最終更新:ID:M799dR7pAQ 2024年02月04日(日) 11:04:55履歴
ネタバレ注意!
このセフィラの里に一人のよそ者が訪れていた。
訪問者の名はク・イエナ。熟達の鍛冶師であり、武器を打ち鉱石と対話することで世界を知ろうとしていた。
そんな彼とニムルが意気投合するのに時間はかからなかった。道は違えど世界の真理を求め者同士だったのだから。
「セフィロンの里の外側は地の底より“穢れ”が噴出している。触れたものは無論“穢れ”に侵され、堕罪者となるはずだ。本来“黒き障壁”を越えることはできない。だが……お前はどうやって“障壁”を越えてきた?」
しかしイエナは「わからない」としか答えられなかった。
ある日のこと。ワギナオとイエナの前で、ニムルは錬精術をもとにした“新しい術式”を披露する。
「俺たちが使う錬精術は、使役者の素質やその時の体調によっても効果に影響する……だが、この術式は錬精術を理論・体系化することによって効果を一定に保つことができる。それにこの術式は…“セフィロン”の力を借りずとも行使できる」
ニムルが友人たる二人に見せたのは、暴風のように荒れ狂う力。錬精術がおもちゃに見えるほどの圧倒的な力。人の手には余る恐ろしい力。
だからなのかワギナオは沈黙するしかなかった。一方のニムルは自慢げだった。
「いずれこの術式が完成すれば、セフィラの民ならずとも力を行使できる。――そして覆す。理も罪も、すべてを。俺はこの世界を創り変えてみせる」
「ニムル、俺 にもその術式は使えるようになるのか? 先ほど“セフィロンの力を借りずとも”と言っただろう」
「ああ、そうだ。この術式が完成すればセフィラの民ならずとも力を行使できる」
「まったく恐ろしいことを……大それたことを……やはりお前は変わり者だ」
あくる日のこと。平穏なセフィラの里の空に巨大な機械が浮かんでいた。
「船が空を飛んでいる!」
「新たな厄災か!?」
人々が恐れ身構える中、船は動きを止めた。
その中から梯子が降り、機械を身に付けた少年が現われた。
「やっと……やっと……見つけた……」
「おい、降りてきたぞ!」
「あの奇妙な見た目、里外れの鍛冶師の仲間か?」
ざわざわと騒ぎ立てる民の中をかき分け、戦士団の男たちが武器を手に少年へとにじり寄る。
「止まれ! それ以上動くと容赦しないぞ」
戦士たちは槍を向け警戒感を露わにする。
「待ってくれ! 俺の名はアドレイ。怠惰罪域 ;から来た!」
「一体なんの目的があって、このセフィラの地に来た!?」
「セフィラ……そうか、ここはセフィラというのか……! なんて美しい……。ついに見つけた、罪のない楽園を!」
はしゃぐアドレイの前へと次に現れたのは、顔立ちの整った金髪の男――ニムルだった。そして、少年へとこう諭す。
「――人の住むところに“罪”のないところなど、ない」
「アンタは!?」
「俺の名はニムル。この地に住まう者たち――――セフィラの民の次の長だ。歓迎しよう、障壁の向こうからの来訪者よ。お前の目的や、お前の住んでいた地の話を聞きたい。俺の家でもてなそう」
けれど長旅の疲れがあったのだろう。歓迎を受けたアドレイは家に着く前に倒れこんでしまった。
エンメルは二度目となる『神狼の儀』を迎える。
同時にニムルは若くしてセフィラの民の族長に就任する。
時系列と出来事 | 補足 |
---|---|
ニムルとエンメル:《錬金術》を創造する | ニムルは“威力の錬金術”を、エンメルは“慈愛の錬金術”を司った。 |
ニムルとエンメル:“バベルの塔”を建設 | バベルの塔:ノーザンブライド中心部、バベル遺跡がその朽ち果てた姿だと伝えられている(聖石の追憶10-3)。 |
・錬金術を用いた国家間の戦乱が開始 ・戦乱により人類が存亡の危機に立たされる ・七大国同盟が締結し錬金術が禁忌の術に | タガタメ7周年まででこの時代を扱ったエピソードは無い。 9年目に交際されたメインストーリー8章で断片的に触れられた。 |
時期:神革の10年前
出典:創る、この世界を(前編)、強欲なるは我が心(前編)、強欲なるは我が心(後編)
罪獣マンモンが理性を失い暴走する。
これを見たウロボロスは強欲の民を失敗作と見なし、裁きの光を放って罪域を壊滅させた。
出典:創る、この世界を(前編)、強欲なるは我が心(前編)、強欲なるは我が心(後編)
罪獣マンモンが理性を失い暴走する。
これを見たウロボロスは強欲の民を失敗作と見なし、裁きの光を放って罪域を壊滅させた。
エンメル、浄化の器の座に就く
時期:神革の3年前
出典:ある昔日からの手紙(ボイスドラマ)、創る、この世界を(前編)(1話)
時期は推定。
なお、ジューリアの描写は本編とボイスドラマで異なる描写がされている。
神革本編ではエンメルの発言によれば「ジューリアは子供の頃からニムルが好きだった」とある。
