられた特異点。彼女との日々が騎手人生の楔になっているユーガは当然激怒。彼を案ずるリュージと共に、ユーガは彼の1等星と2度目の決別に向かうのだった。
ユーガさん、と呼び止める声に歩みを止める。振り向けば後輩が駆け寄ってきていた。

「どうした、リューセイ」
「すみませんっ、急ぎ、でっ」

一体どれほど急いてきたのか。ユーガの前で止まったリューセイは息を切らしかけ、肩を大きく上下させている。どうしたと再度問いかけながら背を軽く叩いてやると、若人は「ありがとうございます」とはにかんだ。
その顔をすぐに引き締め、

「ハープスターの戦績、仰っていただけますか」

そう言い出した表情は至極真剣だった。
ふざけているような質問だが、そうではない。奇妙な問いかけには覚えがある。特異点の３文字が頭に浮かんでユーガは眉間に皺を寄せた。
気分が良いものではない。

「11戦5勝。お前の認識と、違うか」

どうか合っていてくれとさえ思いながら答える。果たしてリューセイは小さく目を見開き、それから、いかにも大袈裟に息をついた。

「合って、ます。……良かった、安心しました。やっぱりユーガさんじゃなかった」

リュージさんが言ってた通りだ。
ほっとしたついでに溢された言葉には敢えて触れず、ユーガは後輩に続きを促す。

「改変されとるんやな」
「あ、はい。その、これを見てください」

　リューセイがスマホを差し出してくる。２人揃って覗き込んだ途端、ユーガは喉奥の唸り声をおさえつける羽目になった。

　2015ドバイシーマC　8着
　2015京都記念　１着
　2014ジャパンC　１着
　2014凱旋門賞　6着
　2014札幌記念　１着


──2014優駿牝馬　１着

「……………………どこの、どいつや」

押し殺した低音にリューセイがぎょっとして顔を上げる。すぐ隣の先輩の表情を見て、即座に目をそらした。
怖いとかそういう次元ではない。
させてはいけない怒り方をさせている。

「は、犯人はわからないんですけどとにかく１度確認したくてその相談したらリュージさんも『あいつはそういうことには聖杯使わへんと思うけどまあ可能性潰しとくんは大事やな』って仰ってたのでそれで僕」

圧なのか怒りなのか何かから逃れるように舌が動く。心なしか足元の震えるような寒さを覚えててしまう。ほとんどの言葉をユーガの方を見れないまま紡いでいたリューセイの肩に、鬼の手が置かれた。

「リューセイ」
「ヒッ、あっ、はい！」

反射で漏らした悲鳴へのお咎めはなかった。

「よう知らせてくれた」
「いえ！！お役に立てて良かったです！！！！」

体育会系さながらの返答をするリューセイをユーガが怪訝そうに見た。数秒後、ふっと彼のまとう空気が落ち着く。どうやら気づいてくれたらしい。
ちょっぴり安心したリューセイを労るように肩を撫でて、目を細めて。

「俺はちょっと出てくる」

そう告げたユーガの声が凍土のような硬い響ものだったものだから、リューセイはいよいよ直立不動になった。
ありがとうな、ともう一度囁いてユーガがその場を去ろうとする。そこでまさか１人で行くつもりかと我に返ったリューセイが慌てて呼び止めようとした時、もう１人の先輩がやってきた。

「まあ待ち、ユーガ」
「リュージさん！」
「……リュージさん」
　
弾んだ声と、どこか沈んだ声と。相反する響きに出迎えられたリュージは少し困ったように鼻の頭を掻いて笑う。

「修正に向かうんはええけど、ひとりはやめとき。俺とボンドが同行する」
「なんでですか。……出発点は恐らくオークスです。俺が行って乗り直せば済みます」

リューセイがユーガの横顔を見る。そこに表情はない。それが我が事のように苦しくなって、助けを求めるようにリュージを見た。
乗り直すと簡単には言うが、それはつまり、負け直すということだ。ほんの僅か、クビ差で届かなかった栄光。チャンスは生涯一度きりしかない、樫の女王の冠。それを目前で取り逃すことをもう１度やるということだ。やり直せるという誘惑を払いのけて、受け入れるということだ。
なんて表情と声色で、そんなことを言うんだろう。口には出せないが、そう思ってしまう。

