なんだか音がうるさいため、起きる。
 体の異変に気付いたのは一瞬。

「ボクの手がぁあぁぁぁあああぁぁぁぁぁ足ィがぁぁぁぁああぁぁぁああああぁあああ、
何じゃこの双球ゎわぁぁああああぁぁああああああぁぁぁ」
 叫ぶ。とにかく叫ぶ。明日が無いように叫ぶ。あるとは限らないけど叫ぶ。
「あ、起きたっす」
 呑気な声が聞こえる。
「!!?くぁwせdrftgyふじこ!!!???」
 とりあえず声にならない声を上げるが、目の前に居たのは目も覚めるような少女。
「ふじこって誰っすか、もしかして彼女っすか。
ひどいっす。漏れのほかに彼女が居るなんて裏切られた気分っす。もうふじこを殺して漏れも死ぬしか」
 少女は微妙な話をする。
 理解できたわけではなかったが。
「ボクはお前なんて知らないぞ!」
「漏れも初めて会うっす。初めまして。っていうか初めてではないけど初めまして」
「分けわかんないよ!というか分けわかんない!全然分からない!!」
 混乱した頭で何とか叫ぶ。
 もう何も分からない。
 何をして良いのか、自分で見つからない。
「かわいい声で泣いちゃって。とっても可愛いっす。お姉さんが抱きしめてあげたいっす。何も言わず漏れの腕に飛び込んできて欲しいっす」
「がああぁぁぁぁあああぁぁぁあぁああ!!」
 意味の全く通じない少女に対して。
 たまらなくなって叫んだ。叫ぶしかなかった。
「何でボクは女になっているんだよ!!!?」
 通じたのかどうか分からない。それでもボクは、叫ぶしかなかった。
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