またジューリアは「ニムルに近づく為に器の盾(エンメルの護衛)になった」と描写されている。
対してボイスドラマでは違う描写がされている。
器の盾に着任したのはエウラリアの手引きであり、ニムルやエンメルと出会ったのは同時期だとされている。
出典:ある昔日からの手紙(ボイスドラマ)、創る、この世界を(前編)(1話)
時期は推定。
なお、ジューリアの描写は本編とボイスドラマで異なる描写がされている。
神革本編ではエンメルの発言によれば「ジューリアは子供の頃からニムルが好きだった」とある。
またジューリアは「ニムルに近づく為に器の盾(エンメルの護衛)になった」と描写されている。
対してボイスドラマでは違う描写がされている。
器の盾に着任したのはエウラリアの手引きであり、ニムルやエンメルと出会ったのは同時期だとされている。
1章前編:創る、この世界を(前編)
厄災は暴威であり、世界の脅威であった。ニムルとエンメルが育った地、暴食罪域<グラ・ベルト>。
それは自然の一部、そして、罪と呼ばれた。
ただ奪い、恐れるべき存在。“それ”を人々は当たり前と受け止めて生きて来た。
――――ただひとり、世界の理に疑問を抱いた男以外。
その男の名は、ニムル。
男は進む。与えられた世界ではなく、新たな世界を創る為に……。
このセフィラの里に一人のよそ者が訪れていた。
訪問者の名はク・イエナ。熟達の鍛冶師であり、武器を打ち鉱石と対話することで世界を知ろうとしていた。
そんな彼とニムルが意気投合するのに時間はかからなかった。道は違えど世界の真理を求め者同士だったのだから。
叩く、磨く、研ぎ澄ます。武器も人も、本質は同じだ。ニムルには疑問があった。
恐らく、そんなことを思っているのは、俺とあそこの目立つ男だけだろうが。
「新しいものを敬遠するのは人の性だ。だが創造は、異端の中にこそ生まれる」
…まあ、そういうことだ。
常に、磨かなければならない。鍛冶の道具も、鉱物も、人も。
(イエナの焦げたメモの切れ端)
「セフィロンの里の外側は地の底より“穢れ”が噴出している。触れたものは無論“穢れ”に侵され、堕罪者となるはずだ。本来“黒き障壁”を越えることはできない。だが……お前はどうやって“障壁”を越えてきた?」
しかしイエナは「わからない」としか答えられなかった。
ある日のこと。ワギナオとイエナの前で、ニムルは錬精術をもとにした“新しい術式”を披露する。
「俺たちが使う錬精術は、使役者の素質やその時の体調によっても効果に影響する……だが、この術式は錬精術を理論・体系化することによって効果を一定に保つことができる。それにこの術式は…“セフィロン”の力を借りずとも行使できる」
ニムルが友人たる二人に見せたのは、暴風のように荒れ狂う力。錬精術がおもちゃに見えるほどの圧倒的な力。人の手には余る恐ろしい力。
だからなのかワギナオは沈黙するしかなかった。一方のニムルは自慢げだった。
「いずれこの術式が完成すれば、セフィラの民ならずとも力を行使できる。――そして覆す。理も罪も、すべてを。俺はこの世界を創り変えてみせる」
「ニムル、
「ああ、そうだ。この術式が完成すればセフィラの民ならずとも力を行使できる」
「まったく恐ろしいことを……大それたことを……やはりお前は変わり者だ」
あくる日のこと。平穏なセフィラの里の空に巨大な機械が浮かんでいた。
「船が空を飛んでいる!」
「新たな厄災か!?」
人々が恐れ身構える中、船は動きを止めた。
その中から梯子が降り、機械を身に付けた少年が現われた。
「やっと……やっと……見つけた……」
「おい、降りてきたぞ!」
「あの奇妙な見た目、里外れの鍛冶師の仲間か?」
ざわざわと騒ぎ立てる民の中をかき分け、戦士団の男たちが武器を手に少年へとにじり寄る。
「止まれ! それ以上動くと容赦しないぞ」
戦士たちは槍を向け警戒感を露わにする。
「待ってくれ! 俺の名はアドレイ。
「一体なんの目的があって、このセフィラの地に来た!?」
「セフィラ……そうか、ここはセフィラというのか……! なんて美しい……。ついに見つけた、罪のない楽園を!」
はしゃぐアドレイの前へと次に現れたのは、顔立ちの整った金髪の男――ニムルだった。そして、少年へとこう諭す。
「――人の住むところに“罪”のないところなど、ない」
「アンタは!?」
「俺の名はニムル。この地に住まう者たち――――セフィラの民の次の長だ。歓迎しよう、障壁の向こうからの来訪者よ。お前の目的や、お前の住んでいた地の話を聞きたい。俺の家でもてなそう」
けれど長旅の疲れがあったのだろう。歓迎を受けたアドレイは家に着く前に倒れこんでしまった。
エンメルは二度目となる『神狼の儀』を迎える。
同時にニムルは若くしてセフィラの民の族長に就任する。
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