「……まあ、そうなんやろうけどな」

ユーガを宥めるように穏やかに答えながら、リュージがリューセイに目配せする。安心し、とでも言うように柔らかな眼差しだった。

「向こうには当時のお前がおるやろ。どうするつもりや」
「当て身でも絞め落とすんでもどうとでもなります。……リュージさん、そんなことが理由じゃないんでしょう」

物騒な物言いをしながら、ユーガがリュージを見据える。本題を急かされたリュージは僅かに躊躇い、俯いて今度は頭を掻いた。

「あー…………つまり、やな。原因、に当たりはある。あるんやけど……あるから、お前ひとりで行かしたない」

慎重に言葉を選んでいるような調子だった。歯切れ悪く打ち明けたリュージが顔を上げてユーガと目を合わせる。

「俺の我が儘や思ってくれ。ひとりはアカン」
「なんですか、それは」

ユーガが納得していないことは明らかだった。心当たりがあると言われ、しかしそれを教えられないことも影響しているだろう。
だがリュージは引く様子がない。こうなってくると下手に口を挟んで良いとも思えず、リューセイはただただ２人の先輩を交互にうかがうしかなかった。
沈黙がどれほど横たわったか。
先にため息をついたのはユーガの方だった。

「……わかりました、よろしくお願いします」
「うん、悪いな」
「いえ。……よっぽどなんでしょう、リュージさんがそんなに言うなら」
「はは、なんや恥ずかしいな。そう言われると」

痛いほどの緊張感が嘘のようにリュージが笑い、ユーガが肩をすくめる。
良かったと胸を撫で下ろしたリューセイにユーガが声をかけた。

「びびらして悪かったなリューセイ」
「いえっ、そんな。すぐ行かれるんですか？」

　気をつけてくださいね、と案じれば２人の先輩がそれぞれらしく笑って頷く。

「こういうことは急いだ方がええしな。──ボンド！頼めるか？」

相も変わらずいつの間に来ていたのか。リュージの呼び掛けに応えるように、彼の傍らには青鹿毛が佇んでいた。

「プボ〜〜」
　
いつも通りの不思議な一鳴き。途端に、ディープボンド号と２人の騎手の姿が消える。
後に残ったリューセイはなんとなく手を振って送り出し、少しだけその場に留まった。

「……リュージさん、どうしてあんなに言い辛そうだったんだろう。心当たりがあるって……」

首を傾げながらやりとりを思い返す。

「…………ユーガさんホント怖かったな、あの人怒らせないようにしよ。いやそうじゃなくて。……あれ、原因、って言ってたな。犯人とかじゃないんだ。………………もしかして」

A.D.2014　光華恒星幻想 ウルトゥル・カデンス　そして君の背を離れ

「分かっとる。言いたいことは山程あるけど、それでもこれだって、無辜の祈りではあるんやろうな」
「……けど駄目や。全部そのまんまで、"ああやったから"俺が今こうなんだって、そう決めた。ようやっと思えるようになれたんや。だから────今度こそお別れしよう、ハープスター」

LostBelt No.■　賭博圧抑国家　日本　蹄声遥か遠く
昭和30年代頃の公営ギャンブル廃止運動で全ての公営ギャンブルが廃止になった異聞帯。競馬の消滅によりサラブレッドは希少種と化し、数多のジョッキーたちが別の人生を送っている。ある者は社会に適応し、またある者は…考えるだけで辛いな。こんなとこに単身放り込まれるリュージの心境を述べよ。
『えー、夜7時になりました。ラジオニュースをお伝えいたします。昨年6月の松戸競輪場での騒擾事件により加速した昨今の公営競技廃止論争に遂に終止符が打たれました。今日の国会にて公営競技禁止法が全会一致で可決されたのであります。これにより、国は今後10年以内の全国の競馬場、競輪場、競艇場、オートレース場の閉鎖を目標に掲げ…』

———
「お前ダイチか？何でサラリーマンみたいにスーツ着て」
「あの…どなたでしょうか？どうして初対面なのに俺の名前を……というかサラリーマンみたいも何も、サラリーマンですし」

「はあ⁉︎競馬どころか公営ギャンブル全部廃止やて⁉︎」
「何バカなこと言ってんだい馬連れた兄ちゃん、アンタが生まれた頃にゃあとっくに無くなってたろ」

「あん時の世間はギャンブルなんて碌でも無いもんさっさと無くなってしまえと思ってた訳です。それで生活してる人間やあそこ以外じゃ暮らしていけない人間のことを居ないもの扱いして」

「昔っから親父に言われてるんですよ。お父さんは競馬村の人に親代わりに育ててもらったから、お前も競馬に感謝しないといけないぞって。ハハハ、あんま大きい声じゃ言えませんけど」

「競馬が無くなったことで仕事を失った人や馬が何処へ行ったか……それが分からないほど子供じゃないでしょ、キミ」

「俺、本当ダメ人間やねん、仕事続かへんし生活力あらへんし。でも、もしも、こんな俺のことを受け入れてくれる人がおって、俺でも本気で打ち込める物があったら、何か違ったんかなって……」

「確かに競馬はギャンブルだよ。そこを否定するのは無理筋だ。だが金を賭けなくたって、美しい鬣を靡かせ、大地を力強く踏み締め、身体中の筋肉を躍動させて走る馬を見ているだけでも、それはそれは楽しかった」

