「それではア、アルたん。そのまま上に乗ってくr――いや待て待て!飛び乗るな、ゆっくりだ」
 チッ気づきやがった。

 言葉の使い方に注意するようになったらしい。ベッドの上で寝転ぶ将軍に言われるまま将軍の上に腰を下ろすと、いきり立っているものの真上なので少しずらして下ろすことにする。
「はふぅぅっ」
 下着に擦れた瞬間変な声をあげるが、この際それは無視することにしよう。
男の腰の上で股を大きく広げて喜ぶ趣味は無いため、内股気味に座るものの……その様子を見て将軍はさらに興奮度が上がってしまったらしい。
このまま心筋梗塞にでもなればいいのに。



 靴しt……もといソックスは先ほど脱いでしまった、とは言え例え穿いていたとしても素足に直接するのは変わらなかっただろう。
両太ももの間で遠慮なく脈動するそれは期待に溢れ、ますます硬くなっていた。

 将軍の両手が自分の腕ごと両膝を押さえたため、選択肢が与えられることなく次の行動が要求されたことを悟る。
多分選択肢が表示されたとしても――



  ┏━━━━━━━┓
  ┃どうしますか?  ┃
  ┗━━━━━━━┛━━━━━━━━━━━┓
    ┃                 .            ┃
    ┃ ⇒1.素股           .          ┃
    ┃  2.素股           .           ┃
    ┃  3.素股           .           ┃
    ┃                 .            ┃
    ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛



 こんな感じに違いない。

 逆に考えるんだ、別に素股をしてしまってもいいじゃあないかと考えるんだ。
そうだ、ここで抜いてしまえばその先はしなくてもいいじゃないか。
そう思い至ると軽く内股に力を込めて体を上下に動かし始める。

「うほっ。ひゃうぅうん!――ひぁ……あはぁん♪」
 粘り気のある水音と将軍の嬌声が交じり合う。
字面だけだと興奮するかも知れないが、これオッサンの声だから。勘違いして興奮しないで欲しい。
いわゆる茶臼風味の素股という体勢のおかげで、そのだらしなく緩みきった表情まで見えてしまうのは正直勘弁してくれとか思わないでもない。



……
…………
………………

 結論から言おう。世の中を舐めていました、ごめんなさい。
4回目を過ぎた辺りから数えることを放棄したため、実際は何度出したのかは分からないが、頑張った結果は両足の内股から膝にかけてが白濁したゲル状の物質に汚されただけだった。
絶倫魔神恐るべし……賢者モードにスイッチする気配すら無い。

「ぁふぅ……アルたん。積極的ぃ〜」
 何かをやり切った感のある満足げな表情が何となくムカつき、とりあえず鼻の下を殴っておく。
別にやりたくてやったわけではないのだが自分の取った行動を省みてしまい、赤くなる。鏡を見たわけではないが、耳まで熱くなったから間違いないだろう。
屈辱だ……こんなことをしてしまったのも。もちろんそれによる将軍の言動についても。



「――ところでいつまで胸触ってんだ?」
 自己嫌悪に陥っている間に手を伸ばされたらしい。将軍のごつい手がささやかな主張をしている胸をなぞるように触っていた。
先ほどまでは主に悪戯的な意味合いだったせいか、それとも女性の手だったせいか、それとも触り方が違うのか……とりあえず何だか擦れる感じが痛い。
「いやこれパット無しでこの小さs……サイズなんだよね、何となく希少価値の希少価値たる所以を確認しておきtぶふぇら!」
「死ね!てめぇ今すぐに死ね!」
 将軍のムカつく顔に数発拳を叩き込んだが、続けて人差し指と薬指を立てた手は掴み止められた。
……チッ
「いや、危ないよね?目は痛いよね?治すのに時間かかるしさ」
 治るのかよ!
医術だか魔法だか分からないが、案外単細胞生物のような再生能力でも持っているのかも知れないが、将軍の体はちょっとやそっとでは生命活動を停止するようにはできていないらしい。次からもう少し加減を緩めることにしよう。

 指先を額に当て、ため息をつこうと思ったのだが、将軍は手を離してくれる気は無いようだ。
上目遣いで『はなして?(はぁと)』とかやれば放してくれるのかも知れないが、それは手を放されると同時に何か大事なものまで手放してしまいそうで躊躇される。

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