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bellydance_net 2011年10月17日(月) 16:08:37履歴
今では手に入りにくい作品の紹介で恐縮ですが、
里中先生が仕事にノッていたころの作品なので、絵がキレイです。
29歳の編集者、桜子の苦労物語です。
この作品が描かれたのが1991年ごろなので、
29歳というと、婚期を逃して焦ってくる年齢なのですね。
そんな年齢で中間管理職になり、職場で苦労したり
恋もなかなかうまくいかない、というストーリーです。
コメディタッチなので、主人公の苦労もさらりと読めます。
教養の深い里中先生の話なので、随所に雑学があふれていて、こっちも面白いです。
ちなみに、貴乃花親方と宮沢りえの破局会見なんかもさりげなく出ていて、
時代を感じます。あとこの当時はセンセーショナルだったエイズ問題とかも。
主人公桜子は、最後は会社を退職し自分の会社を立ち上げ、
ホモの青年と婚約しますが、これでめでたしめでたしなのかどうか、
わからない終わり方です。
登場人物
品川桜子/梅田不二子/渋谷/芝龍一郎/麻呂/六本木/天王寺/あゆみ(アニキ)
【目次】
心中天網島/女殺油地獄/鑓の権三重帷子/曾根崎心中
・心中天網島・曾根崎心中
「心中」といえば、里中先生のお好きなテーマ「本当の愛」がとっても書きやすい作品だと思います
「天網島」の原作は知らなかったのですが、話の内容は里中先生本人がいかにも考えそうな感じです
愛人(遊女)小春も、妻のおさんも、「本当の愛」について悩みに悩みぬきます
妻の方は、しっかりした親がいたおかげで不幸のどん底に転げ落ちずにすみましたが
愛人の方はついに、主人公の治兵衛と心中することになってしまいました
「曾根崎心中」は、タイトルは有名な作品ですね(日本史で習ったからかな?)
「天網島」よりはもう少し単純なストーリーの心中モノです
・女殺油地獄
すごいタイトルだと思っていましたが、要するに強盗殺人事件を題材にしたものです
立ち直ろうとしても立ち直れない若者の心の弱さを描いています
・鑓の権三重帷子
人妻の不倫をテーマにしたものです
里中先生は人妻の不倫をあまり描きません。
というのも、先生は「本当の愛」というのがお好きなので、
先生の作品に出てくる人妻は、夫のことを真剣に愛しているというタイプが圧倒的です
たまに出てくる不倫する人妻は、夫の方に落ち度があるというパターンが多いです
この作品では、夫に落ち度があるという感じではなく
運命のいたずらで、年下の若侍と駆け落ちする武家の奥様がヒロインです
ただ、このヒロイン、おさいは夫をちゃんと愛しているようでいながら、
自分自身が若侍、権三への関心を持っているような印象を受けました
人形浄瑠璃は一度も見たことがありませんが、
こうやって漫画にしてくれて、ストーリーを知ることによって、少しはお勉強になりましたね
ま、本当は実物を見に行くのが一番、教養になりますが。
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