LostBelt No.■
賭博圧抑国家　日本　蹄声遥か遠く　
分岐基点時代:A.D.1960

A.D.2022 未確認飛行物体襲来　名馬達を取り戻せ！
キャトられ写真を撮られたことのあるゴルシ、アルしゃん、スズカフェニックスが本当にキャトられてしまった特異点。スズカフェニックス産駒マイネルホウオウからのSOSを受けたダイチが、AERU仲間のチケゾー＆マサトと共に名馬奪還へ。ついに宇宙(非ネオユニ)が関与している…！
2022年　中山
ダイチ「う〜ん……惜しいレースは有ったけど、今週も勝てなかったなぁ……でも、リズムはそこまで悪くないし、来週こそはきっと……！」
ﾄﾞｯﾄﾞｯﾄﾞｯﾄﾞｯﾄﾞｯ
ダイチ「ん？なんだ……なんか、凄い勢いで何かが近付いてくる音が……」
マイネルホウオウ「フェニックース！！(涙目)」
ダイチ「え？ホウオウ！？おまっ……なんで、中やm」

ギュウウウゥゥゥン…………

ダイチ「……いや、ホウオウを見てなんとなく予想はしてたけど……だからってノータイムレイシフトはやめてくれ！心臓に悪いから！」
マイネルホウオウ「フェニック〜ス……」ｸﾞｽｸﾞｽ
？？？「それは仕方がない事だダイチ、親が誘拐されて心配しない子はおるまい」
ダイチ「そ、その声は……柴田さん、とウイニングチケット！？」
マサト「久しぶり。例の三冠馬達と戦う特異点以来だな」
ダイチ「はい、あの時はお世話になりました。……あの、それより誘拐って？」
マサト「うむ、単刀直入に言おう。スズカフェニックスが放牧中にUFOにキャトられた」
ダイチ「……は？」
マサト「他にもゴールドシップやアルナシームがUFOに連れ去られたと言う声が各所から聞こえてきている」
ダイチ「あー……ネットでそう言う風に見えるって話題になってた馬達がピンポイントに……」
マサト「恐らく特異点案件だと思ったのと、スズカフェニックスは……」
ダイチ「そっか、お前の父さんだもんな……連れ去られたって聞いたら、心配になるよな」
マイネルホウオウ「ダイチ、お父さんを助けるの手伝って！」
ウイニングチケット「ボクからもお願い！フェニックスくんは大事な友達なんだ！」
ダイチ「あぁ、もちろんだ！」
マサト「他にもキャトられた馬の関係馬が相棒を連れてレイシフトしてくるだろう。全員揃ったら三頭の奪還に出発するぞ！」

A.D.2022 未確認飛行物体襲来　名馬達を取り戻せ！　

KGOクリスマス2022　見習いサンタ勉強中！〜プレゼントには笑顔を添えて〜
人馬ともに参加するクリスマスイベントに向けてサンタクロース講習会が開講。講師陣はベテランサンタのク―ちゃんとエアジ、そして後者の主戦マサヨシという豪華さである。この構文を受け、マサヨシのサンタコス追い切りのソースまで見つかった。しゅごい。
リュージ「平日やのにトレセンに馬も人もぜんぜん居らんな…何かあったんか？」
リュウセイ「あ、おはようございます和田さん、まだこっちにいるなんて意外ですね。あんなに張り切ってたしもう現地入りしているもんかと」
リュージ「現地入り？」
リュウセイ「も〜すっとぼけないで下さいよ！これですこれ！」ﾁﾗｼﾍﾟﾗﾘﾝ
リュージ「は…？『サンタクロース講習会』…？」
リュウセイ「ちょうどクリスマスとレース開催日が被ってるんで、当日出走する人馬はサンタクロースとして観客の皆さんにプレゼントを配ることになったんです。そのためにサンタクロースの仕事を学ぶ会に参加しなくちゃいけなくて」
リュージ「あれ、この開催地の王蔵牧場ってまさか」
リュウセイ「さすが引退馬を追ってる和田さんですね！馬はここで繋養されているエアジハードから、人は蛯名さんからサンタクロースの仕事を体験しながら学ぶそうです。しかも特別講師としてベテランサンタのクーリンガーも来るらしいですよ！また相棒に会えて和田さんも嬉しいんじゃないですか？」

KGOクリスマス2022

見習いサンタ勉強中！〜プレゼントには笑顔を添えて〜

ケイバ・ネオユニヴァース　シーズン■■　episode3.5　サンデーに堕ちた男
やったー！ネオユニの追加シナリオだー！マイル教司祭の襲撃によりサンデーに下ったユーガの個人的脳内イメージが完全にターミネーター2のT-1000です。同期(とも)を救うべく奮戦するユースケはいい…もっと読みたくなります(自分で書け)
「っ、ユーガっ」

呻くように名を呼びながらなんとか立ち上がったユースケに、ユーガは振り向く。
目を覆う黒いゴーグルは無機質で、およそ感情を読み取れはしなかった。
周辺は焦土と化している。随分と派手に暴れたせいで、被害は甚大だった。
倒れている仲間たちの姿が見えたが、意識があるのは自分だけのようだ。と、今にも気を失いそうなほどの激痛に耐えながらも、なんとか奮い立たせてユースケは対峙する。

「まだ立ち上がるのか。そのまま倒れていた方が賢明だったろうに」
「お、俺はッ……あきらめない……絶対お前を取り戻す！！」

今のユースケを支えているのは、ただひとつ。
サンデーキングダムの魔の手に落ちた友を救う、その意志だけだった。
彼の知るユーガであるなら、今の自分を一番に憎むだろう。
己の正義もなく、ただサンデーに操られるだけの人形と化して仲間たちを攻撃している今のを自分を。
だから、彼を目覚めさせねば。
その一心で、ユースケは立ち上がる。
しかしユースケの前に立つかつての友だった男に、その思いが届くことはなかった。
冷たい無機質なゴーグルに覆われたそれは、ただ目の前で足掻く人間へ向けられただけった。
そこに『ユーガ』はいなかった。

「愚かなことだ」
「っ」
「その無駄な正義で何が出来る」

確かに、今の自分はただのでくの坊だ。この怪我では何も出来やしない。
抵抗できる余力もないのは分かっている。立っているだけでやっとの自分なのだから。
それでも、それでも―――。

友を、救いたいのだ。

「その意気やよし！」

身を固くして攻撃に耐えようとしたユウスケの頭上から、突如、誰かの声が降り注いだ。
次の瞬間、とすん、と自身の前方に何かが降り立つ音がした。

「よう頑張ったなユウスケ、あとは俺に任せておけ」
「……あ、あなたは……」

その姿には見覚えがあった。
顔を合わせたのは一度しかなかった。ユーガを介して知り合ったその人は、プリミティブ。ユニヴァースよりやって来たという人。
サンデーの勝負服とは対照的な、青いノーズヒルズの勝負服をまとった、その人は、

「リュージ、さん」
「おう！」
「何故、ここに」
「まあ、なんちゅうか、いろいろあってな。―――っと、話はあとや。宝塚仮面、ユースケをよろしくな！」
「あのっ、宝塚トップスター仮面って呼んでくださいよ〜」
「ええからええから……さて、と。ユーガ、お前には前に助けてもらった恩がある。が、それより前に、大事な友達を傷つけたらお前が一番自分を許さんやろがい！ってことで、お仕置きやで！」

ケイバ・ネオユニヴァース　シーズン■■
打破せよ！ サンデーキングダム　episode3.5　サンデーに堕ちた男

幕間の物語　サンデー四(三)天王招集
サンデー仮面加入の少し前。パイン離反以降3人体制が続いている四天王の4人目探しに頭を悩ますイケゾエ1世。これでもれっきとした悪の帝国なのである。そしてサラッと出てきた「出稼ぎ四天王リンダリンダ-G」というワードの強さと「らしさ」が半端なかった。
イケゾエ1世「よう集まってくれたなサンデー四天王。今日お前らを招集したのは他でもない、ここん所目立っとるレジスタンスをどうするかを話し合うためや」
トサキング「本題に移る前に陛下にひとつお聞きしたいことが……いつになったら四天王は4人に戻るんでしょうか？」

ユウイチデスク「あ、確かに。パインの奴が抜けてから、補充するするって言いつつ大分経ってますもんね」
ルメール司祭「信徒達もいつも言います。四天王はいつ4人に戻るんですか、と。以前のメンバーはどうです？また入ってもらう、駄目ですか？」
ユウイチデスク「アン=カツさんとかMr.ゲキドとかどうです？あとは昔ウチにいたリンダリンダ-Gさんとか呼び戻せそうですけど」

イケゾエ1世「あーそれは…えっと……アン=カツは観光協会の仕事が気に入ったぽくて…ゲキドは整備士資格取れたからってそっち行っちゃって…リンダリンダ-Gは出稼ぎでサンデーに来とっただけやったからあんまり興味ないらしくて…」
トサキング「ほんとに代打いないんですか？」
イケゾエ1世「おったらとっくに任命しとるわ！あー、誰かメチャクチャ強くてちゃんと俺の話聞いてくれる奴が生えてこんかなぁ」

その数日後、キャロット仮面を名乗る男がサンデーの軍門に下ったのは、また別の話。

幕間の物語　サンデー四(三)天王招集

ケイバ・ネオユニヴァース　シーズン■■　next……〔episode3.5　サンデーに堕ちた男〕
上のepisode3.5の少し前、からがらニガワから帰還したリュージ＆プボのメンテナンスタイム。彼らは遊撃隊のエースを奪還すべくチュー=キョー星団へ向かうのだった。ネオユニに落とし込まれたユーガとユーイチの史実関係が素敵…ところで「まだ分裂してへんかったユタカさん」って…何？
活動開始以来遊撃隊のエースで在り続けた男の陥落という報せは、相応の衝撃をもってレジスタンスの間を駆け巡った。
人と馬がネオユニヴァースで進化を続けて幾星霜、情報の伝播速度もまたかつての原始宇宙とは比較にならない。
キャロット仮面が去ってしまったとき以来の騒ぎだとリュージを気遣いながら教えてくれたのはセーナチャンだった。

「でもほんとに、リュージさんだけでも惑星ニガワから戻ってこられて良かったです。司祭は強敵ですから」

　これまで何度味方が破れてきたか、と静かに呟くセーナチャンの瞳が遠くを見る。まだ若いというのに彼女も随分と激戦を潜り抜けているのだと察するような空気があった。

「……みんなそう言ってくれるけど、宝塚仮面に任しときなんて大口叩いといてこれやで、俺」
「宝塚トップスター仮面、ですよ。律儀に訂正するんですからあの人。…………良いんです、本当に。帰ってきてくれてありがとうございます」

あなたはネオユニヴァースの人じゃないのに。
そう続けたセイナチャンが薄く笑う。何も返せず黙ってしまったリュージに困ったように眉を下げて、それから彼女は視線を前に向けた。

「ディープボンド号も、もうちょっとで修繕終わりますよ」
　
リュージも顔を前に向ける。
２人が立つ連絡通路の壁、強化ガラスの向こうには宇宙船ドックが広がっていた。リュージからすれば目眩のするような大きさのそのエリアでは、レジスタンスの面々の愛馬が出番を待っていたり、戦いの疲れを癒したりしている。
ニガワの戦いでリュージを無事に逃がすため奮戦してくれたディープボンドもまた、今はその列に混じっていた。

「ボンドに無理させてもうた。大丈夫やろか」
「安心してください。サンデーほどのものはありませんけど、うちだってスタッフは優秀揃いなんです。終わったら降りて声かけてあげてください」
「うん、そうするわ」

声をかけてねぎらって、艦首あたりの外装を撫でてやって。そうしてあのPUBO〜という鳴き声を耳にしたい。
ガラスの先をじっと見つめるリュージの横顔を見て、セーナチャンが殊更明るく声をかける。

「レジスタンス内の動揺も大丈夫ですよ。ユタカさんがみんなに声かけて回って落ち着かせてくれてますし。私たちだけじゃなくて、他勢力からも増援をもらえないかってずん子さんやU-1先生が動いてますから、きっと良い方向に向かいます」

私ももっともっと頑張りますから！と笑うレジスタンスの顔に、元の世界の後輩の顔が重なる。違う時空だと分かっていても、あんなに若い子が必死になっているのだと思ってしまうと、リュージの胸にはやはり何かが込み上げてきた。

「ありがとうな」

力を貸すと決めたのはけして軽口ではなかった。だが今改めて、その決意を新たにする。

「いえ、私たちこそ。早くサンデーキングダムを倒してリュージさんをプリミティブ・ユニヴァースに帰さないと。ケイバ、やるんでしょう？」
「ははっ、うん、せやな」
　
２人の間の空気が和らぐ。若い子に気ぃ遣わせたらアカンなぁと密かに内省しながら、リュージは話題を次に移した。

「そういえば、宝塚仮面は大丈夫なん？弟んとこ行けたんか、ちゃんと」
「えっと、ここにくるまえにホープ・リンダリンダJr.さんに聞いたんですけど、帰投されるそうです。ただ、キャロット仮面さんは未だ」
「そうか……落ち込んでるやろな、あいつ」
「そうですね……ユーガさんのことも知らせがいってるでしょうし」

またどんよりと空気が重たくなる。これは駄目だと焦ったリュージが次のボールを探そうと頭を悩ませ始めたとき、横から２人に声がかかった。

「戻りましたよ」
「宝塚仮面」
「宝塚トップスター仮面です」
「ほんまに訂正するやん」

リュージとのやりとりに若干不満そうな顔をする宝塚仮面にセイナチャンがひっそりと笑いを溢す。ごめんなさい、と律儀に謝りながら口元を覆う彼女に宝塚仮面がなんともいえぬ表情で頬を掻いた。

「まあ、今はいいや。セイナチャンありがとう、リュージさんのこと心配だったから君がついててくれてるって聞いて安心してたんだ」
「いえそんな。私べつに大したことはしてないんです」
「そんなことあらへんよ。助かったわ」

先輩２人に褒められてセイナチャンは照れくさそうに、けれどどこか誇らしげにはにかむ。それを微笑ましく思いながら、リュージと宝塚仮面は視線を合わせた。
無言のうちに互いの無事を労う。無念をなぐさめ合うのはやめにした。

「これから、どうするん？」
今後の作戦を尋ねてリュージが口火を切る。宝塚仮面がドックの方へ視線をやった。
１隻、新しい船が入っている。タイトルホルダー号だろう。見つめる瞳には愛情と表現しても差し支えない色が乗っていた。

「まずはユーガさんの情報を集めます。弟の時と同じです」
　
銀河の情報は早い。また１人レジスタンスがサンデーの軍門に下ったとなればすぐ噂になる。
ましてやそれが実力者であれば尚更、どこそこの星で反対勢力と戦っていただの、あそこの航路で船を見ただのと話が流れるものだ。人の口に戸は立てられぬとは原始宇宙のことわざだが、それはここでも同じことだった。

「あの人の行先を探って追いかけましょう。必ず連れ戻すんです」
「助けんとな。ユーガも……タケシも」
　
宝塚仮面が力強く頷く。今度こそ、今度こそという意思がそこにあった。

「僕、正式に任務として言い渡されたんです。キャロット仮面やユーガさんみたいに、サンデーキングダムに連れていかれてしまった人たちを助け出すことがこれからの僕の使命です」
「じゃあ宝塚仮面さん、これまで以上にあちこち飛び回るんですね」
「そうなるかな。ここになかなか帰れないこともあると思う。ホルダーのためにもできるだけ戻ってあげたいけど」

宝塚仮面の言葉に、セイナチャンが何かを思いついたような顔をする。

「じゃあタイトルホルダー号の馬具をもっと遠征向けにしてあげないといけませんよね？実は、U-1先生と次の大規模遠征作戦のための装備を準備してるところなんです。私ちょっと資料とってきます。確認してください」
「ありがとう、お願い」

頷いたセイナチャンが失礼しますと頭を下げて走り去っていく。
それを見送りながら、宝塚仮面が真剣な声でリュージに尋ねた。

「リュージさん、また僕に力を貸してくれませんか」
「当然やろ。俺が元の世界に戻るまで、なんべんだって助けたる」
　
意識して鷹揚に笑ってみせる。リュージの方に向き直った宝塚仮面が安堵したように息をついた。

「なんてお礼を言ったらいいか」
「気にせんでええねん。元はといえば最初に助けてもらったんは俺やしな。放っておけんやろ」

重ねた言葉に若者が小さく微笑む。照れたような、やはり申し訳なさそうな複雑な色合いの表情だった。リュージがその背を叩いてやると、宝塚仮面は大袈裟に痛がって、それで２人はようやく頭を空にして笑いあった。

セイナチャンが持ってきた資料をもとにタイトルホルダー号とディープボンド号の馬具を整えるのに３週間かかった。後になって知った話だが、その間にもユーガの友だというユースケが先頭に立って捜索を続けていたらしい。
装備についての話し合いでは、リュージはサラブレッドならともかく宇宙船(馬)の艤装などさっぱりだったので、大半を宝塚仮面やセイナチャン、それからU-1先生のオススメに頼った。
操縦性に関わることはアドバイスを貰いながら出来る限り自分で決めたが、正直にいうと対軍装備であるビームやら何やらのことは任せてしまった。大事なことであると分かっていても、戦いのことはどうしても気後れしてしまう。
プリミティブ・ユニヴァースからの客人であって自分達とは常識が違うと分かっているから、宝塚仮面たちがそうしたリュージの姿勢に何か言うことはなかった。
　ただ、ある回のミーティングの終わりに１度だけ、U-1先生がリュージを呼び止めたことがあった。

「ユーガのこと、頼む。可愛い後輩なんや。……あいつが立派なライダーになってくれたから、俺は安心して教壇に立つ夢に進めた。助けてやってくれ」
リュージの目をじっと見つめて静かに語る彼は真剣そのものだった。これまでの幾人もがそうだったように、元の世界の同期の面影が十分すぎるほどにあった。
だからリュージも真っ直ぐに「任しとき」と答えた。頼むと頭まで下げたこの宇宙の同期の信頼に応えたい、と思った。
そうして行動の日に備えていた中で、その時はまた突然にやってきた。
昼食を終えてボンドを会話しながら撫でてやっていたリュージのもとに、宝塚仮面が駆けつけたのだ。

「リュージさん！ユーガさんの情報を掴みました！」
「どこや！」
「チュー=キョー星団です！」
「また馴染みのある響きやなぁ！」

広いドック内でのやりとりは自然と大声になる。半ば叫び合いながら、２人はそれぞれの愛馬に乗り込んだ。

「飯の直後に堪忍な、ボンド！頼むで」
「任せるPUBO〜〜、今度もいっしょに頑張るPUBO」　
「仲良く走ろう、ホルダー。僕は君の声を聞くよ」
「行こうカズオ。今度はどこで勝てば良いの？」

ドック内では発艦のための準備が始まり、スタッフが忙しなく駆け回っている。ふと連絡橋を見上げたリュージは、セイナチャンとU-1先生がそれらを見守っていることに気づいた。

──行ってくる。
　声にださず誓う。今度は１人では帰らない、絶対に。

「既にユースケさん達が交戦距離間近に入っているそうです！恐らく僕たちが着く頃には開戦してしまいます、急ぎましょう！」

ユースケとユーガなら恐らくビームの撃ち合いではなく伝統的な宇宙船レースでの決着になるはずだが、サンデーの一員となった状態では分からない、と宝塚仮面は言う。
サンデー仮面が変わってしまったように、ユーガも精神が変貌してしまっているかもしれない。レースという神聖な決闘を選ばず力による征服を選んだら……と案じる彼の声は切羽詰まっていた。

「なら超特急で行って助けんとな」

リュージがわざと明るく告げる。それで、ハッとしたように宝塚仮面が息を飲む音が聞こえた。

「……そう、そうですね。助けましょう」
みんなで帰りましょうね、と宝塚仮面が笑う。リュージも笑って頷き、手綱を握り込んだ。
ハッチが開き、カウントダウンが始まる。

「よっし、いくで。──リュージ、ディープボンド号、出走！」
「宝塚トップスター仮面、タイトルホルダー号！出ます！！」


──あんな、リュージ。俺、夢があんねん。
──U-1先生の夢か。なんや、教え子のことか？
──当たり。……今の若い子らはな、宇宙船レースを知らん。戦いでやるやつのことちゃうで。あれはあれで神聖な決闘作法として定着したけどな、もっと前のシーズン……メジロがまだ隆盛しとったり、そうでなくともこんなにユニヴァースが動乱の群雄割拠しとらんかった頃にはな、純粋にレースをしてたんや。
──……それは、物騒な装備とっぱらってそれぞれの船で１着を競ってたってことか？
──そうや。俺も、まだ分裂してへんかったユタカさんも、ノリさんもユーガも、王様じゃないケンイチや、ミユ=ピーさん達だって、そこで競い合った。俺の過ごしてきた中でも素晴らしい日々やったと、心から思ってる。
　ノリさんとこの息子たちやリンダリンダJr.やセイナにも、ああいうレースをさせてやりたいんや。……今はまだ夢やけどな。


「──良い夢や。俺にも手伝わせてくれ。…………ユーイチ」

ケイバ・ネオユニヴァース　シーズン■■
打破せよ！サンデーキングダム
next……〔episode3.5　サンデーに堕ちた男〕

概念礼装「ある歌うたいの最終公演」
わーいナリブの人だ！異聞帯「賭博圧抑国家日本」のクリア遺え…記念概念礼装。天職に出会うことなく売れないストリートミュージシャンをしているケンイチとリュージの不思議な交流が描かれる。せめて最後は、世界を滅ぼす男の背中を押す歌を。
昔から、何をやっても続かなかった。
一人で生きることすらまともに出来なかった。
歌を歌うのだと飛び出して、だけど一向に芽は出ないまま、こんな年齢になっていた。
何か他に、自分にあった天職とでもいうものがあるのではないかと、そう夢を見ることにも疲れていた。
自分はどうしようもなくダメな人間なのだと、ずっとそう思っていた。

だけど、自分の歌に足を止めた男が、違うのだと言ってくれた。
男の世界では、自分は馬に乗っていて。
たくさんの馬を任せてもらえて。
大舞台でも勝つことができて。
そんな、とても腕のいい騎手というものなのだと、教えてくれた。

それが、どれだけ嬉しかったか。

自分を必要としてくれる人はいたのだ。
本気で打ち込めるものもあったのだ。
ダメ人間なんかでは、なかったのだ！

けれど男は、自分を励ましてくれた恩人は、世界を滅ぼしに来た侵略者だった。
漫画のような展開に笑ってしまう。
でも、別の世界の自分がしっかりと生きているとわかったから、全く構わなかった。

——行ってください。それで、そっちの世界の俺に、頑張れって、伝えてください。

——俺に教えてくれた、あんたの世界のために！行けや！たくさん勝ってる騎手なんやろ！負けんな！走れ！

そう叫んで、背中を押した。
馬に乗って走り去っていく男が見えなくなるまで、手を振った。
それからふと思い立って、ギターを掴んで、いつもの街角に向かった。

歌はきっと、自分にとっての天職じゃない。
だけど男も必死に戦っているのだから、どうせあと数時間で世界は終わるのだから。
自分も最後に思い切り、歌ってやろうと決めたのだ。

※※※

その街の、とある街角には、いつも歌を歌っている男がいた。
男の歌に耳を傾ける者は、ほとんどいない。
しかしその日は違っていた。

ギターが高らかに鳴り響く。
歌声が空気を震わせる。
一心不乱に歌う男に、行き交う人々の足が止まる。

誰かを応援しているようだった。
負けるなと鼓舞しているようだった。
走れと背中を叩いているようだった。

いつしか男の周りには、たくさんの観客が集まっていた。
そんなことを気にもせず、男は歌う。
日の光を浴びて黄金色に輝いている、使い込んだギターをかき鳴らしながら。
これで最後だと知りながら。
自分の全てを込めた芸術を、ただただ口から紡いでいった。

概念礼装「ある歌うたいの最終公演」

幕間　去り行く君へ麗しの花冠を
レイパパレ引退に寄す。21’大阪杯以降勝利をあげることができず、ラストランでユーガが乗ることなく競走生活を終えた彼女へ向けたユーガの僅かな悔い。存在価値のため走る競走馬とそれを1歩でも前へ導く騎手という関係性を再確認しました。
その情報が入ったとき、そうですか、とだけ言った。
クラブの規定などで年齢的に引退することは分かっていたが、こんな終わり方を誰も望んではいなかっただろう。
勝利を。
あの大阪杯以来の勝利を。
皆がそう望む。馬主、厩舎、関係各位。
もちろん自分も。

「右前肢のつなぎの腫れと痛み……か」

大事をとって引退するのは当然の判断であるし、彼女の血統を考えれば繁殖牝馬の道だろう。
母母父にはダービー馬のウイニングチケット、更に母母母父には天馬トウショウボーイというその血統ならば、次世代にその血を残していくのが彼女の次の舞台となる。
それは分かっている。
ただ、突然の別れのような気持ちになった。
もし無事に香港カップを走り終えたなら、次のレース、それも、ラストランとなるレースがあったかもしれないし、その鞍上が自分だったかもしれない。
かもしれない。という可能性の言葉はいつだって甘美だ。

「レイパパレ、引退やってな」

その声にはっとして顔を上げると、先輩が立っていた。

「そうみたいですね」
「そっか」

今までだって多くの馬に乗って、その馬を勝たせてあげられなかった悔いがある。もしこうしていれば、ああしていれば、なんてそれこそ何千回何万回思ったことだろう。
でも現実は変わらないのだ。あの時、あの瞬間の判断は、どんな理由であれ自分が行ったことだ。
未来の誰かがあれをミスであると指摘しても、そうであったとしても、あの瞬間の自分はたぶんそう判断したのだ。
この世界には、そんな『かもしれない』という願いを叶える聖杯というものがどこからか現れ、その願いを叶える代わりに過去を変え、本来あるべき道を外れて世界を変えてしまうというものがある。
誰もが望む『かもしれない』未来を創ることが可能なその聖杯を前にして、果たしてその魅力にあらがうことは出来るだろうか？
今の自分の手元に聖杯があったら、今考えたことを叶えてほしいと願わずにはいられないのではないか？

「彼女をもっと勝たせてあげたかった」
「そうやな」
「けど、それは誰もがそうなんですよね」
「そうや。18頭いたら18人の騎手も、その馬一頭一頭管理する調教師たちも、厩舎の人たちも、馬主たちも、応援するファンたちも。みんながそう思っとる。が、勝てるのは常に一頭だけ」
「はい」
「まあたまに同着なんてのもあるが、ほぼ一頭だけや。新馬戦から始まり、競馬の世界では一頭だけが勝利し、それ以外は負ける。それがずーっと繰り返されてる。そして俺たちは一頭でも多くの馬を勝たせるのが仕事や」
「はい」
「悔いは残る、どうしたって。過去を何度も振り返って、あれをしてたならこれをしてたなら、なんてシミュレーション死ぬほどやってる。でも、現実はいつだって変わらない。いや、変わったらあかんねん」

この先輩は数多くの特異点と呼ばれるものを修正している。誰かの願いによって作られた本来あり得ないはずの過去を、元の正しい過去へと変えてきた。
中にはその先輩の望んでいた過去もあっただろう。このままであって欲しいと、ほんの少しでも願った過去が。
それでも彼は修正した、本来あるべき未来のために。

「けど、分かるで。勝たせたかったなぁって気持ち。俺もそうやし、お前も、他の騎手のそう。勝たせるために乗って、勝たせられなかった。だから、勝たせたかったって思うのは、当たり前なんや」

勝ち一つでその競走馬の運命は変わる。
毎年多くの競走馬が生まれ、その中で競走馬になれなかった馬もいるし、競走馬になれても勝てないで去っていく馬もいる。
そういう馬が圧倒的に多い中で、なんとか懸命に走って自分の居場所を確保している彼らのためにも、ひとつでも勝利を。
それを胸に掲げて騎手は馬に乗るのだ。
命を懸けて。

幕間　去り行く君へ麗しの花冠を

「た、大変です和田さん！また産駒成績がおかしくなってる馬が！」
「あー、おん、分かった。今行くで。……ユーガ、ああはなるなよ絶対に」
「……はい」
51スレ目 - 中山プボスレまとめ@wiki 先頭へ
 

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